熱傷,やけどの詳細

 熱傷は、一生のうちに誰でもが一度は経験するといっても過言でないほど頻度の高い外傷のひとつで、熱で皮膚の組織が破壊されて、本来もっているべき防御機能が失われてしまった状態のことです。  熱傷の程度は、...
 熱傷(やけど)は高熱による皮膚の障害です。受傷部位に発赤(ほっせき)、水ぶくれ、痛みが現れます。熱傷の面積が広いと血圧低下、尿量の減少、頻脈(ひんみゃく)、感染症などの全身症状が現れます。
 酸、アルカリなどの刺激性の化学物質が皮膚に付着したために起こる皮膚障害で、他の熱傷よりは深いものになりやすい傾向があります。  一般的には、アルカリによるもののほうが酸によるものよりも深い部分にまで...

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熱傷の深度

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皮膚は体を保護するだけでなく、汗をかくなどの体温調節や代謝など、役割があります。皮膚の3分の1が失われると生きていけないと言われており、熱傷(やけど)が生命に及ぼす影響は大きいのです。火傷の程度は「深さ」と「面積」で判定されます。第1度〜第3度までランクがあり、表皮のみの火傷、真皮に達する火傷、皮下組織に達する火傷と分けられています。

【イラストで分かる】やけど(熱傷)の適切な応急処置と治療方法

熱傷を受けてしまった場合には、あわてて医療機関を受診する前に、 受傷後いかに早く適切な処置(応急処置)を行えるかどうか が、熱傷による傷を大きくしないために最も重要になります。
応急処置は、以下の点に留意しながら行うことが大切です。


(1)局所の冷却
熱傷は熱による組織の傷害です。そのため、まず 患部(局所)の冷却 を行うことが重要で、 疼痛の緩和、炎症の抑制、感染の防止 などに効果があります。原因や程度を問わず“熱い”と思ったら、まずすぐに冷やすことです。四肢では、水道水を直接、勢いよくかけるのではなく、受傷部の周辺から水を流すように、あるいは清潔な洗面器などに入れた水道水により冷やします。
顔面や体幹部では、清潔なタオルに水を含ませて冷やします。衣服を着ている場合には、無理に衣服を脱がさずに衣服の上から水をかけ、冷やすようにします。 冷やす時間は15〜30分を目安 にして、痛みが軽くなるまで冷やすのが理想的です。 患部を氷で直接冷やすのは、 患部を過度に冷やすことにより 凍傷 (とうしょう)をまねく可能性があるため好ましくありません。氷嚢やアイスノンなども、患部には直接触れないように清潔なタオルなどで包んで使います。
熱傷が広範囲に及ぶ場合は、冷却により低体温状態になる可能性があるため、冷却は行わないようにします。


(2)指輪・腕時計などの装身具の除去
熱傷の局所では血管からの体液の喪失が亢進し、 受傷後時間がたつとともにむくみが強まり ます。患部に着けている 指輪、腕時計 などの装身具は、むくみが強まってからでは除去が困難となるばかりではなく、患部の循環障害の原因にもなるため、 すみやかに取り去っておくべき です。


(3)局所の清潔保持、保護
患部を冷やしたあとは同部を清潔なタオルなどでおおい、すみやかに医療機関を受診するようにします。
民間療法で熱傷に効果があるとされている アロエ、野菜、味噌 などを患部へ直接に貼ったり塗ったりするのは、清潔保持の面からは好ましいことではありません。局所から侵入した細菌により生じる傷の感染は熱傷を深くする原因になり、破傷風菌(はしょうふうきん)が侵入した場合は時に致命的になるので注意が必要です。
さらに、ある種の消毒薬など 患部に色がついてしまうような物 を使うと、患部の状態がわかりにくくなり、診断の妨げになります。
また、患部に水疱(すいほう)(水ぶくれ)ができてきた場合には、 可能なかぎり水疱を温存 するよう患部の保護に努めるべきです。以前は水疱を除去することが一般的でしたが、近年になって 水疱液に皮膚再生の成分 が含まれていることがわかり、これを残して治療するようになってきました。


(4)その他
広範囲に熱傷を受けた場合 には、局所からの体液の喪失が著しくてショック状態に陥り、 早期死亡の原因 になります。ショックに陥るのを予防するためには、早期から大量の点滴が必要になるため、救急車などを利用してできるだけ早く熱傷専門医による治療などが可能な救命救急センターなどの医療機関を受診する必要があります。
近年は、人工皮膚や培養皮膚などの医療技術も進歩しているため、以前に比べて広範囲の熱傷の救命率は向上しています。


(5)応急処置のあとすみやかに受診を
熱傷は治っても肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)(ケロイドなど)を形成し、かゆみ、痛みの原因になったり、美容上の問題が生じる場合もあります。熱傷を受けた場合は、応急処置のあとにすみやかに医療機関を受診することが基本です。
自己管理が可能であると考えられる熱傷は、 深さはI度まで、広さは体表面積の1%(手のひらがおおむね体表面積の1%にあたる)未満 です。誤った自己判断が、熱傷による傷を悪化させてしまう最大の原因であることを、肝に銘じておくべきです。

やけど(熱傷)の症状の現れ方

強い痛みが初期症状ですが、深い熱傷では神経の障害のため痛みがない場合があります。熱傷の深さによって1度、2度、3度の熱傷に分けられています。


1度熱傷
最も軽いタイプで、表皮のみが障害を受けて、皮膚が赤くなってヒリヒリと痛みますが、 水疱(すいほう)(水ぶくれ)にはなりません 。通常は1週間以内に治ります。


2度熱傷
表皮の下の真皮に達する熱傷です。 強い痛みがあり、熱傷受傷後24時間以内に水疱 ができます。浅い2度熱傷は 2〜3週間程度で治り、跡形を残しません が、深い2度熱傷は治るまでに3週間以上かかり、痕形を残します。


3度熱傷
皮膚は壊死(えし)を起こして神経も変性するため、むしろ 痛みを感じません皮膚表面は白くなり、あるいは黒く硬い焼痂 (しょうか)(焼けこげて黒くなった状態)でおおわれていることもあります。壊死を起こした皮膚はやがて脱落しますが、その後は深い潰瘍となります。
熱傷を起こした部分に感染を起こすと、傷は深くなり、治りにくくなるとともに痕形も残りやすくなります。
広範囲の熱傷では、循環血液量の減少に伴って尿量の減少や頻脈がみられることがあります。 受傷面積が10%以上あればショック (血圧低下を来す)を起こす可能性があり、 小児では5% でもそのおそれがあります。
深い熱傷が治ったあとは、隆起した肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)(ケロイド様の痕形)となりますが、関節部では拘縮(こうしゅく)(硬くなってひきつれること)を起こして、伸展・屈曲の際に可動制限が生じることがあります。

化学物質による化学熱傷の適切な応急処置と治療方法

化学熱傷とはどんな病気か

酸、アルカリなどの刺激性の化学物質 が皮膚に付着したために起こる皮膚障害で、他の 熱傷 よりは深いものになりやすい傾向があります。

一般的には、 アルカリによるもののほうが酸によるものよりも深い部分 にまで症状が出やすいようです。

化学熱傷の症状の現れ方

化学物質によって受傷部の色調は異なり、 硫酸は褐色、塩酸や硝酸は黄色 を示します。 強酸では深い ものとなりやすく、広範囲に強酸による受傷がある場合は、 腎臓や肝臓の機能障害が現れる場合 があります。アルカリによるものでは、蛋白融解(ゆうかい)作用によって受傷部は白色から褐色となって軟らかくなります。

灯油がついた衣服を着ていて起こる 灯油皮膚炎 では、通常は発赤、小水疱(しょうすいほう)、びらんなどの浅い
熱傷 の症状になります。

化学熱傷の検査・治療方法

熱傷 に準じた検査を行います。

基本的には
熱傷 の治療と同じですが、化学熱傷では深いものとなりやすく、 壊死組織の除去や皮膚移植が必要 となりやすい傾向があります。

応急処置はどうする

化学物質が手につかないように気をつけながら、ただちに 布類でやさしくふき取ってから、大量の水で洗い流すことが大切 です。ただし、 生石灰の場合は、水と反応して熱を出すので注意が必要 です。

中和を考えて、薬剤をさがすような時間をかける必要はありません 。また、中和剤によってかえって受傷する場合もあります。