狂犬病の詳細

 狂犬病ウイルスの体内への侵入により、一定のけいれんなどの重い症状を起こす致死性の疾患です。治療法はなく、発症後3〜5日で死亡します。  日本では1957年以降、狂犬病の感染はないため、通常では狂犬病...
 狂犬病は、その死亡率の高さと独特の症状のために、古くから恐れられていた代表的な人獣共通(じんじゅうきょうつう)感染症で、感染症法では4類感染症に指定されています。  狂犬病の病原体は狂犬病ウイルスで...

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狂犬病は、その死亡率の高さと独特の症状のために、古くから恐れられていた代表的な人獣共通(じんじゅうきょうつう)感染症で、感染症法では4類感染症に指定されています。 狂犬病について詳しく解説します。

狂犬病とはどんな病気?

狂犬病の病原体は 狂犬病ウイルス *で、狂犬病の動物の唾液中に高濃度で含まれています。このため、普通は狂犬病の動物に *咬まれて感染 しますが、 ひっかかれたり、傷のある皮膚をなめられたりしても感染 します。

狂犬病のコウモリがすんでいた洞窟に入っただけで感染した研究者もいます。この場合は、洞窟のなかでは狂犬病ウイルスを含んだコウモリの唾液がエアロゾル(空気中に浮遊する微小な粒子)になっていて、これを吸い込んだために感染したと考えられています。

また、狂犬病と診断できなかった患者さんから提供された角膜などの臓器移植を受けて、狂犬病を発病して死亡したケースも報告されています。

狂犬病に感染したらどうなるの?

潜伏期は通常20〜90日 ですが、1年以上たったのちに発症する例もあります。典型例では、はじめに 傷痕の痛み・かゆみ、頭痛、発熱があり、不安や興奮、呼吸困難感、食べ物を飲み込めない 、水を飲もうとするとのどの筋肉のけいれんが起こってつらいため水を避ける 恐水症状 が現れます。また、物音や光などの刺激によっても容易に けいれん が起こります。 発症後3〜5日で呼吸不全、昏睡状態となり死亡 します。

一方、麻痺が中心となる病型があり、このタイプは背部の痛みで発症し、咬まれた創の付近から麻痺が進行して呼吸や嚥下(えんげ)ができなくなり、延髄(えんずい)が侵されて呼吸停止となります。

狂犬病の疑いのある動物に咬まれたときの対処法

(1)局所の消毒
すぐに創を大量の 水道水と石鹸 でよく洗い、 アルコール または ポビドンヨード 液で消毒し、医師に相談してください。

(2)予防接種
(曝露後(ばくろご)接種:狂犬病の基礎免疫がない人が狂犬病ウイルスにさらされたあと、予防接種を受けること)

狂犬病の流行地域に生息する予防接種未施行の動物に創をなめられたり、引っかかれたり、咬まれたりした時は、すみやかに狂犬病ワクチンと抗狂犬病特異的ヒト免疫グロブリンを予防接種する必要があります。

a.狂犬病ワクチン (組織培養不活化狂犬病ワクチン)
5回法では0、3、7、14、30日めに狂犬病ワクチンを接種します。あるいは5回法に90日めの接種を加えた6回法を行います。以降、追加接種を2、3年ごとに行います。

b.抗狂犬病特異的ヒト免疫グロブリン (血清療法)
狂犬病ワクチン未接種の人が狂犬病が疑われる動物に接触した場合、あるいは顔面や手指を咬まれた場合に必要です。抗狂犬病特異的ヒト免疫グロブリンを、 咬まれたあと、3日以内に投与 します。

ただし、国内では未認可で販売されていないので、現状では国外で行うことになります。また、狂犬病の流行国であっても、抗狂犬病特異的ヒト免疫グロブリンは入手困難なことがあるので、 狂犬病の流行地域へ赴任する場合は、あらかじめ狂犬病ワクチンにより基礎免疫 をつくっておくことをすすめします。

狂犬病は日本では安心でも、海外へ行く前に注意したいこと

日本では1957年以降、狂犬病の感染はありません。ただ、2006年に フィリピンでイヌに咬まれた男性2名が、帰国後に狂犬病を発病 して亡くなりました。数時間の空路の旅で行くことができる アジア地域 の国々では、 狂犬病の発生が続いています 。次のような場合には予防が必要となります。

(1)狂犬病の流行地域に生息する予防接種を受けていない動物に咬まれた時や、(2)狂犬病の流行地域へ行き、野生の動物に接触する機会がある場合 です。

このような場合は狂犬病の基礎免疫をつくるための 予防接種 を受けることが大切です。渡航前に厚生労働省検疫所や医療機関を受診して、曝露前接種を行うことをすすめます。狂犬病の基礎免疫をつくるため、日本では3回接種(初回、4週間後、6〜12カ月後)を行っています(Forth for traveler’s health: http://www.forth.go.jp/)。曝露前接種を受けていても狂犬病が疑われる動物に接触した場合は、狂犬病ワクチンの2回の追加接種(最終接種後6カ月以上たっている場合は、5回以上の追加接種)が必要になります。