イリノテカン塩酸塩点滴静注液の効能・用量・副作用など

イリノテカン塩酸塩点滴静注液の基本情報

DNAトポイソメラーゼは,DNAの複製,転写,組み換えなどのあらゆるDNA代謝に関わる重要な酵素です。イリノテカン塩酸塩はトポイソメラーゼの働きを阻害することにより,がん細胞の代謝に拮抗します。イリノテカン塩酸塩注,ノギテカン塩酸塩注,エトポシド注・内服などは代謝拮抗薬に分類されますが,トポイソメラーゼ阻害薬という分類をつくることもあります。

処方薬/市販薬 処方薬/ジェネリック
分類 代謝拮抗薬>イリノテカン塩酸塩>イリノテカン塩酸塩
形状 注射用剤
製造販売会社 沢井
保険薬価 注射用剤40mg2mL 1瓶 3,499.00円
注射用剤100mg5mL 1瓶 7,848.00円
同じ分類の薬 先発薬: カンプト点滴静注  トポテシン点滴静注    ジェネリック薬: イリノテカン塩酸塩点滴静注液 

イリノテカン塩酸塩点滴静注液の効果・効能

小細胞肺がん,非小細胞肺がん,子宮頸がん,卵巣がん,胃がん・結腸がん・直腸がん・乳がん(手術不能または再発),有棘(ゆうきょく)細胞がん,悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫),小児悪性固形腫瘍

イリノテカン塩酸塩点滴静注液の使用上の注意と副作用

警告

(1)本剤の臨床試験で骨髄機能抑制あるいは下痢に起因したと考えられる死亡例があります。本剤は緊急時に十分に措置できる医療施設で,がん化学療法に十分な経験を持つ医師に有効性・危険性を十分に聞き・たずね,同意してから受けなければなりません。
(2)本剤を含む小児悪性固形腫瘍に対するがん化学療法は,小児のがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで受けなければなりません。

基本的注意

*イリノテカン塩酸塩(トポテシン点滴静注)の添付文書による

(1)使用してはいけない場合……骨髄機能抑制/感染症の合併/下痢(水様便)のある人/腸管麻痺・腸閉塞/間質性肺炎,肺線維症/多量の腹水・胸水のある人/黄疸/アタザナビル硫酸塩の使用中/本剤の成分に対するアレルギーの前歴
(2)慎重に使用すべき場合……肝機能障害/腎機能障害/糖尿病/著しい全身衰弱/高齢者,小児
(3)過敏反応……本剤の使用により,重い過敏反応が現れることがあります。呼吸困難,血圧低下などの過敏症状がみられたら,すぐに処方医へ連絡してください。
(4)感染症・出血傾向など……本剤の使用により,出血傾向,重症感染症(敗血症,肺炎など),播種性血管内凝固症候群(DIC),腸管穿孔(せんこう),消化管出血,腸閉塞,腸炎,間質性肺炎の発現または悪化がおこりやすくなるので,十分に注意してください。
(5)飲食物……グレープフルーツジュース,セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品は,本剤の作用に影響を与えるので,服用中は控えてください。
(6)外国での報告……ヨーロッパでの進行性小細胞肺がんを対象とした無作為化第Ⅲ相臨床試験において,本剤とシスプラチン併用群(本剤80mg/m²を第1・8日目,シスプラチン80mg/m²を第1日目に投与し3週ごとに繰り返す)での治療関連死が39例中4例に認められ,臨床試験が中断されました。その後,本剤の投与量を65mg/m²に減量し,臨床試験は継続されています。
(7)性腺への影響……小児および生殖可能な年齢の人が使用すると,性腺に影響がでることがあります。処方医とよく相談してください。
(8)頻回に検査……骨髄機能抑制などの重い副作用がおこることがあるので,頻回に血液,肝機能,腎機能などの検査を受ける必要があります。
(9)その他……
・妊婦での安全性:原則として使用しない。
・授乳婦での安全性:使用するときは授乳を中止。
・低出生体重児,新生児,乳児での安全性:未確立。「薬の知識」共通事項のみかた

副作用の注意
重大な副作用

(1)白血球減少,好中球減少,貧血,血小板減少などの骨髄機能抑制。高度な骨髄機能抑制の持続による重症感染症(敗血症,肺炎など)・播種性血管内凝固症候群(DIC)の併発。(2)下痢,腸炎。高度な下痢の持続による,脱水,電解質異常,ショック(循環不全)の併発。(3)消化管出血(下血,血便を含む),腸管麻痺,腸閉塞。腸管穿孔の併発。(4)間質性肺炎。(5)ショック,アナフィラキシー(呼吸困難,血圧低下など)。(6)肝機能障害,黄疸。(7)急性腎不全。(8)肺塞栓症,静脈血栓症。(9)心筋梗塞,狭心症発作。(10)心室性期外収縮。(11)脳梗塞。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

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