骨を硬く充実させている骨塩(リン酸カルシウムなど)は加齢とともに減少していきます。その減少が過度に進んで、骨の中身がスカスカになり、骨折しやすくなった状態が骨粗しょう症です。骨粗しょう症についてくわしく解説します。

骨粗しょう症とはどんな病気?

私たちの体を支える骨は、体のほかの部分の細胞と同じように、常に新陳代謝をくり返し、生まれ変わっています。

その仕組みは、 破骨細胞 が、 コラーゲンとカルシウムを溶かす ことで古い骨が壊されます。これを 「骨吸収」 といいます。骨が壊れたあとは、 骨芽細胞が現れて新しい骨がつくられて いきます。これを 「骨形成」 といいます。骨吸収から骨形成までの一連のサイクルは 「骨リモデリング(骨代謝回転)」 と呼ばれ、 3〜4カ月 の時間がかかります。ここで、 老化、閉経、偏った食生活、運動不足 などの要因が加わると 骨リモデリングのバランスが崩れ 、骨吸収の作用が骨形成より強くなって骨密度が低下します。この結果が 骨粗しょう症 です。

骨粗しょう症は進行していく過程で 自覚症状が少ない のですが、転倒などちょっとしたことで 骨折する危険が高まり ます。骨折しやすいのは主に 背骨、脚のつけ根、手首 などの部位です。閉経後の55歳くらいから背骨の骨折(椎体骨折)が、75歳くらいから脚のつけ根の骨折(大腿骨近位部骨折)が多くなります。

背骨の骨折の場合、進行した骨粗しょう症では体の重みや重いものを持つ程度のことで椎体がつぶれるように骨折します。強い痛みを感じず骨折に気づかない人も多いのですが、 身長が低くなる、背中や腰が曲がる、背中や腰が痛む といった症状が現れます。脚のつけ根の骨折は寝たきりになり、QOL(生活の質)が低下する大きな原因になっています。

骨粗しょう症の症状とは?

通常、 骨量の低下のみでは症状が出現することはありません。 骨折に伴って疼痛や変形が出現します。

原発性骨粗しょう症では、股関節の骨折(大腿骨頸部骨折)、手首の骨折(撓骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ))、脊椎(せきつい)圧迫骨折が多く発症します。

一方、ステロイドによる二次性骨粗しょう症では脊椎椎体(ついたい)骨折が多く、関節リウマチによる二次性骨粗しょう症では、脊椎、四肢に限らずあらゆる部位に骨折がみられます。

脊椎椎体圧迫骨折では、後弯(こうわん)の進行や潰れた椎体により脊髄が圧迫され、後になってから 下肢の運動・知覚麻痺や排尿・排便障害 が現れることがあるので注意が必要です。また、骨折した脊椎が癒合(ゆごう)しないため(偽関節(ぎかんせつ))、頑固な腰背部痛が残ることもあります。

骨粗しょう症になりやすい人とは? 予防はできるの?

誰でも年とともに骨量が減って骨が弱くなりますが、その程度には個人差があります。次のような人は、骨粗しょう症になりやすいと言われています。

○背が低く骨格が小さい人
○やせている人
○家族に骨粗しょう症の人がいる人
○月経が不順な人

こうした体質や遺伝的なことが原因でも、あきらめることはありません。若いころから骨の貯金をためて予防し、次のような生活習慣を避け、普段から骨を強くする生活を心がけましょう。

○カルシウム不足→ほかの栄養素は十分でもカルシウムだけ不足している人が多いため、意識してとる
○ビタミンDやKの不足→カルシウムの吸収を高めるので積極的にとる
○運動不足→骨に圧力がかかると骨形成が促されるため、なるべく歩く、階段を使うなどして、普段の運動量を多く
○喫煙習慣→女性ホルモンの働きを弱めカルシウムの吸収率を下げるため禁煙を
○お酒をたくさん飲む→カルシウムの吸収率を下げるため適度の量を
○戸外での活動が少ない→ビタミンDは日光に当たることで効果が出るため、1日合計1時間は戸外で過ごす時間をもつ

また、先にも述べたように過剰なダイエットは大変問題です。栄養不足から血液中のカルシウム量が不足すると、補充のため骨から血液中にカルシウムが引き出されます。さらに、過剰なダイエットは女性ホルモンの分泌も減少させ、骨にとってダブルパンチに。骨貯金どころか骨量が減少して、骨粗しょう症に向かって一直線です。

更年期になったら骨の健康チェックを!

更年期の症状といえば、よく知られているのは頭がカーッと熱くなり顔から汗が吹き出るホットフラッシュや、動悸、イライラ感、皮膚の乾燥、性交痛などでしょう。これらは、卵巣機能が低下し女性ホルモンであるエストロゲンが減少して起こる症状です。

しかし、エストロゲン減少によって起こる体の変化は、実感できる症状ばかりではありません。むしろ、体の内部でひそかに起こる変化にこそ、対処の重要なものがあります。その代表が、 骨の量(骨密度)の減少 です。

ある調査では、閉経を迎えると、 骨量ははじめの1年間で約3%減り、10年間で20%も減ってしまいました。 骨粗しょう症の診断基準では、若い人の骨密度の平均値(YAM:Young Adult Mean)を100%として、20〜30%減少した状態を「骨量減少」、30%以上減少した状態を「骨粗しょう症」と診断します。

骨の健康状態は血液検査や尿検査でもわかります。 骨の成分がどれだけ溶け出しているかがチェックできるのです。それらの検査を 骨代謝マーカー といいます。閉経後はこの骨代謝マーカーは急速に増加しますが、これは骨が薄く脆くなっていっていることを物語ります。

閉経は、すべての女性に起こります。しかし、実際に骨粗しょう症になる女性と、ならない女性がいます。その差はどこからくるのかといえば、もともとの骨の強さや骨の蓄えがあるかどうかによります。

そのため、 更年期からの食事のとり方や運動量 など、ライフスタイルがとても重要です。 バランスのよい食事 を中心に、 カルシウムやビタミンD、ビタミンK などを十分とること、 毎日30分以上歩く など、適度な運動で骨に負荷をかけることも大切です。しっかり食べても、動かない生活では骨は強化されません。すでに閉経している人や月経不順の人、過去に ダイエットで月経が止まる経験 をしたことのある人、 ご両親が骨粗しょう症の人、小柄で骨の細い人、生活習慣病や嗜好品 も、骨粗しょう症と深い関係があります。

多くの自治体で、50歳以上の女性に対して住民検診の中で骨密度検査を行っています。こうした機会をうまく利用して、まずは自分の骨の状態を確認しましょう。

骨粗鬆症の詳細

 骨粗鬆症とは、骨量(こつりょう)(カルシウムなど骨全体に含まれるミネラルの量)の低下と、骨質の劣化によって、骨の脆弱性(ぜいじゃくせい)(傷つきやすいこと)が亢進し、骨折の危険率が増大した病気です。...
 骨量の減少と骨組織の微細構造の異常の結果、骨に脆弱性(ぜいじゃくせい)(もろくて弱くなること)が生じ、骨折が生じやすくなる疾患です。骨軟化症(こつなんかしょう)では全骨量(類骨(るいこつ)と石灰化し...

骨粗鬆症関連のニュース

骨粗鬆症関連リンク

goo検索で調べよう