サーチュイン遺伝子を活性化させると、長寿&老化防止になる

カロリーを減らすと健康的に長生きする?

2015年に俳優の榎木孝明さんが約30日間、飲み物(と少量の糖分、塩分)のみを摂取する「不食」を行ったことがニュースになりました。その間、体重が9kg減っただけでなく、集中力やスタミナの増加、腰痛の解消、睡眠時間の短縮などさまざまな変化があったということです。
栄養をとらないことは不健康を招くと思いがちですが、実際はまるで若返ったかのような効果が見られたことは、さまざまな話題を呼びました。実はカロリー摂取を減らすことで長寿やアンチエイジングにつながるのではと見られる実験結果はこれまでにもあったのです。
2009年にアメリカのウィスコンシン大学が発表した、サルの兄弟を使った実験では、自由にカロリーを摂取できたサルとカロリーを30%制限したサルとでは、後者の方が若々しく健康的で長生きしたのです。これには「サーチュイン遺伝子」が関わっています。

サーチュイン遺伝子は私たち誰もが持つ遺伝子です。この遺伝子が活性化すると、さまざまな効果が得られるとされます。たとえば、
□美肌・美髪になる
□疲れにくく、疲れても早く回復する
□高血糖や高コレステロールが改善される
□男性機能が回復する
など、つまりは「若々しく、健康レベルを高く保つ」効果が期待できるのです。

サーチュイン遺伝子を活性化させるには?

サーチュイン遺伝子のスイッチを入れるきっかけは、主に

①摂取カロリーを70%程度に抑える
②レスベラトロールなど抗酸化作用のある成分を摂取する
③適度な運動をする

の3つを持続することです。

① 飽食の時代と言われる現代では、ハイカロリーでバランスの偏った食生活になりがち。体内の消化管もいつもフル稼働状態です。食べたものをアミノ酸レベルに分解するには、摂取カロリーの1/3を使うほどのエネルギーが必要なのです。食べるものを減らせば、消化管を休めることができます。その分のエネルギーを細胞の修復や免疫機能アップに回せるため、身体機能が上がるのです。
とはいえ、カロリー制限を毎食続けるのはかなり大変です。たとえば朝・昼食は普通に、夕食は早めにごく軽く摂るようにして、翌朝まで”プチ断食”状態にする食生活なら、トータルでカロリーを抑えて消化管を休めることができます。

② テロメア(染色体)は細胞分裂を繰り返していくうちに劣化します。この劣化を遅らせる成分を摂ることで、美肌や美髪など若々しさをキープできるのです。抗酸化作用の高い成分はレスベラトロールが有名ですが、含有量は赤ワイン2~3リットルにつき1mg程度と微量。効率よく摂取するには、サプリメントなどで補う必要があるでしょう。

③ ①や②に加えることで身体機能を高め、心身ともに健康を保てます。

これらを続けることで、サーチュイン遺伝子が活性化すると考えられています。
しかし、約3万個もある遺伝子の世界はいまだ研究途上にあり、わからないことの方が多いのです。サーチュイン遺伝子についても、これからさらにくわしく解明されるかもしれません。また、より大きく長寿やアンチエイジングに影響する新たな遺伝子が特定される可能性もあります。それにより、長生きするために効果的な生活習慣の提案や、アンチエイジングに効果のある薬の開発につながるかもしれません。進歩の著しいこの分野の研究については、今後も注目です。

(編集・制作 (株)法研)
※この記事は2015年10月に配信された記事です