つらい生理痛や下腹部の痛みに注意! 子宮や卵巣の異常を疑う症状とは?

【お話を伺った人】百枝 幹雄

東京大学医学部産科婦人科学教室 講師 1984年東京大学医学部卒業。医学博士。2004年より東京大学医学部講師、06年より東京大学医学部附属病院女性診療科・産科外来担当副科長。現在、日本産科婦人科…

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(編集・制作 (株)法研

(「健康のひろば」法研より)

重症化させないよう定期的に婦人科検診を。痛みの起こり方やその他の症状、月経異常などにも注意が必要。

30~40歳代に多い子宮筋腫

女性の場合、下腹部が痛むときは、大腸などの消化器の異常とは別に、子宮や卵巣などの異常も疑う必要があります。なかでも、子宮筋腫は婦人科の腫瘍のなかでは最も多い病気で、30~40歳代の3人に1人の割合でみられます。

子宮筋腫は、女性ホルモンのエストロゲンの働きによって大きくなる良性腫瘍で、できる場所によって次の3つのタイプに分けられます。子宮の筋肉の中で大きくなった「筋層内筋腫」、子宮の外に飛び出した「漿膜下(しょうまくか)筋腫」、子宮内側の粘膜に向かって発育した「粘膜下筋腫」です。

このうち、下腹部痛を起こしやすいのは、「筋層内筋腫」と「漿膜下筋腫」です。どちらも、筋腫が大きくなるにしたがって周りの臓器を圧迫するため、下腹部痛の原因になります。また、直腸を圧迫すると便秘、膀胱(ぼうこう)を圧迫すると頻尿、神経を圧迫すると腰痛を起こします。
また、「筋層内筋腫」や「粘膜下筋腫」では、子宮の内腔が変形して月経の出血量が増えます。そのため、貧血になることがあり、どうきや息切れなどの貧血症状を伴うこともあります。

子宮内膜症は月経時の痛みが特徴

最近増える傾向にある子宮内膜症も、下腹部痛の原因となります。子宮内膜症は、月経ではがれる子宮の内側の粘膜(子宮内膜)、あるいはそれとよく似た組織が子宮以外の場所にできてしまい、エストロゲンの刺激によって増殖する病気です。20歳代から発症することがあり、30歳代前半に最も多くみられます。

子宮内膜症ができやすいのは、子宮と直腸の間にあるダグラス窩(か)と卵巣で、月経時に子宮内膜と同じように出血します。子宮内であれば体外へ排出されるものが、排出経路がないため体内にたまって、強い痛みを引き起こします。最も多いのは、月経時の下腹部痛や腰痛ですが、約半数は月経時以外の下腹部痛を訴えています。また、ダグラス窩にできた場合は排便痛や性交時痛を起こします。まれに、胸膜や肺、腸管、尿路などに発生すると、月経時に気胸や血痰(けったん)、血尿、下血などの症状があらわれることもあります。

子宮内膜症は妊娠・出産をきっかけに治ることもありますが、月経を繰り返していると悪化する危険性が高まり、放置すれば進行して不妊の原因にもなります。

子宮内膜症と似た病気で、30歳代後半に多く発症するのが、子宮内膜が子宮の筋肉にもぐりこむ子宮腺筋症です。月経痛がとても強く、月経後にも痛みが続くことが少なくありません。出産や流産の後など、子宮の筋肉がゆるんだときに起こりやすいという特徴があります。

急激に痛むときは卵巣腫瘍かも

子宮筋腫や子宮内膜症など、子宮の異常による痛みは月経に関係する慢性的なもので、痛みのほかに月経異常などの自覚症状がみられます。これに対して、月経とは関係なく、下腹部に急激な痛みが起きた場合は、卵巣腫瘍が疑われます。腫瘍がある程度の大きさになると、腫瘍の根元ががねじれ(茎捻転=けいねんてん)、強烈な痛みを起こすことがあるのです。

卵巣腫瘍の主な症状は、下腹部痛のほかに腹部膨満感、性器出血、便秘、頻尿などさまざまです。腫瘍が大きくなった場合は、ジーンズやスカートのウエストがきつくなって気づくこともありますが、サイズがかなり大きくなってからでないと症状が出てきにくいため、発見が遅れがちです。卵巣腫瘍には良性、悪性、その中間タイプとさまざまな種類があり、場合によっては卵巣を摘出しなければならなかったり、治療が難しくなることもあります。

子宮や卵巣の病気は、日常生活での予防が難しいものが少なくありません。重症化させないように、また発見が遅れないように、定期的に婦人科検診を受けましょう。また、異常を感じたら早めに婦人科を受診し、腫瘍などの有無を確認することが大切です。

※この記事は2008年4月に配信された記事です



女性が感じる体の乾燥。ドライシンドロームの原因とは?

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

40歳頃から体のいろいろな部位が乾燥してくる「ドライシンドローム」の原因と改善法を解説します。

ホルモンの減少で体のあちこちが乾燥しだす

年々ひどくなっていると思えるお肌の乾燥、のどのイガイガ、目のゴロゴロ、陰部の違和感……。これらはすべて加齢によって体の水分が減るなど、機能低下が及ぼす影響です。秋津医院院長の秋津壽男先生によると、これらの症状の主な原因は、更年期で女性ホルモンの「エストロゲン」が減ることなのだそう。
エストロゲンは、体のさまざまな機能を調整する役割を担っており、そのひとつが皮膚や分泌系を調整する働きです。そのため、エストロゲンの減少で、肌が乾燥するドライスキン、目が乾くドライアイ、口が乾くドライマウス、膣が乾燥するドライバジャイナが起こることに。それぞれの症状はこちらです。

女性が感じる体の乾燥。ドライシンドロームの原因とは?

主なドライシンドロームの症状

・ドライスキン

ドライスキンは、皮膚の内側は潤っているのに表面に皮脂が足りない状態。そのため、皮膚の油分を落としすぎないことが大切です。熱いお湯につかって、あかすり用のタオルでゴシゴシ洗うのは皮膚によくありません。石けんをよく泡立てて手で洗うか、石けんなどの洗浄剤を使わずにお湯で流すだけでもOK。その後、クリームなどで油分を補いましょう。

・ドライアイ

眼球の表面には常に涙が流れて、目を保湿し、角膜などが傷つかないように保護しています。ドライアイになると潤いがなくなるため目がゴロゴロします。また、目の表面についた汚れや細菌などを流すことができなくなるといった問題も。まばたきは、涙を眼球の表面に広げるために行われるので、ドライアイになると涙で眼球を潤そうと、まばたきの回数が増える傾向が。意識的にまばたきをするのもおすすめです。

・ドライマウス

口の中が乾く主な原因は、だ液の分泌量が減るため。また、鼻の詰まりや薬が原因でドライマウスになることも。まずは、どうしてドライマウスになったのか原因を知って、治療することが大事です。頰の内側を舌で刺激したり、マッサージするなどして、だ液の分泌を促すことは、ドライマウス解消に有効です。

・ドライバジャイナ

膣の中では粘液が常に分泌されて潤っていますが、女性ホルモンの分泌量が減ると、膣周辺の粘膜が乾いてきます。その結果、カサカサして痛みだし、雑菌も入りやすくなります。また、セックスのしすぎや、温水洗浄便座の使いすぎによっても起こりやすくなります。

ホルモン補充療法で改善効果が

女性ホルモンの減少で体のいろんな部位が乾燥しやすくなる、ドライシンドローム。婦人科を受診し「ホルモン補充療法」を行うことで、改善効果がみられます。また、ダイエット目的で脂質を極端に摂らない食生活を続けていると、ドライスキンに。食事でほどよく脂質を摂るのもおすすめです。
なお、こうしたさまざまな症状には、別の病気が隠れている可能性もあります。「シェーグレン症候群」という膠原病(=自己免疫疾患)で、目、口、鼻、皮膚、膣、関節など、全身のさまざまな分泌腺が侵されて乾くものです。気になる症状があったら眼科、口腔内科や口腔外科、皮膚科、婦人科、膠原病内科などを受診しましょう。

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女性の10人に1人は子宮内膜症のおそれ…痛みや症状について

ノーイメージ

【お話を伺った人】高山 雅臣先生

東京医科大学名誉教授 東京医科大学大学院卒業。1991年、東京医科大学産科婦人科学主任教授を経て現在に至る。日本産科婦人科学会、日本産科婦人科内視鏡学会など多数の理事を務める。医学博士、メディカル…

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(編集・制作 (株)法研

20〜40歳代の女性に急増しており、推定患者数は12万人。生命を奪われる疾患ではないが、耐えがたい痛みが特徴で、腸に転移したり、卵巣のなかでがん化するケースも。

女性の10人に1人は子宮内膜症のおそれ…痛みや症状について

子宮・卵巣周辺のいたるところに発生する子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮内膜(子宮の内側の粘膜組織)あるいは子宮内膜症によく似た細胞が、子宮以外の場所に増殖してしまう病気です(図参照)。子宮以外の場所とは、たとえば卵巣、卵管、直腸と子宮の間(ダグラス窩)などで、ときには肺のなかまで発生します。

子宮内膜症がやっかいなのは、それらの場所で子宮内膜症に似た細胞が増殖し、月経と同じように周期的に出血を起こしてしまうからです。子宮内であれば月経として体外に排出されるはずの組織が、排出経路がないため小さな血液のかたまりとして体内にたまってしまうのです。こうした血のかたまりは、やがて周囲の細胞組織と癒着し、強い痛みをともなうさまざまな障害を引き起こします。

QOL(生活の質)を大きく低下させるほどの痛み

日本では月経のある女性の10人に1人は子宮内膜症をもっているといわれ、とくに20〜40歳代の女性に急増しており、現在、治療を受けている人は12万人、潜在患者数は200万人とも推定されています。

子宮内膜症は、発症する部位によって表のように3つに大きく分類されます。そして、これらの発症する部位にかかわらず、子宮内膜症に起こる大きな特徴のひとつが「疼痛(とうつう)」です。この特徴により世界子宮内膜症学会では、子宮内膜症を「再発性の慢性疼痛疾患」と位置づけています。つまり、ズキズキとしたうずくような痛みが継続して起こる病気ということです。

痛みは月経痛、下腹部痛、腰痛、性交痛、排便痛などさまざまで、子宮内膜症が発症する場所によっても異なります。しかし、これらの痛みが子宮内膜症にかかっている女性たち共通の悩みであり、痛みによって会社を休まざるを得なくなったり、性生活が営めないなど、QOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を大きく低下させるほどの「疼痛」に苦しめられるケースもまれではありません。

放置しておくと子宮や卵巣を失うことも

子宮内膜症は基本的には良性で、直接的に生命に影響を及ぼす疾患ではありませんが、治療をしないまま放置しておくと、月経痛がくりかえし起こったり、しだいに性交痛や排便痛などをともなうようになります。不妊の原因が子宮内膜症であるケースも少なくありません。

また、内膜症が深部へもぐり込んで直腸に増殖すると下血が起こったり、膀胱に増殖した場合は血尿が出たり、さらには腸に転移したり、卵巣のなかでがん化するケースもあるというように、非常にやっかいな側面のある疾患です。最悪の場合は、子宮や卵巣を失うことにもなるため、なによりも早期発見が重要となる婦人科疾患のひとつです。

(「子宮・卵巣の病気を防ぐ」高山雅臣編著、法研より)

※この記事は2005年10月に配信された記事です

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生理前のイライラや体調不良(PMS)との上手な付き合い方とは?

【お話を伺った人】天野 恵子先生

千葉県衛生研究所所長 千葉県立東金病院副院長  1942年生まれ。東京大学医学部卒業(医学博士・循環器内科専攻)。東京大学講師、 東京水産大学教授を経て、現在千葉県衛生研究所所長 兼 千葉県立東金…

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(編集・制作 (株)法研

月経前の不快な症状は、月経前症候群(PMS)と呼ばれます。月経前症候群は、働く女性の7~8割が体験するといわれます。上手に対処して、快適に過ごしましょう。

働く女性の7~8割が体験

生理が始まる3~10日前から、なんとなくイライラする、ゆううつな気分になる、腹痛や腰痛が起こる。でも、生理が始まると、ケロリと治ってしまう…こんな体験をした人はないですか? これらの症状は月経前症候群(PMS)と呼ばれます。
人によって、症状が続く期間や現れかたに差がありますが、PMSは働く女性の7~8割が体験しているといわれます。「自分では自覚していなかったけれど、そういえば思い当たる…」という人も多いのではないでしょうか。
イライラして、つい、まわりの人にあたってしまい、後で自己嫌悪におちいる…こんなこともPMSが原因で起こることが多いのです。
必要以上に自分を責めず、PMSについて知識を持って、上手に対処したいものですね。

心身にさまざまな症状が

PMSが起こる原因は、ホルモンバランスの乱れや脳内神経伝達物質であるセロトニンの失調などが考えられます。
一般的には、月経開始の3~10日前から症状が現われ、月経が始まると軽くなる人もいますが、開始後も続いて、徐々に軽くなっていく人もいます。
身体的な症状で現れやすいのは、下腹痛、腰痛、頭痛、肩こり、めまい、乳房のはり、冷え、下痢・便秘など。食欲が亢進したり、逆に減退することもあります。さらに、むくみ、にきび、肌荒れ、疲れやすい、眠くなる、などの症状も起こります。
精神的な症状としては、イライラする、怒りっぽくなる、ゆううつ、無気力、涙もろくなる、不安感、性欲亢進または減退などです。
さらに、仕事、家事などに集中できなくなり、攻撃的になって口論が増える、人づきあいが悪くなる、などの社会的な影響もみられます。

このようなPMSを克服するには、いつどんな症状が現われるかを自分で自覚していることが大事。「生理前には不安定になる」と自覚しているだけで、いくらか苦痛がやわらぎますし、気持ちも前向きになります。
「今、生理前でイライラしてるの。ゴメンね」と、友達や周りの人にあらかじめ断っておくのもひとつの手でしょう。

治療は対症療法がメイン

PMSの治療は、症状に応じた対症療法が行われます。頭痛には頭痛薬、腹痛・腰痛には鎮痛剤、むくみには利尿剤、イライラには精神安定剤とそれぞれの症状をおさえる薬が処方されます。
鎮痛剤がクセになりそうで心配だ、という人もありますが、月に数日、鎮痛剤を服用する程度では、まったく心配ありません。痛みを放置してストレスを増幅させる方が、心身ともに負担が大きくなります。
ただし、月経痛が強すぎる場合は、婦人科を受診しておきましょう。日常生活に支障が出るほどの月経痛は「月経困難症」と呼ばれ、治療の対象になっています。また、子宮の発育不全や子宮筋腫、子宮内膜症、感染症による癒着などが背景にある場合もあります。

さらに、前述の対症療法に加え日頃から、生活習慣をととのえて、適度な運動をすることも重要です。ウォーキングやジョギングだけでも、背中や腹部に筋肉がついて血行がよくなり、腰痛がやわらぎます。
もちろんバランスのとれた食生活をすることも大切。ビタミンE、ビタミンB6(ナッツ類、豚肉、レバー、新鮮な魚、アボカド、プルーン、レーズンなどに豊富)を積極的にとりましょう。逆にカフェイン、塩、砂糖などは控えるようにしましょう。

PMSは、排卵があって、月経がくる人なら、誰でもかかる可能性があります。知識を持って、自分でうまくコントロールしたいものですね。また、症状が強い場合は、気軽に婦人科を受診して、少しでも不快感をやわらげたいものです。

※この記事は2006年11月に配信された記事です

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女性はあそこがゆるみやすい…『骨盤底』を鍛えて早めのケアを!

【お話を伺った人】竹山 政美先生

健保連・大阪中央病院泌尿器科部長 1979年大阪大学医学部卒業、86年同大学大学院医学研究科博士課程修了。健保連・大阪中央病院泌尿器科勤務。98年「神経・尿失禁外来」(02年「女性のための泌尿器科…

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(編集・制作 (株)法研

女性の体にとって大事な「骨盤底」を鍛えましょう。骨盤底の筋肉がゆるむと、さまざまな障害が。簡単にできる体操で日頃からケアしましょう。

筋肉のゆるみをガードしよう!

骨盤底は、骨盤の下にあるハンモック状の筋肉群。膀胱、子宮、直腸などの腹部臓器を支えていて、筋肉にゆるみができると、尿もれ、尿意の切迫感、性器脱など、さまざまな障害が起こります。

筋肉は、肥満や妊娠、さらに加齢によって、ゆるみやすくなります。ゆるんでから回復させるのは、なかなか大変。とくに、骨盤底は排尿や排便などの機能にも係わっているため、日常生活にもさまざまな影響が。
骨盤底の筋肉は、幸い、手足の筋肉と同じで鍛えやすい組成ですから、早めにケアしておくといいでしょう。毎日手軽に行える、簡単な体操を紹介します。

女性はあそこがゆるみやすい…『骨盤底』を鍛えて早めのケアを!

基本姿勢はあおむけ

骨盤底筋は、手足の筋肉と同じ横紋筋という筋肉でできています。だから鍛えることが可能です。
以下の、A、B、Cの体操を、最低、朝昼晩3回行うといいでしょう。腹筋に力が入ると逆効果なので、リラックスするためにまずあおむけになり、両足を立てた体位(基本姿勢)で始めます。3ヶ月くらいで、効果が現れます。

【骨盤底体操の方法(基本姿勢)】

A.基本姿勢(あおむけの姿勢で)
1.あおむけになり、リラックスしてゆっくり腹式呼吸をします。
2.リラックスできたら、まず速い動きで肛門を締める動きを繰り返します。
初めのうちは片手をおなかの上に置き、腹筋に力が入らないよう注意しながら、片手を会陰部においてその部分の筋肉が締まるのを確認しながら行います。リズミカルに「締めて・ゆるめて」を10回くり返します。
3.次に持続力を鍛えます。肛門を締めたまま、声を出して1から10まで数えます。その後ゆるめます。最初は10まで数える前に力がゆるんでしまいますが、かまいません。30秒ほどリラックスしたら、2回目を始めます。10回終了したら1セット終了です。

毎日続けると効果的

次は、体操の応用編。立ったまま、あるいはいすに座って行う方法をご紹介します。この体操はどこでもできるのがメリット。根気よく、毎日続けてみましょう。

【骨盤底筋体操の方法(応用編)】

B.立った姿勢で
1.机やテーブルの前で、足を肩幅に開いて立ちます。
2.両手も肩幅に広げ、手のひらを机やテーブルの上に置きます。
3.上体の重さを腕にかけ、背中はまっすぐに伸ばし、顔は正面を見ます。
4.肩とおなかの力を抜いて、肛門と膣、尿道口を締めます。
キッチンで調理をしているときなど、流し台やテーブルを利用して、気軽に行うといいでしょう。

C.いすに座った姿勢で
1.いすに深く座り、両足を肩幅に開きます。
2.背中を背もたれにつけてまっすぐ伸ばし、顔は正面を見ます。
3.肩とおなかの力を抜いて、肛門と膣、尿道口を締めます。
電車の座席に座っているときや、家でテレビを見ているときなど、日常的にできる体操です。

骨盤底筋体操は、一度にまとめて行うと疲れて長続きしないので、1日のうちに何回にも分けて行うといいでしょう。効果が出るまで1~3ヶ月はかかりますが、手軽にできて動きもそう大きくないので、電車に乗っているときなど、空き時間を利用して日課にしたいものです。

(「女性泌尿器外来へ行こう」竹山政美著、法研より)

※この記事は2006年10月に配信された記事です

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女性の体にとって『骨盤底』が大事な理由|20~30代からケアを!

【お話を伺った人】竹山 政美先生

健保連・大阪中央病院泌尿器科部長 1979年大阪大学医学部卒業、86年同大学大学院医学研究科博士課程修了。健保連・大阪中央病院泌尿器科勤務。98年「神経・尿失禁外来」(02年「女性のための泌尿器科…

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(編集・制作 (株)法研

骨盤底は、女性の腹部臓器を支える重要な部分です。骨盤底の筋力が弱ると、尿もれなどの不調がおこります。あなたもチェックしてみましょう。

知る人ぞ知る、大事な筋肉

「骨盤底」と聞いても、「ナニ?それ」と首をかしげる人が多いのではないでしょうか。

骨盤底は女性の体にとって、とても重要な役割を果たしています。骨盤底は骨盤の底にあり、腹部臓器を支えている部分で、筋肉や繊維組織で形成されています。
骨盤底筋は、体の前面にある恥骨、後ろの尾骨の間をつないで、ハンモック状のかたちをしています。人類が二足歩行をはじめた頃から、骨盤の底に腹部臓器の重みがかかるようになり、骨盤底が、それを支える役割を果たすようになりました。
膀胱、子宮、直腸など、骨盤内臓器を、骨盤底のハンモック状の筋肉群、じん帯など支持組織が協力して、しっかり支えています。そしてそれ以外にも、蓄尿、排尿、排便などに重要な役割をつとめています。排尿などの機能には、神経と筋肉が協調して、高度なはたらきをすることが必要。

そのため骨盤底は、婦人科のみならず泌尿器科では重要なキーワード。骨盤底を健康に保つことが、QOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)に大きく影響するのです。

女性の体にとって『骨盤底』が大事な理由|20~30代からのケアを

肥満、妊娠によって筋肉がゆるむ

骨盤底がゆるんだり、断裂したりすると、尿もれや性器脱、尿意切迫感など、さまざまな障害がおこります。尿もれは、中年以降の女性に多いとされていますが、若い女性にもおこります。
さらに性器脱という、ショッキングな症状も。性器脱は、子宮、直腸などの内臓を筋肉が支えられなくなり、体外に出てしまう疾患です。
いずれの症状も、日常生活に深刻な影響を及ぼすだけに、早くからガードしておきたいものですね。

骨盤底のゆるみの最も大きな原因は、妊娠や出産。また、肥満による体重の増加や、更年期に女性ホルモンであるエストロゲンが減少すること、加齢によって筋肉が弱まること、などからもゆるみがおこります。

早くから骨盤底ケアを

骨盤底のゆるみが原因で起こる症状・病気は、骨盤底のどの部分の筋肉群がゆるんだかによって異なります。
たとえば、恥骨尿道じん帯や尿道を吊っている部分にゆるみや断裂がおこると、尿失禁や便失禁がおこります。症状がすすむと、尿道が脱出する、尿道瘤になります。
さらに、膣の前壁に障害がおこると、膀胱が支えきれなくなり、排尿困難、頻尿、過活動膀胱などの症状があらわれます。それがすすむと、膀胱が膣から脱出して膀胱瘤になります。仙骨子宮じん帯や、膣の後壁に障害がおきると、排尿障害、過活動膀胱、下腹部痛などの症状があらわれ、子宮脱、直腸脱、小腸脱など性器脱がおこります。

女性の泌尿器科の多くの疾患は、このような、骨盤底筋の障害によっておこります。その治療は、ハンモック状の筋肉群を修復することがメインです。
でも、筋肉群に症状があらわれる前に、20~30代から骨盤底のケアを行って、なるべく未然に防ぎたいですね。次回、PART2では、骨盤底を強化する方法をご紹介します。

私達の生涯のQORは、健康な体を得てこそ、人生の選択肢もひろがります。骨盤底ケアを行って、人生の“底力”もしっかりキープしたいですね。

(「女性泌尿器外来へ行こう」竹山政美ほか著、法研より)

※この記事は2006年10月に配信された記事です

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