日焼け止めは数種類を使い分けがベター? 正しい日焼け止めの選び方

山崎 多賀子さん

【執筆者】山崎 多賀子さん

美容ジャーナリスト 美容、健康に関する幅広いジャンルで長年取材を続ける。自らの乳がん体験から、各種NPO団体でのサポート活動、講演やがん患者対象のメイクセミナーにも力を注ぐ。NPO法人CNJ認定乳が…

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(編集・制作 (株)法研

夏、最も重要なのは紫外線対策。エアコン下の乾燥にも要注意!日焼け止めは用途を知って適切なものを選び、ライフスタイルに応じ使い分けて。保湿には使用感の軽いものを。

エアコンの効いたところでは肌の乾燥にご注意

もうしばらく梅雨が続きますが、梅雨が明けると季節は一気に夏本番へ突入します。すると肌は過剰な皮脂や汗によってニキビや湿疹が出やすくなり、スキンケアの関心は洗顔に向かい、保湿は手薄になりがちです。ところがそれが落とし穴。

通勤・通学、職場、デパートやコンビニ、レストランなど至るところでエアコンはガンガンに効いています。家でもエアコンをつけっぱなしの人は多いと思います。洗顔や汗を拭いた直後の肌のつっぱりは、肌表面の保護膜が落ちたところにエアコンによって肌の水分を奪われている可能性が…。エアコンが効いた中で過ごす時間が長いほど、肌は乾燥の傾向にあります。過剰な皮脂や汗を落とすことは大切ですが、夏の保湿もまた大切なのです。

とはいえ、暑いのに重たい感じのクリームや乳液は不快ですね。実際にクリームでニキビができてしまうこともあります。しかし化粧水だけでは水分の蒸散は止められません。たっぷりの化粧水のあと、使用感の軽い美容乳液やジェルクリームで潤いが逃げないようにしてください。

日焼け止めはSPAとPAの両方の表示をチェック

さらに耳タコかもしれませんが、夏にもっと大切なのが、紫外線対策です。紫外線のダメージが老化に直結することが知られるようになり、日常的に日焼け止めを塗る人が増えていますが、本当に適切な日焼け止めを使っているかをここでチェックしてみましょう。

まず日焼け止めは、SPFとPA表示の両方を見ることがとても大切です。
地上に届く紫外線はA波とB波の2種類で、紫外線B波の防止指数はSPFで表します。B波は肌を真っ赤にしたり水ぶくれをつくるなど、炎症を起こすほどエネルギーが強く、肌の表面の細胞にダメージを与えます。皮膚がんはB波が細胞のDNAを傷つけることによって起こるといわれています。ただ、紫外線B波は波長が長くないので、厚い雲にいくらか吸収され、ガラスも通過しないので、室内にいればあまり心配する必要はありません。

一方、紫外線A波の防止指数はPAで表します。A波はエネルギーが弱く当たっても何も感じませんが、B波の20倍近くの量が降りそそぎ、波長が長いため雲もガラスも通過し、肌の奥の真皮組織をじわりじわりと壊していきます。シワやたるみなどはA波が主な原因ですから無視はできません。ちなみにシミは、A波B波の両方によって引き起こされることが分かってきています。

SPFは50が最高値でそれ以上はSPF50+で表示され、PAは+、++、+++の三段階で表示され、+++が最高値ということをまず覚えてください。ただここでも注意することがあります。それは、SPFもPAも1平方センチメートルあたり2mgを塗ったと仮定して数値が算出されていますが、実際に日焼け止めをそこまでたっぷり塗る人は少ないということ。

数値に安心せずに、こまめに塗り直しをするか、塗り直しができないならSPFもPA値もやや高めにしたほうがいいのです。とくに真夏の日中(10時~14時)外にいる時間が長いならば、なるべくSPFは50に近いものを、PAも最低++は確保したほうが得策です。

ライフスタイルに合わせて日焼け止めを2、3種類使い分ける

ただし日焼け止めの使用感は肌との相性があり、数値が高いものほど肌が疲れやすい傾向にあるのは事実です。そんな背景もあり、最近では高い数値でも白浮きせず、肌への負担が軽い日焼け止めが続々と登場しています。とはいえ数値よりまず肌との相性が大切です。できればテスターを顔に塗ってみて、半日から一日様子を見てから買うと失敗しません。

日中ほとんど外出しない日のSPF値は20~30で十分。でも家にいても窓辺で過ごしたり車を運転するのであれば、PAは最高値のものを選ぶなど、ライフスタイルに合わせて日焼け止めを2、3種類使い分けるとベターですね。
夕方から夜にはクレンジングでしっかり落とし、そのあとローションパックなどで、肌のほてりを鎮(しず)めてやると、紫外線疲れを翌朝に残さず落ちつきます。

ちなみにSPFやPAの測定法は日本独自のもので、海外ではPAに関しては表示されていないことが多いようです。
日焼け止めは一昔前に比べて潤いを与えるものなど年々よくなってきています。上手に取り入れて、肌にとって過酷な夏を乗り切ってね。

※この記事は2009年6月に配信された記事です



ジメジメした季節は肌が不安定に…梅雨から夏のスキンケアのポイント

山崎 多賀子さん

【執筆者】山崎 多賀子さん

美容ジャーナリスト 美容、健康に関する幅広いジャンルで長年取材を続ける。自らの乳がん体験から、各種NPO団体でのサポート活動、講演やがん患者対象のメイクセミナーにも力を注ぐ。NPO法人CNJ認定乳が…

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(編集・制作 (株)法研

じめじめした夏の「美肌的」快適生活術。室内の空気や肌に触れるものを清潔にして気分を爽やかに。質のよい睡眠をとり、お風呂で体を清潔に。

雑菌が活性化するじめじめした季節は、肌の環境づくりが大事

こんにちは。そろそろ梅雨時ですね。これからぐっと蒸し暑くなっていくことでしょう。

こんな季節、肌がむずがゆかったり、いやに毛穴が開いたり、ニキビができたりしませんか? 実は、湿気と温かい空気は、雑菌の大好物。空気中には活発化した雑菌がたくさん潜んでいるんです。その環境のなか、こまめにハンカチで汗をぬぐったり、たびたび顔を洗うと、肌表面にいて、外からの雑菌をプロテクトしている常在菌の数が手薄になり、かぶれたり、ニキビになるなどトラブルを起こしやすくなるんですって。

だからといって、汗にはかゆみの原因になる物質が混じっているので、汗をかいてそのままにしておくのもよくありません。もちろん、運動などで汗をたくさんかくことは体にとっていいことだけれど、じわじわとかき続けるのでは、肌がくたびれてしまいます。

ということで、じめじめ季節は乾燥はしないものの、肌は不安定になりがちです。こういうときは、スキンケアも大切だけれど、肌の環境づくりがとくに大事です。

気分がすっきりすると、肌もすっきり安定

たとえばエアコンよりも、除菌・消臭効果のある除湿器で室内の湿気と雑菌を吸い取るのは効果的。空気がカラッとするだけでずいぶん爽やかになるので、室温を下げなくても快適に過ごせますから、冷房病に悩まされることもありません。

また、ハンカチやタオル、枕カバーなど、顔に触れる寝具は、こまめに洗って清潔に保つこと。こまめにお掃除をして、室内のホコリを取り除いておくこと。こんなことでも、肌の状態は変わってくるものです。

また、シトラスやミント、ラベンダー、ユーカリなど、爽やか系の芳香剤やフレグランスで、気分を爽やかにするのも、じめじめ感をとるのに実はとっても効果的。肌と脳は連動しているから、気分がすっきりすると、肌もすっきり安定してくれるんです。

質のよい眠りこそ、美肌の最強エッセンス

寝苦しい夜などは、エアコンをガンガンに効かせるのではなく、リラックスできて爽やかなエッセンシャルオイルをコットンに一滴垂らして、パジャマのポケットに入れてみてください。ほのかな香りが暑さを軽減し、深い眠りへと誘ってくれるはず。
日中に負った細胞ダメージは、睡眠中、成長ホルモンなどが修復してくれるので、質のよい眠りこそ、美肌の最強エッセンスです。小さいニキビならひと晩で治ってしまう場合もあります。夏はとくに快適に眠れるよう、色々な工夫をするといいですね。

そして夏だからといって、入浴を烏の行水程度ですませてしまうのはもってのほか。冷房による冷え対策はもちろんですが、それ以外に雑菌・悪臭対策に入浴は欠かせません。
とくに夏、雑菌の温床になりやすいのが靴の中。だから足は、指の股や爪の甘皮、爪の内側に入り込んだ汚れもきれいに落とさないと、足臭がついて、なかなか取れません。ちなみに足の悪臭の元は、イソキッソウ酸という、垢など皮膚の老廃物が分解されたときに発生する悪臭物質です。悪臭はストレスの原因になることも明らかになっているんですよ。この物質が残った体で寝具に潜り込んだら……。言わずもがなですね。
そのほか脇の下など湿気がこもるところもお風呂で清潔に洗い流すことも、臭いの問題だけでなく美肌のために有効です。

できることからぜひ試してみてくださいね。

※この記事は2010年6月に配信された記事です

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【医師が教える】紫外線対策!夏に食べたいパーフェクト食材は?

【お話を伺った人】桐村里紗(きりむら・りさ)先生

内科医・認定産業医。栄養学や抗加齢医学の知識を活かし、執筆・講演を行う。著書に『「美女のステージ」に立ち続けたければ、その思い込みを捨てなさい』(光文社)がある。旧姓・土井里紗名義の著書多数。『ドクタ…

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執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

強い日差しは美肌の大敵! 肌に悪影響を残さないため、老化を防ぐ食材で内側からのケアを行いましょう。

「光老化」の対策にはフィトケミカルを

紫外線が強い季節になってきました。UVケアをしていても、紫外線は完全には避けられません。ジリジリと「チリつも」で皮膚にダメージが加わる初夏から真夏は、内側からの紫外線ケアも欠かせません。以前に、鉄不足がシミを悪化させることを警告しました(【医師が警鐘】夏は鉄分不足にご用心|シミ対策には美容液よりも鉄分を!)。

女性に多い隠れ貧血は、ぜひ改善したいものです。鉄分だけでなく、紫外線が原因で起きる「光老化」の対策に不可欠なのがビタミンやミネラル。そして野菜や果物の抗酸化物質・フィトケミカルがあります。この時期は、特に皮膚のためにしっかり食べることが大切です。

【医師が教える】食べる紫外線対策!シミ・シワを予防する食材とは?

シミ・シワができるメカニズムと栄養不足の関係

紫外線が当たると、皮膚で活性酸素が発生し、皮膚の脂を酸化(サビ)させます。ここにメラニンが蓄積すると、しつこく取れにくいシミになってしまいます。コラーゲンが酸化されて劣化すると、シワの原因にもなるのです。
紫外線による肌老化のための抗酸化ビタミンといえば、まずはビタミンCが思い浮かびます。メラニン自体の生成を抑えるだけでなく、酸化して黒くなってしまったメラニンを薄い色に戻す働きがあります。

ダメージを受けたコラーゲンを助け、再び体内で作り出すにも、ビタミンCは欠かせません。そもそも皮膚のコラーゲンを回復させるために、コラーゲン自体を飲むことは、実はあまり意味がありません。コラーゲンとは、タンパク質。体内に入ると消化され、分解されてしまうので、そのまま皮膚に使われるとは限らないのです。
しかしコラーゲンを合成するには、ビタミンC、コラーゲンの原料であるタンパク質、それに鉄分が不可欠です。いずれも、毎日食べるべき必須の栄養素ですから、これをしっかり摂取しない“栄養不足”こそが老化の原因なのです。

メラニンを追い出すビタミンとは?

また、脂の酸化を防ぐには、抗酸化物質の中でもビタミンEが必須です。ビタミンEは、油に溶ける“油溶性”のビタミンで、アボカドやアーモンドなどのナッツ類、ゴマなどに多く含まれています。

さらに蓄積したメラニンを追い出すため、皮膚のターンオーバーを正常に働かせるのに必要なのは、ビタミンAとビタミンB2です。いずれも、活性酸素を消去する働きがあります。レバー、うなぎなどの魚類、卵などの動物性食品に豊富です。ビタミンAは、緑黄色野菜や海藻類などに含まれているカロチンを摂ることで、体内で作り出すことができます。これらの食品には、抗酸化作用の高いフィトケミカルも豊富です。

たっぷりの緑黄色野菜や海藻に、アボカドやナッツ、チキン、卵などをトッピングしたパーフェクトサラダなど、いかがでしょう。インスタ映えも、狙えますね!

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手軽な市販薬に要注意!20代以上の女性に多い『酒さ様皮膚炎』

ノーイメージ

【お話を伺った人】古賀 道之先生

古賀皮ふ科院長・東京医科大学名誉教授 1962年 長崎大学医学部卒業後、東京医科大学皮膚科学教室入局 。1971年、東京医科大学講師。立正佼成会佼成病院皮膚科部長、都立大久保病院皮膚科医長、東京医…

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(編集・制作 (株)法研

(「ヘルス&ライフ」法研より)

ステロイドの入ったかぶれ止めを顔に常用すると起こりやすい。ニキビ状のブツブツ、ピリピリ感、強いほてりを伴い、腫れて赤ら顔になる。

ステロイド外用薬の長期使用が原因

あなたは、化粧品やヘアケア用品でかぶれやすいほうですか? そんなとき、ステロイドの入った市販のかぶれ止め薬を使うこともあるでしょう。はじめは炎症が抑えられて湿疹はすぐに治りますが、使い続けるうちに赤ら顔になって、ニキビ状のブツブツができるようになります。このときステロイド薬をやめると、それまで抑えられていた炎症が一気にあらわれ、顔が赤く腫(は)れ上がって、ピリピリしたりほてりを感じたり、かゆみが出ることもあります。これがしゅさ様皮膚炎です。

しゅさ様皮膚炎は、20~50代の女性に多くみられます。もともと顔がほてりやすい、発赤(ほっせき)を繰り返しやすいといった素因のある人が、脂漏性皮膚炎や、化粧品、シャンプー、リンスなどによるかぶれを副腎皮質ステロイドの入った塗り薬で治療しているうちに起こってくる皮膚炎です。

ステロイド外用薬を長期間使い続けると、皮膚が薄く弱くなり、血管が拡張して毛包(毛根を包んでいるところ)を刺激するため、むしろ炎症を起こしやすい条件が整ってしまいます。一般に薬の副作用の症状が出たときにはその薬の使用を中止するのが原則ですが、しゅさ様皮膚炎の場合、ステロイド薬の使用中止後2~3週間は症状が悪化します。このとき、またステロイド薬に頼るとふりだしに戻り、悪循環に陥ってしまうので注意が必要です。

ステロイド薬の使用を中止し、皮膚科を受診する

症状を自覚したときには、直ちに皮膚科を受診してください。皮膚科では、まずステロイド薬の使用をやめ、そのときの症状に応じた適切な外用薬を用いながら、ニキビの治療に使われるテトラサイクリン系の抗生物質を内服します。一時的に症状が悪化しますが、必ず治るので、医師の指示どおりに薬を服用してください。症状がひどく精神的苦痛や不安を伴い、社会生活に支障がある場合は、入院をすすめられるかもしれません。

日常生活では、香辛料などの刺激物を避け、アルコールも控えたほうがよいでしょう。また、化粧品は、腕などの目立たない部分につけて、かぶれがないかどうか、試してから使うようにしたいものです。

ステロイド薬は用法を守って使用することが大切

ステロイド薬は、上手に使うと大変有用な薬ですが、使い方を誤ると副作用を起こしてしまいます。まさに「両刃の剣」といえる薬です。それだけに、皮膚科専門医の指示に従って、正しく使うべきです。

化粧品かぶれなどを起こしたとき、「わざわざ皮膚科を受診するのは面倒だから」という理由で、市販のステロイド外用薬に頼ってしまうこともあるでしょう。しかし、ストロイド薬は使い方しだいで、「薬にもなれば毒にもなる」ものなのです。手軽なはずの市販薬が原因で、何カ月も顔面の炎症に苦しむことにもなりかねません。

ステロイド薬には強さの異なる製剤がたくさんあります。中には、弱い抗炎症作用がありながら血管拡張作用がほとんどないものもあって、症状によってはしゅさ様皮膚炎の治療にさえ使うことができるものもあります。「ステロイドは怖い」という人もいますが、間違った使い方に問題があるのです。ステロイド薬を使うときは、用法をきちんと守って使用することが大切です。

※この記事は2007年12月に配信された記事です

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UVケアの前に自分のスキンタイプをチェック!|紫外線対策の基礎知識

【お話を伺った人】須賀 康先生

順天堂大学浦安病院皮膚科学教室 教授 1992年順天堂大学医学部大学院卒業、95~98年米国テキサス州ベイラー医科大学に留学。帰国後は順天堂大学皮膚科の講師、助教授を経て、2007年順天堂大学浦…

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(編集・制作 (株)法研

紫外線によるダメージにも個人差が。肌老化を防ぐサンケア。紫外線は肌の老化を早める。日焼け対策と適切な保湿で、ダメージを防ごう。

肌老化のほとんどは紫外線が原因!

紫外線というと、まず気になるのは日焼けですが、シミやシワなどにも深くかかわっていることがわかっています。シミ・シワといえば、典型的な肌の老化現象。肌の老化を「光老化」と呼ぶように、肌の老化の約80%は紫外線が原因といわれています。日焼けが紫外線による急性のトラブルであるのに対し、シミ・シワは、長い間の積み重ねによって表に出てくる慢性のトラブル。若いときからの紫外線対策が必須です。

紫外線には、波長の長いUV‐Aと、波長の短いUV‐Bの2種類があります。地上に届く紫外線のおよそ97%はUV‐A、3%がUV‐Bです。UV‐Aは、UV‐Bより傷害作用が弱いものの、量が多いので注意が必要です。一方、UV‐Bは、量は少なくても傷害作用が強いので、やはり要注意です。

何も紫外線対策をしないまま皮膚が紫外線を浴びると、波長の長いUV‐Aは肌の奥深く真皮まで届きます。一方、波長の短いUV‐Bは表皮に吸収されます。このとき、皮膚の色素細胞は、真皮が紫外線によるダメージを受けないようにメラニンという色素を出して防御します。このメラニンは、通常時期がくればアカとなってはがれ落ちますが、なかには色素沈着を起こすものもあり、これをシミと呼んでいます。
メラニン色素による防御では抵抗しきれず、紫外線が真皮まで届いてしまうと、皮膚の深い部分の線維組織が傷つけられてシワができます。これが、紫外線によってシミ・シワができるメカニズムです。

紫外線は、表皮の保湿機能にもダメージを与えます。その結果、肌が乾燥してシワをつくり、本格的なシワのもとになるという説もあります。

スキンタイプで異なる警戒レベル

紫外線によって受けるダメージの大きさは人種によって異なり、白色人種が最も大きく、黄色人種、黒色人種の順に続きますが、同じ人種でも個人差があり、ダメージを受けやすいタイプと、比較的受けにくいタイプがあります。
日焼けに対するスキンタイプは、日焼け後の皮膚の色の変化で知ることができ、黄色人種では次の3つに分けることができます(近畿大学川田暁教授による)。

スキンタイプ I

日焼けの後、皮膚がすぐに赤くなるものの黒くならないタイプ。紫外線によるダメージを受けやすく、皮膚がんになりやすいといわれています。

スキンタイプ II

日焼けして赤くなってから数日後に黒くなるタイプ。タイプIと次に挙げるタイプIIIの中間です。日本人に最も多いタイプといわれ、不必要に紫外線を浴びない工夫が大切です。

スキンタイプ III

皮膚が赤くならずに黒くなるタイプ。メラニン色素による皮膚の防御能力が発達していて紫外線によるダメージを受けにくい半面、シミやくすみなどの色素沈着を起こしやすいといわれます。

スキンタイプの I、II、IIIは、紫外線に対する警戒レベルの違いも表わしています。I が最も警戒レベルが高く、次にII、IIIの順です。外出時などの紫外線対策に役立ててください。

紫外線から肌を守るためにも保湿は重要

シミ・シワなど紫外線によるダメージは、すぐには表に出てきません。しかし、若いときから紫外線対策をしてきたかどうかで、40歳代後半ごろには大きな差となって出てきます。とはいっても、紫外線対策は何歳から始めても遅すぎるということはありません。できれば、子どものころからの対策が理想的ですが、40歳、50歳で始めても、それだけ肌の老化を遅らせることができます。

基本は、肌の露出を少なくし、UVカット加工を施した日傘、サングラス、つばの広い帽子などを利用して肌をカバーすることです。
日焼け止めを使うことも大切です。日焼け止めには、UV‐Aをカットする「PA」と、UV‐Bをカットする「SPF」の値が記されています。値が大きいほど紫外線の防御力は大きいものの、それだけ肌への負担も大きくなります。スキンタイプ、使う時間帯や場所などの違いによって、上手に使い分けましょう。

紫外線対策には皮膚の保湿も重要です。皮膚には、もともとウロカニン酸という紫外線を吸収する働きをもつ成分が含まれていますが、肌に潤いがないと、ウロカニン酸が安定して作られません。肌が乾燥していると、本来備わっているはずの防御機能も働かなくなり、紫外線によるダメージを受けやすくなってしまうのです。
洗顔や入浴をした後、肌がしっとりしている間に保湿剤を使い、皮膚の角質の中に水分を閉じ込めるのが保湿のコツです。保湿はスキンケアの基本といわれますが、紫外線から肌を守り、シミ・シワなどを防ぐためにも、保湿は重要なのです。

※この記事は2012年5月に配信された記事です

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春になったら紫外線対策をお忘れなく|日焼け止めのSPF・PAの選び方

【お話を伺った人】漆畑 修

東邦大学医学部客員教授、宇野皮膚科医院院長 1973年東邦大学医学部卒業後、東邦大学医学部皮膚科教室入局。1978年より東邦大学医学部大橋病院皮膚科講師、准教授、皮膚科部長、院長補佐を経て、200…

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(編集・制作 (株)法研

しみ・しわ、皮膚がんの原因にもなる光老化。紫外線によるダメージは長い間に積み重なり、慢性的な皮膚障害に結びつく。

春からはじまっている紫外線による皮膚のダメージ

紫外線と聞いて、何を連想するでしょうか。真夏の太陽? それとも日焼けした肌? 紫外線量は、北半球では夏至のころ、6月に最も多くなります。4月ごろから増えはじめますから、5月のよく晴れた日などは要注意です。真夏の7月、8月ともなると、大なり小なり、紫外線対策をしている人が少なくありませんが、春はまだ、対策があまりとられていないだけに、紫外線の影響を強く受けやすい季節なのです。「まだ大丈夫だろう」と油断していると、そのスキをねらわれてしまいます。

紫外線は、晴れている日だけでなく、曇りや雨の日でも地上に降り注いでいます。曇りの日は晴れの日の約50%、雨の日でも20~30%は地上に到達しているだけに厄介です。晴れの日に外に1時間いるのと曇りの日に2時間いるのとでは、同じ量の紫外線を浴びることになるわけです。

同じことが、建物の中にいる場合についてもいえます。建物や車の中にも、ガラス越しに紫外線は届いています。建物の中の紫外線は屋外の1割以下といわれますが、時間が長くなれば、屋外で浴びるのと同じことです。春だから、曇っているから、建物の中にいるから、と油断していると、紫外線の影響で、皮膚はダメージを受けることになってしまうのです。

皮膚の老化を早める紫外線

紫外線によって生じる急性のトラブルは日焼けです。日焼けは英語ではサンバーン、つまり日光によるやけどです。ひどくなると水泡を生じ、発熱したり、命にかかわることもあります。通常の日焼けなら、赤くほてったり火ぶくれになったりしますが、やがて黒ずんで皮がむけ、見た目はだんだん元の状態に戻ります。問題なのは、こうした急性のトラブルが表面上は治ったように見えても、そのダメージが長い間につみ重なって、慢性的な皮膚の障害へとつながる恐れがあることです。

例えば、しみ・しわは肌の典型的な老化現象と考えられていますが、その大きな原因が紫外線であることがわかっています。紫外線によって受けたダメージが長い間につみ重なった結果、しみ・しわとなってあらわれるのです。光老化と呼ばれています。時に皮膚がんに発展することもあるだけに、注意が必要です。

しみ・しわ、皮膚がんなどの症状は、かなりの年月がたってからでもあらわれるため、高齢になってから初めて紫外線の怖さを思い知らされることが少なくありません。また、症状のあらわれかたや皮膚がんへ結びつく度合いなどは、人種によって、また人によって大きく異なります。
仮にそういう点で同じ素質を持っているとすると、子どものころから成人するまでの間に紫外線をどのくらい浴びたかが、症状のあらわれ方や皮膚がん発症の重要なカギを握っています。要するに、子どものころから紫外線をたくさん浴びていると、それだけ皮膚の老化が早くなるのです。

これからの季節、UVカットは必須

紫外線量が増える季節を迎えたら、日よけ、日焼け止めが絶対に欠かせません。特に春先は、紫外線量が多い割に肌が日差しに不慣れな分、ダメージを強く受けやすいからです。
最善策は屋外に出ないことですが、日常生活のいろいろな場面を考えると、それは現実的ではありません。屋外に出るとき、しっかりと紫外線の害を防ぐ日よけをすることが不可欠です。

長袖で肌の露出を少なくし、つばの大きい帽子と日傘を使うと、かなりの部分がカバーされます。また、UVカット効果のあるサングラスで目に対する悪影響を防ぐことも忘れずに。できるだけ日陰を選んで歩くのも一つの方法です。

日焼け止めの選び方

日焼け止め(サンスクリーン剤)も、この季節は必須アイテム。表示のSPFは、紫外線B波(UVB)をカットする力をあらわすもので、何も塗らない状態と比べて、日焼けが始まるまでの時間を何倍に延ばせるかという目安です。SPF5なら、日焼けするまでの時間を5倍に延ばせるということになります。もう一つの表示PAは、紫外線A波(UVA)をカットする力をあらわし、強い順に+++、++、+となっています。

ただし、効果が高ければそれだけ肌への刺激も強くなりますから、屋外で過ごす時間や自分の日焼けしやすさなどを考えて、適切な日焼け止めを選びましょう。日常の紫外線であれば、SPF20、PA+程度までで十分です。また、汗で流れたり、こすれて落ちることも考えて、こまめに塗りなおす必要があります。

もし日焼けをしてしまったら、炎症部分をシャワーの水などで十分に冷やし、低刺激性の化粧水などで水分を補い、乾燥を防ぎましょう。水ぶくれができたり、広範囲に炎症が起きているとき、痛みがひどいときは、皮膚科専門医を受診することです。

※この記事は2008年4月に配信された記事です

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