【女性の病気】カンジダ膣炎は誰でもなる可能性があり、完治も難しい

福本 由美子

【執筆者】福本 由美子先生

済生会奈良病院・松原徳洲会病院婦人科医 1986年奈良県立医科大学卒業。同大附属病院、東大阪市立総合病院、湘南鎌倉総合病院、松原徳洲会病院の産婦人科勤務を経て、大阪中央病院泌尿器科・ウロギネセンター…

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(編集・制作 (株)法研

カンジダ菌による炎症でかゆみやおりものの異常が起こる。
普段から体に持っている常在菌が起こす病気。疲労、抗生物質、病気による免疫力低下などがきっかけに。

かびの一種であるカンジダ菌によって膣や陰部に炎症が起こる

「陰部がむずがゆい」「かゆみで寝つけない」「おりものが多くて気持ち悪い」といった症状は多くの女性が経験しています。なかには、同じような症状をくり返して日常生活に差しさわったり、何度も病院やクリニックに通ったことがある方もいらっしゃるかもしれません。
このような症状は膣や陰部の炎症によって起こるのですが、今回はその中でも真菌(かび)の一種であるカンジダ菌によって起こる膣炎について、その原因、症状、治療法、区別しなくてはならない病気、くり返さないための対策などについてお話したいと思います。

カンジダ膣炎という名前は聞いたことがあっても、実際にどういう病気なのかを知る機会は少ないように思います。
原因菌であるカンジダ菌は日常生活のいたるところに存在し、膣やその周辺で増えると、陰部にかゆみを起こしたりおりものが増えたりします。カンジダ菌は真菌(かび)の一種で、細かく分類すると150種類くらいに分かれます。この中でもカンジダ・アルビカンスという菌が、カンジダ膣炎の原因の8割を占めるといわれています。
もともと2割くらいの女性はカンジダ菌を膣の中に持っているといわれており、おりものからカンジダ菌が見つかること自体は特別なことではありません。

膣の中には乳酸菌に似た善玉菌がいますが、体が疲れて抵抗力が落ちると減ってしまうことがあり、そうなるとカンジダ菌が増えて症状が出ることがあります。何らかの感染症(気管支炎や膀胱炎など)の治療のために、広い範囲の菌を抑える抗生物質を使用したときも、膣の中の菌のバランスが変わり、カンジダ菌が増えて炎症を起こします。
また、もともとカンジダ菌による炎症を起こしやすい状態の方もいます。たとえば、病気そのものや治療薬の影響で免疫力が低下している方、ステロイド剤を継続して使用している方、糖尿病、妊娠中の方、きつい下着を好む人などがそうです。

膣炎はそれぞれの原因に合った治療をしないと治りにくい

カンジダ膣炎を発症すると、カッテージチーズのようなおりものが出たり、かゆみが出たりします。時に、非常に激しいかゆみになって睡眠を妨げることもありますし、外陰部が赤く腫れることもあります。
カンジダ膣炎の診断は、おりものを顕微鏡検査や培養検査をして行います。顕微鏡では糸状の菌の様子を見ることができます。治療は、膣の中を洗浄し、菌を抑える薬を挿入したり、外陰部にも炎症が起きている場合には、塗り薬を使ったりします。ステロイド剤の入った薬を不用意に使ってしまうと、治らないばかりかかえって悪化することもありますので注意が必要です。まずは婦人科で診察を受けて、治療法についてよく相談するといいでしょう。

再発をくり返す方や膣錠で治りにくい方では、飲み薬が効果的な場合があります。一度カンジダ膣炎と診断されたことのある方が再発した場合の治療薬も市販されています。ただし、過去に病院やクリニックでカンジダ膣炎と診断されたことがある方で「同じような症状が出ている」など、対象の患者さんは限られますので、よく薬局で相談してから使用しましょう。

おりものが増えたり、かゆみが出たりする病気には、カンジダ以外の菌などが原因になる膣炎、雑菌で起こる細菌性膣炎やトリコモナスという原虫が原因の膣炎、ヘルペスウイルスが原因の外陰部の炎症、毛じらみによる皮膚の炎症などがあります。
これらは、疲れやその他の原因で免疫力が低下したときや、性交渉で原因となる菌などが持ち込まれたときに起こります。特に、トリコモナスは1回の性交渉で感染する確率がもっとも高い感染症といわれています。
同じように膣に炎症を起こしていても、それぞれの原因に合った治療をしないとなかなか治りません。

膣炎をくり返さないために

膣炎は、月経血や精液によって膣内の環境が酸性を保ちにくくなったときに、より起こりやすくなります。もともと膣内は酸性の環境で外敵から体を守っていますが、その防御のしくみが弱くなっているときには注意が必要です。また、通気性の悪いきつい下着で蒸れているとき、頻繁に膣を洗浄した場合、タンポンやナプキンをあまり取り替えなかったなど不衛生な状況でも発症しやすくなります。
膣炎をくり返さないためには、普段から下着はコットン製の通気性のよいものにする、厚手のデニムやきつい下着は避ける、おりものシートはなるべく避ける、膣内洗浄を頻繁に行わないようにするなどの注意が必要です。

そのような注意をしていても、くり返しカンジダ膣炎を発症する方の中には、実は知らないうちに糖尿病になっていたという方もいますし、まれですが性交渉のパートナーとカンジダ菌を移し合っている場合もあります。男性にはあまり症状が出ない場合もあるので、性交渉がきっかけで症状が出ているようであれば、一度パートナーに泌尿器科を受診してもらうのがいいでしょう。

カンジダ膣炎は、膣炎の中でも割合よくみられるのですが、かゆみやおりものといった症状が続く、女性にとってつらい病気です。糖尿病や免疫力の低下など、全身の病気の症状の一つとして現れることがありますから、再発をくり返し治りにくい場合には、背景に何らかの病気の可能性を考えてみる必要があります。
また、性交渉との関連や下着やナプキン、膣洗浄のことなど、生活を見直してみることも、再発しにくくするためには大事なことです。婦人科医と相談しながら、カンジダ膣炎への対策を立てていきましょう。

※この記事は2011年12月に配信された記事です



温泉やサウナで性病に感染する可能性は? イスやタオル共有は危険?

通常は性行為を通して感染する性感染症。感染者と直接接触していないのに、温泉やサウナでうつることはあるのでしょうか。

温泉やサウナで性病に感染する可能性は? イスやタオル共有は危険?

ごくまれに性行為以外でもうつる可能性が

性感染症とは、オーラルセックスを含む性的な接触によって細菌、ウイルス、原虫などの微生物に感染する病気のこといいます。性感染症は、基本的に自然発生する病気でありません。メインの感染経路は性的な接触ですが、ごくまれに温泉やサウナなど性行為以外でもうつる場合もあります。特に注意したい性感染症をご紹介します。

<膣トリコモナス症>
トリコモナスという目に見えない小さな原虫によって感染する病気です。トリコモナスは感染力が非常に強く、乾燥には弱い一方で、水中では生きのびることが可能。トイレやお風呂場で感染することもしばしばあるため、性行為の未経験者や幼児にもうつることがあります。湿ったものの中でも生息できるため、下着や濡れたタオル、便座なども注意が必要です。

<ケジラミ>
毛に生息するシラミの一種ケジラミに感染することで起こるもの。毛に生息していますが、タオルや毛布を介してうつる場合もあります。ケジラミの人とタオルを共有するのはやめましょう。

<梅毒>
皮膚や粘膜の小さな傷からトレポネーマという病原体が侵入し、血液を通って全身に広がります。性行為以外では、まれに衣類や食器、カミソリなどからうつることもあるとされています。

<HIV>
HIVウイルスに感染することによって、免疫力が弱まり、やがてエイズを発症する病気です。感染者の血液や体液が粘膜や傷口などに接触することで感染するので、血液がつく可能性のある、歯ブラシやカミソリの共有は避けましょう。

体力が弱っているときは温泉に注意!

性感染症を防ぐためには、日頃から下記のようなことにも注意しましょう。

・寝具を清潔に保つ
湿ったり、不潔な寝具に生息する病原体もいるため、寝具はこまめに洗い、しっかり乾燥させるようにしましょう。

・体調不良、生理中は注意
具合が悪いときや生理中は、体の免疫力が弱っていて、感染しやすくなっています。温泉やサウナ、プールなど、病原体に接触する可能性が高い場所に行くのは避けましょう。

・タオル、カミソリ、歯ブラシを共有しない
病原体や血液、体液が付いている可能性があるので、タオルやカミソリ、歯ブラシの他人との共有はしないようにしましょう。

・体に傷や炎症があるときは注意
病原体は、目に見えない体の小さな傷からも侵入します。傷や炎症があるときは温泉やサウナを避け、タオルなどの共有もやめましょう。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

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妊娠中に性病が発覚! 赤ちゃんへの影響は? 治療はできる?

胎児への影響を考え、薬での治療が制限される妊娠中。そんな時、性病にかかってしまったら? その対処法をご紹介します。

妊娠中に性病が発覚! 赤ちゃんへの影響は? 治療はできる?

妊婦健診で早期発見が可能 適切な治療を受けて

性病は、不妊や早産、流産のほか、胎児へ健康被害を及ぼす場合もあります。妊娠中に性病になった場合は、どのように対応すべきでしょうか。

妊娠中、妊婦健診を受けていれば、胎児に影響のあるほとんどの性病について、血液検査でチェックができます。自覚症状がなくても、血液でウイルスの有無がわかるので発見が可能です。もちろん、体に異変があればその都度、医師に相談しましょう。

<妊娠中に注意したい性病>

◯クラミジア
日本で一番感染者が多い、性感染症です。妊娠中に感染して治療をせずにいると、子宮頸管炎や絨毛膜羊膜炎を起こして切迫流産や切迫早産につながる場合があります。

また、クラミジアに感染したまま通常分娩すると、産道感染する可能性があります。赤ちゃんに感染すると、新生児結膜炎や新生児肺炎に。クラミジアに女性がかかっている場合、パートナーも感染している可能性が高くなります。そのため、クラミジアが発覚したら、治療はパートナーも一緒に取り組んでもらうことが必要です。

◯カンジダ膣炎
もともと体に備わっているカビの一種の真菌が異常に繁殖して炎症を起こす病気です。免疫力が落ちた時に発症しやすく、妊娠中もかかりやすい時期のひとつ。

特につわりなどで体力が低下する妊娠初期にかかる人が多いようです。外陰部にかゆみが出たり、おりものがヨーグルトやカッテージチーズのようになったりするなどの症状が出ます。カンジダ膣炎は妊娠中も膣座薬による治療が可能。赤ちゃんに産道感染する可能性があるので、出産までに完治させるのがベストです。もし赤ちゃんに感染した場合、口の中にカビ菌が繁殖する鵞口瘡(がこうそう)や皮膚炎になる恐れがあります。

◯梅毒
ひと昔前に流行った性感染症で当時は不治の病と言われていた病気です。それが最近になって感染者が増え始めています。梅毒の症状は、体にしこりができる第1期から、神経まで侵される末期症状の第4期まで、悪化と回復を繰り返しながら進行していきます。現在では、治療が可能なのでほとんどが2期まで完治します。

無症状であっても、梅毒に感染した状態で妊娠している場合は、胎盤を通して母子感染し、赤ちゃんが先天性梅毒にかかる可能性があります。ただし現在では妊娠初期に必ず梅毒検査が行われ、妊娠中にも服薬治療できるので、ほとんどこういったケースはありません。

◯淋病
淋菌に感染することで、おりものの増加や不正出血、下腹部痛が起こる病気です。女性の多くは症状が出ず、気づかないまま放置しておくと、卵管炎や骨盤腹膜炎を起こし、不妊や子宮外妊娠の原因にも。

赤ちゃんへの影響は、出産時の産道感染です。赤ちゃんにうつると、結膜炎などの症状を引き起こす場合があります。妊娠中でも使える薬で治療が可能で、もし出産までに治療が間に合わない場合は、帝王切開での出産がすすめられます。また、淋病に感染している人のうち、20~30%の人がクラミジアにも感染していると報告されています。あわせて検査をしてもらいましょう。

◯HIV
HIVに感染し、治療をせずにいると、免疫力がだんだん弱くなって体を守れなくなるため、普段では病気にならないような細菌やウイルスで病気にかかってしまいます。こうなると、エイズ発症と診断されます。現在では、適切な治療を受けている人であれば、妊娠出産が可能です。

HIVに感染したまま、気づかずに出産した場合、赤ちゃんへの感染率は約30%。一方、HIV感染がわかった場合は抗HIV薬を服用し、帝王切開で出産、母乳を与えずに粉ミルクで育てる、生まれた赤ちゃんには抗HIV薬を6週間飲ませるなどの対策をとることができます。こうした対策で赤ちゃんへの感染率は1%以下に抑えることが可能に。さらに、どちらかがHIVに感染している夫婦でも、人工授精や体外受精によって、お互いに感染させることなく出産することが可能になってきています。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

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感染してても気がつかない、症状の出ずらい6つの性感染症とは?

性感染症のなかには、症状が出ずらく、感染してても気づかないものがいくつかあります。うつす側にも、うつされる側にもならないように、病気に対する正しい知識を知っておきましょう。

感染してても気がつかない、症状の出ずらい6つの性感染症とは?

感染者数が増加している性病も多数!

性病というと、痛みやおりものの異常など何かしら症状が出ると思いがち。でも、性病には、症状が出ないものも少なからずあるので注意が必要です。

1) クラミジア
日本の感染者数は100万人以上といわれている、性感染症です。日本性教育協会(JASE)が高校生を対象にクラミジア感染について調査したところ、男子高校生の6.7%、女子高生の13.1%が感染していることが判明しました。この数値は先進国の中でも高い感染率です。
これほど多くの人が感染しているのに、男性の50~60%、女性の80~90%が無症状、または症状が軽度のため、自覚しにくいのがクラミジアの特徴。たとえ自覚症状がなくても、性行為で感染します。さらに、感染者と性行為をした場合に1回でうつる確率は50%以上と感染力も強いため、感染者が広まってしまうのです。

2) 性器ヘルペス
一度感染すると、免疫力が低下した時などに再発を繰り返す性器ヘルペス。感染しても80~90%はすぐには症状が出ず、数年から数十年後に症状がでる場合もあります。また、症状により、急性初発型、慢性再発型、誘発型、無症候型の4つに分類されます。なかでも、無症候型は自覚症状がないのに不定期に性器からウイルスを排出します。このように、感染してから無症状の間や、感染しても無症候型の場合は、本人も知らないうちに相手に感染させてしまっているのです。
予防には、症状が出ている時や完治後1週間は性的接触を避けること。そして、性行為にはコンドームを使用することですが、ウイルスは太ももや頸部にもいる場合があるので、完璧には防げないのが現状です。

3) 淋病
淋菌に感染するのが淋病です。男性は、尿道炎として症状が出るのに対し、女性はおりものの増加などがあるものの、多くは自覚症状がありません。さらに、淋菌はオーラルセックスにより咽頭にも感染します。これも、無症状なことがほとんど。主に、男性の淋病感染の原因のひとつとなっています。

4) 尖圭コンジローマ
HPVウイルスに感染することで、先の尖ったイボが性器や肛門など感染部位にできる病気です。一般的に自覚症状がなく、症状が出ても感染してから3ヶ月後と時間がかかるため、本人も気づきにくいもの。イボは下着などで擦れると痛みを感じますが、特に女性は性器を目視でチェックするのが難しいため、痛みが起きないと発見できないことが多いのです。膣内部や子宮頚部などに発症することもあります。

5) 梅毒
トレポネーマという病原体に感染することで起こる病気です。長期に渡り、徐々に体を蝕んでいく病気ですが、第1期で体にしこりができたり、第2期で体にバラ診とよばれる赤い斑点ができても、痛みはなく、しばらくすると自然に消えてしまいます。そのため、自分で気づくのは非常に難しいのです。症状が出ていなくても、性行為で感染する可能性が高いので注意が必要です。ただし、無症候梅毒という症状がまったく出ず、血液検査で初めて感染がわかるというタイプもあるので、判断はとても難しいのが現状です。

6) HIV
HIVウイルスが粘膜や傷口から血液内に入って感染する病気です。体内でウイルスが急激に増える感染初期は、のどの痛みやだるさ、筋肉痛といった症状が出ます。ただし、風邪やインフルエンザと似た症状のため、HIVとは思わず見過ごしてしまう場合が多いのです。その後、数年から数十年の潜伏期間を経てエイズを発症しますが、徐々に免疫力が低下していくものの、この間は症状はほぼないため「無症候期」と呼ばれます。

これら症状の出ずらい性病を予防するには、性行為の際に必ずコンドームを使用することが大切です。また、不特定多数の人との性的な接触は避けましょう。残念ながら、完璧な予防法はありませんが、これらに気をつけるだけでも、うつされる確率は低くなるはずです。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

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女性に急増中の恐ろしい病気とは? 放置すると大変な症状が

ひと昔前の病気のイメージがある性感染症の梅毒。実は、その患者数が急激に増えているのです。病気の特徴と予防法をご紹介します。

女性に急増中の恐ろしい病気とは? 放置すると大変な症状が

ひと昔前の“不治の病”が最近また復活している?

トレポネーマという病原体により感染するのが梅毒。ひと昔前は、不治の病として非常に恐れられていた病気ですが、抗生物質のペニシリンが発明されると同時に、感染例は激減していきました。その梅毒の感染者数が、現在急増しているのです。東京都感染症情報センターの調査によると、2014年から2016年にかけて女性の20代から40代の患者数が急増しています。特に20~29歳の報告数は約5倍にものぼり、保健所などで注意が呼びかけられています。

一度、終息に向かった梅毒が、なぜ急増しているのでしょうか? その背景には、性経験の低年齢化が原因の一つになっているのではないか、という見方がありますが、実際には因果関係はわかっていません。

症状の出ない無症候梅毒は気付きにくい

梅毒の感染経路は、主に性行為によるもの。感染者と1回性交しただけで感染するといわれるほど、感染力が強い病原体です。感染している部位が皮膚や粘膜と直接触れることで感染します。オーラルセックスやアナルセックスでも感染するほか、感染している部分が口にある場合は、キスでもうつります。不特定多数と性交することは梅毒感染のリスクが高くなるほか、コンドームで100%予防はできませんが、コンドームを使用しないセックスはさらなる感染のリスクを高めます。

梅毒に感染すると、第1期から第4期までを順にたどりながら、下記のように重症化していきます。

<梅毒の症状>

まず、性的な接触から病原体が体内に侵入し感染します。約1週間から13週間の潜伏期間の後、発症します。

◯第1期 感染から約3週間後
性器や肛門、口など感染した部位にしこりができます。このしこりに痛みはなく、それと同時に太ももの付け根のリンパ節が腫れます。どちらも、放っておくと2~3週間で消えるので、自分では気付きにくいのが特徴です。

◯第2期 感染から約3ヶ月~約3年後
病原体が血液を介して、全身に広がり始めます。そのため、顔や手足にピンク色の円形のあざや、あずき~えんどう豆くらいのサイズの湿疹ができます。この症状は「バラ疹」とも呼ばれます。また、脱毛症状が見られる場合もあります。ただし、これらの症状は3ヶ月から3年続いた後、自然に消えます。

◯第3期 感染から約3~10年後
結節性梅毒疹やゴム腫といわれる、皮下組織にできる大き目のしこりができます。

◯第4期 末期状態
心臓、神経、血管、目などに重い障害が出ます。

現在では、抗生物質などの治療により、第3~4期にいたるケースはほとんどありません。ただ、感染者の中には、症状が出ないタイプの人もいます。これを、無症候梅毒といい、第1~2期になる途中や、第2期で発疹が消えた時期も含まれます。無症候梅毒は、症状が出ていないだけで、接触すれば感染します。この時期に、知らずにパートナーにうつしたり、うつされている可能性があるのです。

さらに注意したいのが、梅毒はHIV感染のリスクも高めるということ。梅毒とHIVの両方に感染していると、相互に影響しあい進行を早め重症化しやすくなるという報告もあります。梅毒は抗体が作れないので、一度完治しても、病原体に触れれば再感染します。定期的に性感染症の検査をするのはもちろん、普段から自分の体はもちろん、パートナーの体にも異常がないかチェックをしておきましょう。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

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知らぬ間に感染して、母子感染や流産の原因になるウイルスとは?

妊娠中は免疫力が弱まっているため、感染症にかかりやすい状態です。感染するとお母さんの体だけではなく、赤ちゃんにも影響が出る可能性も。注意したい病気をまとめました。

知らぬ間に感染して、母子感染や流産の原因になるウイルスとは?

妊婦検診や婦人科検診で定期的にチェックを

女性が妊娠をすると、ホルモンバランスの乱れなどから、免疫力が低下すると言われています。普段と違い、病気にかかりやすい状態ですし、さらに妊娠中は飲める薬も限られてきます。
また、母体に影響するだけではなく、妊娠中の母子感染も心配です。お腹の中で赤ちゃんにうつる「胎内感染」、出産時にうつる「産道感染」、母乳を与えることでうつる「母乳感染」があります。ほかにも、早産や流産などのリスクが高くなるなど、特に注意したいウイルスによる病気をご紹介します。

◯風疹ウイルス
風疹の原因は風疹ウイルスです。母親が妊娠初期に感染して、胎児にもうつると、白内障や先天性心疾患、難聴などの障害が。妊婦健診で抗体検査を受けて、免疫がないと言われたら、風疹ウイルスを持っている可能性のある人との接触を極力さけましょう。家族には予防接種を受けてもらった方が○。

◯麻疹
麻疹ウイルスに感染することでかかる病気が麻疹です。感染すると、発熱、全身性発疹などがでるもの。妊娠中に感染すると、流産や早産の原因になることが。流行性のものなので、流行っている時は外出を控えるなどで予防をしましょう。

◯水ぼうそうや帯状疱疹
水ぼうそうや帯状疱疹の原因となるのが水疱・帯状疱疹ウイルス。妊婦が水ぼうそうを発症すると、水疱肺炎を起こす危険が。また、出産前後に発症すると赤ちゃんにもうつる可能性が高くなります。ただ、ほとんどの人が免疫を持っているので、そこまで大きく心配する必要はありません。

◯B型肝炎ウイルス
赤ちゃんがB型肝炎ウイルスに感染しても多くは無症状ですが、まれに重い肝炎をおこすことがあります。将来、肝炎、肝硬変、肝がんになる可能性も。お母さんがウイルスを持っている場合、出産後の赤ちゃんにワクチンを接種することで感染の予防が可能。

◯C型肝炎ウイルス
B型肝炎ウイルスと同様に、赤ちゃんが感染しても多くは無症状です。ただし将来、肝炎や肝硬変、肝がんになることがあります。

◯HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス-1型)
HTLV−1ウイルスの感染者の約95%は病気を発症しません。残りの5%は成人T細胞白血病、約0.3%はHTLV-1関連骨髄症を発症する可能性があります。母子感染は、母乳感染なので、粉ミルクを使うなど医師と相談を。

◯B群溶血性レンサ球菌
妊婦の2割が保菌しているといわれるウイルスです。常在菌なので特に問題はありませんが、出産前に治療しないと、赤ちゃんが肺炎、髄膜炎、敗血症などの重症感染症を起こすことがあります。

◯サイトメガロウイルス
日本人の成人の半数以上が持っているほどありふれたウイルスで、母乳や子供の唾液、尿、性行為によって感染します。妊婦が初感染した場合や、その妊婦の免疫力がひどく低下している場合は、胎児へ感染する可能性が。流産、死産、脳や聴力の障害が起こる可能性があります。出産時に問題がなくても、成長するにつれて症状がでることも。症状がでる確率は感染時の10~30%と言われています。

◯トパルボウイルスB19(別名:りんご病)
このウイルスに感染すると、1~3週間の潜伏期間を経て、頬がりんごのように真っ赤になります。妊娠中に胎児に感染すると、胎児水腫、流産、死産の原因になることが。

◯性器ヘルペス
ヘルペスウイルスに感染することで性器の周辺にヘルペス(水ぶくれ)ができる病気です。初感染の場合、水ぶくれがつぶれて、ひどい痛みや発熱を伴い、排尿が困難になることも。ただ、再発した場合は、症状が軽く、気づかない場合も。免疫が弱った時に再発しやすく、妊娠時も再発しやすい時期のひとつとされています。母子感染を防ぐため、出産時に性器などにヘルペスの症状が見られる時は、帝王切開がすすめられています。

◯尖圭コンジローマ
HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスが性器や肛門に感染し、カリフラワー状のイボができる病気です。外科手術でイボは除去できますが、再発率が高く3カ月以内に25%が同じ症状にみまわれます。

特に女性の場合、軽い痛みやかゆみがでることもありますが、ほとんどが自覚症状なし。出産時に感染している場合、産道感染する可能性があります。赤ちゃんに感染すると、喉にイボができる呼吸器乳頭腫症を発症するリスクが。再発率が高く、予後も悪いので非常に気をつけなければなりません。ただ妊娠中は、妊婦検査を定期的に受けることで母子感染を事前に予防できます。

◯HIV
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)というウイルスに感染すると、数年から数十年かけて免疫力が徐々に低下し、やがてエイズを発症します。母体がHIVに感染している場合、薬や帝王切開での出産、ミルクで育てるといった対策で、母子感染を予防することができます。妊娠初期にわかり対策をとることができれば、赤ちゃんへの感染率は1%以下と言われています。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

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