【乳がん患者の体験談】告知のショックーまさか自分が乳がんになるなんて

山崎 多賀子さん

【執筆者】山崎 多賀子さん

美容ジャーナリスト 美容、健康に関する幅広いジャンルで長年取材を続ける。自らの乳がん体験から、各種NPO団体でのサポート活動、講演やがん患者対象のメイクセミナーにも力を注ぐ。NPO法人CNJ認定乳が…

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人ごとではないから知ってほしい 乳がんになるということ。

乳がんになって思い知らされた検診が必要な本当の理由

今年もピンクリボン運動月間が始まり、さまざまな場所でイベントが繰り広げられています。ただ、この運動を季節の風物詩かなにかで、自分自身に向けられたメッセージとは思っていない女性も多いようです。そこで乳がんの体験者として声を大にして言います。乳がんは女性の誰もがかかる可能性があり、しかも予防ができない病気です。ピンクリボン運動とは、「乳がんを早く発見し、寿命まで幸せな人生を送るために、皆さん乳がん検診にいってください」、と呼びかけるための運動だということを。

とはいえ、健康だと思っている人のほとんどは、自分が乳がんになる、などと思わないものです。何を隠そう私はその代表選手のようなものでした。忙しいし、予約するのは面倒だし、検診代も高いし。だいいち体が丈夫な私が40代でがんなどという怖い病気になるはずがない。そう思って疑いませんでした。ところが、これまで検診をさぼっていた私は、本当にラッキーな偶然により、乳がんを見つけることができたのです。検診で命拾いをした、と心の底から思います。

そこでまず、私が乳がんを発見した経緯を書きたいと思います。

私は4年前、44歳の夏、子宮を調べておこうと、婦人科へ検診に行ったのです。理由は近い将来の更年期に備え、今のうちに子宮や卵巣を調べておこう。そして信頼できる婦人科の主治医を見つけておきたい、と考えたからです。若いころから生理が重かったので、いつか大きな病気をするとしたら、きっと婦人科系だろうと決めつけていたため、乳がんについてはまったくノーマークでした。

ところが私が選んで行ったクリニックは、初診時に婦人科の他にマンモグラフィを含む乳がん検診も必ず受けるシステムになっていました。なので、私はついでのつもりでマンモグラフィを受けました。乳がん検診は実に10年ぶりでした。

その結果、婦人科系は問題なし。ところがマンモグラフィでひっかかってしまったのです。とはいえ触ってもしこりはないし、乳腺症の疑いかな? と、このときは気楽に構えていました。

クリニックで見せられた私のマンモグラフィの画像には、右乳房だけに塩をまいたような白いツブツブがたくさん映っていて、これを石灰化といい、ほとんどが良性のものだが、なかには乳がんが隠れている場合があるということでした。そして3度の検査の結果、乳がんと診断されてしまったのです。痛くも痒くもないのに、この瞬間から私は乳がん患者になったのです。どれだけ触っても、しこりらしきものも感じられないのに!なぜ!? なんと私の乳がんは、しこりにならず、がん細胞が乳管の中をじわじわ這うように増殖していたのです。このようなタイプは、触診ではまず見つけることは不可能で、超音波にも映らない。超早期の石灰化も映し出す、マンモグラフィでなければ見つからないものでした。

告知を受けたときは頭が真っ白になり、床がスッと抜け落ち、椅子ごと底へ落ちていくようでした。

しかし、あのとき検診を受けに行っていなければ、今も私は乳がんと知らずにのうのうと生活していた可能性があります。そして、自分で気づいたときは病状が進んでいて、私は本来の寿命を全うできなかっただろうと思うと、怖しくなります。
乳がんでおっぱいがなくなっても人は死にません。乳がんで死亡するのは、他の臓器に転移再発してしまうからです。そして再発すると完治は困難と言われています。乳がんは早く見つけるほど、完治の確立が高いことが分かっています。乳がんになるのを止めることはできない。ならば、乳がんになっても早く見つけて、早く治すことが最大の防衛策です。それには、定期的に乳がん検診を受けて、手で触っても分からないくらいの段階で見つけることがとても大切なのです。

進行がゆっくりの乳がんは、1cmのしこりになるのに、約10年かかるといわれています。でも1cmから2cmになるのは、わりとすぐなのだそうです。私の乳がんも広がりかたをみるとおそらく10年前には始まっていたと言われました。なんのことはない。私は34歳のときにすでに乳がんだったのです。

私は本当にラッキーだった。でも私のように乳がんにならないと信じて検診に行かずにいて、でも実はすでに乳がんという人が世の中にはたくさんいます。それはあなたかもしれないし、あなたの大切な人かもしれない。

日本の乳がんでの年間死亡者数は交通事故死よりもずっと多い事、そして乳がんにかかる人も死亡する人も年々増えていることをご存知でしたか? その恐ろしい現実をもう一度自分のこととして、考えてほしいと思います。

結果的に私は右乳房を全摘出し、再建をしました。当初、超早期と言われていた乳がんは思ったよりも進行していて、再発を防ぐために抗がん剤治療を受け、吐き気や脱毛などの副作用を経験し、現在は女性ホルモンを抑えるホルモン療法を続けています。治療を受けたことに後悔はありませんが、もっと早くから乳がん検診にいっていたら、抗がん剤を受けなくてもすんだかもしれなかったのに、と思わずにはいられません。早く見つければ、治療も軽くすむ可能性が高いのです。

次回は、万が一乳がんになってしまったときの、治療について書きたいと思います。

※この記事は2009年9月に配信された記事です



『ずぼらヨガ』著者崎田ミナさんー慢性的な体調不良がヨガで改善

【お話を伺った人】崎田 ミナさん

イラストレーター。 東京都在住。好きなものは、健康と猫とヨガと音楽と漫画と寿司です。 『自律神経どこでもリセット!ずぼらヨガ』(飛鳥新社)2017年1月11日発売。 いまトピ「雑念ヨガ」の書…

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(編集・制作 gooヘルスケア)文/亀井満月

長時間のデスクワークで肩こりや腰痛が辛い、これといった症状がないものの、なんだかいつもスッキリしない、と慢性的な不調に悩まされている人も多いのではないでしょうか。

うつ気味、無気力、胃痛に頭痛と様々な自律神経失調症の症状に悩まされてきたイラストレーターの崎田ミナさん。そんなご自身の経験をもとに、ヨガやストレッチをわかりやすく解説したイラストエッセイが大ヒット。昨年発売の「自律神経どこでもリセット! ずぼらヨガ」(飛鳥新社)は発行部数23万部、「職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ」(MdN)も16万部を突破と、悩める人々から多くの支持を得ています。

  職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ

 

適度な運動は健康にいいとわかっていても、なかなか重い腰はあがらないもの……。そこで今回は崎田ミナさんに、ずぼらでも続けられるストレッチのコツについてお聞きしました。

ヨガに通い始めたきっかけは体調不良

長年患っていたうつに加え、仕事で無理を重ねたおかげで、5年前ついに心も体も動かなくなり4日間ほど寝込んだことがありました。そんな姿を側で見ていた夫が、近所のジムで行われているヨガを勧めてくれたのがきっかけです。

はじめはヨガに対して敷居の高さを感じていました。ポーズが難しそう、覚えてこなせるのか不安、おまけにヨガウェアも華やか……私にもできるのかな、と少し壁を感じていました。近所のスポーツジムのヨガクラスには、初心者でも入れるレッスンがあったので参加してみることに。いざやってみると発見の連続でした。ヨガクラスではインストラクターの先生が一つ一つの動作をレクチャーしてくれるので、その通りに体を動かせばポーズが完成。ちょっと難しいポーズでも自分ができるラクな体勢で止めて良い。何より、体を伸ばしているだけで気持ちいいんです。体が硬くてもできるなんて知りませんでした。以前は起き上がれないほどに辛かった体も、座ってテレビをみたり台所に立てるようになったりと、少しずつ変化が起きてきました。無理のない範囲で通い続けたこと、習ったポーズや簡単なストレッチを自宅でも工夫しながらやるようにしました。すると8年間ほど服用していた薬が終了。体が軽く感じて動けるようになるなど、振り返ってみると驚くほどの回復を遂げました。

ヨガやストレッチを通して少しずつ健康を取り戻した―そんなご自身の経験を生かし、gooいまトピで「雑念ヨガ」という連載がスタート。ヨガのポーズをもっと簡単に、無理のない軽減法に落とし込んでイラストで解説しています。

テレビをみながら、歯を磨きながら…毎日少しでもいい「ながら」がコツ

スポーツクラブやヨガスタジオに通うのが難しい人もいらっしゃると思います。自宅や会社でできるストレッチはたくさんあります。運動しなきゃ、続けなきゃ……と力まなくてもいいんです。なにかをしながら、ついでにやってみる。そんな風にしてストレッチを生活に取り入れていくことが長続きするコツだと思います。

例えば、足の指を開くと気持ちいいですよね。足指セパレーターなどのグッズを利用するのも手ですが、テレビをみながら足の指を揉んだり指と指の間を開いたりするだけでも充分。次第に指先がポカポカして血行がよくなっていくのを実感できると思います。

あとは、歯を磨きながらつま先立ちをすればふくらはぎのエクササイズになり、むくみや冷え対策に。デスクワークが続いたら、席を立つついでに肩を回すようにしたり。深呼吸を数回して気分転換するだけでもいいと思います。がんばらなくてもできる技を覚えてほんの隙間時間に取り入れるだけでずいぶんと体もラクになりますし、蓄積される疲労もかなり減ってきます。

あれをしなきゃ、これをしなきゃと追い込んでしまうことが継続性を欠いてしまう原因かもしれません。時には自分を追い込む場面も必要かもしれませんが、まずは無理のない範囲で生活の中に取り入れていくことがポイントだと思います。

注意点としては、ストレッチに勢いや反動をつけたり、効果を高めようと強めに行ったりすることで体に負担がかかってしまうことがあります。症状を悪化させてしまう原因になるので、無理をせずに気持ちいいところで止めることが大切です。

すきま時間にやってみよう!すぐにできるストレッチ

崎田さんが、いますぐにでもできる簡単ストレッチを書き下ろしてくれました!

【簡単ストレッチ】小胸筋腕回しストレッチで肩こりを解消!

腕の付け根、ワキの横あたりに「小胸筋」というインナーマッスルがあります。「小胸筋」は背中側にある肩甲骨に繋がっていて、肩コリの原因の一つでもあります。

イラストの筋肉の部分を押さえてみて「イタ気持ちいい場所」を探します。

3本指で少し強めに「イタ気持ちいい場所」を押さえながら、ヒジを曲げて背泳ぎのように大きく後ろ回しを10回します。逆の腕も同様に行います。

息を止めないようにゆっくり自然な呼吸で、背すじをピンと伸ばしながら行いましょう。猫背だと効果が半減してしまいます。腕を大きく回すと肩甲骨も動くので、肩周りのこわばった筋肉がほぐれて血流もグンとアップ。肩コリと胸のツマリの緩和に効果的! 浅くなりがちだった呼吸がラクになる感覚も。コツを覚えたらあとは気持ちよく伸ばすだけ。気分もリフレッシュします。家事や仕事、勉強の合間におすすめです。

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【乳がん患者の体験談】抗がん剤で脱毛して外見が激変…でも綺麗でいたい

山崎 多賀子さん

【執筆者】山崎 多賀子さん

美容ジャーナリスト 美容、健康に関する幅広いジャンルで長年取材を続ける。自らの乳がん体験から、各種NPO団体でのサポート活動、講演やがん患者対象のメイクセミナーにも力を注ぐ。NPO法人CNJ認定乳が…

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病気との付き合い方、私の場合。人ごとではないから知って欲しい乳がんになること。

乳がんの治療は、局所治療と全身治療の二つに分けられます。

患部を摘出する手術や、術後に取り残したがん細胞をやっつけるために乳房に当てる放射線治療は、部分的なものなので、局所治療とよばれます。
また、がん細胞が血液やリンパの流れにのって全身を巡っている可能性がある場合は、点滴や注射、飲み薬によるホルモン療法や抗がん剤、新しいところでは分子標的薬があり、これらは全身に作用させるので全身治療とよばれます。

術後の痛みや、乳房や乳首を失ったり、形が大きく変形したときの喪失感は、人によって性格を変えてしまうほどの影響を与えることもあります。また女性ホルモンの分泌を抑えるホルモン療法では、更年期と同じさまざまな不調がでてきます。しかし、なかでも辛いのは、抗がん剤治療ではないでしょうか。

抗がん剤は、吐き気や胃腸の不調、しびれ、味覚障害など、個人差はあるものの身体的に辛い副作用を伴いますが、そこへ追い打ちをかけるのが、外見をガラリと変えてしまう脱毛です。健康な細胞にも強いダメージを与える、標準治療の抗がん剤では、ほぼ完全脱毛してしまいます。それも頭髪だけでなく、眉もまつ毛も鼻毛も抜けてしまい、くすみやむくみ、肌荒れがおこり、まさに「重病人」の風貌になってしまうのです。

ニキビができるだけで、人に見られたくないと思うのが女性の心理ですから、想像するだけで耐えられない、と思うものです。
私も抗がん剤の選択を迷ったときに、そんな姿を人に見られたくない。おっぱいは服を着れば分からないけれど、顔は隠せない。抗がん剤をしたら、仕事も楽しいこともすべてあきらめて、引きこもっているしかない。そう思うと絶望的になりました。

皆さんは、がんというと、病院で寝たきりのイメージがあるかもしれませんが、実際はそうとも限りません。

乳がんの場合、手術で3日から長くて2週間日の入院。手術以外の治療はすべて通院が一般的です。いっそ入院しているなら病院に守られているし、患者だらけなので外見もそう気にならない。でも実際の闘病の場は、普段の生活の場なのです。病院の外では自分で自分を守らないといけないからこそ、孤独という恐怖を感じるのです。

ところが、医師や経験者の話を聞き回ってみると、抗がん剤の治療中、ずっと具合が悪いわけではないことが分かりました。確かに、薬を点滴した数日間は吐き気などの副作用がでるので、安静にしていたほうがいいけれど、それ以外は案外、普通の生活ができるというのです。

このことが分かり、やっと恐怖から解放されました。
「元気な日があるのなら、オシャレなウィッグを作ろう。流行の帽子を用意しよう。どうせなら今以上にオシャレになってやろうじゃないの! 病気だからって、ひと目を気にしてこそこそ生活するなんて、まっぴらごめん! 具合が悪い日は病人だけれど、元気なときは普通の人に戻ろう!」そう思ったら、ムクムクと力が沸いてきたのです。

そして抗がん剤が始まる前に、希望どおりのオシャレなウィッグやつけ毛、帽子を準備できたときに、大丈夫だと思えました。「脱毛どんと来い!」と思えたのです。

髪はもちろん、病人風の顔も、元気に見えるメイクで克服できました。メイクして、ウィッグや帽子をかぶった私の姿は、我ながらとても抗がん剤中とは思えませんでした。すると不思議なことに、そんな姿を人に見てもらいたくなるので、体調がいいときは、積極的に仕事や遊びに出るようになりました。なんと、趣味のバレーボールも帽子をかぶって参加したほどです。

治療は医師に任せる。でも外見をキレイにすることは自分でできる。

女性にとって外見が心に与える影響の大きさと、外見を整えることの大切さを、この経験から改めて学びました。そしてこれはなにも、がんに限らずの話だと思いました。辛く、具合が悪いときは、外見など気にする必要はありません。でも、元気なときは、外見を整えてやると、自分のモチベーションが上がるのです。再び社会とつながりたくなるのです。身体力、気力、知識、経験はすべて、困難を乗り越えていく「力」になります。同じようにキレイも「力」、なのだと私は思っています。

自分の経験から、元気に見える簡単なメイク法を著書や講演会などで、機会があるごとにご紹介させていただいており、私が所属するNPO法人キャンサーリボンズが運営する、新百合ヶ丘駅(神奈川県・新百合ヶ丘)のリボンズハウスでも、定期的に小さな美容セミナーも開いていますので、もし機会があったら、のぞいてみてくださいね。健康な方も大歓迎です。

最後にひとつ、医療用ウィッグについてです。実は医療用のウィッグは、どんなに安くても10万円前後します(私は2種類買って、40万円以上しました)。製造にとても手間がかかるため、高額なのは仕方がないのですが、抗がん剤治療が高額な上に手痛い出費。もちろん買えずにあきらめる人も少なくないのが現状です。
残念ながら日本では医療用ウィッグに保険適用が認められていませんが、ファッション用のウィッグは患者用にできていないので、不具合が多いのです。髪はあればいいってももではない。不自然なヘアスタイルで人に会いたくなくなるものです。現在NPOで抗がん剤を受ける患者さんに医療用のウィッグを贈る活動をしていますので、皆さんにも、ぜひそんな現状を知って頂けたら嬉しいです。

関連コラム
●第一回 【乳がん患者の体験談】告知のショックーまさか自分が乳がんになるなんて

●第二回 【乳がん患者の体験談】ホルモン療法と抗がん剤、治療の選択の難しさ

※この記事は2009年10月に配信された記事です

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【乳がん患者の体験談】ホルモン療法と抗がん剤、治療の選択の難しさ

山崎 多賀子さん

【執筆者】山崎 多賀子さん

美容ジャーナリスト 美容、健康に関する幅広いジャンルで長年取材を続ける。自らの乳がん体験から、各種NPO団体でのサポート活動、講演やがん患者対象のメイクセミナーにも力を注ぐ。NPO法人CNJ認定乳が…

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前向きな闘病には、納得のいく治療の選択が大切です。

乳がんは初期の段階では、自覚症状がないことが多く、私の場合も宣告を受けたその瞬間に、いきなり「乳がん患者」というレッテルを貼られてしまった、というのが正直な感想です。健康だったさっきまでの私と、今の私は一体何が違うの? と思うくらい、違う人間になってしまったような気がするのです。

がん、…まだ40代なのに、死ぬの? とまず思う。そして、すぐに死ななくても、今までと同じ生活は到底できなくなるのだろう。なんたって「がん」なんだから。と漠然と思い、見えない将来に恐怖を覚える。あまりの衝撃で悲しいという以前に思考を停止させてしまい、笑ってしまいそうになるくらい自分のこととは思えない。

しかし、数十分、あるいは数時間後には、これは夢じゃない、と否応ナシに現実に引き戻されます。

目の前の医師が私の症状を紙に書いてていねいに説明してくれているのを、現実逃避しようとする脳を必死でおさえこみ、言葉を理解しようとする。とても理解できる精神状態ではないけれど、ここで理解しないと大変だ! とまさに葛藤でした。

幸い私の検査結果は、超早期の乳がんという診断で、治ると言われました。しかし、範囲が広いので右胸は全摘出になるとも。治るなら超ラッキー、なのだろう。でも、片ほうのおっぱいがないまま、この先を生きていくなんて、想像できませんでした。

しかし、そんな私の心を安定させてくれたのは、買い込んだ医学書などから得た乳がんの知識でした。

私は、私のようにしこりにならない乳がんがあることも知らなかった。でも、先生がくれた手書きの紙を片手に、乳がん本を読み進めていくうちに、乳がんという病気のこと。自分のおかれている状況を少しずつ理解できるようになり、それとともに、冷静さを取り戻せたのです。
人は先が見えない状況に一番恐怖を覚える。悪いことでも自分の状況が分かると、次に進むべき道が見えてくるので、恐怖が和らぐのだと、以前取材した精神科医の言葉を思い出しました。確かに、私には「超早期だから死なない」という心の余裕もありました。でも早期でなくても、分からないより、分かって対策を立てるほうが精神的には安定するのだそうです。

治療の情報を集め、友人を介して乳がん経験者に話を聞かせてもらっているうちに、どんどん不安が薄れ前向きになりました。そして、乳房を失うのであれば、すぐに取り戻したいと思うようになり、同時再建を決意しました。乳首も可能であれば残したい。手術跡はできれば脇にしたい。そんな私の要望を考慮してくれる病院を探しました。手術を引き延ばして手遅れになっては大変、という限られ時間のなか、セカンドオピニオンをとり、転院し、手術を受けました。精神的に辛いけれど、ここで人任せにして後悔したくないと思いました。おかげで自分にとって納得のいく手術にのぞむことができました。

検査の段階では超早期という結果でしたが、手術後の患部を病理で調べてみると、思ったよりも進行していたことが分かりました。超早期なら、手術で治療が終わるはずでしたが、今後、転移再発する可能性がでてきたため、女性ホルモンを止めるホルモン療法と、抗がん剤をすすめられたのです。

正直いって、乳がんを宣告されたときよりも、私にとってショックでした。やっと治療が終わったと思ったら、これからもっと辛い治療をしろというのですから。

治療法は自分で選ばなければなりません。

私にとってホルモン療法も抗がん剤もどちらも絶対に嫌でした。しかし、自分の現状と再発リスクを考え、2週間かけて両方とも受け入れる決心をしました。迷いに迷い、ものすごく辛い作業でしたが、自分で納得して受けたことで、結果的に治療に自信がもてました。ただ、これは私にとってのベストであって、人それぞれに納得のいく治療の選択があります。

治療は人任せにすると、何かあったときに人のせいにしてしまい、不安がつきまとう。自分で納得できる治療を選ぶには、正しい知識が必要でした。

しかし、平常心ではいられないない患者にとって、溢れるがん情報から、正しい情報をピックアップしていくことは、大変な作業です。精神的な安定には体験者の話を聞くこと以外にも、正しい知識の提供が不可欠だと気づきました。

そこで抗がん剤が終わって落ちついたところで、NPO法人キャンサーネットジャパンが開設している乳がん体験者コーデディネーター(BEC)の養成講座で勉強をして認定をとりました。

患者はそれぞれに、とても小さな分からないことで不安になりますが、忙しい医師や看護師にいちいち聞くことができず、悶々とします。養成講座はそういう患者さんと医療者の間にたてる人を養成するのが目的です。

がんと宣告されると、2~3日パニックになる「衝動段階」になり、やがて1~2週間の「不安定段階」を経て、病気を受け入れる「適応段階」へたどりつくそうです。ところが不安定な状態から解放されず、適応障害を含む鬱になる方が3~4割いるといいます。不安定な状態から早く抜け出して前向きな治療をしていくには、正しい知識をもって治療を自分で選択していくこと。そして体験者の話を聞くことが有効だと思います。

乳がん体験者コーディネーターに相談できる場所はまだ限られていますが、これからこのような役割を担う人たちが求められていくことは、明らかです。そして、患者さんや家族が治療を乗り越えられたら、ぜひ養成講座に参加していただけたらと思います。

次回は、闘病生活を明るくする工夫についてご紹介します。

※この記事は2009年10月に配信された記事です

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盲腸(虫垂炎)と似た症状の『憩室炎』―4度も発症した男性の激痛体験

(編集・制作 gooヘルスケア)文/亀井満月

腹痛の原因は腸にできたくぼみ……発熱と腹痛という盲腸と似たような症状がでる「大腸憩室炎」。今回はお話を伺ったのは過去に4度発症した男性の体験談です。

盲腸(虫垂炎)と似た症状の『憩室炎』―4度も発症した男性の激痛体験

■微熱と腹痛で盲腸と間違えられやすい「憩室炎」

一度目の発病時は8年ほど前。とにかく悶絶するような痛みが断続的にきました。耐えてれば治るかなと思っていたのですが、どんどん強くなり、しかも止まる気配がなかったので、当時救急車を呼びました。

それまでは全く聞いたことのない病気でした。認知度が低い病気であることと、40歳以上ではじめて発病する方もいる油断ならない病気です。

「憩室」という字面的にはなんだか憩いの場のような平和なイメージが浮かびますが、そもそもはこれが元凶です。腸に凸な形でできるくぼみを指すもので、この憩室がいっぱいある状態を「憩室症」というそうです。私は4~5つ程度できていました。自覚症状はないので、おそらく気づいていないだけで憩室がある人は意外といるのではないかと思います。先天性のものと加齢と共に後天的にできるケースの両方があるそうです。

憩室を持っていても、炎症がおこるかどうかは別の話です。普段は特に悪さをしないのですが、飲食物の通り道にあるので、そのくぼみに食べカスがたまることがあり、たまったカスと腸内の細菌が反応して炎症をおこす、これが憩室炎なんだそう。
おそらく盲腸と同じような症状が出るようですが、盲腸と違っていくつか分散
した部位で起こる点と、手術ができない点が盲腸よりも悪質なところです。

これは発症する部位にもよりますが、痛みの場所が盲腸と逆だとわかりやすいです。
私の場合は上行結腸だったのですが、痛みが右側だったのでよくわからなかったです。
救急車で搬送された病院でも、炎症反応と右側に痛みがあるということで、危うく盲腸を切られるところでした。
腹を切らないと医者でも違いがわかりにくいのかもしれません。

「憩室炎」をネットで調べてみると、思いのほかたくさんの記事があがってきました。記事によると原因の一つは食生活の欧米化があるそうで、肉食化と食物繊維の不足によって起こる疾患のようです。「便秘や腸管のれん縮、腸管内圧の上昇をおこしやすくなったと考えられます」(gooヘルスケアより)ほか、加齢や遺伝、生活環境など複合的な要素が合わさって発症することもあるようです。

■予防法がない憩室炎、具体的な治療と今後の対策は?

以前からお腹が痛くなることが多く、あわせて37度程度の微熱がよく出ていたのですが、今回お世話になった先生曰く、それはおそらく炎症反応の前段との診断でした。

今回は、手術はできないということで今回も抗生物質の点滴で炎症をおさえました。
これまで憩室はずっとありましたが、それまでは発症せず微熱や耐えられる腹痛でしたが、それが今回爆発したようです。
治療法もケースバイケースのようで、本来は入院して絶食、投薬になるみたいです。私の場合は入院をしたくなかったので、毎日通院して抗生物質?と栄養素?かなんかの点滴をうけ、また炎症を押さえる薬も飲んでました。食事は4~5日程度絶食です。
痛みは病院で処方された薬を飲んでも、すぐ無くなるわけではなく、1週間程度は鈍い痛みが続きました。便は便秘気味だったかと思います。

先生によると、完治はできない、ずっとつきあっていくしかない。どうしても食べ物は詰まる可能性があるし、腸内細菌をゼロにするのは不可能。抜本的な解決策はなく、また有効な防衛手段は便秘に気をつけることくらい。いつ再発するかは憩室のご機嫌次第です。

手術はすること自体は可能です。部位を切って繋げることで完治はします。ただ、場所によってはリスキーですし、また切って治しても、憩室はまた出来る可能性がある為、いたちごっこ。毎回切るのかということで、切るという選択肢はあまりないということでした。

医師いわく、暴飲暴食も野菜不足も運動不足もストレスも、ほぼ関係ない。炎症が起こるときは起こる、とばっさり。なんというか衝撃的でした。人間ドックで憩室があるといわれた方は、その後の腹痛にご注意ください。

■まとめ

微熱に腹痛と辛い症状が出る大腸憩室症。原因が不明な点も多く、これといった予防策もないのが現状のようです。腹痛と微熱という、風邪や急性腸炎などの初期症状にありがちな症状で一過性のものと判断してしまいがちですが、詳しく検査をしてみないとわからないのが憩室炎。食生活の改善と並んで、人間ドックで検査を受けて腸内の状態を定期的に把握しておくのが良さそうです。

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産後の体重減少や抜け毛の原因は「産後無痛性甲状腺炎」だった!

(編集・制作 gooヘルスケア)文/亀井満月

出産後の体重減少に抜け毛……子どもの世話で自分のことは二の次、三の次にしてしまい自分の体調の変化と向き合う時間がとれないという人も多いかもしれません。
今回は「産後無痛性甲状腺炎」の体験談をご紹介します。「バセドウ病」と区別が難しく、はじめの診断が翻ったケースです。

産後の体重減少や激しい抜け毛の原因は「産後無痛性甲状腺炎」だった!

■産後で気づきにくい「産後無痛性甲状腺炎」

出産後のこと、体重が順調に減り最初は特に気に留めていませんでしたが、ゆるゆると減り続けた結果、産後4か月で産前の体重よりも痩せてしまっていました。抜け毛もひどく、産後だからと思いつつも気になっていました。

産後の体重減少が止まらないと何気なくSNSに投稿したら、甲状腺の病気ではないかと指摘してくれた人がいてなんとなく病気を疑うきっかけになりました。
それでも授乳が原因ではないかと思い、授乳回数を減らすなどしましたが変化はみられませんでした。

「甲状腺 産後」で検索したところ、gooヘルスケアに「無痛性甲状腺炎」の情報があり、おそらくこれかな?と思いました。しかし「バセドウ病と区別が難しい」との記述があり、内分泌を専門に診ている病院を近所で探しました。本来であれば受診の第一選択肢は出産した産婦人科に相談するのが良さそうですが、わたしは産後に引っ越したためかかれませんでした。

■検査結果で「バセドウ病」と診断、しかし…

問診では「バセドウ病だろう」との仮診断で、血液検査を受けました。甲状腺機能が亢進(活発化)しており「やはりバセドウ病」とのことで薬を処方されました。授乳中であることを伝えたが、授乳はやめるようにとの指示に落ち込みました。

事前に読んだ「バセドウ病と誤診されやすい」というのが頭に残っていたので、帰宅後さらに検索。受診したクリニックでは「バセドウ病」と「無痛性甲状腺炎」を区別する際に参考とする甲状腺の自己抗体検査が採血の項目になかったことに気づきます。
甲状腺の病気で服薬が必要になったとしても、薬の種類や飲み方を工夫することで問題なく授乳が続けられることも知り、別の病院でもう一度受診することにしました。

女性の(出産などの)体の変化にも理解がある甲状腺専門医を探して再度受診(この時点で産後5か月)。採血、問診、触診(甲状腺の大きさ確認)、超音波検査(エコー)などの結果、「産後無痛性甲状腺炎」と診断されました。
産後は4ケ月程度で甲状腺機能亢進、6ケ月ごろに甲状腺機能低下、9ケ月経過する頃には正常値に戻るケースが多いそうです。

■病名は判明したが授乳中…治療内容は?

甲状腺の数値が正常値に戻るまで1ヶ月おきに受診。初回の受診では甲状腺機能亢進していたが服薬は必要ない数値との判断。体がつらくなり薬が必要になった場合でも授乳が続けられ、薬を選べるし服薬の仕方を工夫することもできるので心配しないように、と先生の方から言って下さったのでホッとしました。結局、治療中の服薬はせずに終わりました。

治療は、初回から1ヶ月おきに4回受診(採血、問診、触診(甲状腺の大きさ確認))、その時点で正常値に戻ったので、間を空けて4か月後に再受診(採血、問診、触診(甲状腺の大きさ確認)して終了。2人目を出産したら産後にまた受診するようにとのことでした。

■経過と産後ママへのアドバイス

原因がはっきりし、時間がたてば治ることがわかっていたので心配せず過ごせました。この病気は、産後の体調不良と思い病気であることにすら気づかない方が殆どなため、あまり知られていませんが、実際はかなりの人がかかっていると言われている病気です。

時間が経過しても甲状腺機能低下のまま正常値に戻らない人もまれにいるそうなので、産後4か月を過ぎてからの体重減少や激しい抜け毛、だるさや疲労感・ほてりなどの症状が思い当たる方は念のため受診をおすすめします。
私は産後に引っ越してしまったため甲状腺専門医を受診しましたが、産婦人科の先生はこの病気をよく知っているので、出産した病院の先生に相談されてもよいかと思います。

■まとめ

一度はバセドウ病と診断されたものの、診断結果に疑問を持ったことで翻った今回のケース。事前にネットで正しい知識を得ていたことと、受診後も全てを鵜呑みにせず、検査項目を照らし合わせて調べたことで発覚しました。特に治療のために授乳をやめなければならないとなると産後ママにとっては大きな決断です。

見分けがつかないとされるバセドウ病と産後無痛性甲状腺炎。前者は治療をしないと甲状腺ホルモンが低下しないのに対して、無痛性甲状腺炎の甲状腺機能亢進症は一過性です。治療をしなくても正常に戻るため、治療法はまったく異なるのだそう。
専門の医師ですら見分けがつかないだけに、自分の体調の変化を記録し、正しい知識を得て照らし合わせることも必要と言えそうです。

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