週に3回の運動が体にいい理由-ランニングはうつ予防になる

山本 晴義先生

【お話を伺った人】山本 晴義先生

横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長 1972年東北大学医学部卒業。2001年より現職。医学博士。神奈川産業保健推進センター相談員、文京学院大学講師、駒沢大学講師ほか。著書に:『ストレス一日決…

もっとみる

提供:gooヘルスケア

(編集・制作 (株)法研

適度な運動は体だけでなく心の健康にもよい

運動がダイエットや生活習慣病の予防・改善に効果があることはよく知られています。また、運動したらストレス解消になったという経験をもつ人も多いでしょう。適度の運動は、体だけでなく心の健康にもよい影響を及ぼします。

横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長の山本晴義先生の調査によると、運動習慣のある人とない人の体と心の健康状態を比較したところ、運動習慣のない人は、体にも心にも症状が起こりがちということがわかりました。運動習慣のない人の場合、精神症状(寝つきが悪い、イライラしやすい、憂うつになる、何かをするのがおっくう など)や、身体症状(背中が痛い、頭が重い、肩がこる、疲れやすい など)の自覚症状のある人が明らかに多かったのです。
このことは逆に、運動習慣をもつことが、精神的・身体的な症状の改善に役立つことが期待できます。

そのほか海外の多くの研究から、適度の運動がうつ病の患者さんによい影響を及ぼすことがわかってきました。軽度から中等度のうつ病の患者さんの症状改善や再発予防に、薬物治療と同じくらいの治療効果が認められたことも報告されています。

どうして運動が心の健康によい影響を及ぼすのでしょうか? まだはっきりとは解明されていませんが、次のことなどが関係していると考えられています。
(1)βエンドルフィン(幸福感を生み出したり痛みを和らげる脳内神経伝達物質)の産生が刺激される
(2)セロトニンやノルアドレナリン(うつ病患者の脳内で減少しているとされる脳内伝達物質)の分泌が促される
(3)交感神経の緊張が解けてよく眠れる

楽しみながら、無理なく続けることができる運動を週3回以上

心の健康のためにはどんな運動をするのがよいでしょうか? もちろん、やりたくないことをしたり無理をしたりしては心の健康には逆効果ですから、楽しみながら、無理なく続けることができる運動が適しています。自分の体力や運動経験、時間的・経済的余裕などを考慮して、自分に合うものを行うとよいでしょう。

特にうつ病の予防・改善には、リズミカルな運動がよいといわれています。一定のリズムで体を動かすことで、セロトニンの分泌が促され、うつ状態の原因となっているセロトニン不足が解消されるからだと考えられています。
リズミカルな運動には、ウオーキングやジョギング、ランニング、サイクリング、水泳、エアロビクスなどのほか、足踏みや腹式呼吸なども含まれます。

運動のやり方は、楽にできるところから始めて、慣れてきたら少しずつ強度を上げ、「ややきつい」程度の運動を1日15~30分、週3回以上行うとよいでしょう。習慣的に運動をすることは、日々蓄積した精神的ストレスのリセットにもつながります。

うつ病予防にもっともすすめられるランニング

リズミカルな運動のなかでも、うつ病予防にもっともすすめられるのは「ランニング」です。その理由として、前述の(1)~(3)に加え、「習慣化しやすいこと」、「達成感が大きいこと」があげられます。

●習慣化しやすい
定期的にランニングを行うことで、走ることによって生じる肉体的なストレスを積極的に捉え、前向きに活かしていくことができるようになります。肉体的なストレスへの適応力が高まると、精神的ストレスへの適応力も高まりますから、走ることで心も体も鍛えられます。

●達成感が大きい
レースへの参加やコースタイムなどの目標をかかげ、それに向かって練習を重ねると、目標を達成できたときの喜びは何物にもかえられません。それは大きな心の栄養となり、自信につながるでしょう。

しかし、目標達成ばかりを追い求めると、それはそれで新たなストレスにつながりかねません。心の健康のためのランニングですから、山本晴義先生考案の「心に効く走り方」を参考に、楽しんで走ってください。

<山本先生考案「心に効く走り方」>
呼吸は楽に、会話ができるペースで、笑顔で走る。そうすれば、心も体も疲れません!
・エンジョイ 仲間との会話を楽しみながらゆっくり走る
・マイペース 時間を気にせず、気持ち良さ重視で走る
・スパイス 目標タイムやペースを追いかけ、頑張って走る

※この記事は2013年4月に配信された記事です



うつ病になる女性が男性の2倍も多い理由とは?心の病の男女差

ノーイメージ

【お話を伺った人】渡部 真弓先生

東京電力(株)神奈川支店産業医 1997年産業医科大学医学部卒。2002年より現職。 労働衛生コンサルタント、 日本産業衛生学会専門医

もっとみる

提供:gooヘルスケア

(編集・制作 (株)法研

うつ病になる女性は男性の2倍。性差における心の病気を理解して、メンタルヘルスの向上をはかりましょう。

心の病気にみられる男女差

うつ病は、誰もがかかりうることから「心の風邪」と呼ばれていますが、うつ病の患者は男性より女性の方が多いといわれていることをご存知ですか?
男性の自殺の頻度は女性の約2倍といわれていますが、WHO(世界保健機関)の報告によると、世界十数カ国のうつ病の患者は、女性が男性の約2倍に上っています。また、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の発症率も男性の約2倍、摂食障害の患者数も圧倒的に女性の方が多くなっています。

このような男女差はいったいどこから生じるのでしょうか。

うつ病になる女性が男性の2倍も多い理由とは?心の病の男女差

女性の一生は、ホルモンの変動が大きい

うつ病などの心の病はホルモン系と強く関連しています。
特に女性ホルモンは、月経周期をはじめ、妊娠・出産、更年期などのライフステージに応じて大きく変化します。この女性ホルモンの変動がうつ病などの心の病気の発症に関係していると考えられています。

実際、女性の場合、性周期(月経、妊娠・出産、更年期)と一致してうつ病が悪化することが知られていますし、性周期に関連して生じる、女性ならではの心の病気があります。
たとえば、月経前不快気分障害。これは、月経前に抑うつ気分や不安、情緒不安定、無気力が生じ、仕事や学業に悪影響が出る状態をいいます。
この他、閉経前後の更年期にはうつ状態になったり、不安障害になったりと心の病にかかる人が増えますし、出産直後の女性に見られる産後うつ病というものもあります。

“がんばりすぎ”に気をつけよう

女性に心の病気が多いワケは、性ホルモンの影響ばかりではありません。女性をとりまく環境も大いに影響します。
たとえば、過重労働や仕事上のストレスが原因でうつ病などを発症する女性たち。がんばりすぎることにより、精神のバランスを崩してしまうこともあります。
さらに、家庭を持つ女性の場合、家での家事協力が得られない、帰宅してからも育児の負担が大きいなど、自分のおかれた社会環境からのストレスも少なくありません。
「期待されている」と思うと、誰しもはりきってしまうものですが、私達の体は機械ではありません。“がんばりすぎ”は、心身両面に負担をかけがちです。とりわけ、毎月ホルモンバランスが変化する女性の場合、自分のリミットを心得ておくことも大事です。自分の体調、心の様子と相談しながら、無理をせず仕事をしていきたいですね。

また、女性のほうが医療機関にかかっている頻度が高いといわれています。それは女性のほうが男性よりも助けを求める行動をとりやすい傾向があるからかもしれません。
これはとても大事なことで、男性より女性の方が適切な対処行動を行っているといえます。
心の病はホルモンが関係していても適切な治療により改善します。
ストレスで体調を崩したりしたときには、早めに医療機関に相談をしてみてください。

(「へるすあっぷ21」、法研より)

※この記事は2006年11月に配信された記事です

続きを読む




【こころのお疲れ度チェック】20の質問でわかるあなたのストレス疲労度

提供:gooヘルスケア

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

「最近、疲れやすくなった」、「よく眠れない…」と感じている時は、ストレスがたまってこころが疲れている可能性が。「ストレス疲労度」をチェックしましょう。

重症になる前にこころのお疲れ度チェックを

誰しも、日々感じている「ストレス」。ストレスは何かと悪者扱いされますが、適度なストレスは、やる気を引き出したり、体調キープに働きます。しかし、いま何かとストレスが問題になっているのは、過度なストレスを抱えている人が多く、こころの病になったり、体調を崩す原因になっているため。
厚生労働省の「患者調査報告」では、うつ病が大半を占める気分障害の患者数が、100万人以上(※1)にも上っています。とはいえ、うつ病になってもみんなが病院にかかるわけではないので、実際の患者数はもっと多いと考えられます。そしてうつ病は、日本では約15人に1人が、一生のうちに一度はかかる病気といわれています(※2)。
うつ病は、いまや誰もがかかりうる身近な病気。また、常に強いストレスを感じていると、自分でストレスを感じていることすら気づかなくなり、気づいた時には重症になっている場合も。定期的にこころのお疲れ度チェックをして、こころの健康状態を確認しましょう。

【こころのお疲れ度チェック】20の質問でわかるあなたのストレス疲労度

<こころのお疲れ度チェック>

以下の項目をチェックして、あてはまる数をかぞえましょう。

1) いつも体がだるいと感じる
2) 疲れがとれなくなった
3) 何をしても楽しくない
4) 人と会うのがめんどう
5) イライラすることが多い
6) 寝つきが悪い
7) 夜中に目が覚めてその後、寝つけない
8) 食べ物の好みがかわった
9) 食事をすると胃もたれすることが多い
10) 食欲が低下した
11) 体重が減った
12) 手やワキに汗をかきやすくなった
13) 急に息苦しくなることがある
14) 性欲がなくなった
15) 仕事のやる気がない
16) 下痢と便秘をくり返している
17) のどが痛くなることがある
18) 耳鳴りがする
19) 手足が冷えやすくなった
20) 胸が締めつけられる感じがすることがある

○ 15~20個
こころのお疲れ度は、危険レベル。すぐに生活環境を改善しないと、こころの病にかかる可能性が高いです。特に、「まだ、大丈夫」と思っている人ほど危険。心が折れてから立て直すのは大変です。最寄りの心療内科や精神科を受診して、相談してみましょう。

○10~14個
こころのお疲れ度が、かなり高くなっています。いつも何かに終われるように仕事や家事をしていませんか? このままの生活を続けると、オーバーヒートしてしまう可能性が大。すぐに生活を見直して、休む時間をつくりましょう。たとえば、仕事と家事を両立させているなら、家族に手伝ってもらったり、ハウスクリーニングを頼むなど、誰かにあなたの作業を肩代わりしてもらいましょう。

○3~9個
こころのお疲れ度がたまってきているレベル。このところ忙しかったり、環境が変わったなどの変化はありませんか? 疲れがたまってきたら、自分の好きなことに費やす時間を15分でも作って、こまめにストレスを解消しましょう。

○0~2個
こころのお疲れ度は、ほとんどないか、まだ問題ないレベル。しかし環境が変化すると、急にストレスに見舞われることもあります。バランスのよい食べ物や、睡眠をしっかりとり、ストレスに負けない体づくりに努めましょう。

※ 1,2厚生労働省「こころの耳」

続きを読む




頑張り屋さんは“うつ”になりやすい?こんな性格の人はちょっと休もう

提供:gooヘルスケア

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

年々増加するうつ病。頑張り屋さんをはじめ、うつ病になりやすい性格があることがわかってきています。自分が当てはまるかチェックしてみましょう。

努力し続けることが心のストレスに

近年で急に身近な病気となったうつ病。厚生労働省の平成26年の発表によると、こころの病気で病院に通院や入院をしている人たちは、約392万人。日本人のおよそ32人に1人が、現在治療を受けていることになります。また、生涯を通じて5人に1人がこころの病気にかかるとも言われています。

なかでも、うつ病は著しい増加が見られています。うつ病は、昨日まで元気に一般的な社会生活を送っていた人が、いきなりベッドから出ることもできなくなるほど、突然現れます。この状況はコップの水に例えられますが、突然の発症は、コップのなかにたまった水があふれた状態。コップに水が少しずつたまるように、ストレスは確実にたまっていて、それが限界に達した時に、水があふれるように症状が現れるのです。なにかしら、事前にサインはでているはずですが、「ただの疲れ」などと軽く考えて対処していなかったことが考えられます。うつ病は、不眠、頭痛、体がだるい、食事ができない、過食などの症状がみられる病気です。一度回復しても、再発する可能性もあります。

頑張り屋さんは“うつ”になりやすい?こんな性格の人はちょっと休もう

うつ病になりやすい性格の人とは

なかでも、うつ病になりやすいと言われているのが、頑張り屋さんタイプです。高いハードルであっても目標のために頑張り続けることが、どんどん自分を追い込んでいくことに。これが限界を超えた時に、うつ病となってあらわれるのです。そのほか、うつ病になりやすい性格の人はこちら。

・ 完璧主義である
・ 少しの疲れでは休まない
・ 目標を立てるのが好き
・ 負けず嫌い
・ 人に気を使うことができる
・ 周囲の評価が大切
・ 人に甘えるのが下手

ひとつでも当てはまると感じる人は、心の持ちかたを変えた方がいいかもしれません。下で紹介する、うつ病を予防するための対処法のうち、やりやすいものを取り入れてみましょう。

完璧主義の人はラフな考えにシフトを

<うつ病を予防するための対処法>

・目標を80点にする

頑張り屋さんタイプは、目標が高すぎてそれに対して努力し続けることが気づかぬうちに心の負担になっています。頑張り屋さんは、できなかったところを探して、努力を続けてきたはず。これからは「80%できればOK」と考え、できた部分にフォーカスし自分をほめるようにしましょう。

・まわりの期待に応えない

まわりの期待に応えれば応えるほど、さらに期待も大きくなり心の負担も増えていきます。まわりは深く考えずに勝手に期待を大きくしている場合もよくあります。自分の頑張りを無駄にしないためにも、うまくかわすことも考えましょう。

・自分のせいにしない

失敗もあれば成功もあるのが世の常。失敗を自分のせいにするのはやめましょう。失敗とは、自分の努力が足りなかったのではなく、さまざまな要素が積み重なって今回の結果になっただけ。「運が悪かった」など、何かのせいにしてしまうくらいがちょうどいいこともあります。

・自分のための時間を作る

疲れを感じていなくても、1日1時間は自分のための時間を作りましょう。自分のための時間とは、とにかくぼ〜っとして何もしない時間です。常に興奮して交感神経が優位だった体を、副交感神経優位のリラックス状態に。できれば公園など自然があるところに身をおくと、よりリフレッシュできます。

続きを読む



睡眠不足が続くとうつ病になりやすい|睡眠5時間は危険ライン?

提供:gooヘルスケア

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

仕事やプライベートの時間を確保するために、睡眠時間を削っていませんか? 睡眠不足が続くと、うつ病になりやすいことがわかっています。

睡眠不足が続くとうつ病になりやすい|睡眠5時間は危険ライン?

睡眠不足は集中力の低下や被害妄想も招く

日本人は、睡眠時間が短いといったニュースをたびたび目にします。国民の平均時間は年々短くなっており、1960年から2005年までの45年間で50分も短縮しているそう。また、経済協力開発機構(OECD)が世界29カ国を対象に調査した、国民の平均睡眠時間によると、日本は2番目に睡眠時間が短いという睡眠不足大国ぶり。
「最適な睡眠時間は7時間前後」と、睡眠に関する専門家の多くが指摘しますが、日本人の平均睡眠時間は「6時間未満」が4割。また10人に1人は「5時間未満」の睡眠時間で生活をしているとか。
日本人の睡眠時間が短くなっている背景には、コンビニなど24時間営業のお店が多いことや、スマートフォンの登場で、生活が夜型になっていることも挙げられます。こういった社会背景に流され「少しくらい睡眠不足でも大丈夫」と考えている人は要注意。
睡眠は、体の休息はもちろん、脳の休息の時間です。睡眠不足の状態が続くと、集中力、分析力、記憶力、運動能力、熱意の低下や、場合によっては被害妄想も起こることがわかっています。また免疫力が低下し、風邪や病気になりやすくもなるのです。

5日の睡眠不足でもうつ状態になる

また、睡眠不足がつづくと、うつ病になるリスクが高まります。そのカギとなるのが、脳の「扁桃体」です。脳の扁桃体は、神経細胞の集まりで情動や感情の処理、ストレス反応、不安・緊張に関わっている部位。強い不安や緊張が長くつづくと、扁桃体が過剰に働きストレスホルモンが分泌します。これが長期間続くことで神経細胞が萎縮して、ほかの脳神経細胞との情報伝達がうまくいかなくなり、うつ病が発生するのだそう。睡眠不足になると、扁桃体の活動が過剰になるため、うつ病になりやすくなる傾向が。また、5日程度の睡眠不足が続くと、うつ病と同じような状態になってしまうこともわかっています。

いま話題の「睡眠負債」の危険もあります。毎日7時間寝るのが理想的なのに、5時間の睡眠を続けると、毎日2時間の睡眠負債がたまっていきます。
1日2時間の睡眠不足が2週間続くと、お酒を飲んで「ほろ酔い」の時の血中アルコール濃度と、ほぼ同じ脳の働きになるという結果が出ています。
意識が朦朧としたり、体がだる重くなったり、精神的にも不安定でネガティブになりがち。平均睡眠が5時間以下の人は、すでに危険水位かもしれません。
「寝ないでがんばる」は体も心もむしばむことになるので、睡眠時間を毎日しっかりとりましょう。

続きを読む



あの人うつ病かも? うつを見分ける症状のポイント|接し方のヒント

ノーイメージ

【執筆者】ピースマインド・イープ

■ピースマインド・イープ株式会社 高度な専門性を活かしたメンタルヘルス関連サービスを提供。日本最大級のオンラインによる心理カウンセリングサービスを提供するほか、オフラインでも直営カウンセリングルーム…

もっとみる

提供:gooヘルスケア

【執筆】住本吉章カウンセラー

あの人うつ病かも? うつを見分ける症状のポイント|接し方のヒント

誰でもが陥りやすいうつ状態

うつ状態は、誰でもが陥りやすい状態です。一昔前までは、中年以降のものとされていましたが、最近では、低年齢化の傾向がみられ、大学生はもちろんのこと、不登校中の中学生や高校生にもみられるようになりました。専門家の話では、小学生にまで降りてきた、とさえ言われています。私どもの相談室にお越しになったうつ状態の方には、お医者様に必ず診てもらってくださいと、申し上げています。しかし、なかなか腰が重い方もいらっしゃいます。もちろん、心療内科等に通院しながら、当方のカウンセリングを利用されている方もいらっしゃいます。

そんな方をカウンセリングするとき、私が気をつけていることがあります。そのことについて、お話ししてみたいと思います。もし身近にそのような状態の方がいる際の対処法のヒントとして知っていただければと思います。

見落としてはならないポイント

さて、うつ状態は、精神面と身体面の両方に現れますが、基本的に見落としてはならないことがあります。それは、例えば次のポイントです。

(1)悲しい感じや、落ち込んだ感じが続いているのかどうか
(2)これまで楽しめていたことに、楽しみがもてない状態にあるのかどうか
(3)これらの状態がどれくらい長く続いているか……等です。

同じうつ状態の方でも困っていらっしゃる内容や程度は、人によってまちまちです。何を期待してお越しになったかに注目していますと、いくつかの傾向が見られます。
私がこれまで相談させていただいた方々の特徴は、以下のように分類できます。

(1)眠れない、食欲が出ない。疲れやすい、しんどい、やる気が出ない。
(2)人との対応ができない。人間関係がうまくいかない。自信が持てない。
(3)ものごとに集中できない。気分が沈む。楽しくない。
(4)なにごとも悲観的に考えて、罪悪感に苦しみ、自分は無価値な人間に思えてくる。将来が心配。お先真っ暗だ。

大部分の方々は、このような特徴のうち、2つ以上の特徴が重なっていることが多いようです。
このことから、うつ状態は様々な角度から対応しなければならないことが分かります。たっぷり時間をかけ、じっくりお話をお聞きしてさしあげますと、落ち込んだうつ気分の全般的な底上げが起こり、当面の課題がはっきり見えてきます。

このように働きかけています

まず、最初に心がけなければならないことは、よく寝られるようにしてあげることです。すると、やや活動的になられ、食事がすすむようになり、以前よりも元気になれる方が多いようです。家で元気が出てこられたら、職場に出られるようになり、また職場でも元気が出るようになります。

次に、人間関係の保ち方について全力を注ぐようにしています。お越しになる方の中には、物事を悲観的にとらえ、いつも、御自身を悪い方へ悪い方へと追い込んでいらっしゃる方がいます。そんな場合、その方特有の考え方を、もっと柔軟にしてあげるお手伝いをしています。また、悪いことが起きると、それがいつまでも継続し、それが万事に広がり、すべてがうまくいかなくなるように思いこんでいらっしゃる方が多いようです。しかも、ご自分のせいで事態を悪化させてしまったと強く信じ、ご自分を厳しく責め立てられます。こんな方の思考を柔軟にして差し上げるのも、私の仕事です。

早く回復する近道とは

そして、先入観を持たずに、いろいろな方法を試してみることをお勧めしています。さらに試してみないうちから、将来、果たしてうまくいくだろうかと、不安にとりつかれ、心配し、おびえている方もいらっしゃいます。この不安も、心理相談のなかで、いろいろな方法を示させていただき、ご自身を強くしていかれる作業のお手伝いをするようにしています。

うつ状態の方は、ご自身の今の状態は必ず良くなる、という「強い希望」を持たれ、今日、様々な有効な方法が開発されているのだから、それらを利用すれば必ず良くなる、という「期待感」をもたれることをおすすめしています。これが早く回復する近道だ、と私は考えています。

※この記事は2007年3月に配信された記事です

続きを読む



  1. 1
    肩こり・首の痛みの治し方。めぐりを良くする食材で改善!
    つらい「肩こり・首の痛み」改善-漢方医学、西洋医学での対処法 血行を…
  2. 2
    朝食を変えれば『ヤセ体質』になれる!食べてヤセる食事法
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと …
  3. 3
    肉ばかり食べると体が臭くなる…糖質制限ダイエットの落とし穴
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと …
  4. 4
    実年齢より『若くみえる人』と『老けてみえる人』の違いはどこにある?
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと …
  5. 5
    冬のお洗濯は夜にすると時短になる!乾きにくいニットもOK
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと 天気…
  6. 6
    足にむくみがある人は筋肉が少ない?むくみの原因と解消法
    つらい「むくみ」改善-漢方医学、西洋医学での対処法 余分な水分をとり…
  7. 7
    発達障害の子どもに注意するとき、褒めるときのコツ
    出典:株式会社法研「子どもの発達障害 家族応援ブック」 著者:高…
  8. 8
    発達障害の子どもこそ『ほめて伸ばす』が大事な理由
    出典:株式会社法研「子どもの発達障害 家族応援ブック」 著者:高…
  9. 9
    ヘルプマーク、ハートプラスマークなど、見えない障害を持つ人のためのマーク
    (編集・制作 gooヘルスケア) 外見からはわからない障害を抱…
  10. 10
    お腹がポチャポチャするのはなぜ?胃の症状の原因と改善法
    つらい「胃もたれ」改善-漢方医学、西洋医学での対処法 胃を温めて、消…
  11. 11
    目の下にクマができるのは血のめぐりが悪い証拠?原因と改善法
    つらい「目のクマ」改善-漢方医学、西洋医学での対処法 温めて、血を巡…
  12. 12
    うちの子発達障害かも?と思ったら…早目の支援が社会適応のカギ
    出典:株式会社法研「子どもの発達障害 家族応援ブック」 著者:高…
  13. 13
    ゴム手袋が”手荒れ"の原因になる!?意外と知られていない手荒れの元凶
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと 冬の…
  14. 14 みぞおちの辺りが痛い 激しい痛みor鈍痛? 痛むのは真ん中・右・左?
    みぞおちの辺りの腹痛 激しい痛みor鈍痛? 痛むのは真ん中・右・左?
    お腹の上の部分、みぞおちあたりの痛み。胃痛? それとも、ほかの病気?…
  15. 15
    肌荒れは内臓からきてる?生理時のニキビ・乾燥・かゆみ肌の対処法
    つらい「肌荒れ」改善-漢方医学、西洋医学での対処法 内臓をととのえて…
  16. 16
    ボディーソープで肌荒れ!?清潔のつもりが皮膚を傷めることに…
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと 清潔…
  17. 17 ムシ歯予防には"うがい"も大事。歯磨き後のうがいは何回が正解?
    ムシ歯予防には"うがい"も大事。歯磨き後のうがいは何回が正解?
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと むし…
  18. 18
    やたらと正論を押しつける『モラハラ男』の見分け方
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと 他人…
  19. 19
    1分だけ頑張ればいい!ウエスト・二の腕がほっそり『振り子エクササイズ』
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと …
  20. 20
    感情的に叱ってはいけない!発達障害の子どもへの接し方のポイント6つ
    出典:株式会社法研「子どもの発達障害 家族応援ブック」 著者:高…

一覧