リツキサン注の効能・用量・副作用など

リツキサン注の特徴

アメリカのアイデック社とジェネンテック社が,遺伝子組み換え技術を用いて作成したヒトモノクローナル抗体です。Bリンパ球表面に発現するCD20抗原に特異的に結合した後に効果を現します。

処方薬/市販薬 (OTC) 処方薬
分類 分子標的治療薬 > リツキシマブ(遺伝子組み換え) > リツキシマブ(遺伝子組み換え)
形状 注射用剤 
同じ分類の薬 アドセトリス点滴静注用   アバスチン点滴静注用   アーゼラ点滴静注液   アービタックス注射液   エムプリシティ点滴静注用  

リツキサン注 メーカー別薬価など

会社 中外製薬
全薬工業
保険薬価 注射用剤100mg10mL 1瓶 43,641.00円
注射用剤500mg50mL 1瓶 213,815.00円
ジェネ
リック
識別
コード
薬の包装材や本体に数字・記号で記載


リツキサン注の効能・効果

CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫/免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患/ヴェゲナ肉芽腫症,顕微鏡的多発血管炎/難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)/インジウム(¹¹¹In)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組み換え)注射液およびイットリウム(⁹⁰Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組み換え)注射液投与の前投与

リツキサン注の使用上の注意と副作用

警告

①本剤の投与開始後30分~2時間より現れるアナフィラキシー様症状,肺機能障害,心機能障害などの重い副作用による死亡例が報告されています。
②腫瘍量の急激な減少に伴う腫瘍崩壊症候群がおこり,本症候群に起因した急性腎不全による死亡例が報告されています。
③B型肝炎ウイルスキャリアの患者で,本剤の治療期間中または治療終了後に,劇症肝炎,肝炎の悪化,肝不全による死亡例が報告されています。
④皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群),中毒性表皮壊死融解症(TEN)などの皮膚粘膜症状が発生し,死亡例が報告されています。
⑤本剤の使用に際しては,緊急時に十分に措置できる医療施設で,造血器腫瘍,自己免疫疾患およびネフローゼ症候群の治療に十分な知識と経験を持つ医師に,本剤の有効性・危険性を十分に聞き・たずね,同意してから受けなければなりません。

基本的注意

(1)使用してはいけない場合……本剤の成分またはマウスタンパク質由来製品に対する重いアレルギーまたはアナフィラキシー反応の前歴
(2)慎重に使用すべき場合……感染症(敗血症,肺炎,ウイルス感染など)の合併/心機能障害またはその前歴/肺浸潤・肺機能障害またはその前歴/重い骨髄機能低下,腫瘍細胞の骨髄浸潤/降圧薬服用中/薬物過敏症の前歴/アレルギー素因のある人
(3)伝達性海綿状脳症(プリオン病)……本剤はウシの血清由来成分を含む生産培地を用いて製造し,ウシ成分を製造工程に使用しているため,伝達性海綿脳症の潜在的伝播の危険性があります。現在のところ,伝達性海綿脳症が人に移ったという報告はありません。
(4)検査……本剤を使用中は適宜,心機能検査(心エコーなど)を,特に上記の「慎重使用」の人は頻回に検査を受ける必要があります。
(5)Infusion reaction……注射や点滴を行った後,24時間以内に多く現れる症状などをInfusion reaction(注入反応,点滴反応)といいます。本剤では,発熱,悪寒,悪心,頭痛,疼痛,かゆみ,発疹,せき,虚脱感,血管浮腫などのInfusion reactionが約90%の人に現れています。
(6)その他……
・妊婦での安全性:未確立。原則として使用しない。有益と判断されたときのみ使用。
・授乳婦での安全性:未確立。使用するときは授乳を中止。
・小児での安全性:未確立。「薬の知識」共通事項のみかた

副作用の注意
重大な副作用

①低血圧,血管浮腫,低酸素血症,気管支けいれん,肺炎(間質性肺炎,アレルギー性肺炎などを含む),閉塞性細気管支炎,肺浸潤,急性呼吸促迫症候群,心筋梗塞,心室細動,心原性ショック。②腫瘍崩壊症候群。③肝機能障害,黄疸,B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎または肝炎の増悪。④皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群),中毒性表皮壊死融解症(TEN),天疱瘡(てんぽうそう)様症状,苔癬状皮膚炎,小水疱性皮膚炎。⑤汎血球減少,白血球減少,無顆粒球症,好中球減少,血小板減少。⑥細菌,真菌,ウイルスによる重い感染症(敗血症,肺炎など)。⑦進行性多巣性白質脳症(PML)。⑧間質性肺炎(発熱,呼吸困難,せきなど)。⑨心室性・心房性の不整脈,狭心症,心筋梗塞。⑩透析を必要とする腎機能障害。⑪消化管穿孔(せんこう)・閉塞。⑫血圧下降。⑬可逆性後白質脳症症候群(けいれん発作,頭痛,精神症状,視覚障害,高血圧など),脳神経障害(失明,難聴などの視聴覚障害,感覚障害,顔面神経麻痺など)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他副作用

(1)おこることがある副作用……アレルギー症状(発熱,悪寒,かゆみ,発疹,ほてり,血清病,じん麻疹,インフルエンザ様症状,関節痛,筋肉痛)/咽頭炎,せき,鼻出血,鼻炎,呼吸障害,喘鳴(ぜんめい),口腔咽頭不快感/頻脈,徐脈,心悸亢進,血管拡張,潮紅,末梢性虚血/悪心・嘔吐,口内乾燥,腹痛,下痢,口内炎,食欲不振,便秘,しぶり腹/頭痛,虚脱感,疼痛,むくみ,多汗,体重増加,倦怠感,胸痛,無力症/不眠症,めまい,異常感覚,しびれ/貧血/しゃっくり,筋れん縮,帯状疱疹,皮脂欠乏性湿疹,感染症,注射部位の疼痛・腫れ
(2)検査などでわかる副作用……血圧上昇,好酸球増多,フィブリン分解産物(FDP,Dダイマー)増加/BUN・クレアチニン上昇,電解質異常/AST・ALT・AL-P・LDH・総ビリルビン上昇/総タンパク・アルブミン減少,CRP上昇,尿酸値上昇

他の薬剤使用時の注意

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。

(1)本剤との併用で作用が弱まるおそれがある薬剤……不活化ワクチン
(2)併用に気をつけるべき薬剤……①生ワクチンまたは弱毒生ワクチン→本剤のBリンパ球傷害作用により,接種した生ワクチンの原病が発病するおそれがあります。②免疫抑制作用のある薬剤(免疫抑制薬,副腎皮質ホルモン薬など)→過度の免疫抑制作用により感染症(細菌,ウイルスなど)を誘発するおそれがあります。