骨粗しょう症になる女性とならない女性の差とは?骨粗しょう症の予防法

【お話を伺った人】岡野 浩哉先生

飯田橋レディースクリニック院長 東京女子医科大学産婦人科非常勤講師 平成元年群馬大学医学部卒。6年同大学医学部大学院卒。医学博士。11年群馬県立がんセンター婦人科副部長、13年東京女子医科大学産…

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(編集・制作 (株)法研

閉経前後から起こる骨量減少。まずは自分の骨の量(骨密度)を知ることから!

骨量は閉経前から減り始め、閉経後はぐんぐん減っていく

更年期の症状といえば、よく知られているのは頭がカーッと熱くなり顔から汗が吹き出るホットフラッシュや、動悸、イライラ感、皮膚の乾燥、性交痛などでしょう。これらは、卵巣機能が低下し女性ホルモンであるエストロゲンが減少して起こる症状です。

しかし、エストロゲン減少によって起こる体の変化は、実感できる症状ばかりではありません。むしろ、体の内部でひそかに起こる変化にこそ、対処の重要なものがあります。その代表が、骨の量(骨密度)の減少です。

たとえば、同じ50歳という年齢でも、その骨の状態は月経の状態によりかなり違ってきます。エストロゲンは、ヒトの体の中で骨の健康を維持する重要な役割を演じています。
月経の状態によって骨の状態がどのように変わるかを追った調査があります。月経が順調な人、不順な人、閉経を迎えた人、閉経後年数1~3年の人、4~6年の人と細かく分けて、1年間の変化をみたものです。それによれば、月経が順調な人は、ほとんど変化しません。しかし閉経を迎えると、骨量ははじめの1年間で約3%減り、10年間で20%も減ってしまいました。骨粗しょう症の診断基準では、若い人の骨密度の平均値(YAM:Young Adult Mean)を100%として、20~30%減少した状態を「骨量減少」、30%以上減少した状態を「骨粗しょう症」と診断します。

骨の健康状態は血液検査や尿検査でもわかります。骨の成分がどれだけ溶け出しているかがチェックできるのです。それらの検査を骨代謝マーカーといいます。閉経後はこの骨代謝マーカーは急速に増加しますが、これは骨が薄く脆くなっていっていることを物語ります。

背中が丸いのも、骨粗しょう症の症状

骨粗しょう症になると、どんな問題が起こるのでしょう。
高齢者の寝たきりの原因になりやすいのは、太もものつけ根の骨が折れる大腿骨頸部骨折です。しかし、多いのは背骨の圧迫骨折で、一つひとつの背骨の中がスカスカになり、ある時クシャッとつぶれてしまうものです。「年をとると背中が丸くなる」と思っている人が多いかもしれませんが、骨粗しょう症のせいかもしれません。

背骨が曲がると、生活の中でさまざまな問題が出てきます。たとえば、これまで手が届いていたところに届かなくなる、これまで似合っていた服が着られなくなる、背中が丸くなるので肺が十分に広がらない、胃腸の不調、逆流性食道炎などにもなりやすい……などです。
さらに、そんなふうに姿勢が悪くなると、外に出るのもイヤになってしまう⇒抑うつ気分も出て活動性が低下し、骨量もどんどん減っていく⇒バランス感覚が鈍くなり、転倒しやすくなる⇒さらに骨折を起こす……というように、骨折の連鎖が始まってしまいます。

自分の骨の状態を知りましょう

閉経は、すべての女性に起こります。しかし、実際に骨粗しょう症になる女性と、ならない女性がいます。その差はどこからくるのかといえば、もともとの骨の強さや骨の蓄えがあるかどうかによります。しかし若いころには戻れません。

そのため、更年期からの食事のとり方や運動量など、ライフスタイルがとても重要です。バランスのよい食事を中心に、カルシウムやビタミンD、ビタミンKなどを十分とること、毎日30分以上歩くなど、適度な運動で骨に負荷をかけることも大切です。しっかり食べても、動かない生活では骨は強化されません。
すでに閉経している人や月経不順の人、過去にダイエットで月経が止まる経験をしたことのある人、ご両親が骨粗しょう症の人、小柄で骨の細い人、生活習慣病や嗜好品も、骨粗しょう症と深い関係があります。

多くの自治体で、50歳以上の女性に対して住民検診の中で骨密度検査を行っています。こうした機会をうまく利用して、まずは自分の骨の状態を確認しましょう。

更年期は、その後の人生を健康に過ごすための準備期間

今、世界では、更年期を「今の健康状態をチェックするとともに、閉経後も健康に過ごすことの大切さをよく理解して健康管理をする時期、そして閉経後に急激に増えるさまざまな病気の予防対策を講じる時期」と、とらえるようになってきています。

その中でも骨粗しょう症は骨折した後の死亡率が高いことがわかってきています。現在は死に至る病として認識され、骨折予防に非常に力が入れられています。

のぼせやほてり、イライラ感などが解消すれば、「更年期は一件落着!」ではありません。閉経後35年を超えて生きるという長寿・高齢時代を、ずっといきいき過ごすために、更年期を健康を見直す良い機会としてください。

※この記事は2010年12月に配信された記事です



大豆イソフラボンは納豆1パックに何mg? 毎日どれぐらい摂るといい?

ノーイメージ

【お話を伺った人】山崎 正利

帝京大学薬学部教授 1971年東京大学薬学部卒業、76年同大薬学系大学院卒業(薬学博士)、同大薬学部助手を経て91年より現職。研究領域は、「動物界における免疫・生体防御機構の解明」で、以下のような…

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女性の強い味方、大豆・大豆製品を毎日の食卓へ!大豆イソフラボンは更年期症状の改善に、骨粗しょう症や生活習慣病の予防に、美容に優れた効果を発揮する。

大豆の栄養素+ファイトケミカルの相乗効果ですごい力が

大豆は「畑の肉」といわれるほど良質なたんぱく質に富むだけでなく、良質な脂質にビタミンB1や鉄分、カルシウム、食物繊維など多くの栄養素を含む、とても栄養価の高い食品です。さらに最近は、ファイトケミカルと呼ばれる有効成分も含まれていることがわかってきました。
ファイトケミカルとは植物が作り出す化学物質のこと。色素や苦味、香りなどの成分に含まれ、強い抗酸化作用や、免疫力を高める効果などが注目されています。大豆には、サポニンやイソフラボンなどのファイトケミカルが含まれています。

大豆のたんぱく質や脂質には悪玉コレステロールを減らす働きがありますが、サポニンやイソフラボンも同様の働きをするほか、中性脂肪を減らし、血圧を下げる働きもあることがわかっています。これらの成分が協力して動脈硬化や高血圧を防ぐため、脳血管障害や心筋梗塞などさまざまな生活習慣病の予防効果が期待できます。大豆はすごい力を秘めた食材といえるのです。

女性ホルモン(エストロゲン)の肩代わりをしてくれるイソフラボン

大豆のファイトケミカルの中でも、最近とくに注目を集めているのがイソフラボンです。イソフラボンはフラボノイド系ポリフェノールの一種で、大豆や葛(くず)など豆科の植物に多く含まれる成分です。化学構造式が女性ホルモンのエストロゲンにそっくりで、その働きもエストロゲンに似ていることがわかっています。

エストロゲンは、女性の健康になくてはならない、大変重要な役割を担っています。動脈硬化や高血圧を防いだり、骨の成分が溶け出すのを抑えて骨粗しょう症を予防する、細胞の潤いと柔軟性を守り皮膚や粘膜を健康に保つ、自律神経のバランスを整えるなどの働きです。このような重要な働きを、肩代わりしてくれるのがイソフラボンなのです。

女性は40代後半くらいからエストロゲンの分泌が減少し、ホルモンバランスが崩れ、さまざまな自律神経の失調症状があらわれます。これが更年期症状で、症状の程度がひどい場合にはホルモン補充療法や漢方薬による治療が行われますが、家庭でできる対策として、エストロゲンのように働く食材をとる方法があります。
その代表選手が大豆イソフラボンで、更年期のさまざまな症状を和らげてくれることがわかっています。エストロゲンに比べるとその作用は弱いため、毎日続けてとることが重要です。

イソフラボンの優れた健康効果とは?

高齢になると骨量が減って骨粗しょう症がおこり、骨折しやすくなります。エストロゲンには、先に述べたように骨量の減少を抑制したり、骨の形成を促進する作用があります。とくに女性の場合は、閉経後エストロゲンの分泌が急激に低下するので、男性よりも骨粗しょう症や骨折がおこりやすくなります。同時に姿勢も前かがみになって、身長も縮んでいきます。イソフラボンには骨量の減少を抑え、骨粗しょう症の予防効果がありますから、何歳になっても背骨が曲がらず、美しい姿勢を保つ助けになります。もちろんこれには適度な運動と、カルシウムなどのミネラル類の補給も必要です。

また女性の場合、更年期以降はコレステロール値が上がり、太りやすくなる傾向がみられます。イソフラボンはコレステロールの代謝を促して体脂肪を貯蔵しにくくするので、ダイエット効果が期待できます。そのほか、強い抗酸化作用で老化を防ぎ、がんなどの病気を予防するだけでなく、なめらかで弾力のある肌を保つサポートもしてくれます。イソフラボンには、優れたアンチエイジング効果もあるのです。

さらにイソフラボンは、エストロゲンが不足するときにはそれを補いますが、過剰な場合は抑制するように働くことがわかっています。そのため、エストロゲンの過剰分泌がリスクの一つとされるタイプの乳がんの予防効果が報告されています。また、イソフラボンは男性の前立腺がんの予防にも効果があると考えられ、男性にとっても力強い味方といえます。女性も男性も上手に利用したいものです。

健康にいい大豆のとり方

イソフラボンの摂取量は1日に40~50mgが理想で、上限は70~75mgといわれています。豆腐や納豆など大豆製品としてとるほうが消化吸収がよく、含有量は豆腐半丁(150g)に約30mg、納豆1パック(50g)に約37mg、豆乳カップ1杯に約52mg、きな粉大さじ1杯に約18mg、とされています(食品安全委員会報告書より)。

日本の伝統的な食事では十分にとれていた分量ですが、年齢が若い人ほど摂取量は減っているようですから、意識して毎日の食事にとり入れていきたいものです。和食はあまり好きではないという人も、豆腐のステーキやグラタン、豆サラダ、豆乳スープなどをレパートリーに加えてはいかがでしょうか?

通常の食事から大豆・大豆製品をとっている分には、イソフラボンのとりすぎを心配する必要はありませんが、サプリメントでとる場合は用法・用量に注意が必要です。厚生労働省は、多量にとると子宮がんや乳がんのリスクが高まる恐れもあるとして、サプリメントによる過剰摂取への注意を呼びかけています。また、大豆は卵、牛乳と並ぶ三大アレルゲンの一つなので、大豆アレルギーのある人は注意が必要です。

※この記事は2008年9月に配信された記事です

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女性ホルモンを増やす5つのコツ!不調の原因はホルモンの減少かも?

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

ホルモンが減少しているせいで不調に悩む女性が急増中。ホルモンを分泌させるコツをお教えします。

不調を改善のカギ!ホルモンは自分の力でつくれる治療薬

いま、ホルモンの分泌バランスが乱れている女性が増えています。これが女性を悩ませる“病気の手前の不調”の大きな原因になっている、と指摘するのは婦人科医の松村圭子先生(成城松村クリニック院長)です。

体内にあるホルモンは、なんと100種類以上。臓器以外にも筋肉や骨など、あらゆる部位から分泌されて全身を駆けめぐり、60兆個もの細胞を正常に動かしています。この分泌が減ると体のバランスが崩れ、さまざまな不調が引き起こされることに。

女性ホルモンを増やす5つのコツ!不調の原因はホルモンの減少かも?

ホルモンは加齢によっても減りますが、まだ分泌できる年齢なのに、分泌量が減っている女性が多いそう。それは、規則正しい生活ができていないからなんです。偏った食事、睡眠不足、ストレス、体の冷えなど、生活習慣でホルモンは一気に減ってしまいます。

そもそもホルモンは、体が正常に動くための指令をする物質のこと。脳などから分泌されたホルモンは、血液にのって全身を渡り、「壊れた筋肉を修復する」「排泄をする」といった指令を伝え、各細胞を働かせています。

ホルモンは加齢により分泌量が低下するもので、たとえば、更年期障害は女性ホルモンの量が急減することで起こります。そのホルモン低下を食い止め、分泌を促すことで、不調の解消につながります。カギは規則正しい生活の基本を整えること。この“タダでつくれる治療薬”を復活させて、若々しい体を取り戻しましょう!

ホルモン分泌をコントロールする生活習慣

◯女性ホルモンの原料に良質な油をとる

油といえば、ダイエットの敵として控えている人も多いはず。しかし、油=脂質は、ホルモンの原料になります。そのため控えすぎると、ホルモンが作られなくなることに。体に必須でありながら不足しがちな「オメガ3系」の油を意識して摂りましょう。亜麻仁油やえごま油に含まれており、青魚から摂取するのも◎。

◯毎日湯船につかる

深い眠りで増える「成長ホルモン」を出すために、寝る1〜2時間前に少しぬるめのお風呂に入りましょう。お風呂から上がって体温が下がると、深い眠気が起こります。リラックスできるよう、好きな香りの入浴剤やアロマを使ってみて。

◯ウォーキングで下半身を鍛える

全身の血流がよくなると、ホルモン分泌も活性化します。血流アップのためには、適度な運動が不可欠。なかでもストレスをかけず、お尻や太ももなどの大きな筋肉を効率よく刺激できるウォーキングがおすすめです。

◯ストレスをためない

副腎から分泌される「コルチゾール」は、ストレスから体を守ってくれるホルモン。しかし、ストレス過多だと副腎が疲れて分泌が低下し、疲れが抜けなくなったり、病気にかかりやすくなります。また、ストレスで脳が疲れると、他のホルモンの分泌も低下することに。たまる前に息抜きを心がけて。

◯寝るときは真っ暗にする

成長ホルモンは寝入りばなの深い眠りでたくさん分泌されることがわかっています。また、眠りに導くホルモンの「メラトニン」は、明るい光で分泌量が低下します。寝室を暗くして音は遮断し、熟睡できる環境を作りましょう。

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骨粗しょう症の予防にいい食べ物と、摂りすぎ注意の食べ物

【お話を伺った人】宮島 剛先生

埼玉医科大学整形外科・脊椎外科 埼玉医科大学かわごえクリニック骨粗鬆症外来 昭和36年長野県生まれ。高校卒業まで長野県で過ごす。平成2年埼玉医科大学医学部卒業後、同大学整形外科にて研修。青梅市立…

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(編集・制作 (株)法研

骨粗しょう症の予防にはカルシウムの多い食事と運動習慣。カルシウムは吸収を助ける食べ物と吸収を妨げる食べ物を知って効率よく!

カルシウムはビタミンD・Kと一緒にとろう

骨粗しょう症の予防は、まず1日3回の規則正しい食事から、骨の材料となるカルシウムをたっぷりとること。一般的に日本人はカルシウム摂取量が不足しがちなので、意識してとるようにしましょう。カルシウムの豊富な食品は乳製品や大豆製品、骨ごと食べられる小魚、緑黄色野菜、海藻など。

しかし、食品に含まれるカルシウムのすべてが吸収されるわけではありません。吸収率が最も高い乳製品で約50%、緑黄色野菜ではわずか20%程度です。そこで、一緒にとりたいのがカルシウムの吸収を助けるビタミンDやK。ビタミンDは青背の魚や赤身の魚、干ししいたけなどに、Kは納豆やヨーグルトなどの発酵食品、小松菜やほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれます。
ほかにも、たんぱく質、マグネシウム、酢の酢酸、レモンのクエン酸にもカルシウムの吸収を高める働きがあります。

リン、食塩、たんぱく質のとりすぎは骨によくない!

これらとは逆に、カルシウムの吸収を妨げたり損失を多くする要因となるものもありますから、これらをできるだけ減らすことを心がけましょう。なかでもリンやたんぱく質は、適量なら骨の健康を保つのに欠かせませんが、とりすぎるとカルシウムの損失を招くという一面もありますから注意が必要です。

●リンを含む食品のとりすぎに注意
リンはカルシウムの吸収を妨げる。ハム・ソーセージ、インスタント食品、スナック菓子、清涼飲料水などに食品添加物として含まれるため、これらをとりすぎないように。

●塩分を控える
塩分をとりすぎると、摂取したカルシウムを尿と一緒に排せつしてしまう。味付けを薄くし、塩辛いものはたくさん食べないように。

●たんぱく質のとりすぎは避ける
必要以上にたんぱく質をとると骨からのカルシウムの流出が多くなる。体重50kgくらいの女性なら1日50gくらいで十分。妊娠・授乳期は少し多めに。

●アルコールを控える
飲みすぎは、カルシウムの吸収を悪くする。ビールなら中びん1本(500ml)など適量を守って。

●喫煙は百害あって一利なし
喫煙は女性ホルモンの働きを弱め、カルシウムの吸収を妨げる。

カルシウムを効率よくとるには食べ合わせや調理を工夫して

骨粗しょう症にならないためには、何をどのように食べたらよいのでしょうか?

乳製品はカルシウムの吸収率が高く手軽にとることができるため大変有効ですが、リンや脂肪分も多いので注意が必要。中・高年の人は低脂肪タイプがよいでしょう。小魚や貝類もカルシウムが多く含まれますが、リンも多く、つくだ煮やめざし、丸干しには塩分も多く含まれています。しじみやはまぐり、殻ごと食べられる桜エビがおすすめです。

大豆製品はカルシウムだけでなく、体内で女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをするイソフラボンという成分も含まれているため、女性にとって強い味方に。エストロゲンには、骨からカルシウムが溶け出すのを抑制する働きがあります。ダイエットやストレスなどでも女性ホルモンは減少しますから、若いうちから大豆製品を積極的にとって、カルシウムだけでなくイソフラボンも補給しましょう。

豆腐、納豆、生揚げ、油揚げなどはどれも手軽にとれるので、毎日の食事に積極的にとり入れましょう。豆乳はそのまま飲んだり、コーヒー・紅茶に入れる、料理の材料に利用するなど、牛乳代わりに使えます。納豆はビタミンKも多く含む、骨の健康におすすめの食品です。ただし“過ぎたるは及ばざるが如し”、過剰な摂取は禁物です。たとえば納豆ならば1日1パック程度で十分です。

海藻類もリンよりカルシウムを多く含むバランスのよい食品です。ひじきはとくにリンが少ないすぐれもの。野菜では小松菜、春菊、チンゲン菜などの葉もの野菜にリンよりカルシウムが多く含まれています。大根やかぶの葉なども理想的なカルシウム供給源ですので、捨てずに利用しましょう。そのほか、ごま、黒砂糖はカルシウム以外のミネラルも豊富でリンは少ないので、調味料としておすすめ。ごまはそのままでは消化が悪いので、すりつぶして使いましょう。こんにゃくはカルシウムが豊富でエネルギーはゼロですから、体重が気になる人には理想的です。

肉にはカルシウムがほとんど含まれていないうえリンが多いため、カルシウムの多い葉もの野菜たっぷりのしゃぶしゃぶをゴマだれで食べるのがおすすめ。お米にはリンが多く含まれますが、よくといで炊くことで半分に減らすことができます。カルシウムの多い具を入れた炊き込みご飯にすればなおよいでしょう。ひじきや切干し大根、桜えび、油揚げなどを入れて炊き込み、食べるときすりごまをかければ完ぺきです!

骨に負荷のかかる運動を

運動をして骨に負荷がかかると、カルシウムが骨に沈着して骨が丈夫になります。また、血流もよくなって、骨をつくる細胞の働きも活発になります。逆に体を動かさないでいると、骨はすぐすかすかにもろくなってしまいます。無重力の宇宙空間に長く滞在した宇宙飛行士の骨が弱くなっていた、というのはよく知られた話です。寝たきりの状態も骨を弱くしますから、特に高齢者では注意が必要です。

骨を強くするには、バレーボール、バドミントン、ジョギング、エアロビクスなど、骨の縦方向に負荷がかかる運動ならなんでも有効です。ただし、年齢や体の状態によっては、過剰な運動はマイナスに。その意味で、ウオーキングは骨に適度な負荷がかかって体への負担が少なく、一人で手軽に始められるのでおすすめです。少し強い運動になりますが、縄跳びも効果的です。また、最近は転倒予防の観点から、太極拳が注目されています。水泳は、筋力をつけるのにはよくても、浮いてしまうので骨にはあまり効果が期待できません。
また、運動でなくても体を動かすことで骨に負荷がかかりますから、運動が嫌いな人は少し遠くまで歩いて買い物に行く、なるべく階段を使うとか、掃除やふとんの上げ下ろしなどで、こまめに体を動かしましょう。

また、骨を強くするためには日光に当たることも欠かせません。ビタミンDがカルシウムの吸収を助ける働きを発揮するためには、適度の紫外線が必要です。日焼けするまで浴びる必要はありませんから、紫外線が比較的弱い時間に外に出たり、十分日焼け対策したうえで、散歩したりしましょう。

※この記事は2007年5月に配信された記事です

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将来、骨粗しょう症になりやすい人はどんな人?予防法は?

【お話を伺った人】宮島 剛先生

埼玉医科大学整形外科・脊椎外科 埼玉医科大学かわごえクリニック骨粗鬆症外来 昭和36年長野県生まれ。高校卒業まで長野県で過ごす。平成2年埼玉医科大学医学部卒業後、同大学整形外科にて研修。青梅市立…

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(編集・制作 (株)法研

若い女性も油断大敵! 骨粗しょう症。将来骨粗しょう症にならないためには、若いときからの生活習慣と“骨の貯金”が大切!

骨粗しょう症は女性に多く、寝たきりを招くこわい病気

骨粗しょう症は、骨からカルシウムが減ることで骨がスカスカになってもろくなり、ちょっとしたことでも骨折しやすくなる病気です。圧倒的に女性に多いのが特徴で、女性は閉経を機に急増、高齢になるにしたがって増えていきます。初期には自覚症状がなく、骨折してはじめて骨粗しょう症に気づくこともあります。高齢になってからの骨折は寝たきりにつながりやすいので深刻です。

最近では、ダイエットや不適切な食生活から、若い人にも骨粗しょう症予備群が増えています。本来なら骨量(カルシウムなど骨に含まれるミネラルの量)が十分なはずの若いうちからこれでは、あとが大変です。骨を強くするには、食事でカルシウムを十分とることと、適度の運動も必要です。ぜひ今のうちから、骨の健康に気を配りたいものです。

女性ホルモンは骨を強くしている

女性が骨粗しょう症になりやすいのは、骨量と女性ホルモンとの間に深い関係があるからです。

骨の中では、古くなった骨がこわされる「骨吸収」と、新しい骨がつくられる「骨形成」がたえず行われ、1年間で数十%の骨がつくりかえられると言われています。骨形成が活発に行われると骨は丈夫になり、骨吸収が盛んになると骨は弱くなってしまいます。骨吸収と骨形成がバランスよく行われていると、健康な骨が保たれますが、骨形成よりも骨吸収が強く働くと、骨はしだいにもろくなっていきます。

女性ホルモンであるエストロゲンは、骨吸収を抑制して骨形成を助けるので、骨を強くする働きがあります。このため、エストロゲンの分泌が激減する閉経期以降になると、骨量が急激に減少して、骨粗しょう症になる人が増えてくるのです。加齢によっても骨量は減り、70歳では女性の半数以上が骨粗しょう症と考えられています。

若いうちの“骨の貯金”で将来に備えよう

骨量は若い時期に急激に増え、20~30歳代をピークに、以降は徐々に減っていきます。閉経や加齢などで骨量が減っても大丈夫なように、若いうちはできるだけ骨量を増やし、ピークを迎える20~30歳代の骨量をできるだけ増やして骨を貯えておく“骨の貯金”が必要です。

妊娠・授乳期は赤ちゃんの分までカルシウムが必要になります。カルシウムが不足すると、ひどい場合は産後骨粗しょう症になることもあるので注意しましょう。成人の女性が1日に必要なカルシウム摂取量は600mgとされていますが、この時期にはそれ以上とることが望ましいでしょう。同様に、更年期以降は800mg以上を目安にカルシウムを十分とり、適度な運動を行って骨量の減少をできるだけ抑えることが大切です。この時期は骨粗しょう症を起こしている場合もありますから、定期的に骨密度(カルシウムなどの密度、骨の中身の濃さを示す)を検査するとよいでしょう。

骨量がかなり減ってくる老年期には、骨折しないようにすることが大切です。食事と適度な運動、住環境の整備などで転倒の危険を減らしてください。

骨粗しょう症になりやすい人は普段の生活で予防を

誰でも年とともに骨量が減って骨が弱くなりますが、その程度には個人差があります。次のような人は、骨粗しょう症になりやすいと言われています。

●背が低く骨格が小さい人
●やせている人
●家族に骨粗しょう症の人がいる人
●月経が不順な人

こうした体質や遺伝的なことが原因でも、あきらめることはありません。若いころから骨の貯金をためて予防し、次のような生活習慣を避け、普段から骨を強くする生活を心がけましょう。

< 骨粗しょう症を起こしやすい生活習慣と予防策>

●カルシウム不足→ほかの栄養素は十分でもカルシウムだけ不足している人が多いため、意識してとる
●ビタミンDやKの不足→カルシウムの吸収を高めるので積極的にとる
●運動不足→骨に圧力がかかると骨形成が促されるため、なるべく歩く、階段を使うなどして、普段の運動量を多く
●喫煙習慣→女性ホルモンの働きを弱めカルシウムの吸収率を下げるため禁煙を
●お酒をたくさん飲む→カルシウムの吸収率を下げるため適度の量を
●戸外での活動が少ない→ビタミンDは日光に当たることで効果が出るため、1日合計1時間は戸外で過ごす時間をもつ

また、先にも述べたように過剰なダイエットは大変問題です。栄養不足から血液中のカルシウム量が不足すると、補充のため骨から血液中にカルシウムが引き出されます。さらに、過剰なダイエットは女性ホルモンの分泌も減少させ、骨にとってダブルパンチに。骨貯金どころか骨量が減少して、骨粗しょう症に向かって一直線です。

次回は、骨を強くするには具体的に何をすればよいのか? どのようにしたら効率よく骨量を増やすことができるのかを紹介します。

※この記事は2007年5月に配信された記事です

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20代・30代の女性に増える『プチ更年期』こんな症状が続いたら注意を!

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【お話を伺った人】小屋松 安子先生

医療法人社団「こころとからだの元氣プラザ」 女性のための生涯医療センターViVi 婦人科 佐賀大学医学部附属病院産婦人科助手を経て、現職。 「こころとからだの元氣プラザ」 http://www…

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(編集・制作 (株)法研

原因はストレスや過剰なダイエット、過労など。放っておくと本当に閉経してしまうことも! 早めの治療とストレスをためない生活を心がけて。

若いのに更年期みたいな症状が

20~30代の女性は、更年期と聞いてもまだ先の話と思われるでしょう。しかし最近、若い女性にも更年期障害のような症状を訴える人が増えて、「プチ更年期」という言葉が使われるようになっています。

そもそも更年期とは閉経をはさんだ前後10年間をさし、平均的には40代半ばから50代半ばごろ。この時期になると卵巣機能が衰え、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌が減って月経周期が不順になります。このとき心身にあらわれるさまざまな不調を更年期障害といって、症状は「不定愁訴(ふていしゅうそ)」と言われるように、頭痛、肩こり、冷え、のぼせ、めまい、疲労倦怠感とさまざまです。

本来、卵巣機能が安定しているはずの若い女性に、なぜこのような症状があらわれるのでしょうか? 最大の原因は、ホルモンの“コントロールタワー”である視床下部(ししょうかぶ)がうまく働かなくなるため。エストロゲンの分泌を促す卵胞刺激ホルモンを分泌して月経周期をコントロールする視床下部は、同時に自律神経もコントロールしているため、ホルモンと自律神経は深く結びつき、影響し合っています。そのため、自律神経がバランスを崩すと、ホルモン分泌にも影響が及ぶのです。

ストレスや過剰なダイエット、過労、不規則な生活、激しい運動などによって自律神経のバランスが崩れると、卵胞刺激ホルモンの数値が下がってエストロゲンの分泌が減り、月経が止まったり、更年期障害のようなさまざまな症状が出てくるというわけです。

放っておくと卵巣機能が衰え閉経してしまうことも

実際の更年期は、エストロゲンの分泌が減る一方で、視床下部がエストロゲンを分泌させようと頑張ってしまい、その結果自律神経のコンロトールがうまくいかなくなることで起こるといわれています。これに対しプチ更年期は、自律神経の乱れによって卵胞刺激ホルモンの分泌が低下し、エストロゲンが減少するもので、卵巣機能は衰えていないのが普通です。

はっきりした原因もないのに月経が不順で、次のような症状が2週間以上続く場合はプチ更年期の可能性があります。

< 倦怠感、慢性疲労感、冷え、頭痛、肩こり、めまい、のぼせ、微熱、食欲不振、不眠、イライラ、不安感、うつ、気力・集中力・記憶力の低下など >

これらの症状がつらいのはもちろんですが、深刻なのは、女性ホルモンが低下した状態が長く続くことです。放っておくと不妊症になったり、そのまま卵巣機能が低下して本当に閉経してしまう可能性もあるのです。
また女性ホルモンは、子どもをつくるために必要な働きのほかに、体を守るさまざまな働きをしているため、不足を長く放置しておくと、骨量が減って骨粗しょう症になったり、コレステロール値が上がって動脈硬化が進んだりと、深刻な症状につながることもありますから、早めに婦人科で治療を受けましょう。

早期の治療、生活習慣を見直しストレスをためない生活を

プチ更年期は、人によって時間はかかっても、適切な治療で元に戻すことができます。ただし、放っておくほど治療に時間がかかるようになりますから、気がついたら早めに対処することが大切です。
プチ更年期の治療は、まず血液検査でエストロゲンや卵胞刺激ホルモンの量を測定したうえで、適切な治療が選択されます。また、日ごろの生活を見直して体の状態を整えることも大変重要です。

●ホルモン療法

周期的にエストロゲンを補充して卵巣を刺激し、ホルモンが出ていたころの周期をとり戻そうという治療です。具体的には、ホルモン剤や排卵誘発剤、低用量ピル、中用量ピルなどが、症状や患者さんの希望によって使い分けられます。

●漢方療法

ホルモン療法の代替療法として用いられます。プチ更年期の人は頑固な冷えや血行不良に悩まされていることが多く、これらが改善すると月経不順や不定愁訴がよくなる場合があります。当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)などの漢方薬が体質に応じて使用されます。

●生活の見直しを

過労や睡眠不足を避け、規則正しい生活とバランスの良い食事を心がけましょう。ストレスの多い現代社会で完全にストレスを避けることは不可能ですが、できるだけストレスをためず、発散させる方法をもつことが大切。スポーツや友だちとのおしゃべり、からおけなど、自分なりの方法を見つけましょう。ヨガやアロマ、ハーブ、半身浴などもリラックス効果があっておすすめです。
また、女性ホルモンの働きを助ける大豆のイソフラボンやビタミンE、抗ストレス作用のあるビタミンCなどを食事にとり入れ、しっかりとるようにするとよいでしょう。

普段から基礎体温をつける習慣をつけ、月経の異常に気づいたらなるべく早く、基礎体温表をもって婦人科を受診しましょう。

※この記事は2007年6月に配信された記事です

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