塩酸バンコマイシンの効能・用量・副作用など

塩酸バンコマイシンの基本情報

バンコマイシンはMRSA感染症に対する特効薬として,主に院内感染時などに点滴用静脈注射薬として使用されています。しかし,近年,バンコマイシンに対する耐性菌が増加しており,問題となっています。内服薬としては,上部消化管の術後(主として胃がん)に発症したMRSA腸炎などに用いられます。

処方薬/市販薬 処方薬/ジェネリック
分類 腸内細菌用抗生物質>バンコマイシン>バンコマイシン塩酸塩
形状 散剤
製造販売会社 小林化工=MeijiSeika
保険薬価 散剤500mg 1瓶 1,513.30円
同じ分類の薬 先発薬: 塩酸バンコマイシン    ジェネリック薬: バンコマイシン塩酸塩 

塩酸バンコマイシンの効果・効能

MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)による感染性腸炎,クロストリジウム・ディフィシルによる感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)/骨髄移植時の消化管内殺菌

塩酸バンコマイシンの用法・用量

感染性腸炎:1回0.125~0.5gを1日4回。骨髄移植時の消化管内殺菌:1回0.5gを非吸収性の抗菌薬,抗真菌薬と併用して1日4~6回。

塩酸バンコマイシンの使用上の注意と副作用

警告

 近年,バンコマイシンに対する耐性菌が増加しており,現在,バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)感染症とバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)感染症が,感染症法の五類感染症に指定されています。本剤の服用にあたっては,感染症の治療に十分な知識と経験をもつ医師のもとで指導を受け,耐性菌の発現を防がなければなりません。

基本的注意

*バンコマイシン塩酸塩(塩酸バンコマイシン)の添付文書による

(1)服用してはいけない場合……本剤の成分によるショックの前歴
(2)慎重に服用すべき場合……本剤の成分,またはペプチド系・アミノグリコシド系抗生物質に対するアレルギーの前歴/ペプチド系・アミノグリコシド系抗生物質による難聴,またはその他の難聴がある人/腎障害/高齢者
(3)耐性菌発現の防止……「警告」にもあるように本剤に対する耐性菌が増加しています。感染性腸炎で服用したあと7~10日以内に下痢,腹痛,発熱などの症状改善の兆候がまったくみられないときは,すぐに処方医に連絡してください。服用が中止になります。
(4)その他……
・妊婦での安全性:未確立。有益と判断されたときのみ服用。
・授乳婦での安全性:原則として服用しない。やむを得ず服用するときは授乳を中止。「薬の知識」共通事項のみかた

副作用の注意
重大な副作用

(1)ショック。(2)注射薬で,アナフィラキシー様症状,急性腎不全,間質性腎炎,汎血球減少,無顆粒球症,血小板減少,皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群),中毒性表皮壊死融解症(TEN),剥脱(はくだつ)性皮膚炎,第8脳神経障害,偽膜性大腸炎,肝機能障害,黄疸。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

塩酸バンコマイシン - PC

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