週に3回の運動が体にいい理由-ランニングはうつ予防になる

山本 晴義先生

【お話を伺った人】山本 晴義先生

横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長 1972年東北大学医学部卒業。2001年より現職。医学博士。神奈川産業保健推進センター相談員、文京学院大学講師、駒沢大学講師ほか。著書に:『ストレス一日決…

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(編集・制作 (株)法研

適度な運動は体だけでなく心の健康にもよい

運動がダイエットや生活習慣病の予防・改善に効果があることはよく知られています。また、運動したらストレス解消になったという経験をもつ人も多いでしょう。適度の運動は、体だけでなく心の健康にもよい影響を及ぼします。

横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長の山本晴義先生の調査によると、運動習慣のある人とない人の体と心の健康状態を比較したところ、運動習慣のない人は、体にも心にも症状が起こりがちということがわかりました。運動習慣のない人の場合、精神症状(寝つきが悪い、イライラしやすい、憂うつになる、何かをするのがおっくう など)や、身体症状(背中が痛い、頭が重い、肩がこる、疲れやすい など)の自覚症状のある人が明らかに多かったのです。
このことは逆に、運動習慣をもつことが、精神的・身体的な症状の改善に役立つことが期待できます。

そのほか海外の多くの研究から、適度の運動がうつ病の患者さんによい影響を及ぼすことがわかってきました。軽度から中等度のうつ病の患者さんの症状改善や再発予防に、薬物治療と同じくらいの治療効果が認められたことも報告されています。

どうして運動が心の健康によい影響を及ぼすのでしょうか? まだはっきりとは解明されていませんが、次のことなどが関係していると考えられています。
(1)βエンドルフィン(幸福感を生み出したり痛みを和らげる脳内神経伝達物質)の産生が刺激される
(2)セロトニンやノルアドレナリン(うつ病患者の脳内で減少しているとされる脳内伝達物質)の分泌が促される
(3)交感神経の緊張が解けてよく眠れる

楽しみながら、無理なく続けることができる運動を週3回以上

心の健康のためにはどんな運動をするのがよいでしょうか? もちろん、やりたくないことをしたり無理をしたりしては心の健康には逆効果ですから、楽しみながら、無理なく続けることができる運動が適しています。自分の体力や運動経験、時間的・経済的余裕などを考慮して、自分に合うものを行うとよいでしょう。

特にうつ病の予防・改善には、リズミカルな運動がよいといわれています。一定のリズムで体を動かすことで、セロトニンの分泌が促され、うつ状態の原因となっているセロトニン不足が解消されるからだと考えられています。
リズミカルな運動には、ウオーキングやジョギング、ランニング、サイクリング、水泳、エアロビクスなどのほか、足踏みや腹式呼吸なども含まれます。

運動のやり方は、楽にできるところから始めて、慣れてきたら少しずつ強度を上げ、「ややきつい」程度の運動を1日15~30分、週3回以上行うとよいでしょう。習慣的に運動をすることは、日々蓄積した精神的ストレスのリセットにもつながります。

うつ病予防にもっともすすめられるランニング

リズミカルな運動のなかでも、うつ病予防にもっともすすめられるのは「ランニング」です。その理由として、前述の(1)~(3)に加え、「習慣化しやすいこと」、「達成感が大きいこと」があげられます。

●習慣化しやすい
定期的にランニングを行うことで、走ることによって生じる肉体的なストレスを積極的に捉え、前向きに活かしていくことができるようになります。肉体的なストレスへの適応力が高まると、精神的ストレスへの適応力も高まりますから、走ることで心も体も鍛えられます。

●達成感が大きい
レースへの参加やコースタイムなどの目標をかかげ、それに向かって練習を重ねると、目標を達成できたときの喜びは何物にもかえられません。それは大きな心の栄養となり、自信につながるでしょう。

しかし、目標達成ばかりを追い求めると、それはそれで新たなストレスにつながりかねません。心の健康のためのランニングですから、山本晴義先生考案の「心に効く走り方」を参考に、楽しんで走ってください。

<山本先生考案「心に効く走り方」>
呼吸は楽に、会話ができるペースで、笑顔で走る。そうすれば、心も体も疲れません!
・エンジョイ 仲間との会話を楽しみながらゆっくり走る
・マイペース 時間を気にせず、気持ち良さ重視で走る
・スパイス 目標タイムやペースを追いかけ、頑張って走る

※この記事は2013年4月に配信された記事です



頑張り屋さんは“うつ”になりやすい?こんな性格の人はちょっと休もう

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

年々増加するうつ病。頑張り屋さんをはじめ、うつ病になりやすい性格があることがわかってきています。自分が当てはまるかチェックしてみましょう。

努力し続けることが心のストレスに

近年で急に身近な病気となったうつ病。厚生労働省の平成26年の発表によると、こころの病気で病院に通院や入院をしている人たちは、約392万人。日本人のおよそ32人に1人が、現在治療を受けていることになります。また、生涯を通じて5人に1人がこころの病気にかかるとも言われています。

なかでも、うつ病は著しい増加が見られています。うつ病は、昨日まで元気に一般的な社会生活を送っていた人が、いきなりベッドから出ることもできなくなるほど、突然現れます。この状況はコップの水に例えられますが、突然の発症は、コップのなかにたまった水があふれた状態。コップに水が少しずつたまるように、ストレスは確実にたまっていて、それが限界に達した時に、水があふれるように症状が現れるのです。なにかしら、事前にサインはでているはずですが、「ただの疲れ」などと軽く考えて対処していなかったことが考えられます。うつ病は、不眠、頭痛、体がだるい、食事ができない、過食などの症状がみられる病気です。一度回復しても、再発する可能性もあります。

頑張り屋さんは“うつ”になりやすい?こんな性格の人はちょっと休もう

うつ病になりやすい性格の人とは

なかでも、うつ病になりやすいと言われているのが、頑張り屋さんタイプです。高いハードルであっても目標のために頑張り続けることが、どんどん自分を追い込んでいくことに。これが限界を超えた時に、うつ病となってあらわれるのです。そのほか、うつ病になりやすい性格の人はこちら。

・ 完璧主義である
・ 少しの疲れでは休まない
・ 目標を立てるのが好き
・ 負けず嫌い
・ 人に気を使うことができる
・ 周囲の評価が大切
・ 人に甘えるのが下手

ひとつでも当てはまると感じる人は、心の持ちかたを変えた方がいいかもしれません。下で紹介する、うつ病を予防するための対処法のうち、やりやすいものを取り入れてみましょう。

完璧主義の人はラフな考えにシフトを

<うつ病を予防するための対処法>

・目標を80点にする

頑張り屋さんタイプは、目標が高すぎてそれに対して努力し続けることが気づかぬうちに心の負担になっています。頑張り屋さんは、できなかったところを探して、努力を続けてきたはず。これからは「80%できればOK」と考え、できた部分にフォーカスし自分をほめるようにしましょう。

・まわりの期待に応えない

まわりの期待に応えれば応えるほど、さらに期待も大きくなり心の負担も増えていきます。まわりは深く考えずに勝手に期待を大きくしている場合もよくあります。自分の頑張りを無駄にしないためにも、うまくかわすことも考えましょう。

・自分のせいにしない

失敗もあれば成功もあるのが世の常。失敗を自分のせいにするのはやめましょう。失敗とは、自分の努力が足りなかったのではなく、さまざまな要素が積み重なって今回の結果になっただけ。「運が悪かった」など、何かのせいにしてしまうくらいがちょうどいいこともあります。

・自分のための時間を作る

疲れを感じていなくても、1日1時間は自分のための時間を作りましょう。自分のための時間とは、とにかくぼ〜っとして何もしない時間です。常に興奮して交感神経が優位だった体を、副交感神経優位のリラックス状態に。できれば公園など自然があるところに身をおくと、よりリフレッシュできます。

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睡眠不足が続くとうつ病になりやすい|睡眠5時間は危険ライン?

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

仕事やプライベートの時間を確保するために、睡眠時間を削っていませんか? 睡眠不足が続くと、うつ病になりやすいことがわかっています。

睡眠不足が続くとうつ病になりやすい|睡眠5時間は危険ライン?

睡眠不足は集中力の低下や被害妄想も招く

日本人は、睡眠時間が短いといったニュースをたびたび目にします。国民の平均時間は年々短くなっており、1960年から2005年までの45年間で50分も短縮しているそう。また、経済協力開発機構(OECD)が世界29カ国を対象に調査した、国民の平均睡眠時間によると、日本は2番目に睡眠時間が短いという睡眠不足大国ぶり。
「最適な睡眠時間は7時間前後」と、睡眠に関する専門家の多くが指摘しますが、日本人の平均睡眠時間は「6時間未満」が4割。また10人に1人は「5時間未満」の睡眠時間で生活をしているとか。
日本人の睡眠時間が短くなっている背景には、コンビニなど24時間営業のお店が多いことや、スマートフォンの登場で、生活が夜型になっていることも挙げられます。こういった社会背景に流され「少しくらい睡眠不足でも大丈夫」と考えている人は要注意。
睡眠は、体の休息はもちろん、脳の休息の時間です。睡眠不足の状態が続くと、集中力、分析力、記憶力、運動能力、熱意の低下や、場合によっては被害妄想も起こることがわかっています。また免疫力が低下し、風邪や病気になりやすくもなるのです。

5日の睡眠不足でもうつ状態になる

また、睡眠不足がつづくと、うつ病になるリスクが高まります。そのカギとなるのが、脳の「扁桃体」です。脳の扁桃体は、神経細胞の集まりで情動や感情の処理、ストレス反応、不安・緊張に関わっている部位。強い不安や緊張が長くつづくと、扁桃体が過剰に働きストレスホルモンが分泌します。これが長期間続くことで神経細胞が萎縮して、ほかの脳神経細胞との情報伝達がうまくいかなくなり、うつ病が発生するのだそう。睡眠不足になると、扁桃体の活動が過剰になるため、うつ病になりやすくなる傾向が。また、5日程度の睡眠不足が続くと、うつ病と同じような状態になってしまうこともわかっています。

いま話題の「睡眠負債」の危険もあります。毎日7時間寝るのが理想的なのに、5時間の睡眠を続けると、毎日2時間の睡眠負債がたまっていきます。
1日2時間の睡眠不足が2週間続くと、お酒を飲んで「ほろ酔い」の時の血中アルコール濃度と、ほぼ同じ脳の働きになるという結果が出ています。
意識が朦朧としたり、体がだる重くなったり、精神的にも不安定でネガティブになりがち。平均睡眠が5時間以下の人は、すでに危険水位かもしれません。
「寝ないでがんばる」は体も心もむしばむことになるので、睡眠時間を毎日しっかりとりましょう。

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あの人うつ病かも? うつを見分ける症状のポイント|接し方のヒント

ノーイメージ

【執筆者】ピースマインド・イープ

■ピースマインド・イープ株式会社 高度な専門性を活かしたメンタルヘルス関連サービスを提供。日本最大級のオンラインによる心理カウンセリングサービスを提供するほか、オフラインでも直営カウンセリングルーム…

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【執筆】住本吉章カウンセラー

あの人うつ病かも? うつを見分ける症状のポイント|接し方のヒント

誰でもが陥りやすいうつ状態

うつ状態は、誰でもが陥りやすい状態です。一昔前までは、中年以降のものとされていましたが、最近では、低年齢化の傾向がみられ、大学生はもちろんのこと、不登校中の中学生や高校生にもみられるようになりました。専門家の話では、小学生にまで降りてきた、とさえ言われています。私どもの相談室にお越しになったうつ状態の方には、お医者様に必ず診てもらってくださいと、申し上げています。しかし、なかなか腰が重い方もいらっしゃいます。もちろん、心療内科等に通院しながら、当方のカウンセリングを利用されている方もいらっしゃいます。

そんな方をカウンセリングするとき、私が気をつけていることがあります。そのことについて、お話ししてみたいと思います。もし身近にそのような状態の方がいる際の対処法のヒントとして知っていただければと思います。

見落としてはならないポイント

さて、うつ状態は、精神面と身体面の両方に現れますが、基本的に見落としてはならないことがあります。それは、例えば次のポイントです。

(1)悲しい感じや、落ち込んだ感じが続いているのかどうか
(2)これまで楽しめていたことに、楽しみがもてない状態にあるのかどうか
(3)これらの状態がどれくらい長く続いているか……等です。

同じうつ状態の方でも困っていらっしゃる内容や程度は、人によってまちまちです。何を期待してお越しになったかに注目していますと、いくつかの傾向が見られます。
私がこれまで相談させていただいた方々の特徴は、以下のように分類できます。

(1)眠れない、食欲が出ない。疲れやすい、しんどい、やる気が出ない。
(2)人との対応ができない。人間関係がうまくいかない。自信が持てない。
(3)ものごとに集中できない。気分が沈む。楽しくない。
(4)なにごとも悲観的に考えて、罪悪感に苦しみ、自分は無価値な人間に思えてくる。将来が心配。お先真っ暗だ。

大部分の方々は、このような特徴のうち、2つ以上の特徴が重なっていることが多いようです。
このことから、うつ状態は様々な角度から対応しなければならないことが分かります。たっぷり時間をかけ、じっくりお話をお聞きしてさしあげますと、落ち込んだうつ気分の全般的な底上げが起こり、当面の課題がはっきり見えてきます。

このように働きかけています

まず、最初に心がけなければならないことは、よく寝られるようにしてあげることです。すると、やや活動的になられ、食事がすすむようになり、以前よりも元気になれる方が多いようです。家で元気が出てこられたら、職場に出られるようになり、また職場でも元気が出るようになります。

次に、人間関係の保ち方について全力を注ぐようにしています。お越しになる方の中には、物事を悲観的にとらえ、いつも、御自身を悪い方へ悪い方へと追い込んでいらっしゃる方がいます。そんな場合、その方特有の考え方を、もっと柔軟にしてあげるお手伝いをしています。また、悪いことが起きると、それがいつまでも継続し、それが万事に広がり、すべてがうまくいかなくなるように思いこんでいらっしゃる方が多いようです。しかも、ご自分のせいで事態を悪化させてしまったと強く信じ、ご自分を厳しく責め立てられます。こんな方の思考を柔軟にして差し上げるのも、私の仕事です。

早く回復する近道とは

そして、先入観を持たずに、いろいろな方法を試してみることをお勧めしています。さらに試してみないうちから、将来、果たしてうまくいくだろうかと、不安にとりつかれ、心配し、おびえている方もいらっしゃいます。この不安も、心理相談のなかで、いろいろな方法を示させていただき、ご自身を強くしていかれる作業のお手伝いをするようにしています。

うつ状態の方は、ご自身の今の状態は必ず良くなる、という「強い希望」を持たれ、今日、様々な有効な方法が開発されているのだから、それらを利用すれば必ず良くなる、という「期待感」をもたれることをおすすめしています。これが早く回復する近道だ、と私は考えています。

※この記事は2007年3月に配信された記事です

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女性は男性よりうつ病になりやすいー原因と予防法|まずはセルフチェックを

ホルモンバランスの急激な変化やライフイベントが影響。
命にかかわることがある「うつ病」は、女性に多く発症。少しでも早く気づき、適切な治療に結びつけましょう。

女性は男性よりうつ病になりやすいー原因と予防法|まずはセルフチェックを

女性の方が男性よりうつ病になりやすい理由

うつ病は男性よりも女性に多い病気です。女性が男性よりうつ病になりやすい原因の一つは、月経周期や妊娠・出産、閉経(更年期)による、ホルモンバランスの急激な変化による心身のストレスと考えられています。
もう一つは、就職、結婚、妊娠・出産、子育て、介護といった、女性の生活環境に影響を及ぼす出来事(ライフイベント)によって、さまざまな選択を迫られることによるストレスです。これらのライフイベントは男性にも共通するものですが、(変わってきてはいるもののまだまだ)男性中心の社会では、女性への負担がより大きいことを、特に男性は理解しておく必要があります。

ここでは、女性の主なライフイベントに伴ううつ病の起こり方や対処法を紹介していきますが、「ホルモンバランスの急激な変化」と「ライフイベント」が重なる妊娠・出産の時期や更年期は、いちだんと「女性のうつ病」のリスクが高まることを知っておいてください。

産後うつになる割合は? 特に発生しやすい時期とは?

出産後は女性ホルモンの分泌が大きく変化し、心の状態が不安定になります。これに子育て不安や、仕事をもっている女性では仕事との両立への不安などが加わると、一気にうつ病のリスクが高まります。
出産後に心の状態が不安定になるのは、誰にでも起こり得る生理反応であり(マタニティ・ブルー)、通常は2週間ほどで回復しますが、そのままうつ病に進んでしまうケースもあります。特に産後3カ月前後に発症しやすく、「産後うつ病」と呼ばれています。
産後うつ病は全出産の12~16%にみられ、なかでも一度産後うつ病にかかったことがある女性が出産した場合には50~62%という高い頻度で発症しています。

産後のうつ病はパートナーの対応が大事! こんな症状に注意して!

出産~子育てに対して、パートナーをはじめ周囲の協力が得られないことや、協力が得られないと思い込む孤立感が女性を追い詰めることになります。子ども(子育て)を介して「つきあい」が変わってしまうこともストレスになりがちです。なかには、不安感から子どもの虐待、自殺や無理心中に進んでしまうケースもみられます。

出産後に気分が落ち込み、子育てに対する過度な不安を訴える女性が周囲にいたら、「一人ではない」ことを伝えつつ、話を十分に聴く時間をつくりましょう。産後うつ病の発症にも予防にも、パートナーの言動が大きな影響を与えることは言うまでもありません。
また、産後に「気分が落ち込む」「赤ちゃんに無関心」「赤ちゃんを心配し過ぎ」「疲れやすい」「眠れない(特に早朝覚醒)」「原因不明の頭痛や腹痛」など、産後うつ病が疑われる症状が続いたら、親しい友人や医療機関、カウンセリング施設、あるいは公的機関などで話を聴いてもらうことが大切です。

45歳から55歳の「更年期うつ病」とは?

産後うつ病を乗り越え、子育てがひと段落すると、今度は「更年期うつ病」があります。おおよそ50歳を中心に、45歳から55歳までの約10年間は、女性ホルモンの急減を背景にして、女性の心身にさまざまな変化が起こります。ほてり、動悸、頭痛、めまい、肩こり、不眠……さまざまな身体症状に加え、抑うつ感や不安感、イライラといった心の症状もよくあらわれてきます。
これらに、親の介護や老後への不安感などが重なると、単なる更年期の抑うつ感にとどまらず、更年期うつ病に進みやすくなるのです。この時期は、自らの退職、子どもの就職・結婚、親しい人との死別など、「喪失感」を伴うライフイベントがうつ病に結びつきやすい傾向があります。
この「喪失感」では、子どもが独立して離れてしまうことで起こる気分の落ち込みを「空の巣症候群」と呼んで一時期注目されました。しかし、景気動向などを反映し、最近ではむしろ独立してくれればラッキー、逆に、なかなか一人立ちできない子ども、離婚や失業で戻ってきてしまった子どもの存在がストレスになって、更年期うつ病の引き金になるケースも指摘されています。

更年期には心身にさまざまな症状が起こる、ということを理解しておくだけでも、更年期の抑うつ感が抑えられると考えられています。自覚できるさまざまな症状を抑える治療を受けることでも、抑うつ感は改善できます。婦人科系の治療を受けても症状が改善しない場合や、抑うつ感が強く日常生活に支障が出るようなら、医療機関で抑うつ感(うつ病)の治療を受けることがすすめられます。

仕事も子育ても……すべて完璧を目指して陥りやすい「スーパーウーマンシンドローム」

現代の女性たちには、社会に出て働き始めたときから、大敵が待ち構えています。仕事で男性を含め誰にも負けてたまるか、と常に肩ひじ張った働き方をしているうちに完璧主義に陥り、完璧にできなかったときに自分を必要以上に責め、これがストレスになって気分が落ち込み、うつ病へ、というパターンです。
これは「スーパーウーマンシンドローム」と呼ばれ、結婚・出産を経験すると、「結婚や子育てで仕事ができなくなると思われたくない」と、さらに完璧主義がエスカレートするケースもみられます。

こうした女性たちは、自分から他人に助けを求めることはしないため、周囲の人が話を聴く機会をつくることが大切です。そして、「完璧でなくてもいい」「仕事を分担して楽になって」「完璧でなくても、できた分だけ自分をほめて」などと伝えましょう。

うつ病セルフチェックで予防と早めの対策を!

ほかにも、結婚による生活スタイルの変化に対応できずに、楽しいはずの結婚生活がうつ病の引き金になるケースも珍しくありません。下記のようなうつ病のセルフチェックを利用して、気分の落ち込みに早めに気づき、家族や友人、専門家(精神科や心療内科の医師、カウンセラー)など、周囲の人に悩みを聴いてもらうきっかけにしましょう。

(編集・制作 (株)法研)
※この記事は2012年4月に配信された記事です

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朝起きるのがつらい…眠気が強い…それってこの病気が原因かも?

しっかり寝ているのに、朝起きられないことありませんか? それが、あまりにも辛つらすぎる場合は、病気の可能性を疑った方がいいかもしれません。

朝起きるのがつらい…眠気が強い…それってこの病気が原因かも?

まずは睡眠時間をきちんと確保して

睡眠についての悩みで多いのが、朝起きるのがつらい・だるいという悩みです。

一般的に、朝起きるのがつらい・だるいといった悩みは、そのほとんどが睡眠不足が原因です。テレビを見たり、本や漫画に熱中しすぎて寝るのが遅くなってしまったり、仕事が忙しく寝る時間が遅くなる人もいるでしょう。長期間睡眠不足の状態を続けていると、疲れが溜まり、体がつらくなってきます。そして、朝起きるが苦痛になるという悪循環に陥るのです。そうした人は、寝る時間を確保できる生活スタイルに変えていきましょう。

1週間、土日も含め毎朝必ず同じ時間に起きるという習慣を実践してみましょう。体内リズムが整い、一定の時間に眠くなり、朝スッキリ起きられるようになるはずです。そうすれば、自ずと体も軽くなります。

精神的な病気が引き金で朝起きられないのかも

睡眠時間が短くて寝坊してしまったり、目覚まし時計をかけ忘れたといった、うっかりミスではなく、朝起きるのが苦痛だったり、怖いといった気持ちになるようなら、もしかしたら病気が原因かもしれません。睡眠時間を確保したり、寝室を快適にしたり、睡眠環境を整えてもまだ朝起きるのが辛いという場合に、考えられる病気をいくつかご紹介します。

<朝起きられない人はこの病気に注意して>

○うつ病・季節性うつ病

気持ちが落ち込む抑うつ状態が続くうつ病。その影響で、眠りが浅く寝付けない、途中で起きてしまうといった症状が表れ、朝起きるのが辛くなることがあります。また、秋から冬に決まって体重が増える、冬の朝などに特に起きることができないといった場合は、季節性うつ病の疑いも。心療内科や精神科で相談してみましょう。

○過眠症

朝起きられないのはもちろん、寝てはいけない時でも我慢できずに眠ってしまう場合は、過眠症の疑いがあります。朝の目覚めも悪く、1日中ぼ〜っとしているのも特徴のひとつです。生活リズムを整えても改善しない場合は、睡眠外来を受診してください。睡眠外来が近くにない場合は、内科に相談して、適切な病院を紹介してもらうのがよいでしょう。

○月経随伴睡眠障害

女性は生理前になると、眠気が強くなったり、日中も眠いといった症状が表れることがあります。これは女性ホルモンによるもので、妊娠の初期にも同様の症状がみられます。この影響により、いつもより朝起きるのが遅くなったりしてしまうのです。女性ホルモンの影響とはいえ、生活に支障が出るほどなら、婦人科に相談しましょう。

○睡眠時無呼吸症候群

寝ている間に息が止まってしまう病気です。本人には自覚できない場合もあるので、朝起きるのがつらいという印象だけが残ります。パートナーに指摘されて初めて気づく場合もあります。眠りが浅いので、日中に強い眠気にも襲われます。肥満体質の人は、気道が圧迫されるのでなりやすい傾向があり、注意が必要です。マウスピースをつけて寝る、寝方を変えるなどで改善する場合もあります。

○睡眠相後退症候群

仕事などで夜型の生活が長期間にわたったり、不規則な勤務をしていた人に起こりやすい病気です。昼夜逆転の生活が長かったため、体温や血圧、ホルモン分泌などの生体リズムが狂っている可能性があります。基本的には、自分で朝型の生活を心がけるだけで改善しますが、難しい場合は医師の指導のもと、ビタミンの内服などが必要な場合もあります。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

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