いびきは、睡眠中に呼吸に合わせて発生する異常音です。異常音には、鼻やのどの空間が狭いため空気が通過する際に起こる摩擦音と、口蓋垂(俗にいうのどちんこ)や咽頭の粘膜が振動して起こる振動音があります。

いびきと睡眠時無呼吸症候群の違いとは?

睡眠中にはのどの筋肉がゆるむため、 誰でもいびきをかくことがあります 。とくに飲酒後や疲労時には、普段いびきをかかない人でもいびきをかきやすくなります。こうした場合のいびきは、ベッドパートナーや同居者から騒音として問題にされることもありますが、病的な意味はほとんどありません。

一方、 大きないびきや呼吸のリズムが乱れる場合は病的 で、いびきの間に 呼吸が10秒以上止まる無呼吸が、7時間の睡眠中に30回以上起こる場合 を、 睡眠時無呼吸症候群 と呼びます。

睡眠時無呼吸症候群では、 朝の目覚めが悪い、昼間眠い、頭が重い、集中できない などの症状が現れます。さらに、睡眠中の呼吸機能の低下は、血液中の酸素の不足から 高血圧、不整脈、心不全 などを引き起こし、重症の場合は 突然死 の原因にもなります。

どうしていびきをかくの?いびきの8つの原因

そもそもいびきとは、どうして発生するのでしょう。
鼻の入り口から声を出す声帯までの間の、空気が通過していくルートを上気道といいます。このルートの中で睡眠中に発生する異常な騒音が、いびきです。上気道の狭い部分を空気が通過するときに空気抵抗があります。このために発生する「抵抗音」と、空気の通過によって粘膜が震えて出る「振動音」、この2つが騒音の正体とされています。

眠っているときは、のどの筋肉の緊張が緩んで上気道の一部が狭くなったり、振動しやすくなります。それをよりいっそう進めてしまう原因は、以下のように実にいろいろあります。

○肥満
のどに脂肪がつき、舌も厚くなって上気道が狭まります。標準体重であっても、皮下脂肪が比較的多く、首の周りに脂肪がついているとのどが狭くなります。
○アルコール
全身をリラックスさせる作用がありますが、就寝前に飲むと、上気道の筋肉がいっそう緩んで狭くなります。
○疲労
上気道の筋肉の緩みを進め、舌がのどのほうに落ち込みやすくなり、上気道が狭まります。
○口呼吸
鼻呼吸より上気道が狭くなります。鼻の病気やかぜなどで鼻が詰まりぎみだと、自分では気づかないうちに口呼吸になっていることがあります。また、疲労やストレスがたまっていると、普段より多くの酸素をとり込もうとして口呼吸になりやすいものです。
○あお向けで寝る
上向きの姿勢では舌がのどに落ち込みやすくなります。
○老化
のどの筋肉の緊張が緩んで、表面を覆う粘膜が振動しやすくなります。
○下あごが小さい
いわゆる「小顔」だと、舌がのどへ落ち込みやすくなります。
○薬の常用
精神安定薬や睡眠薬の常用は、のどの緊張を弱くします。

睡眠時無呼吸症候群と日中の眠気指数をチェックしよう!

表に睡眠時無呼吸症候群に関する質問項目をあげています。 質問項目Iのほとんどの項目で1または2を選んだ人で、質問IIの眠気点数が11点以上の人 は睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるので、医師に相談してください。
確定診断には、睡眠ポリグラフ検査が必要です。これは、寝ている時の脳波、呼吸運動、動脈血の酸素飽和度、体位、心電図などを記録解析するものです。
簡易的に、寝ている際の呼吸運動、酸素飽和度、睡眠体位、いびき音を記録できる装置で診断することもあります。ただし、この装置だけでは十分な診断ができないことがあるため、時期をみて専門施設でのポリグラフ検査が必要です。

睡眠時無呼吸症候群の診断と治療方法とは

睡眠時無呼吸症候群の診断の確定には、 睡眠ポリグラフ検査 が行われます。その検査項目は大きく分けて 「呼吸状態」と「睡眠状態」 の2つです。

◆呼吸状態を調べる
鼻と口の気流、気管音などの測定に加えて、体位センサーや胸部バンド、腹部バンドという帯状のセンサーをつけ、寝ているときの姿勢、胸やおなかの運動を調べ、呼吸状態を検査します。

◆睡眠状態を調べる
心電図や脳波、左右の眼球運動、下顎の筋肉の動きを測定する頤筋(おとがいきん)筋電図、下肢筋電図によって、眠りの深さや質を調べます。足の筋肉の動きを測定する下肢筋電図では、足の関節やひざの間などのムズムズした感覚で睡眠が妨げられる 「むずむず足症候群」や「周期性四肢運動障害」 の可能性を探ります。

CPAP(シーパップ)療法 は、 睡眠時に鼻マスク をつけ、装置から一定の圧力をかけた空気を送り気道を広げ、無呼吸を防ぐというものです。
「鼻マスクをつけてぐっすり眠れるのだろうか?」と不安を感じる人もいるようですが、ほとんどの患者さんは、最初こそ違和感がありますが、すぐに慣れます。
CPAPを使用すると、装着したその日から、睡眠時無呼吸症候群の症状が解消され安眠でき、スッキリした目覚めが得られます。

睡眠時無呼吸症候群の治療は 健康保険の対象 となりますが、適用になるのは AHI(無呼吸低呼吸指数)が20以上の患者さん で、月に一度以上の通院治療が必要です。機器は、医療機関でレンタルになるので購入する必要はありません。睡眠時無呼吸症候群と診断されたら、ぜひ治療を試みてください。

ガガガ……と大きないびきは、まわりが迷惑するばかりでなく、本人の健康状態に問題がある場合も。睡眠時無呼吸症候群の女性患者は「いびきをかくのがわかると恥ずかしい」と、受診をためらうケースもあるそうです。でも自分の健康を守るためですから、この際、無用な恥じらいは捨てて受診してください。健康への入り口となります。

睡眠時無呼吸症候群,睡眠時無呼吸,いびきの詳細

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