メタボや生活習慣病の下地は若いうちからつくられる。
運動習慣のある成人は3人に1人。気になる若い女性の低調さ、若くてもメタボの危険、歩くことを見直そう!

30歳代女性で運動習慣のある人はほぼ1割

普段、運動を習慣的に行っていくことは、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)をはじめとする生活習慣病を予防するのに大変重要です。けれども、わが国の現状は男女ともほぼ3人に1人程度しか運動習慣を持っていないことがわかっています。今年2月に行われた東京マラソンには31万人を超える人が参加を申し込むなど、運動を楽しむ人の広がりを感じさせますが、日ごろからの運動習慣となると必ずしも喜べるような状況ではないようです。

厚生労働省が毎年公表している『国民健康・栄養調査』の平成20年結果概要によると、「1回30分以上の運動を週2回以上、1年以上にわたって続けている」人の割合は全体(20歳以上)で男性33.3%、女性27.5%というものでした。これを年齢層別に分けてみると、はっきりした特徴が見られます。それは60歳代以上での運動習慣者の割合が比較的高いのに対し、50歳代以下での割合が低いのです。とくに気になるのは、運動習慣のある女性の割合が低いこと。20歳代16.5%、30歳代11.6%、40歳代18.4%……。子育てや家事に追われて運動どころではないのでしょうか。男性も、これらの年齢層では2割前後にとどまっています。

これと符合するような結果が、内閣府が昨年9月に行った『体力・スポーツに関する世論調査』に見られます。その結果によると、国民の73.9%が「運動不足」を感じているというのです。これを年齢層別に見ていくと、20歳代75.1%、30歳代80.0%、40歳代86.6%、50歳代79.6%、60歳代66.5%というように、50歳代以下の世代に運動不足感が強くなっています。

メタボ世代である40~50歳代での運動習慣者の少なさや運動不足感の高さは大変危惧されますが、若い世代でも油断してはいられません。沖縄県内の人間ドック受診者約7,000人を年齢層別に調べたところ、30歳代男性の23%がメタボ該当者だった、という調査結果もあるくらいです。メタボの下地は20歳代30歳代の若いうちから形成されます。「40歳過ぎてからでもいいや」ではなく、それ以前の若いうちから運動を習慣化しておくことは、将来のために大切なことなのです。

1日の歩数は男性9,200歩、女性8,300歩を目指そう

習慣化するのに最も適した運動は、「歩く」ことでしょう。国民の健康増進を目的に始まった『健康日本21』運動では、「身体活動・運動」の分野で、身体活動量を増やす手段として「1日1万歩」の歩数を確保することが理想、と述べています。運動が始まった当時(平成12年)公表された日本人の歩数は1日平均で男性8,202歩、女性7,282歩と、理想歩数からだいぶ離れていました。このため、10年間の目標として男女ともあと1,000歩の増加を目指し、「男性9,200歩、女性8,300歩程度」が掲げられました。1,000歩とは約10分の歩行、距離にして600~700mです。

ところが、前述の平成20年の『国民健康・栄養調査』では、男性は7,011歩、女性は5,945歩とむしろ少なくなっており、目標達成から逆に離れてしまっているのが実状です。『健康日本21』の運動自体が今ひとつ盛り上がりに欠けていたことはあるでしょうが、そのような掛け声がなくても自分自身の健康をどのように守っていくかを考えたなら、運動不足を自覚している人はぜひとも「歩く」ことを見直していただきたいものです。

厚生労働省は平成18年に『健康づくりのための運動指針 2006』というものを発表しています。この中では「歩行習慣を身に付けるための6つのポイント」を示していますので、ご紹介しましょう。

(1)歩数を歩行時間で覚えましょう。10分間歩くと約1,000歩です。

(2)歩数を生活の行動パターンとして体で覚えましょう。例えば、スーパーへの買い物は何歩、通勤は何歩、といった具合です。

(3)最初から欲張らないことです。4,000歩増やす場合も、まずは1日1,000歩増やすことから始め、3カ月かけて徐々に4,000歩増やせばよいのです。

(4)歩行は連続しなくてもかまいません。1日の合計が1万歩(1週間の合計が7万歩)になるようにしましょう。

(5)日常生活の中で歩行によって移動する機会をできるだけ多く作りましょう。

(6)歩行に目的をもたせましょう。休日にはショッピングに出かけたり、史跡を訪ねたりするのもよいでしょう。

(編集・制作 (株)法研)
※この記事は2010年6月に配信された記事です

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