若い女性に急増する摂食障害-“食べては吐く”を繰り返す理由は?

【お話を伺った人】鈴木(堀田) 眞理

政策研究大学院大学 保健管理センター 教授 1979年長崎大学医学部卒業後、東京女子医科大学の研修医を経て、1985年から2年間、米国ソーク研究所神経内分泌部門に留学。東京女子医科大学内分泌疾患総合…

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(編集・制作 (株)法研

心の問題が原因で食行動が異常になる。回復にはストレスとのつき合い方と家族のサポートが大切。

拒食症、過食症とはどんな病気?

摂食障害は先進国に多くみられ、日本でも若い女性に急増して大きな問題となっています。主に思春期から20代の女性にみられますが、最近は男性にも増えています。
摂食障害には主に拒食症(神経性食欲不振症)と過食症(神経性大食症)とがあります。拒食症は、異常にやせてもまだ太っていると感じて体重が増えることを強く恐れ、やせを維持しようとします。一方過食症は、食べたい衝動が抑えられず、短時間に大量の食べ物を食べますが、あとでそのことを後悔して憂うつになったり、太ることを恐れて吐いたり下剤を使ったりします。

拒食症、過食症とも症状は患者さんによってさまざまで、拒食症から過食症に移行したり、両方を周期的にくり返したりすることも少なくありません。いずれも心理的な問題が原因で食事のコントロールが困難となり、体や心にさまざまな問題を引き起こす、軽視してはいけない病気です。摂食障害の治療と改善には、この病気を理解することが大切です。ここでは、拒食から始まって過食と嘔吐(おうと)をくり返すタイプを中心にみていきます。

頑張り屋さん八方美人は注意!

摂食障害の発症にはストレスを適切に対処する能力が大きくかかわっています。ストレスによって血圧が上る、不眠や気分が落ち込むなど、体にも心にも異常をきたすことはよく知られています。進路や人間関係など思春期・青年期特有の挫折体験を乗り越えられないとき、やせることに没頭するとつらさから逃れられるような錯覚に陥ります。実際に、やせると、つらいと感じる感受性が鈍くなり、嫌なことにも耐えられるようになります。過食はアルコールにも似て、食べている最中は嫌なことを考えないで済むという一時的な逃避の効果が得られます。
負けず嫌いで完璧を求めやすい人は挫折をストレスと感じやすく、発病のきっかけになりやすいでしょう。八方美人でNoを言えない人もストレスをためやすいでしょう。やせると自信を持てるような社会的風潮があり、挫折を感じた女性がダイエットに走りやすいことも、近年の摂食障害患者の増加を後押ししていると考えられます。

拒食症患者の食への執念は深い―肥満の恐怖と飢餓

拒食症の約50%はダイエットがきっかけで発症し、ほかは過労や体調不良などで食欲不振になり、やせ始めてからは太るのが怖くて食べられなくなっていきます。しかし体は餓えているため、食べ物のことばかり考えたり、自分は食べないのに家族に無理に食べさせたり、大量の食べ物を隠し持ったりと、「食」に執着し生活すべてが「食」に振り回されるようになります。約半数は食欲に負けて過食をし、過食の後吐いたり下剤を乱用したりします。そして、肥満への恐怖と飢餓との間で悪循環が生じ、次第に抜け出せなくなっていきます。

痩せすぎ・過食嘔吐のからだへの影響

異常にやせたり過食と嘔吐をくり返したりすることで、体と心には次のようなことが起こってきます。

<やせすぎによる影響>

●体の問題

・無月経
・低血圧
・貧血
・冷え症
・うぶ毛の増加
・便秘
・むくみ
・しびれ
・腹部不快感
・肝臓や胃腸障害
・不眠

これらは体重が回復すれば改善するが、栄養失調状態が長期に及ぶと脳が萎縮したり、生殖器の発育や将来の妊娠に支障が出たり、骨粗しょう症の危険が高まる。成長期では低身長になることも。標準体重の55%以下(身長160cmの場合29.7kg以下)になると、全身が衰弱して命にかかわるため入院治療が必要。

●心の問題

・集中力や判断力の低下
・情緒不安定
・強い不安感
・カッとしたり、生きていることがつらい
・自分はだめな人間、生きている価値がないように思える

<過食・嘔吐による影響>

●体の問題

吐くときは食べた物だけでなく、胃液など大量の消化液、ナトリウムやカリウムなど体に必要な電解質も一緒に吐き出している。その際、胃酸で食道があれて逆流性食道炎になったり、胃酸が歯と歯ぐきを傷め、後に総入れ歯になる人もいる。また、低カリウム血症から不整脈やけいれん発作を起こし、死亡することもある。

●心の問題

大食中は何も考えない解放感があり、吐くと嫌なことがすべて排除できるような錯覚があるのでやめられなくなる。しかし、大食後の抑うつ気分は必ずセットで起こり、自己嫌悪や罪悪感に襲われる。

こうしたことが起こっても本人には病気という意識がなく、また無理に食べさせられて体重が増えるのを恐れ、受診をいやがりますが、進行すると脳や消化器の機能低下によっても食べられなくなります。月経が止まるほどやせた場合、周囲が早めに受診させることが大切です。受診先は精神科、心療内科のほか、摂食障害専門外来がある病院もあります。症状によっては、初めは内科や婦人科に相談してもよいでしょう。

治療にはカウンセリングなど心のケアが必要

摂食障害の治療は、背後にある心の問題に気づき、拒食や過食が不適切なストレスの対処行動であることを認知し、適切に対処する力を学ぶために、心理療法(カウンセリング)を行います。カウンセリングはこれまでの考え方や行動を変えるというつらい作業を伴うため、それに耐えられる体力と思考能力が必要です。そこでまず、病気のメリット、デメリットを説明し、栄養指導や栄養療法で体重を増やすことから始め、体重が35~40kgを超えてから、本格的に心の問題に取り組みます。
食べることへの強い不安やうつ症状に対して抗うつ薬が、胃もたれや便秘に対し胃薬、便秘薬が処方されることもあります。

患者の家族のサポートも重要

摂食障害の治療には、専門家が行う治療とともに、身近にいる家族(親)などのサポートが大変重要です。摂食障害から回復した人の多くが、家族や周りの人が見捨てず支えてくれたことが大変ありがたかったと言っています。
どうしても家族の場合、育て方が悪かったのでは、何がいけなかったのかなど原因探しをしてしまいがちですが、問題はどこの家庭にもあるようなささいなことであることが多く、過去の原因を探しても意味はありません。大切なのは、今困っている娘(息子)をサポートすること。その第一歩は、家族が病気と本人の気持ちを正しく理解することです。食べないのはわがままではなく、食べすぎるのは「意志が弱い」からではなく、病気(肥満への恐怖と飢餓の悪循環)のせいであること、そして症状の背後にある本人のつらい気持ちを理解する。それによって異常に見える行動を理解し、問題に対処しやすくなります。

黙って見守ることも大切―4つのポイント

子どもの行動を責めても効果がないばかりか、かえって追いつめてしまうことになります。ゆっくり休ませてエネルギーが満ちてくるまで待つという姿勢が大切です。ただ見守ることは家族としてはつらいことですが、一番効果があるといいます。
回復には年単位の時間が必要です。安心して休める療養の場に家庭がなれるよう、次のようなことを心がけ、ゆっくりあせらず病気とつき合うことが必要です。

●まずは当面のストレスを取り除いて休ませる
●食事と体重には口出ししない
●本人がほっとできる環境を整える
●甘えたい気持ちを受け止める

<参考ホームページ>
摂食障害の理解と治療のために

※この記事は2010年7月に配信された記事です



『好き』という感情と脳のつながり|お金があっても満たせない幸福感とは?

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【執筆者】ピースマインド・イープ

■ピースマインド・イープ株式会社 高度な専門性を活かしたメンタルヘルス関連サービスを提供。日本最大級のオンラインによる心理カウンセリングサービスを提供するほか、オフラインでも直営カウンセリングルーム…

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【執筆】山脇惠子カウンセラー

今回は「好き」ということと「脳」のつながりをやさしく科学するお話をしましょう。
カウンセリングでは恋愛のご相談もたくさんあります。好きな人からは思われず、嫌いな人から好かれたり、自分の気持ちが愛なのかどうかわからなくなってしまったり……。多様で抑えがたい「人を好きになる」という気持ちはどこからくるのでしょうか。

『好き』という感情と脳のつながり|お金があっても満たせない幸福感とは?

人を好きになる感情は体の様々な機能と深く結びついています

面白い実験があります。1974年に発表されたカナダのダットンとアロンが行った生理・認知説のつり橋実験です。場所はカナダの大渓谷、キャピラノ川。ここの大つり橋を独身男性に渡ってもらいます。中ほどには若い女性が待っていて、ちょっとしたテストに答えてもらい、詳しいことを知りたければあとでここにと連絡先を渡します。このシチュエーションとは別に木橋でも同じ実験をしてみると、怖い大つり橋の上で手渡された男性の半数近くが連絡をし、木橋では1割程度という結果が出ています。なぜだと思いますか?

人の心と体はまさに一心同体。ドキドキしていると、この場合はつり橋を渡るという緊張感ですが、恋のときめきのドキドキと身体的な反応が同じなので、脳が区別できずに錯覚をし、相手に好意を持ったと勘違いするのです。それで結果的には無意識に連絡する確立が高まったと考えられます。脳って意外に単純なんですね?

匂いからくる「好き」と馴染みのあるものからくる「好き」

脳が指示する「好き」の判断は身体反応に対してだけではありません。匂いでも行われます。私たち人間もホルモンを発散していますが、ある海外の大学で行った実験では、男子学生の脇から分泌液を収集し、女子大生を集めて、その匂いが何かを伝えずに嗅いでもらい反応を分析するというものです。そうするといいと思う匂いと嫌悪する匂いが人によって異なるのだそうですが、この場合の好き嫌いは、その人のDNAに組み込まれたものだというのです。

匂いによって母系、父系との繋がりが区別できるような好き嫌いが私たちには組み込まれ、母系の匂いに対して嫌悪するように(つまり同胞を避けるため)、仕組まれているというのです。この論文を直接読んではいないので詳しくはわかりませんが、何となく感じている好き嫌いも自然が仕組んだ生存効率を高める手段。脳がそれを受けて指示を出しているといえるでしょう。

脳に蓄積された経験も影響します。例えば爽やかな役柄だけをやっている俳優の「そっくりさん」。別人とわかっていても、その人に対しての第一印象は良くなりませんか? よく知っているものが良い印象を持つというのは、数多く体験しても問題がなかった、つまり無害であり、場合によっては有益と判断できるので、脳が受け入れを指示したと言えます。人は馴染みのあるものに好意を抱くという実験結果もちゃんとあります!

どんなにお金があっても満たせない幸福感

人を好きになることで、幸福感も芽生えますね。この幸福という発想からいえば、いまの社会では「お金持ちは幸福」感が高まっています。
しかし、物欲を満たした喜びの情動は、脳に対して短時間しか刺激を与えられません。つまりすぐ消えてしまう喜びです。消えてしまった幸せを求め、脳はより強い刺激を求めます。それが消えるとさらに強い刺激を求め……。こうしてイタチごっこのように、どこまでいっても真に満足を感じられず、幸福感が続かないのです。

これに対して、長く脳に幸福感を与える刺激があることもわかっています。それは人との関係性から生じる快感、幸福感です。この喜びは物欲を満たしたときに生じる脳の快感よりずっと長く続くのです。

どんなにお金があっても真に心を満たせないのは、こうした脳のパターンがあるからです。もしモノがあるだけで幸せを感じる生き物がいたとしたら、より多くを得ようとして争いは激化し、この種は滅びてしまうでしょう。だから私たちの脳はこうした相手との関係性から幸せを感じる仕組みになっていると考えられます。脳は私たちそのものでありながら、私たちの予測を遥かに超えた判断を毎日下し、好き嫌いから幸福感も、その機能が大きく関わっているという、今回はちょっと不思議なお話でした。

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ペットは人のこころを癒す?医学的に実証されたアニマルセラピーの効果

山本 晴義先生

【お話を伺った人】山本 晴義先生

横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長 1972年東北大学医学部卒業。2001年より現職。医学博士。神奈川産業保健推進センター相談員、文京学院大学講師、駒沢大学講師ほか。著書に:『ストレス一日決…

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(編集・制作 (株)法研

動物と触れ合う、アニマルセラピーのススメ。アニマルセラピーの効果は、医学的にも実証されています。楽しく遊びながら、いやされましょう!

触れ合うだけで、やすらぎが…

可愛い犬の写真を見ただけで、「なんだか、いやされる」と感じたことはないですか?
動物との触れ合いは、人間にとって、心身両面で大きないやし効果を持っています。それを医療に応用しているのがアニマルセラピー。
アニマルセラピーは、老人介護施設や病院などに、犬や猫を連れて訪問し、動物とともに過ごす時間をつくる、という形でさかんになっています。

ペットは人のこころを癒す?医学的に実証されたアニマルセラピーの効果

犬や猫などのペットに触れているだけで、私達の心はやすらぎを感じ、落ち着きを取り戻します。動物をなでると、柔らかさやぬくもりから、触覚のよろこびが満たされるのです。また、言葉を介さないコミュニケーションによって、感情の交流が生まれます。それによって、緊張がほぐれてリラックスでき、血圧や心拍数が安定してきます。
さらに、その可愛い姿やしぐさには、つい笑顔を誘われ、こちらから働きかけたくなる作用があります。感情面が活発になるため、認知症の症状改善にも効果があるといわれています。

行動的になる暮らし

ペットと触れ合うだけでなく一緒に暮らすと、さらに大きな効果が得られます。
たとえば「ペットの世話をし守らなければ」という責任感が生まれ、必要とされている気持ちが強くなります。これにより、ストレスや孤独感がいやされるのです。

また、犬を飼うと規則的に散歩が必要になります。決まった時間に散歩に出ることで、運動不足が解消されてダイエットにつながったり、愛犬家同士で話がはずむなどして、地域の人とのコミュニケーションがさかんになることがあります。
さらに、犬を連れて散歩をしている人は、連れずに散歩している人に比べ、副交感神経が活発に働いている、という調査報告もあるそうです。
一緒に暮らしているだけで、自律神経が安定し、生活も規則正しくなる…こう考えると、いいことずくめのようですが、自分本位でペットとつきあっていないかどうか、ちょっと考えてみましょう。

ペットにも心地いい環境を

ペットによるいやし効果を満喫して暮らすためには、彼らにとっても快適な環境を作ってあげなければなりません。
まず自分がつき合うペットの習性や特徴などの知識は、身につけておきたいものです。愛しいペットも、私達と同じように、ストレスを感じて病気になってしまうこともあります。ペットの感情の安定、栄養のバランス、運動の管理などしっかり気をつけてあげたいものです。
また、ペットと一緒に眠ることがこの上なくしあわせ、という人もいますが、密着すると感染症が心配です。日頃から予防接種やシャンプーをこまめにするなど、衛生面のケアもしておきたいものです。

自分の都合だけで、ペットを溺愛していては、そのスウィートタイムも長続きしません。ペット自身も“いやし”を感じる、心地いい暮らしをととのえてあげることを、どうぞお忘れなく!

(「ストレスチェックノート」山本晴義監修、法研より)

※この記事は2006年11月に配信された記事です

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うつ病になる女性が男性の2倍も多い理由とは?心の病の男女差

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【お話を伺った人】渡部 真弓先生

東京電力(株)神奈川支店産業医 1997年産業医科大学医学部卒。2002年より現職。 労働衛生コンサルタント、 日本産業衛生学会専門医

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(編集・制作 (株)法研

うつ病になる女性は男性の2倍。性差における心の病気を理解して、メンタルヘルスの向上をはかりましょう。

心の病気にみられる男女差

うつ病は、誰もがかかりうることから「心の風邪」と呼ばれていますが、うつ病の患者は男性より女性の方が多いといわれていることをご存知ですか?
男性の自殺の頻度は女性の約2倍といわれていますが、WHO(世界保健機関)の報告によると、世界十数カ国のうつ病の患者は、女性が男性の約2倍に上っています。また、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の発症率も男性の約2倍、摂食障害の患者数も圧倒的に女性の方が多くなっています。

このような男女差はいったいどこから生じるのでしょうか。

うつ病になる女性が男性の2倍も多い理由とは?心の病の男女差

女性の一生は、ホルモンの変動が大きい

うつ病などの心の病はホルモン系と強く関連しています。
特に女性ホルモンは、月経周期をはじめ、妊娠・出産、更年期などのライフステージに応じて大きく変化します。この女性ホルモンの変動がうつ病などの心の病気の発症に関係していると考えられています。

実際、女性の場合、性周期(月経、妊娠・出産、更年期)と一致してうつ病が悪化することが知られていますし、性周期に関連して生じる、女性ならではの心の病気があります。
たとえば、月経前不快気分障害。これは、月経前に抑うつ気分や不安、情緒不安定、無気力が生じ、仕事や学業に悪影響が出る状態をいいます。
この他、閉経前後の更年期にはうつ状態になったり、不安障害になったりと心の病にかかる人が増えますし、出産直後の女性に見られる産後うつ病というものもあります。

“がんばりすぎ”に気をつけよう

女性に心の病気が多いワケは、性ホルモンの影響ばかりではありません。女性をとりまく環境も大いに影響します。
たとえば、過重労働や仕事上のストレスが原因でうつ病などを発症する女性たち。がんばりすぎることにより、精神のバランスを崩してしまうこともあります。
さらに、家庭を持つ女性の場合、家での家事協力が得られない、帰宅してからも育児の負担が大きいなど、自分のおかれた社会環境からのストレスも少なくありません。
「期待されている」と思うと、誰しもはりきってしまうものですが、私達の体は機械ではありません。“がんばりすぎ”は、心身両面に負担をかけがちです。とりわけ、毎月ホルモンバランスが変化する女性の場合、自分のリミットを心得ておくことも大事です。自分の体調、心の様子と相談しながら、無理をせず仕事をしていきたいですね。

また、女性のほうが医療機関にかかっている頻度が高いといわれています。それは女性のほうが男性よりも助けを求める行動をとりやすい傾向があるからかもしれません。
これはとても大事なことで、男性より女性の方が適切な対処行動を行っているといえます。
心の病はホルモンが関係していても適切な治療により改善します。
ストレスで体調を崩したりしたときには、早めに医療機関に相談をしてみてください。

(「へるすあっぷ21」、法研より)

※この記事は2006年11月に配信された記事です

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【こころのお疲れ度チェック】20の質問でわかるあなたのストレス疲労度

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

「最近、疲れやすくなった」、「よく眠れない…」と感じている時は、ストレスがたまってこころが疲れている可能性が。「ストレス疲労度」をチェックしましょう。

重症になる前にこころのお疲れ度チェックを

誰しも、日々感じている「ストレス」。ストレスは何かと悪者扱いされますが、適度なストレスは、やる気を引き出したり、体調キープに働きます。しかし、いま何かとストレスが問題になっているのは、過度なストレスを抱えている人が多く、こころの病になったり、体調を崩す原因になっているため。
厚生労働省の「患者調査報告」では、うつ病が大半を占める気分障害の患者数が、100万人以上(※1)にも上っています。とはいえ、うつ病になってもみんなが病院にかかるわけではないので、実際の患者数はもっと多いと考えられます。そしてうつ病は、日本では約15人に1人が、一生のうちに一度はかかる病気といわれています(※2)。
うつ病は、いまや誰もがかかりうる身近な病気。また、常に強いストレスを感じていると、自分でストレスを感じていることすら気づかなくなり、気づいた時には重症になっている場合も。定期的にこころのお疲れ度チェックをして、こころの健康状態を確認しましょう。

【こころのお疲れ度チェック】20の質問でわかるあなたのストレス疲労度

<こころのお疲れ度チェック>

以下の項目をチェックして、あてはまる数をかぞえましょう。

1) いつも体がだるいと感じる
2) 疲れがとれなくなった
3) 何をしても楽しくない
4) 人と会うのがめんどう
5) イライラすることが多い
6) 寝つきが悪い
7) 夜中に目が覚めてその後、寝つけない
8) 食べ物の好みがかわった
9) 食事をすると胃もたれすることが多い
10) 食欲が低下した
11) 体重が減った
12) 手やワキに汗をかきやすくなった
13) 急に息苦しくなることがある
14) 性欲がなくなった
15) 仕事のやる気がない
16) 下痢と便秘をくり返している
17) のどが痛くなることがある
18) 耳鳴りがする
19) 手足が冷えやすくなった
20) 胸が締めつけられる感じがすることがある

○ 15~20個
こころのお疲れ度は、危険レベル。すぐに生活環境を改善しないと、こころの病にかかる可能性が高いです。特に、「まだ、大丈夫」と思っている人ほど危険。心が折れてから立て直すのは大変です。最寄りの心療内科や精神科を受診して、相談してみましょう。

○10~14個
こころのお疲れ度が、かなり高くなっています。いつも何かに終われるように仕事や家事をしていませんか? このままの生活を続けると、オーバーヒートしてしまう可能性が大。すぐに生活を見直して、休む時間をつくりましょう。たとえば、仕事と家事を両立させているなら、家族に手伝ってもらったり、ハウスクリーニングを頼むなど、誰かにあなたの作業を肩代わりしてもらいましょう。

○3~9個
こころのお疲れ度がたまってきているレベル。このところ忙しかったり、環境が変わったなどの変化はありませんか? 疲れがたまってきたら、自分の好きなことに費やす時間を15分でも作って、こまめにストレスを解消しましょう。

○0~2個
こころのお疲れ度は、ほとんどないか、まだ問題ないレベル。しかし環境が変化すると、急にストレスに見舞われることもあります。バランスのよい食べ物や、睡眠をしっかりとり、ストレスに負けない体づくりに努めましょう。

※ 1,2厚生労働省「こころの耳」

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ストレス解消には“幸せホルモン”を増やす科学的メソッドが有効!

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

幸せな気持ちになれる脳内物質を分泌させ、イライラや心の落ち込みを改善する1日の過ごし方をご紹介。

“スッキリ系”と“癒し系”の脳内ホルモンで心が元気に

毎日家事や仕事に追われてストレスが溜まり、イライラしたり、急に気分が落ち込んだり……。
そんなとき、あなたの中で不足しているのが「幸せホルモン」と言われる脳内ホルモンだと指摘するのは、東邦大学名誉教授、メンタルヘルスの研究を行う有田秀穂先生。
幸せホルモンといわれるのは脳の神経伝達物質で、不足すると気持ちがネガティブになったり、不安定になります。

幸せホルモンのひとつは「セロトニン」という、気持ちを明るくしたり、朝の目覚めにかかわるもの。もうひとつは「オキシトシン」で、こちらは癒し効果があります。
それぞれ“増やせる時間帯”があり、午前は頭をスッキリさせるセロトニンを、午後は穏やかな気持ちになるオキシトシンをたっぷり出すのが◎。このサイクルをくり返せば、穏やかな心が取り戻せます。

この後ご紹介する、幸せホルモンの増やし方はどれも簡単ですが、すべて分泌量がアップすると科学的に裏づけされたメソッドです。心地よく行うことが大切で、1日中家に閉じこもっているのが一番NG。外に出て陽の光を浴び、家族やママ友とおしゃべりを楽みましょう。

ストレス解消には“幸せホルモン”を増やす科学的メソッドが有効!

幸せホルモンを出す1dayスケジュール

○午前中

モヤモヤした気持ち、ネガティブな感情をスッキリさせる脳内ホルモンが「セロトニン」。朝しっかり出すことで、背筋がピンとのび、活動的な1日を送れます。太陽の光を浴びることや、歩いたり物を噛むなどのリズムを伴う動きが、セロトニンを分泌させるポイントになります。

AM 6:00
窓を開けて朝の光を浴びる
目の網膜に太陽の光を取り入れるとセロトニンが活発に分泌され、気持ちよく起きられます。くもりの日でも光量は十分。5分以上浴びましょう。

AM 9:00
外に出て30分ウォーキング
少し早い速度で20〜30分、集中してウォーキングを。緑の多い公園で、アップテンポの音楽を聴きながら歩くとより効果的です。

AM 11:00
ガムを噛んでから集中して家事
スポーツ選手がガムを噛んでいるのは、咀しゃくのリズム運動でセロトニンを分泌させ、集中状態を作っているから。これで家事もサクサク進む!

○午後

ストレス中枢に作用して興奮を抑え、穏やかな気持ちにするのが「オキシトシン」。皮膚への刺激や、会話することが分泌につながります。授乳中の母親に分泌するものとされていましたが、最新の研究で老若男女、誰でも出ると判明しました。

PM 2:00
子供のお迎えではハグして手をつなぐ
オキシトシンは肌と肌のふれあいで分泌します。ハグするとき、体をぐっと近づけて、心音や呼吸が感じられるとさらに効果的。子供の幸せホルモンも活性化します。

PM 3:00
買い物ついでにママ友と立ち話
親しい人との顔を合わせての会話で、オキシトシンの分泌量がアップ。ただし、ストレスになる小言や悪口はダメ。共感を深める、楽しい話題を選びましょう。会って話す時間がないときは、メールやLINEでもOK。相手の存在を感じられるよう顔文字やスタンプを使うとgood。情感のない文字だけだと、ホルモンが出にくいのです。

ストレス解消には“幸せホルモン”を増やす科学的メソッドが有効!

PM 5:00
ペットとじゃれながらリラックス
ペットをかわいがる習慣はストレス解消に最適。毛並みをやさしくなでると、人間からも、ペットからもオキシトシンが分泌されます。ペットがいない人は、観葉植物に水をあげることでも効果が。愛情をこめて接することがポイントで、「大きく育ってね」と声をかけましょう。

PM 9:00
夫婦でマッサージし合う
愛情のある関係同士で触れ合うのは、オキシトシンの分泌効果大。皮膚への刺激があれば、服の上からでも十分です。マッサージされるほうはもちろん、するほうも同様に分泌するので、お互いにやり合うと良いでしょう。

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