ひどい生理痛がある人は子宮内膜症の疑いが…症状や治療法について

福本 由美子

【執筆者】福本 由美子先生

済生会奈良病院・松原徳洲会病院婦人科医 1986年奈良県立医科大学卒業。同大附属病院、東大阪市立総合病院、湘南鎌倉総合病院、松原徳洲会病院の産婦人科勤務を経て、大阪中央病院泌尿器科・ウロギネセンター…

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薬物療法や手術療法から自分に合った治療方法を選択できる。
鎮痛薬が効かない、痛みが強くなるといったときは早めに婦人科へ。治療はホルモン療法や腹腔鏡手術が主流に。

月経時に激しい痛みがあるなら子宮内膜症の疑いが

月経時の痛みには多くの女性が悩まされていますが、寝込んでしまうほどの強い痛みがあったり、痛みがだんだん強くなっている場合は、子宮内膜症の可能性があります。

子宮の内側は、子宮内膜という粘膜でおおわれています。この粘膜は、卵巣から分泌される女性ホルモンによってコントロールされています。卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌されると内膜が増殖して厚くなり、排卵後に黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されると、増殖が抑制されるという具合です。
子宮内膜が増殖して厚くなるのは、妊娠準備のためです。受精卵が着床するフカフカのベッドを用意するのです。しかし、妊娠しなかった場合はベッドも不要なので、内膜ははがれ落ちて血液とともに排出されます。これが周期的にくり返されるのが月経です。

子宮内膜症とはどんな病気?

子宮内膜は、本来、子宮の内側だけにあるものです。ところが、何らかの原因で子宮内膜以外の場所に、子宮内膜と似た組織ができることがあります。これが子宮内膜症です。
ほかの場所にできた子宮内膜に似た組織は、本来の子宮内膜と同じように、月経周期に伴って増殖と出血をくり返します。しかし、血液の出口がないため、その場に血液がたまってしまい、炎症や激しい痛みを起こします。また、卵管や腸管などほかの臓器と癒着して、ひきつれや痛みを起こしたり、不妊の原因になったりすることもあります。

子宮内膜症は通常は命にかかわる病気ではありません。しかし、卵巣に血液がたまるチョコレート嚢胞などでは、将来がん化するリスクがある場合もあります。そうでなくても、月経のたびに激しい痛みのために寝込んだり、月経時以外にも下腹部や腰が痛む、性交時や排便時に痛みがあるというような場合は、日常生活に差しさわり、QOL(Quality of Life : 生活の質)を低下させます。
鎮痛薬を飲んでもあまり効かない、以前と比べて痛みがだんだん強くなったりするような場合は、早めに婦人科を受診してください。子どもが欲しいのに妊娠しないという場合、子宮内膜症が原因になっていることもあります。

子宮内膜症の治療法とは?

子宮内膜症の治療法は、大きく分けて二つ、薬物療法と手術療法があります。
薬物療法というと、以前は鎮痛薬で痛みをコントロールするのが第一段階でした。鎮痛薬で痛みが軽くならない場合に、次の段階としてホルモン療法で子宮内膜の増殖を抑え、症状を軽くするという方法がとられていたのです。
しかし最近は、ホルモン薬の開発が進んで治療の選択肢が増え、ホルモン療法を早い段階で行うことが増えています。代表的なホルモン薬には低用量ピル、ジエノゲスト、GnRHアゴニスト、ダナゾールなどがあります。

低用量ピルの治療やホルモン薬について

低用量ピルは経口避妊薬として有名ですが、2008年夏、その一つが子宮内膜症の治療薬として保険適用されました。低用量ピルを服用すると、妊娠に近い状態になるため、排卵が止まります。子宮内膜の増殖が抑えられることで月経時の痛みが軽くなります。副作用が少なく、長期間使えるというメリットがあるため、若い人に最も適した薬だと言えます。
ただし、低用量ピルを使用すると、まれに血液が固まりやすくなる場合があるため、静脈血栓症、脳梗塞、心筋梗塞を起こしたことのある人や高血圧のある人、35才以上で一日15本以上喫煙する人は使えません。また、乳がんを発症している人、出産後3週間までの人も使用できません。

このような場合の多くは、ほかのホルモン薬が選択されますが、それぞれ骨量や肝機能への影響、長期間の不正出血といった副作用がみられることがあります。そのため使用場面を限定したり、容量を調節するなど使用方法を工夫して用いられますので、医師とよく相談し、自分に合ったものを使うとよいでしょう。

なお、ホルモン療法を受けている間は、排卵が抑えられるので妊娠しづらくなります。妊娠を希望する場合は、医師と相談してください。希望する妊娠時期によっては、ホルモン療法でなく、手術を選択したほうがよいでしょう。

子宮内膜症は腹腔鏡手術が一般的に

ホルモン療法が効かないとき、あるいはすぐに子どもがほしいときは、手術が勧められます。手術には、病巣部分だけを取り除いたり癒着をはがしたりして子宮と卵巣を残す温存手術と、子宮と卵巣を摘出する根治手術の二つがあります。
どちらを選ぶかは、妊娠・出産を希望するかどうかによります。

温存手術は、主に腹腔鏡を使って行われます。腹部の小さな傷から器具を挿入して病巣を取り除いたり癒着をはがしたりする手術です。傷が小さいため体への負担が小さく、入院期間が短いという利点があります。また、内視鏡を病巣に近づけて詳しく見ながら手術できるという点や手術後の癒着の可能性を減らせるといった点も開腹手術よりも有利な点です。
温存手術の課題は、治療後に再発する可能性があるということです。

一方、根治手術は、子宮と卵巣を摘出するため、子宮内膜症を根治することが可能です。しかし、左右両側の卵巣を切除した場合には、女性ホルモンの分泌が激減し、更年期障害症状が現れるという問題があります。

子宮内膜症は、ホルモン療法や手術療法の進歩によって、治療して改善できる病気になってきました。激しい痛みのために日常生活に支障をきたしているような場合は、一日も早く受診することをお勧めします。妊娠の希望などを含めて医師とよく相談し、自分に合った治療法を見つけることが大切です。

※この記事は2011年6月に配信された記事です



朝起きるのがつらいのは血圧の低さが原因? 女性に多い低血圧の症状

【お話を伺った人】中村 理英子先生

中村クリニック院長 1946年生まれ。1970年東邦大学医学部卒業後、同大学産婦人科学教室に入局。1991年より、東京・下北沢に中村クリニック(産婦人科・内科・皮膚科)を開設。女性誌などでも女性の…

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規則正しい生活リズムで快適な毎日を! 朝型生活とバランスのよい食事、血行をよくする運動を続けることで症状を軽く

原因のはっきりしない本態性低血圧の人がほとんど

「低血圧だから朝起きられない」という人、若い女性には結構多いようです。低血圧の人には、ほかにもめまいや立ちくらみ、頭痛、肩こり、疲れやすい、体がだるい、気力がわかないなど、さまざまな症状がみられます。そして春から夏にかけて、症状は強くなることが多いのです。

低血圧とは血圧が正常値を下回っていること。特に決まった基準はありませんが、一般的に最大血圧が100mmHg以下の場合を低血圧といい、次の3種類に分けられます。

●本態性低血圧
特に原因が見当たらず、体質的なものと考えられている。症状がひどくなければ治療の必要はない
●二次性低血圧
がん、貧血、甲状腺機能低下症など、何らかの病気が原因で起こる。原因に対する治療が必要
●起立性低血圧
急に起き上がったり、長時間立ち続けたときに血圧が下がり、めまいや立ちくらみなどを起こすもので、たびたび起こる場合は受診が必要

低血圧といわれる人のほとんどは本態性低血圧で、日常生活に支障をきたすほどの症状が出ることはまれです。しかし、初めにあげたような症状が起こりやすく、つらいのも事実です。

なぜ血圧が低いと、このような症状が起こるのでしょうか? 最大血圧の数値は、心臓が血液を全身へ送り出すときに、血管の壁にかかる圧力を示していますが、その圧力が低い低血圧の人は、血液を押し出す力が弱く、血液の循環が悪くなりがちです。血行が悪いと、血流にのって運ばれる栄養や酸素が体のすみずみまで行き届かず、疲労物質を速やかに流すことができないため、疲れやすく、さまざまな症状が現れるのです。夏に症状が強く出やすいのは、気温が高くなると血管がゆるみ、血圧が下がるためです。

でも、「体質だからしかたない」とあきらめないで! 症状を軽くして快適な毎日を送るにはどうしたらいいか、考えていきましょう。

夜型生活がいっそうの体調不良をもたらす

血圧は眠っているとき低くなり、朝目覚めるころだんだん高くなりますが、低血圧の人はこの血圧の上昇がうまくいかないため、朝起きるのがつらかったり、だるかったりします。起きて活動しているうちに血圧も上がって、夕方から夜にかけては人より元気になったりする人もいます。このため、つらさをわかってもらえないだけでなく、病気でもないのに怠けている、甘いなどと思われがちなのも低血圧のつらいところ。

しかし、朝弱いからと夜型の生活を続けていてはだめ! 夜更かしすれば朝はますます起きるのがつらくなり、午前中をボーっと過ごしてまた夜更かしといった悪循環に陥ってしまいます。低血圧だからこそ早く起きて、血液循環をよくしてあげることが大切なのです。

急に生活リズムを変えるのは大変ですが、少しずつ夜寝る時間を早くしていきましょう。朝起きるときはゆっくり起き上がること。急に起き上がると脳貧血の状態になりやすく、低血圧の症状をひきずってしまうため、ゆっくり時間をかけて起き上がるようにします。ちょっとした工夫で、すっきり目覚めることができるようになります。

●寝たまま手足を上に上げてバタバタさせたり、仰向けでばんざいをして、手足で引っ張り合うようにぐーんと伸びをしたり、軽くストレッチをしてから起き上がる
●カーテンを開けて朝日を浴びる
●朝ごはんをしっかり食べる
●時間があるなら熱めのシャワーを浴びるのもよい

日常生活ではこんなことに気をつけて

低血圧の症状をやわらげるには、規則正しい生活リズムとともに、血行をよくすることが大切。次のような点に気をつけましょう。

●食事は3食バランスよく。たんぱく質、ビタミン、ミネラル、脂質などをしっかり
●適度な運動を続ける。激しい運動は動悸(どうき)やふらつきを起こしたりするので軽い運動を。ストレッチや体操、ウォーキング、水泳など、少しずつでも続けることが大切
●汗をかいたら十分水分をとり、塩分を補給。塩分が不足すると血圧が下がりやすい
●体を冷やさず、暖める。ただし、長いお風呂は血圧を下げるため禁物
●ストレスをためない。低血圧の人はストレスがたまると胃の不調を起こしやすく、肩こり、頭痛の症状を悪化させやすい
●夏バテに注意。普通の人より疲れやすく食欲も低下しやすいため特に気をつける。冷房対策はしっかり

高血圧はほうっておくと心臓病や脳血管障害などのさまざまな病気の引き金になるのに対し、低血圧自体は直接病気を起こす原因にはならず、むしろ低血圧の人は長生きできると言われるほどです。あまり気にせず、上手につきあっていきましょう。

それでも症状がつらい人は、お医者さんに相談を。お薬や加圧バンドなどで症状を軽くする治療もあります。

※この記事は2007年7月に配信された記事です

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40代からは骨盤底トレーニングを|排尿トラブルを招くトイレ習慣とは?

ノーイメージ

【執筆者】中田 真木先生

三井記念病院産婦人科医長 1981年東京大学医学部卒業後、同大学産婦人科学教室入局。1991年フランス政府給費研究生(研修先はオテル・デュー・ド・パリ産婦人科)。東京警察病院産婦人科医幹を経て、2…

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出産経験のある女性は不具合が出る前から始めたい。骨盤底トレーニングの効果が期待できない人もいることに注意。高齢者は全身の健康管理から。

40歳になったら骨盤底トレーニングを

前回は、骨盤底は妊娠・出産によってダメージを受けやすいため、妊娠中から十分に養生し、分娩時に骨盤底を傷めないようにすることが大切であること、出産後は骨盤底の回復を待ってトレーニングを始めたいことなどを述べました。今回は、加齢によって骨盤底の緩みが出てくる40代以降のケアと、骨盤底の緩みにつながりやすい習慣やくせについて説明します。

40~50代は、更年期の訪れとともに心身の衰えを感じる年代です。骨盤底はもともと、子宮や膀胱などの臓器を支えている微妙な部位。この年代には、腟とその周辺の緩みや排尿の勢いの低下、尿意切迫感など骨盤底に関係する問題も増えてきます。妊娠・出産時に被った骨盤底の「古傷」が元になり、尿もれ(尿失禁)や子宮下垂になる人が増えるのもこの年代です。

そこで、とくに出産経験がある女性は、今はこれといった不具合はなくとも、40代を迎えたら1日1回10分間ほど、骨盤底というボディ・パーツを思い出しながら筋力トレーニングをしましょう。別に難しいことではなく、腰かけた姿勢や寝た姿勢で腟や肛門周辺の筋肉をまとめておへその方向へ引き上げる動作を10秒間ほど持続(このとき腹筋は使わない)、ゆっくり休んで筋肉を休ませてからまたくり返す、これを10分間ほど行えばいいのです。

骨盤底の筋肉が健常な人については、40~50代に骨盤底トレーニングを続けることで骨盤底障害を減らせる、発症を遅らせられると考えられています。一方、神経の病気があって骨盤底を正しくすぼめられない、出産のときに骨盤底に大きな傷を負い筋肉の一部が欠損しているなどの場合には、骨盤底トレーニングの効果はあまり期待できないこともあります。

骨盤底に痛みや不快感のある人が受診せずに自己判断で骨盤底トレーニングを続けることは、大いに問題があります。骨盤底トレーニングには痛みや不快感を治める効果がないばかりか、トレーニング中は骨盤底に意識を集中させるため、この部位の痛みや不快感をより強く感じるようになってしまうおそれがあります。

高齢者はトレーニング以前にメタボ対策や足腰の衰えを防ぐことが必要

年をとると尿もれする人が増え、骨盤底の健康は高齢になればなるほど重要です。骨盤底トレーニングは高齢者にも有用ですが、身体機能全般で考えるとき、膀胱・尿道機能だけでなく足腰の力や骨粗しょう症防止を含めて対策を立てないとQOL(生活の質)の向上や日常生活範囲の拡大につながりません。

骨格・筋肉がしっかりしていれば骨盤底障害はおこりにくく、また、まめに体を動かし全身の運動能力を維持している高齢者は、メタボリック症候群にもなりにくい傾向があります。メタボ対策や足腰の衰えを防ぐロハスな(環境や健康に意識の高い)生活などは、骨盤底障害とも密接な関係をもつテーマであるといえます。

この年代では、糖尿病、変形性脊椎症などが増加し、これらよくある疾患から来る骨盤底や排尿のトラブルが増えます。生活習慣病などであれこれと投薬を受けている高齢者には、多重投薬による膀胱障害がみられます。

若いときから骨盤底を意識して健康管理を

最後に、普段のちょっとしたくせや習慣が、骨盤底のゆるみにつながることもあるということを覚えておいてください。

たとえば、排尿するときおなかに力を入れたり、尿が止まった後に尿をしぼり出そうとおなかに力を入れる人がいますが、これは腹圧で膀胱の出口をこじ開けていることになります。排尿の度にこんなことをくり返していると、将来、おなかに力が入ったときに尿がもれる「腹圧性尿失禁」を起こす原因になるので、お腹の力で尿を絞り出すことは絶対にやめましょう。
また、便秘がちの人が毎日のようにトイレで長時間いきむのは、骨盤底が緩んで、年をとったとき肛門が下がってくる原因になります。スムーズに排便できるように、食事と生活を整えましょう。

以上、骨盤底と排尿機能の健康を保つためには、不具合を自覚する以前の長い地道な健康管理が必要、ということがご理解いただけたものと思います。

※この記事は2008年12月に配信された記事です

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妊娠・出産後に尿もれをおこす女性が多いのはなぜ?|骨盤底の役割とは

ノーイメージ

【執筆者】中田 真木先生

三井記念病院産婦人科医長 1981年東京大学医学部卒業後、同大学産婦人科学教室入局。1991年フランス政府給費研究生(研修先はオテル・デュー・ド・パリ産婦人科)。東京警察病院産婦人科医幹を経て、2…

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(編集・制作 (株)法研

子宮や膀胱を支える骨盤底を傷めると尿もれや性器脱の原因に。出産時に傷つけないことが何よりも大切。十分な休養をとり骨盤底が回復したら骨盤底トレーニングを!

骨盤底ってなに?

「骨盤」というとき、一般の人は腰の部分の骨を思い浮かべることが多いようですが、医学的には腰の骨に囲まれた体の中の空間ないしは通路を指します。骨盤底とは、この通路を下から塞いでいる底板部分のことなのです。桶にたとえると、水をためる空間が骨盤、側面が骨盤壁、底の部分が骨盤底ということになります。

骨盤底は筋肉や線維組織からできていて、骨盤内に収まっている子宮や膀胱、直腸などの臓器を支えています。そして、日頃はしっかり閉じているのに、排尿・排便時や出産時など必要なときには緩んで通路を開放するという優れものです。

力学的にいうと、骨盤底は骨盤の最も低い位置にかかった「橋」のようなもので、この橋は子宮周辺の線維組織や骨盤底筋群などの支持構造と、強い力が加わったときに子宮や膀胱などが互いに押し合う力のバランスなどによって安定を保っています。
しかし、こういった支持のメカニズムが失われると、骨盤底はあたかも橋が落ちたごとくにたれ下がり変形します。こうなると、骨盤底弛緩、骨盤臓器脱(性器脱)などと呼ばれる状態がおこります。骨盤底に緩みや断裂がおこり、尿道や膀胱をしっかり支えられなくなって尿もれをおこしたり、子宮、膀胱、直腸などが下がってきて、外に飛び出したりするのです。

このような状態は命にかかわるものではないものの、仕事や日常生活に支障をきたし、外出をためらって家にこもりがちになる人もいるなど、QOL(生活の質)を大きく低下させることが問題です。そして、こうしたトラブルで悩む女性は非常に多いのです。

妊娠・出産で骨盤底はダメージを受けやすい

妊娠中、子宮はだんだん大きく重くなりますから、当然、骨盤底への負荷は妊娠週数が進むと増大していきます。分娩時には、骨盤底はいっぱいに開いて胎児の通り道を提供しなければなりません。そのため、経腟分娩で出産した女性は、骨盤底の「疲労」や「傷み」を抱えた状態で育児や家事をすることになるのです。

出産後の骨盤底の疲労や傷みの程度は人によってさまざまです。その度合いが大きいと、尿のたまった感じがしない、尿やガス・便などがもれやすい、腟の周りに緩んだ感じやしびれ感がある、などの不具合が出てきます。
若い女性の骨盤底には十分な回復力があり、ふつうの疲労や傷みならば出産後に十分体を休めることで速やかに回復します。出産後約1カ月までは十分に休養し、育児の合間をみて横になるようにしましょう。出産から2~3カ月で骨盤底の緩んだ感触がだいたいとれ、尿のもれやすさも収まるのが正常な回復の目安です。

トレーニングは骨盤底の回復を待ってから

昨今は高齢出産や核家族化など骨盤底がダメージを受けやすい条件が重なります。そこで、不具合の残りそうな人や難産だった人などには、積極的な療養計画や骨盤底トレーニングが欠かせません。出産から6~8週間までは、腹部のたるみや胴回りのぜい肉が気になっても、胴回りをきつく締めつける下着や衣服を身につけることは避けましょう。この時期は骨盤底が回復していませんので、おなかを締めつけて咳やくしゃみ、いきみなどの力が100パーセント骨盤底へ向かうと、その分骨盤底に負担がかかるからです。
出産後の骨盤底トレーニングは、外陰部の痛みが引いてから行いましょう。また、腹筋トレーニングは、骨盤底が回復してから始めるようにしましょう。

以上、出産後の骨盤底ケアについて説明しましたが、本来は、分娩で骨盤底を損なわないことが何にも増して大切です。そのためには、妊娠中から十分に養生して血圧上昇や体重増加を避け、出産予定日前後の生活は余裕をもって計画しましょう。高齢初産では、出産に伴うリスクが高くなるので、30代後半で初めて出産する人はとくに、いつでも帝王切開に切り替えられる環境で出産するのがよいでしょう。

最近は、妊娠して尿がもれやすくなったなどで骨盤底を鍛練しようとする人がありますが、妊娠中の尿もれは骨盤底トレーニングではなかなか治まりません。腟周辺をすぼめるつもりでいきんでしまったりすることもあるので、妊娠中は力いっぱい骨盤底トレーニングをすることは控え、まずは母親学級などの機会に骨盤底というボディ・パーツのイメージをしっかりと固めておくようにしましょう。

骨盤底のイメージをしっかり持っていれば、胎児が骨盤底を通過するとき、ごく自然に骨盤底の力を抜くことができます。出産後は、骨盤底の筋肉はとくに努力しなくても自然に引き締まっていきます。

引き続き、次回は骨盤底の緩みにつながりやすい習慣やくせ、加齢により骨盤底の緩みが出てくる40代以降のケアなどについて説明します。

※この記事は2008年11月に配信された記事です

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女性に多い『痔』原因と症状|こんな人は要注意!痔になりやすい7つの習慣

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

男性がなるイメージの痔ですが、実は女性にも多いと知っていますか? 女性がなりやすい痔の特徴と生活習慣についてまとめました。

女性に多い『痔』原因と症状|こんな人は要注意!痔になりやすい7つの習慣

ダイエット、冷えや便秘が痔の原因に

排便時に血が出たり、肛門に痛みを感じたことはありませんか? お尻まわりの悩みは、恥ずかしくてなかなか病院にも行けないもの。痔というと、男性がなる病気のイメージですが、実は女性の3人に1人が痔になった経験があるといったデータもあるほど、身近な病気です。

痔には3種類あります。「いぼ痔」は、静脈がうっ血していぼ状になったもの。できる位置によって、内痔核、外痔核と名前が変わります。痔の患者の半数がこの「いぼ痔」です。
「きれ痔」は20~40代の女性に多いタイプ。便秘や下痢で肛門の皮膚が切れ、排便時に痛みを感じます。
そして「あな痔(痔ろう)」は男性に多く、疲れて抵抗力が弱った時に、肛門のくぼみから大腸菌が入り込み、感染するもの。お尻の内部に穴のような腫瘍ができます。鈍い痛みと熱をともなう場合も。

そして女性の場合、妊娠すると肛門に圧がかかるため、もともと痔だった人は悪化する可能性もあります。軽度のものなら、肛門科を受診すれば、薬物治療と生活習慣の見直しで、改善ができます。「痔かな?」と感じたら早めに病院を受診することで悪化を防げます。

<痔になりやすい7つの習慣>

1)体を冷やす

体が冷えると、肛門まわりが緊張して血流が悪くなり、痔になりやすくなります。また、冷えは腸の動きを鈍らせ便秘にも。お腹や腰は冷やさないよう、腹巻きをしたり、ふだんから冷たい飲み物は控えて、常温や温かいものを飲むなど、体を冷やさないよう注意を。体が冷えたと感じた日は、湯船に浸かり体を温めましょう。

2)便秘がち

女性に多い便秘。便が腸の中で停滞しているうち、硬くなって、排便時に肛門に負担がかかります。硬い便は、出る時に肛門を傷つけ、切れ痔の原因に。便秘解消のために、海藻などに多い水溶性食物繊維と、野菜に多い不溶性食物繊維をバランスよく取り、毎日快便を目指しましょう。また月経前は、ホルモンの働きにより腸の運動が鈍くなるので便秘になりがち。特に注意が必要です。

3)トイレでいきむ

腹筋が弱い女性は、排便痔にいきむ傾向があります。肛門に圧をかけて排便するクセがつくと、肛門に毎回負担がかかり痔になりやすく。いきむのではなく、自然につるっとでるように、腸のマッサージをしたりするなどの工夫を。

4)運動不足

運動不足は、体の冷えを招き、痔につながります。また、腹筋が弱いと排便時にいきんで排出するので、肛門に負担が。適度な運動で腹筋を鍛えましょう。

5)朝食を抜く

朝、食事を取らないと、腸のぜんどう運動のスイッチが入らず、便秘になりやすい傾向が。便秘は痔になりやすい原因のひとつ。食欲がない場合でも、果物やヨーグルトを少量とるなどして、消化器官のスイッチをオンに。毎日の習慣にすることで、朝スッキリ排出できる体質に近づきます。

6)ダイエットしている

食事制限をするダイエットをしていると、便のかさが減り便秘に。また、食事で栄養が取れていないと、体の熱を作るエネルギーも減り、冷えに。無理なダイエットは、痔をまねく元凶です。

7)辛いもの、アルコールが好き

辛い料理や飲みすぎた次の日に、下痢になった経験はありませんか? 下痢になると、肛門付近の皮膚がふやけて切れやすくなります。辛いもの、アルコールはほどほどに。

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加齢が原因なの? トイレが近い“頻尿”や“尿漏れ”の改善法

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

笑った時や、くしゃみの時におこる尿漏れや、頻繁にトイレに行く頻尿。女性に多いこうした悩みの原因と改善方法をご紹介します。

加齢が原因なの? トイレが近い“頻尿”や“尿漏れ”の改善法

尿漏れ対策は早いうちから行うのがカギ

女性の3人に1人が尿漏れと言われています。特に、女性は妊娠中にはじまり、産後も尿漏れに悩まされる人が多数。これは、骨盤底筋群が衰えることによりおこるものです。
骨盤底筋群は、膀胱や子宮、直腸を支える筋肉。その名の通り、骨盤の底の方にあります。私たちの体では、骨盤底筋群が緩んだり、閉まったりすることで、排尿をコントロールしています。それが、妊娠や出産により、骨盤底筋群が緩むことで、尿漏れが起きやすくなるのです。

骨盤底筋群は、筋肉。腕や足の筋肉のように鍛えることが可能なのですが、骨盤底筋群を意識して生活している人が少ないため、鍛えるのが難しい部分です。また、加齢によっても骨盤底筋群は衰えます。女性ホルモンのエストロゲンは、骨盤底筋を強くする働きがありますが、閉経後はそのサポートがなくなることにより、骨盤底筋がゆるみやすくなるのです。

骨盤底筋群のエクササイズで尿漏れ、頻尿を予防&改善

さらに、便秘、アレルギー性鼻炎、ぜんそくを持っている人は、くしゃみや咳によって骨盤底筋群に普段から負担がかかっているため、骨盤臓器脱の心配も。これは、骨盤底筋群に圧がかかり、膣から子宮や直腸などの臓器が飛び出してしまう病気です。これらを予防するためには、年齢に関係なく骨盤底筋群のエクササイズを行いましょう。毎日コツコツ行うのがおすすめです。

<骨盤底筋群を鍛えるエクササイズ>

1)椅子に深く腰掛けて、肛門や膣を引き上げる

両足が床につく高さの椅子に深く座ります。軽く背筋を伸ばしたら、肛門や膣を上に引き上げるように締めていきます。10秒を目標に締めましょう。
ポイントは、腹筋に力を入れずに肛門や膣だけに力を入れること。はじめは意識して動かすことも難しいかもしれませんが、慣れるとできるようになります。

2)力を抜いて、しばらく休む

10秒たったら、力を抜いて休みます。1〜2を数回繰り返しましょう。慣れると、立った状態や、寝た状態でもできるようになります。息をとめずに、ゆっくり行うのがコツです。

エクササイズを毎日、数週間続けると、尿漏れが改善してくるはず。また、そのほかのエクササイズでは、ヨガやピラティスが骨盤底筋群を鍛えやすいのでおすすめです。自分なりに試してみても改善しない場合は、婦人科に相談しましょう。

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