アービタックス注射液の効能・用量・副作用など

アービタックス注射液の特徴

本剤は,ベバシズマブベバシズマブ(遺伝子組み換え)と同様に,大腸がんを対象にしたモノクローナル抗体です。モノクローナル抗体とは,特定の物質だけに結合する人工的につくった抗体のことです。ベバシズマブがVEGF(血管内皮増殖因子)の作用を阻害して腫瘍組織の血管新生を抑えるのに対し,本剤はがん細胞が増殖するために必要なシグナルを受け取るEGFR(上皮成長因子受容体)と呼ばれるタンパク質と結合することでシグナル伝達を遮断し,がん細胞の増殖を防ぎます。

処方薬/市販薬 (OTC) 処方薬
分類 分子標的治療薬 > セツキシマブ(遺伝子組み換え) > セツキシマブ(遺伝子組み換え)
形状 注射用剤 
同じ分類の薬 アドセトリス点滴静注用   アバスチン点滴静注用   アーゼラ点滴静注液   エムプリシティ点滴静注用   オプジーボ点滴静注  

アービタックス注射液 メーカー別薬価など

会社 メルクセローノ
保険薬価 注射用剤100mg20mL 1瓶 36,920.00円
ジェネ
リック
識別
コード
薬の包装材や本体に数字・記号で記載


アービタックス注射液の効能・効果

EGFR陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん/頭頸部がん

アービタックス注射液の使用上の注意と副作用

警告

①本剤の使用にあたっては,緊急時に十分対応できる医療施設で,がん化学療法の治療に十分な知識・経験をもつ医師に,本剤の有効性・危険性を十分に聞き・たずね,同意してから受けなければなりません。
②重度のInfusion reaction(注入反応,点滴反応)が発現し,死亡に至る例が報告されています。症状としては,気管支けいれん,じん麻疹,低血圧,意識消失,ショックが現れ,心筋梗塞,心停止も報告されています。これらの症状は,本剤の初回投与中または投与終了後1時間以内に観察されていますが,投与数時間後または2回目以降の投与でも現れることがあるので,十分に注意して治療を受けなければなりません。

基本的注意

(1)使用してはいけない場合……本剤の成分に対する重いアレルギーの前歴
(2)慎重に使用すべき場合……間質性肺疾患の前歴/心疾患またはその前歴
(3)心肺停止・突然死……本剤と放射線療法を併用した頭頸部扁平上皮がん患者に対する海外の臨床試験で,心肺停止・突然死が報告されています。冠動脈疾患,うっ血性心不全,不整脈などの前歴のある人は,十分に注意して治療を受ける必要があります。
(4)避妊……妊娠する可能性のある女性は,本剤の使用中は避妊してください。サルによる実験で,流産および胎児死亡の発現頻度の上昇がみられています。
(5)伝達性海綿状脳症(プリオン病)……本剤は製造工程においてウシ血清由来のリポたん白質を使用しているため,伝達性海綿脳症の潜在的伝播の危険性があります。現在のところ,本剤の使用によって伝達性海綿脳症が人に伝播したという報告はありません。
(6)その他……
・妊婦での安全性:有益と判断されたときのみ使用。
・授乳婦での安全性:使用するときは授乳を中止。
・小児での安全性:未確立。「薬の知識」共通事項のみかた

副作用の注意
重大な副作用

①重いInfusion reactionとして気管支けいれん・じん麻疹・低血圧・意識消失,またはショックを症状としたアナフィラキシー様症状。②重い皮膚症状(主にざ瘡様皮疹,皮膚の乾燥・亀裂,続発する炎症性・感染性の症状:眼瞼炎,口唇炎,蜂巣炎,のう胞など)。③間質性肺疾患(せき,呼吸困難など)。④心不全。⑤重い下痢および脱水,腎不全。⑥血栓塞栓症(深部静脈血栓症,肺塞栓症など)。⑦重い感染症(肺炎,敗血症など)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他副作用

(1)おこることがある副作用……倦怠感,疲労,発熱,体重減少,粘膜の炎症,むくみ,悪寒,疼痛(皮膚・筋肉など),無力症/口内炎,食欲不振,悪心,嘔吐,便秘,腹痛,消化不良,歯槽出血,吐血/心筋梗塞/脱水/末梢神経障害,不眠症,頭痛/呼吸困難,鼻出血,喀血,せき/にきび,皮膚乾燥,発疹,爪囲炎,かゆみ,皮膚亀裂,脱毛症,皮膚反応,口唇炎,爪の障害,手足症候群,じん麻疹,皮膚障害,剥脱(はくだつ)性皮膚炎,毛髪障害,皮膚毒性,多毛症/結膜炎,角膜炎,眼瞼炎/放射線性皮膚炎,過敏症,卵巣のう胞破裂,遅発性放射線障害
(2)検査などでわかる副作用……PO₂低下/白血球減少症・増加症,好中球減少症・増加症,ヘモグロビン減少,血小板減少症,リンパ球減少症/低カルシウム血症,低アルブミン血症,低カリウム血症,低ナトリウム血症,低リン酸血症,総蛋白減少,アミラーゼ増加/ALT・AST・AL-P上昇,ビリルビン増加/尿蛋白,C-反応性蛋白増加,血尿,尿中ウロビリン陽性,尿中血陽性

他の薬剤使用時の注意

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。