若い女性に急増する摂食障害-“食べては吐く”を繰り返す理由は?

【お話を伺った人】鈴木(堀田) 眞理

政策研究大学院大学 保健管理センター 教授 1979年長崎大学医学部卒業後、東京女子医科大学の研修医を経て、1985年から2年間、米国ソーク研究所神経内分泌部門に留学。東京女子医科大学内分泌疾患総合…

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(編集・制作 (株)法研

心の問題が原因で食行動が異常になる。回復にはストレスとのつき合い方と家族のサポートが大切。

拒食症、過食症とはどんな病気?

摂食障害は先進国に多くみられ、日本でも若い女性に急増して大きな問題となっています。主に思春期から20代の女性にみられますが、最近は男性にも増えています。
摂食障害には主に拒食症(神経性食欲不振症)と過食症(神経性大食症)とがあります。拒食症は、異常にやせてもまだ太っていると感じて体重が増えることを強く恐れ、やせを維持しようとします。一方過食症は、食べたい衝動が抑えられず、短時間に大量の食べ物を食べますが、あとでそのことを後悔して憂うつになったり、太ることを恐れて吐いたり下剤を使ったりします。

拒食症、過食症とも症状は患者さんによってさまざまで、拒食症から過食症に移行したり、両方を周期的にくり返したりすることも少なくありません。いずれも心理的な問題が原因で食事のコントロールが困難となり、体や心にさまざまな問題を引き起こす、軽視してはいけない病気です。摂食障害の治療と改善には、この病気を理解することが大切です。ここでは、拒食から始まって過食と嘔吐(おうと)をくり返すタイプを中心にみていきます。

頑張り屋さん八方美人は注意!

摂食障害の発症にはストレスを適切に対処する能力が大きくかかわっています。ストレスによって血圧が上る、不眠や気分が落ち込むなど、体にも心にも異常をきたすことはよく知られています。進路や人間関係など思春期・青年期特有の挫折体験を乗り越えられないとき、やせることに没頭するとつらさから逃れられるような錯覚に陥ります。実際に、やせると、つらいと感じる感受性が鈍くなり、嫌なことにも耐えられるようになります。過食はアルコールにも似て、食べている最中は嫌なことを考えないで済むという一時的な逃避の効果が得られます。
負けず嫌いで完璧を求めやすい人は挫折をストレスと感じやすく、発病のきっかけになりやすいでしょう。八方美人でNoを言えない人もストレスをためやすいでしょう。やせると自信を持てるような社会的風潮があり、挫折を感じた女性がダイエットに走りやすいことも、近年の摂食障害患者の増加を後押ししていると考えられます。

拒食症患者の食への執念は深い―肥満の恐怖と飢餓

拒食症の約50%はダイエットがきっかけで発症し、ほかは過労や体調不良などで食欲不振になり、やせ始めてからは太るのが怖くて食べられなくなっていきます。しかし体は餓えているため、食べ物のことばかり考えたり、自分は食べないのに家族に無理に食べさせたり、大量の食べ物を隠し持ったりと、「食」に執着し生活すべてが「食」に振り回されるようになります。約半数は食欲に負けて過食をし、過食の後吐いたり下剤を乱用したりします。そして、肥満への恐怖と飢餓との間で悪循環が生じ、次第に抜け出せなくなっていきます。

痩せすぎ・過食嘔吐のからだへの影響

異常にやせたり過食と嘔吐をくり返したりすることで、体と心には次のようなことが起こってきます。

<やせすぎによる影響>

●体の問題

・無月経
・低血圧
・貧血
・冷え症
・うぶ毛の増加
・便秘
・むくみ
・しびれ
・腹部不快感
・肝臓や胃腸障害
・不眠

これらは体重が回復すれば改善するが、栄養失調状態が長期に及ぶと脳が萎縮したり、生殖器の発育や将来の妊娠に支障が出たり、骨粗しょう症の危険が高まる。成長期では低身長になることも。標準体重の55%以下(身長160cmの場合29.7kg以下)になると、全身が衰弱して命にかかわるため入院治療が必要。

●心の問題

・集中力や判断力の低下
・情緒不安定
・強い不安感
・カッとしたり、生きていることがつらい
・自分はだめな人間、生きている価値がないように思える

<過食・嘔吐による影響>

●体の問題

吐くときは食べた物だけでなく、胃液など大量の消化液、ナトリウムやカリウムなど体に必要な電解質も一緒に吐き出している。その際、胃酸で食道があれて逆流性食道炎になったり、胃酸が歯と歯ぐきを傷め、後に総入れ歯になる人もいる。また、低カリウム血症から不整脈やけいれん発作を起こし、死亡することもある。

●心の問題

大食中は何も考えない解放感があり、吐くと嫌なことがすべて排除できるような錯覚があるのでやめられなくなる。しかし、大食後の抑うつ気分は必ずセットで起こり、自己嫌悪や罪悪感に襲われる。

こうしたことが起こっても本人には病気という意識がなく、また無理に食べさせられて体重が増えるのを恐れ、受診をいやがりますが、進行すると脳や消化器の機能低下によっても食べられなくなります。月経が止まるほどやせた場合、周囲が早めに受診させることが大切です。受診先は精神科、心療内科のほか、摂食障害専門外来がある病院もあります。症状によっては、初めは内科や婦人科に相談してもよいでしょう。

治療にはカウンセリングなど心のケアが必要

摂食障害の治療は、背後にある心の問題に気づき、拒食や過食が不適切なストレスの対処行動であることを認知し、適切に対処する力を学ぶために、心理療法(カウンセリング)を行います。カウンセリングはこれまでの考え方や行動を変えるというつらい作業を伴うため、それに耐えられる体力と思考能力が必要です。そこでまず、病気のメリット、デメリットを説明し、栄養指導や栄養療法で体重を増やすことから始め、体重が35~40kgを超えてから、本格的に心の問題に取り組みます。
食べることへの強い不安やうつ症状に対して抗うつ薬が、胃もたれや便秘に対し胃薬、便秘薬が処方されることもあります。

患者の家族のサポートも重要

摂食障害の治療には、専門家が行う治療とともに、身近にいる家族(親)などのサポートが大変重要です。摂食障害から回復した人の多くが、家族や周りの人が見捨てず支えてくれたことが大変ありがたかったと言っています。
どうしても家族の場合、育て方が悪かったのでは、何がいけなかったのかなど原因探しをしてしまいがちですが、問題はどこの家庭にもあるようなささいなことであることが多く、過去の原因を探しても意味はありません。大切なのは、今困っている娘(息子)をサポートすること。その第一歩は、家族が病気と本人の気持ちを正しく理解することです。食べないのはわがままではなく、食べすぎるのは「意志が弱い」からではなく、病気(肥満への恐怖と飢餓の悪循環)のせいであること、そして症状の背後にある本人のつらい気持ちを理解する。それによって異常に見える行動を理解し、問題に対処しやすくなります。

黙って見守ることも大切―4つのポイント

子どもの行動を責めても効果がないばかりか、かえって追いつめてしまうことになります。ゆっくり休ませてエネルギーが満ちてくるまで待つという姿勢が大切です。ただ見守ることは家族としてはつらいことですが、一番効果があるといいます。
回復には年単位の時間が必要です。安心して休める療養の場に家庭がなれるよう、次のようなことを心がけ、ゆっくりあせらず病気とつき合うことが必要です。

●まずは当面のストレスを取り除いて休ませる
●食事と体重には口出ししない
●本人がほっとできる環境を整える
●甘えたい気持ちを受け止める

<参考ホームページ>
摂食障害の理解と治療のために

※この記事は2010年7月に配信された記事です



良い関係を築きたい相手には心を開くといい|自己開示の効果

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【執筆者】ピースマインド・イープ

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集団生活からは逃れられない

私たちは、日々、多くの人々と社会生活を営んでいます。1人で行動することもありますが、ほとんどの場合、様々な集団に属し、その一員として活動しています。集団とは、ある目的を達成するために集まったものと定義され、その中で行なう行動は集団行動です。

近年は、個を尊重するという名目のもと、集団行動自体が少なくなってきたといわれますが、私たちの生活は、地域や学校、職場といった集団で行なわれることが多く、集団を意識しないという方は少ないのではないでしょうか。このように、集団は、私たちが社会生活を送っていく中で欠かせないものです。その集団の中で、私たちは、様々な人間関係を築いています。もっとも身近な人間関係である家族をはじめ、学校では友人、働く人にとっては、職場の同僚や上司、部下などと人間関係を築いていかなければなりません。特に、新しい集団の中では、相手がどういう人か分からず、その距離感をつかんでいくことで精一杯になってしまうことも多いかもしれません。

こうした人間関係を構築していくためには、ある程度の時間が必要ですが、その集団の中では、表面的な人間関係が楽なのでよいと考えている方もいます。特に職場などでは、複雑な利害関係が発生するため、仲間と仕事以外の話をしたことがないという方も少なくないでしょう。しかし、日頃から、その集団の中で、自分自身の様々な話をしていきながら、相手との信頼関係を深め、高いパフォーマンスを上げている例があります。これは一体どういうことでしょうか。

自己開示がもたらす効果とは

自分自身のことを他の人に伝えることを自己開示といいますが、私たちは人間関係を築くとき、相手との関係の進展に伴った自己開示をしています。表面的な自己開示、たとえば、差しさわりのない趣味の話といった個人的な情報を伝えることから、関係が徐々に深まるにつれて、自分自身のこれまでの経験や価値観、将来に向けて考えていることといった深い自己開示をしていきます。

こうした相手との関係に合った自己開示をしていくと、自己開示された相手も同じように自己開示をしてくれることが多く、これを専門的には「自己開示の返報性(へんぽうせい)」と言います。こうした自己開示は、集団の中で、信頼関係を築きやすくさせる効果があり、その信頼関係の深さがパフォーマンスに影響することがあるのです。

自己開示といっても構えることはありません。興味があるものや、日頃考えていること、難しいようであれば、表面的な個人の情報、たとえば、好きな食べ物の話などでもよいでしょう。集団の中で上手に自己開示することによってお互いを知り、信頼関係がもたらす効果を実感してみませんか。

※この記事は2008年6月に配信された記事です

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ストレスや疲労を感じたら、自律神経を整えて心身をリセット!

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【執筆者】ピースマインド・イープ

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【執筆】ピースマインド・イープ 若尾秀美

季節の変わり目に、体調を崩す方も少なくありません。今回は、心身をリセットし、ニュートラルな状態に戻す方法を、自律神経をヒントに考えてみましょう。

自律神経とは

自律神経とは、自分の意思とは関係なく体の機能を調整している神経で、交感神経と副交感神経から成り立っています。交感神経は、血圧や心拍数を上げ、心や体をより活動しやすい状態、いわゆる「攻めモード」に導きます。人前で話す前に胸がドキドキしたり、カッとして顔が赤くなったことはありませんか?これらは交感神経が活性化しているしるしです。ビジネスや人間関係など、とかく緊張やプレッシャーの多い現代人は、交感神経がより強く働く傾向にあると言えそうです。
一方副交感神経は、体をリラックスさせ、休息させる方向に働く、いわゆる「癒しモード」の神経です。副交感神経が働くと、脈拍はゆっくりとなり、血圧は下がります。

本来は、私たちが意識をしなくても、日中は交感神経が、夜間は副交感神経が自動的により強く働き、心身のバランスを保っています。しかし、生活リズムが乱れたり、精神的に不安定な状態が続くと、このバランスが崩れ、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなります。つまり、仕事中など「攻めモード」になるべき時に「癒しモード」が働いてしまい、仕事に集中できない、気力が出ないなどの不調が現れたり、逆に、「癒しモード」になるべき就寝時間に「攻めモード」が働いてしまい、眠れない、眠ってもすぐに目が覚めてしまうなどの不調が現れてきます。他にも、頭痛や耳鳴り、動悸、のぼせ、冷や汗、不安感、イライラなども自律神経のバランスが崩れている時に出やすい症状と言われています。

自律神経のバランスが崩れるとき

自律神経は、様々な要因でバランスを崩します。長時間の仕事やパソコン作業、睡眠不足、過度な緊張感などの日常生活のストレスや生活リズムの乱れ、騒音や温度差の激しい環境なども要因となり得ます。考え方や体質、過去のトラウマなどが原因となり、偏った自律神経のバランスがパターン化している方もいらっしゃいます。

自宅でできる、自律神経の整え方

自宅で気軽にできる、自律神経の整え方をいくつかご紹介します。

●ゆっくりとバスタブに浸かる

夏とはいえ、クーラーや冷たい飲み物で体は冷えています。シャワーだけで済まさず、1日の終わりにゆっくりとバスタブにつかりましょう。お好みのアロマオイルやバスソルトなどを加えると、リラックス効果が高まり、副交感神経が働きやすくなります。

●足上げをして脳の緊張をとく

床に仰向けに寝て、椅子や台、ベッドなどにかかとを乗せて足を伸ばします。うまく循環できていなかった血液が全身に巡りだし、脳の緊張がとけていきます。

●エクササイズをする

ストレッチやウォーキング、ヨガなど、ご自分に合ったエクササイズを生活に取り入れてみましょう。抹消神経の血流がよくなります。

負担がかかっていたとしても、体は何とかバランスを保とうと試みます。不調のサインが現れるのは、そういった体の努力が力尽きた時ともいえ、何らかの無理のある生活習慣が一定期間続いていた結果とも考えられます。不調を体からのメッセージととらえ、睡眠や食事、仕事へのスタンスや人間関係、余暇の過ごし方など、生活全般を見直すことも効果的と言えそうです。

心身をリセットし、実り多い時間を過ごしましょう。

参考文献:寺門琢己『骨盤教室』幻冬舎、2005年

※この記事は2009年9月に配信された記事です

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頑張り屋さんは“うつ”になりやすい?こんな性格の人はちょっと休もう

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

年々増加するうつ病。頑張り屋さんをはじめ、うつ病になりやすい性格があることがわかってきています。自分が当てはまるかチェックしてみましょう。

努力し続けることが心のストレスに

近年で急に身近な病気となったうつ病。厚生労働省の平成26年の発表によると、こころの病気で病院に通院や入院をしている人たちは、約392万人。日本人のおよそ32人に1人が、現在治療を受けていることになります。また、生涯を通じて5人に1人がこころの病気にかかるとも言われています。

なかでも、うつ病は著しい増加が見られています。うつ病は、昨日まで元気に一般的な社会生活を送っていた人が、いきなりベッドから出ることもできなくなるほど、突然現れます。この状況はコップの水に例えられますが、突然の発症は、コップのなかにたまった水があふれた状態。コップに水が少しずつたまるように、ストレスは確実にたまっていて、それが限界に達した時に、水があふれるように症状が現れるのです。なにかしら、事前にサインはでているはずですが、「ただの疲れ」などと軽く考えて対処していなかったことが考えられます。うつ病は、不眠、頭痛、体がだるい、食事ができない、過食などの症状がみられる病気です。一度回復しても、再発する可能性もあります。

頑張り屋さんは“うつ”になりやすい?こんな性格の人はちょっと休もう

うつ病になりやすい性格の人とは

なかでも、うつ病になりやすいと言われているのが、頑張り屋さんタイプです。高いハードルであっても目標のために頑張り続けることが、どんどん自分を追い込んでいくことに。これが限界を超えた時に、うつ病となってあらわれるのです。そのほか、うつ病になりやすい性格の人はこちら。

・ 完璧主義である
・ 少しの疲れでは休まない
・ 目標を立てるのが好き
・ 負けず嫌い
・ 人に気を使うことができる
・ 周囲の評価が大切
・ 人に甘えるのが下手

ひとつでも当てはまると感じる人は、心の持ちかたを変えた方がいいかもしれません。下で紹介する、うつ病を予防するための対処法のうち、やりやすいものを取り入れてみましょう。

完璧主義の人はラフな考えにシフトを

<うつ病を予防するための対処法>

・目標を80点にする

頑張り屋さんタイプは、目標が高すぎてそれに対して努力し続けることが気づかぬうちに心の負担になっています。頑張り屋さんは、できなかったところを探して、努力を続けてきたはず。これからは「80%できればOK」と考え、できた部分にフォーカスし自分をほめるようにしましょう。

・まわりの期待に応えない

まわりの期待に応えれば応えるほど、さらに期待も大きくなり心の負担も増えていきます。まわりは深く考えずに勝手に期待を大きくしている場合もよくあります。自分の頑張りを無駄にしないためにも、うまくかわすことも考えましょう。

・自分のせいにしない

失敗もあれば成功もあるのが世の常。失敗を自分のせいにするのはやめましょう。失敗とは、自分の努力が足りなかったのではなく、さまざまな要素が積み重なって今回の結果になっただけ。「運が悪かった」など、何かのせいにしてしまうくらいがちょうどいいこともあります。

・自分のための時間を作る

疲れを感じていなくても、1日1時間は自分のための時間を作りましょう。自分のための時間とは、とにかくぼ〜っとして何もしない時間です。常に興奮して交感神経が優位だった体を、副交感神経優位のリラックス状態に。できれば公園など自然があるところに身をおくと、よりリフレッシュできます。

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仕事で使える!カウンセラーが教える『聞く技術』を上げる3つのポイント

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【執筆者】ピースマインド・イープ

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カウンセラーの技術を参考に「聞き上手」になりましょう

皆さんは対人関係の中で話すほうが好きですか、それとも聞くほうが好きですか?
生活をしていると、様々な場面で「聞き上手」であることを求められます。ピースマインドで活躍しているカウンセラーは「聞く」ことを仕事にしているプロですが、カウンセラーという仕事でなくても、普段の生活の中で「聞く」技術は重要です。特に、部下をもつ上司は、部下育成のマネジメントとして必要な技術の1つです。

「聞く」と「聴く」の違いはよく言われますが、通常の生活の中では、「聴く」というより「聞き入れる」といった感覚のほうが分かりやすいのではないでしょうか。このコラムの「聞く」とは「聞き入れる」と同じ意味で使い、今回はあえて「聞く」技術と呼ぶことにします。

人は悩んだとき、誰かに話すと楽になることを知っています。また、悩んだときだけでなく、楽しいことも誰かに話したくなります。こうした欲求を満たしてくれるのが「聞き上手」な人。「聞き上手」の第一歩は、相手の話を「素直に」聞くことです。相手に反論したいときも、話をよく聞いてあげると、相手の意見も自然と穏やかになり反論しなくてもすむことが多いのです。
ではどうしたら「聞き上手」になれるのでしょう。「聞き上手」なるためには、相手の気持ちを負担に感じず、こちらから話したくならないような訓練が必要です。

あいづちを意識する

聞き上手になるための、1つの方法は、あいづちをたくさん打つことです。あいづちは、話をよく聞いてくれていることを相手に伝える最良のコミュニケーション手段です。「聞く」ことを仕事のカウンセラーは、実に豊富なあいづちをもっています。「なるほど」「なぁるほど」「なるほどなるほど」「なるほどね」「なるほどねぇ」「なるほどなぁ」と、「なるほど」だけでも幾種類も使い分け、クライアントが話しやすい雰囲気を作っています。あいづちは肯定的なものであり、聞き手があいづちを打つことによって、聞き手の肯定的な態度が話し手に伝わります。この肯定的な態度こそが、相手に安心感を与え、話しやすくする大切な要素です。

質問のしかたを工夫する

あいづちとともに、大切なことが質問のしかたです。質問には2つの種類があります。1つは、客観的なことで、誰が質問しても誰が答えても内容が変わらないものです。もう1つは、聞かれた本人が考えなければ答えが出ないものです。この後者の質問は、相手が答えられない質問もあります。会話の中では、お互い質問することがあると思いますが、答えられない質問には答えないで相手の心を開くことが、「聞き上手」のコツの1つです。

沈黙を受け入れる

では、会話中の沈黙には、どうやって対処したらよいでしょうか。「ちょっと相談があるのだけど聞いて欲しいんだ」と、いつもより少し落ち込んだ友人が話を始めた場合、おそらく聞き手であるあなたは「素直に」聞くことを意識し、あいづちを打ちながら聞くでしょう。しかし、友人の話には、間が多かったり、時折沈黙が続いたりします。そんなとき、聞き手であるあなたはどう感じますか?

聞き手にとっては、会話の中に多くの間や沈黙が続くと、何となく落ち着かず、気まずさを感じます。ですから、会話が途切れてしまうと、つい「自分が何か話さなくては」という衝動に駆られ、聞き手と話し手の立場が逆転してしまう場面も多く見られます。一方、話し手とっての間や沈黙は、重要な意味を持っています。間や沈黙によって会話は途切れているのではなく、心の中での会話が続いています。間や沈黙は自己の考えを深めるために必要な時間なのです。なので、途中で話が入ってしまうと、その間や沈黙のあとに続く話ができなくなるのです。
話し手の話す内容が深刻であればあるほど、この間と沈黙は重要です。会話の中の間や沈黙を受け入れられるようになると、本当の意味での「聞き上手」であるといえるでしょう。

参考:プロカウンセラーの聞く技術 東山紘久 創元社
カウンセリングとは何か 平木典子 朝日選書

※この記事は2007年7月に配信された記事です

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『大人のひきこもり』専業主婦のひきこもりが増加中?!

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

若い世代だけでなく、大人、特に専業主婦のひきこもりが問題になっています。家族も気づきにくい、主婦のひきこもりの特徴をまとめました。

長期化し悪化すると心の病にも

一般的に“ひきこもり”という言葉からイメージされるのは若者世代や、独身の人が多いのでは。
それが昨今では、専業主婦のひきこもりが増加していると問題視されています。内閣府の調査は、対象年齢が39歳まで。また「自宅で家事・育児をしている」と回答した人は除外されているので、専業主婦は調査の対象外です。
そのため、実際はひきこもり状態になっている主婦への対策が遅れて、ひきこもりの状況が悪化することが懸念されています。専業主婦のひきこもりの問題点や原因などをまとめました。

『大人のひきこもり』専業主婦のひきこもりが増加中?!

家事や育児はふつうに行うが…

主婦のひきこもりは、一般的なひきこもりと違いがあります。ポイントは、完全に家にひきこもるのではなく、家事や育児での外出はこなし、掃除や洗濯などもいつも通り行っていること。家族以外の外部との関わりを閉ざしているのですが、現在では食品や日用品もインターネットで購入できるので、日常生活は通常通りできるため、家族は気づきません。このように、周囲がひきこもりの状態に気づかないことで、状況を悪化させてしまいがちです。ひきこもりが悪化すると、人によっては部屋に完全に閉じこもり、家族の生活にも支障をきたしてしまうというケースも報告されています。長期化するほど、精神的な不調を患うリスクも高まるので、早めの対応が求められます。

夫に言えず心にストレスを溜め込んだままに

主婦のひきこもりの原因となるのは、主に対人関係です。ママ友とトラブルになり周囲の人と会いたくない、職場でマタニティハラスメントを受けたトラウマから外出が苦手に。また、子供の進学・就職の失敗を自分のせいにするなどです。専業主婦の場合、交友関係が限られた人も多く、こういった悩みのはけ口がないことも、心にストレスを溜め込んでしまう原因に。
日本社会に残る亭主関白の傾向や、夫を立てるといった価値観も、主婦の自己肯定感を低くしています。例えば夫の理不尽な要求にも、それに応えるのが妻の役目と頑張り過ぎてしまい、心を疲れさせるのです。
自分がひきこもり状態であると認識している主婦であっても、家族には知られたくないと隠す傾向も。心の病を防ぐのはもちろん、自分の人生を自分らしく生きるために、主婦のひきこもりには、早期の支援が必要です。現在では、各地に自立支援センターが設けられています。電話相談はもちろん、外出が難しい人の場合は、スタッフが訪問して話を聞いてくれるというサポートもあります。少しでも自分がひきこもりかもしれないと感じたら、相談してみましょう。

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