頭痛・めまい・イライラは貧血が原因かも? 鉄欠乏性貧血の原因と症状

【お話を伺った人】中村 理英子先生

中村クリニック院長 1946年生まれ。1970年東邦大学医学部卒業後、同大学産婦人科学教室に入局。1991年より、東京・下北沢に中村クリニック(産婦人科・内科・皮膚科)を開設。女性誌などでも女性の…

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(編集・制作 (株)法研

月経過多、過度のダイエット、偏食などが原因に。ひどくなると免疫力が低下して、貧血改善後も体にダメージが……。

めまい、頭痛、イライラは貧血が原因かも

ちょっと階段を上っただけで息切れがしたり心臓がドキドキする。めまいや頭痛がする。疲れやすい。イライラして物事に集中できない。こんな症状は、もしかしたら鉄欠乏性貧血が原因かもしれません。

鉄欠乏性貧血は、いろいろなタイプの貧血の中でも最も頻繁にみられるもので、全身に酸素を運ぶ赤血球や赤血球中のヘモグロビンが減って、各臓器や全身の組織が酸素不足になってしまった状態です。ヘモグロビンは鉄とたんぱく質でできているため、体内の鉄が不足するとヘモグロビンが減少し、結果として鉄欠乏性貧血を引き起こすのです。

初期には、なんとなく気分がすぐれないという程度ですが、貧血が進むと顔色が青白くなり、めまい、立ちくらみ、だるい、疲れやすい、動悸(どうき)、息切れ、イライラ、耳鳴り、冷えなどの症状が現れるようになります。ひどくなると、口内炎ができやすくなったり、爪が反り返ったりします。

こうした症状があるときは、できるだけ早く受診しましょう。貧血の背景に子宮筋腫などの病気がある場合も珍しくありません。また、貧血がひどくなると、治療によって貧血が改善してからも、免疫力が低下するなど、からだにダメージが残ってしまうこともあります。

女性には鉄不足を招きやすい条件がそろっている

鉄欠乏性貧血の直接の原因は鉄不足によるヘモグロビンの減少ですが、鉄不足を招く原因はいくつか考えられます。

女性の場合、まずあげられるのは月経です。赤血球中の鉄は毎月、月経血とともに体外に排出されていき、1回の月経でおよそ20~30mgの鉄が失われるといわれています。普通の量の月経でもこれだけの量の鉄が失われるわけですから、月経量の多い人では鉄の損失はかなりの量になります。また、妊娠・授乳期も鉄を失いやすいので注意が必要です。子どもに栄養を与えるため、鉄の消費量が通常より多くなるのです。

こうして鉄が失われやすいにもかかわらず、過度なダイエットをしたり偏食が続いたりすると、鉄の摂取量が減ってしまうため、体内の鉄はますます不足してしまいます。過度のダイエットや偏食は鉄不足を招くだけでなく、その他のさまざまな栄養素(栄養成分)の不足につながり、栄養のバランスを崩してしまうので注意しましょう。

ヘム鉄、非ヘム鉄、ビタミンCを一緒にとって吸収をよく

鉄欠乏性貧血では、血液中の鉄分の濃度を上げるために、鉄剤と鉄の吸収を高めるビタミンCが処方されるのが一般的ですが、予防や改善には、規則正しい生活と食生活の改善が大切です。

規則正しい生活を送るためには、3度の食事をできるだけ毎回一定の時間帯にとるよう習慣づければ、生活のリズムをつくりやすくなります。こうすることによって、体のリズムも整ってきます。

食事の基本は多種類の食材を食べることによって、いろいろな栄養素(栄養成分)をバランスよくとることが大事です。特に鉄欠乏性貧血には鉄を多くとること、鉄の吸収率を高めるビタミンCと合わせてとること、赤血球をつくるたんぱく質を適量とることを意識したいものです。

食品に含まれる鉄には、動物性食品に含まれる吸収効率のよい「ヘム鉄」と、植物性食品に含まれる吸収効率のあまりよくない「非ヘム鉄」があります。
ヘム鉄は肉や魚、中でもあさり、干しえび、レバー類、かつお、赤身の肉などに多く含まれます。しかもこれらの食品にはたんぱく質が豊富に含まれています。非ヘム鉄は野菜や海藻など、特にパセリや小松菜などの緑黄色野菜、ひじき、切干し大根、きなこ、ごまなどに豊富で、緑黄色野菜にはビタミンCも豊富です。

吸収のよいヘム鉄が多く含まれているからと肉や魚ばかりとっていては、栄養が偏ってエネルギーオーバーになってしまいます。吸収が悪いとされる非ヘム鉄は、たくさんとるようにすればビタミンCもたっぷりとれます。適量のヘム鉄とたっぷりの非ヘム鉄をとることで、肉・魚に野菜・海藻・大豆と栄養バランスがよく、鉄の吸収もよくなるというわけです。ほかに、ビタミンCの豊富な野菜や果物も積極的に食べましょう。

また、香辛料や酸っぱいものなど、食欲を刺激する成分は胃酸の分泌を促し、鉄の吸収を高める効果があるのでおすすめです。逆に、コーヒー、紅茶、緑茶に含まれるタンニンは、鉄の吸収を低下させるので食事と一緒に多量にとるのは控えたほうが賢明です。

※この記事は2008年7月に配信された記事です



女性の貧血を改善・予防する食事-貧血改善にいい食材5選

疲れやすい、めまいがするなど、貧血の症状に悩む女性は多いもの。そうした貧血のほとんどが、体内の鉄分不足による鉄欠乏性貧血だそう。食事で鉄分を補給して、貧血による不調を改善しましょう。

女性の貧血を改善・予防する食事-貧血改善にいい食材5選

すべての年代の女性が鉄分不足

20~30代の女性の1日の鉄の目標摂取量は10.5gです。毎日3食、バランスのとれた食事を摂取すればまかなえるとされていますが、現代ではどの年代の女性も、この摂取目標量を摂れていません。貧血になる人の8~9割が、体内の鉄が不足することで起こる「鉄欠乏性貧血」と言われています。
貧血とは、血液中の赤血球やヘモグロビンが少ない状態のことです。赤血球やヘモグロビンは、体のすみずみまで酸素を届ける役割を担っているので、これが減ると体が酸欠に。めまい、疲れやすい、肩こり、動悸などの原因になります。

食事のバランスを整えて鉄分をこまめに摂取

貧血が重症化する前に、食事のバランスを整えて鉄分を摂取しましょう。特に、女性は月経のため、毎月鉄分を失います。貧血を予防するためにも、普段の食事からこまめに摂るようにしてください。
鉄分には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。ヘム鉄は、肉や魚などの動物性食品に含まれ、体内での吸収率が高いもの。非ヘム鉄は、卵や野菜などに含まれていて、ヘム鉄に比べ吸収率が低いとされています。ただし、非ヘム鉄はビタミンCやたんぱく質を含む食品と一緒に摂ることで吸収率がアップ。日本人が食事から摂る鉄分の85%が非ヘム鉄とも言われているので、逃すことなく摂取したいですね。いろいろな食材と組み合わせることで、吸収力アップを心がけましょう。

非ヘム鉄とビタミンCが両方含まれる食材も

鉄分を多く含む食材といえば、レバーやひじきなど。ほかにも、鉄分を豊富に含むのはもちろん、スーパーで手に入りやすく、比較的値段も安いものをリストアップしました。一品足りないなと思ったら、まず鉄分を含む食材をベースに副菜をプラスすると、食事のバランスが整いやすくなりますよ。

<手軽で安い! 貧血予防に摂りたい食材>

1. 小松菜
非ヘム鉄を多く含む小松菜ですが、同時にビタミンCも含んでいるので、ほかの食材と組み合わせなくても非ヘム鉄が体内に吸収されやすい食材です。おひたしはもちろん、味噌汁の具、スムージーにも活用できる万能食材と言えます。食物繊維が一緒に摂れるのも、うれしいポイントですね。

2. マグロの赤身
ヘム鉄のほか、たんぱく質、ビタミンが豊富な食材です。値段はそこまで安くありませんが、マグロのブツ切りならスーパーで通年手に入れられ、調理不要ですぐに食べられます。食事のメニューにプラスすれば、手軽に鉄分補給できます。魚類では、カツオ、イワシにもヘム鉄が多く含まれます。

3. レバー
鉄分を多く含む代表的な食材といえばレバー。鉄分が多いのは、牛<鶏<豚の順です。ただ、好きな人と苦手な人が大きく分かれる食材とも言えます。苦手な人は、少量をハンバーグの具材として混ぜ込むと、生臭さが解消でき食べやすくなります。

4. ひじき
こちらも鉄分を多く含む食材で有名。最近は製造工程に鉄釜を使わなくなったため、『日本食品成分表 2015年版(七訂)』ではひじきの鉄含有量が若干少なくなりましたが、海藻の中でも鉄分が多いことには変わりがありません。ひじきに含まれるのは非ヘム鉄なので、ビタミンCを含む食材と組み合わせて吸収力をアップさせましょう。「ひじき=煮物」となりがちですが、ひじきサラダも簡単でオススメです。水で戻したひじきをお湯でさっと茹でて水気を切ったら、オリーブオイルと塩、レモンで味付けを。

5. たまご
たまごには鉄分のほか、たんぱく質やビタミンB12、葉酸も入っているので、造血効果が抜群です。ただ、非ヘム鉄なので、吸収力を高めるためにはビタミンCが入った食材と一緒に摂りしましょう。キャベツやブロッコリー、ジャガイモなどがオススメ。ビタミンCは水溶性なので、炒めたり、蒸したりして調理するようにしてください。

身近な食材で摂取できる鉄分。いつもの食事に一品プラスして、こまめに鉄分を補給しましょう。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

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眠い・だるい・疲れやすい・集中力がない…原因は鉄分不足かも?

誰もが感じたことのある、眠い、だるい、疲れやすいといった症状。鉄分不足からきているかもしれません。不調は、食事内容を改善したりするだけで改善も可能。不調が重くなる前に試してみて。

眠い・だるい・疲れやすい・集中力がない…原因は鉄分不足かも?

鉄分が慢性的に不足すると「隠れ貧血」に

女性に増えている「隠れ貧血」を知っていますか? 一般的な貧血は、赤血球に含まれるヘモグロビン濃度が基準値以下なのに対し、鉄分不足からくる鉄欠乏性貧血は、ヘモグロビン濃度が基準値以内なのに症状が出るのが特徴。そのため「隠れ貧血」と言われるのです。

日本人女性の1割が貧血で、その8~9割が「鉄欠乏性貧血」だと言われます。眠い、だるい、疲れやすい、集中力がないといった症状が長く続いている人は、鉄分が不足して鉄欠乏性貧血になっている可能性が。冷え、肩こり、脚がつりやすいといった症状も鉄分不足からくる貧血の症状です。

通常、食べ物から鉄分を取ると、体内で7割が機能鉄、3割が貯蔵鉄に分別されます。鉄分不足でも体内で保管されている3割の貯蔵鉄が残っているうちは症状が軽いのですが、これすらなくなってしまうと症状が重くなります。その前に、食事やサプリメントで積極的に鉄分を補給しましょう。

月経や妊娠・出産など、女性は鉄分不足になりやすい

鉄分は体のなかで毎日消費されます。体内に酸素を運ぶヘモグロビンは、タンパク質と鉄分で構成。赤血球は毎日少しずつ新しいものに入れ替わりますが、その際に1日1mgの鉄が使われます。また、発汗によっても鉄分は損失。これ以外にも、女性が鉄分不足になりやすい要因はいくつかあります。

個人差がありますが、月経では1日あたり0.5g~1.0mgの鉄を失います。子宮筋腫や子宮内膜症などで月経過多になり、そのせいで鉄分不足になって貧血を引き起こす人も。妊娠中は赤ちゃんの成長に必要な鉄分の供給のほか、出産時にも多くの血液が失われるため、鉄分不足に。また、注意したいのが食事を抜いたり、食事の量を極端に減らすダイエットです。鉄分をはじめ、ヘモグロビンの材料であるタンパク質が不足することで、鉄欠乏性貧血になることがあります。

食事から鉄を効率よく摂るためにできること

鉄分不足と感じたら、できるだけ早く食事内容を改善しましょう。個人差がありますが、数ヶ月程度で症状が改善できる場合があります。

鉄分には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があります。ヘム鉄を多く含む代表的な食べ物は、豚や鳥のレバー、牛ももの赤身、しじみやあさり、かつおなど。肉や魚介類と覚えると簡単です。非ヘム鉄を多く含む食材は、ほうれん草や小松菜、ひじき、大豆など、植物性のもの。一般的に、ヘム鉄の方が体に吸収されやすいと言われています。

ただし、日本人が食事から摂取する鉄の8割は非ヘム鉄。ビタミンCやクエン酸を一緒に摂ることで、非ヘム鉄の吸収率がアップするので、ぜひ食材を組み合わせてみてください。ちなみに、コーヒーや紅茶に含まれるタンニン、ほうれん草に含まれるシュウ酸は、鉄を排出させます。これらは、鉄と一緒に摂らないようにしましょう。不調が辛い場合は、一度病院で相談を。適切なサプリメントの処方が受けられます。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

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美肌や髪のボリュームアップにも? 女性にうれしい「葉酸」の効果

慶田朋子(けいだ・ともこ)先生

【お話を伺った人】慶田朋子(けいだ・ともこ)先生

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士。東京女子医科大学医学部医学科卒業。同大にて皮膚科助手、美容クリニック勤務などを経て、銀座ケイスキンクリニックを開設。メスを使わないエイジングケアをモットーに医…

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美肌や髪のボリュームアップにも? 女性にうれしい「葉酸」の効果

胎児の正常な発育をサポートするために、妊娠中は多めに摂ることが推奨されている葉酸。実は、女性の美肌や美髪にも欠かせない栄養素です。葉酸で体の中から美しくなれる仕組みを、銀座ケイスキンクリニック院長の慶田朋子先生に伺いました。

葉酸で細胞分裂のペースを早め、若々しいうるうる美肌に

葉酸は、細胞の生産や増殖、赤血球の形成やタンパク質の生成や合成に関わっている栄養素です。不足すると、口内炎、胃潰瘍、肌荒れを引き起こしたり、抵抗力が落ちて病気にかかりやすくなります。また、欠乏症として悪性貧血があります。
ほうれん草やブロッコリーなど緑黄色野菜に多く含まれていて、体の中ではつくることができないため、食べ物からとる必要があります。

実は、この葉酸は美肌づくりにも大いに活躍します。
私たちの肌は、日々細胞分裂によって新しい表皮の細胞を誕生させています。その細胞が分裂しながら角質となって、やがて垢としてはがれおちていきます。これをターンオーバーと呼び、部位による差はありますが、適正なサイクルは、28日~40日周期です。ターンオーバーによって強くてしなやかな美肌がキープできるのです。

ところが、加齢にともなって細胞分裂のペースが遅くなり、高齢になるとターンオーバーの周期が倍以上長くなります。すると、皮膚の表面に古い細胞が多く残ることになり、肌のくすみやきめの悪化といった肌の老化としてあらわれるのです。

肌の老化を改善するためには、遅くなった細胞分裂のペースを早めること。そこで役立つのが葉酸です。
葉酸をとることでタンパク質の新陳代謝がよくなり、細胞分裂のペースが早くなり、若々しい肌を取り戻せるのです。
さらに、葉酸の赤血球をつくり出す働きで血行がよくなり、顔色も肌もきれいになります。

抜け毛改善や育毛効果も期待できる!

妊娠中や出産後、ホルモンバランスの崩れにより抜け毛が増え、薄毛に悩まされる人も多いもの。また、授乳や睡眠不足、過労によって血行不順や栄養不足に陥り、毛母細胞の細胞分裂がスムーズに行われなくなると薄毛になる場合も。産後1年程度で自然と元の毛量に戻ることがほとんどですが、やはり気になるもの。

そんなママの髪の悩みにも力を発揮するのが葉酸です。葉酸は、髪の材料になるタンパク質を作り、血行促進効果で髪に必要な栄養をスムーズに届ける働きを助けるので、抜け毛の改善が期待できます。

さらに、産後は夜中の授乳や夜泣きで睡眠不足になり、精神的にもストレスをためてしまいます。これも抜け毛にもつながります。
葉酸は、質のいい睡眠に欠かせないホルモン・メラトニンの材料になるセロトニンを作りだし、安眠効果が期待できます。また、ストレスを感じるノルアドレナリンの分泌を抑える働きがあるのでストレス緩和にも役立つといわれています。
ママのきれいもサポートする葉酸。妊娠前も、出産後も頼りにしたい栄養素です。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

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立ちくらみと貧血は別物 疲れやすさや動悸・息切れは貧血かも

【お話を伺った人】澤田めぐみ(さわだ・めぐみ)先生

内科医。東京医科歯科大学医学部卒。「医学を学ぶのは医師を目指す人たちだけ」という現状に疑問を抱き、「賢い医療消費者を育てたい」という思いから、2011年に日本で唯一の小中学生を対象とした医学教室「とう…

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立ちくらみは俗に脳貧血といわれるが、貧血とは別のもの。
「貧血」は血液中の赤血球が少なくなる病気。一過性の血圧低下による「脳貧血」との違いについて解説します。

立ちくらみがあったら貧血?

立ちくらみは、血圧の一時的な低下による脳の血流不足

急に立ち上がった時、長時間立っていた時などに目の前が真っ暗になったり、一瞬意識を失ったり(失神)する「立ちくらみ」。これはいったいどのような状態なのでしょうか。
立ちくらみは、一時的に血圧が低下することによって脳が血流不足になることでおこります。体の中、特に脳を流れる血液はいつも安定した流れが保たれるように、自律神経がうまくコントロールしています。そのため、普通であれば急に立ち上がった時でも脳の血流が急に減るようなことはありませんが、自律神経がうまく働かないと、起立した時に一瞬血圧が低下して「脳貧血」が起こります(起立性低血圧)。

痛みや精神的緊張、咳などをきっかけに起こることも

起立性低血圧は思春期にもよく認められ、普通は心配いりませんが、高齢者では転倒の原因となることもあり注意が必要です。中には薬剤や糖尿病などによる自律神経障害、脱水や出血が原因になっていることもあります。
また、痛みや精神的緊張などをきっかけに、自律神経の反射で血管が拡がったために血圧が下がり、「脳貧血」が起こる場合もあります(神経調節性失神)。強い痛みや、採血などの医療行為の際、また、ひどく緊張した時などに起こりやすく、咳や排尿・排便もきっかけになります。多くの場合心配いりませんが、失神の中には心臓などに原因があり命にかかわるものもありますので、きちんと診断を受ける必要があります。

貧血は血液中の赤血球が少なくなる病気で「立ちくらみ」とは別

「よく立ちくらみをするのですが、貧血でしょうか」と言う人がいます。確かに貧血では脳貧血のような症状も起こりやすいため、誤解されやすいのでしょうが、立ちくらみがあったら貧血というわけではありません。
貧血とは、血液中の赤血球(正確には赤血球に含まれるヘモグロビン)が少なくなる病気で、体に十分酸素が運ばれなくなるため、むしろ疲れやすさや息切れ・動悸などの症状を認めることが多いものです。また、ゆっくりと起こってきた貧血では体がその状態に慣れてしまっていて、かなり進行するまで症状が出ないこともあります。

貧血の原因は鉄不足以外にもさまざまな原因が

貧血の原因で最も多いのは、ヘモグロビンの材料である鉄が不足して赤血球が作られなくなる鉄欠乏性貧血です。鉄以外でもビタミンB12や葉酸の不足で赤血球が作られなくなる場合や、再生不良性貧血や白血病などが原因で赤血球をはじめとする正常の血液細胞が十分作られなくなる場合もあります。まれですが、赤血球が血管の中で壊れてしまう溶血性貧血もあります。

鉄欠乏性貧血でも、鉄が不足している原因が問題です。慢性的な出血が原因となっていて、検査で消化管のがんからの出血が見つかることもあるのです。貧血イコール、サプリメントで鉄分を摂ればよいと安易に考えるのではなく、検査が必要と指摘されたら、きちんと診断を受けましょう。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

【参考】
『医師に聞けないあんな疑問 医師が解きたいこんな誤解』

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鉄分を摂っても改善しない貧血、足りないのは「タンパク質」かも?!

【お話を伺った人】仲眞美子(なか・まみこ)先生

医療法人社団葵会 AOI国際病院 健康管理センター所長。1975年東京医科大学医学部卒。女性のための統合ヘルスクリニック「イーク丸の内」院長を経て2012年現職に。

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女性は毎月、月経で大量の血液を失います。内科医の間では「女性を見たら貧血と思え」と言われるほど、女性にとって貧血は注意したい病気のひとつ。
貧血といえば鉄分不足というイメージがありますが、なかには非鉄欠乏性貧血、すなわちタンパク質不足による貧血も。鉄分をとっても改善しない、という人はタンパク質が足りていないのかもしれません。

なぜ女性は貧血になりやすいの?

貧血というのは、血液中にある血色素(ヘモグロビン)の量が正常より下回り、血液が薄くなっている状態のこと。その結果、酸素がうまく全身に運ばれず、酸素不足による動悸や息切れ、立ちくらみ、めまいなどの症状を引き起こします。女性は月に1度、月経で大量に血液を失うため、貧血になりやすいのです。
くわえて、出産の高齢化や出産回数が減った現代女性は、昔の女性に比べ、一生のうちに失う血液量が増える傾向にあります。近年は、40代で不調を訴える女性が増加。プチ更年期などと呼ばれることもありますが、このような生活スタイルの変化も一因になっていると考えられています。

貧血の女性4人に1人がタンパク質不足

生理の血液は体液のタンパク質とともに失うため、女性は毎月、鉄分とともに相当量のタンパク質を失っていることになります。貧血に悩む女性のうち、4人に1人はタンパク欠乏性貧血という調査結果も出ているほどです(女性のための統合ヘルスクリニック「イーク丸の内」調べ)。このタンパク質は、健康を司る肝機能の働きにも欠かせない、生きる上でとても大切な栄養素。本当なら、生理で失ったタンパク質は食事で補わなければいけないのですが、大多数の女性は補いきれていないのが現状です。

必須アミノ酸が豊富な「肉、たまご、チーズ」を積極的に

だからこそ、女性はとくにタンパク質を多めに摂るように意識することが大切!
積極的にとりたい食材は、必須アミノ酸がバランスよく含まれる肉、たまご(鶏卵)、チーズなど。必須アミノ酸を摂ると肝機能も良くなり、心身ともに健康な毎日につながります。貧血は症状がはっきりしないため、採血などで検査をしないと断定しづらい病気。毎日の食生活で鉄分&タンパク質を多く摂るように意識して、貧血予防を心がけましょう。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

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