がんを予防する食生活-科学的根拠に基づいたがんの予防法

発がんリスクを遠ざけ、量・質ともにバランスのよい食事を。
がん予防には、生活習慣を改善することが第一。正しい情報を見分ける力を備えて、健康で豊かな食生活に。

食べ物とがんについての情報は、質を見分け適切な判断を

日本人の平均寿命は、男女ともに世界のトップクラス(女性は世界第1位)にある一方で、食生活や運動習慣などと関係の深い生活習慣病が増え、長期闘病生活を余儀なくされる人も増えています。日本人の死因の第1位であるがんも、一部は遺伝やウイルス・細菌の持続感染などが関係しているものの、多くは生活習慣病ととらえられています。
私たちが、がんを予防するためにできることは、好ましくない生活習慣を改善して、がんの発生リスクをできるだけ下げることに尽きます。

先般、「ここまでわかった! 食生活改善とがん予防」と題した講演会(主催:財団法人東京顕微鏡院、医療法人社団こころとからだの元気プラザ)が、都内で開催されました。
講師を務めた国立がん研究センターの津金昌一郎先生は、生活習慣と病気との関係について、長年にわたる大規模な調査研究を行っています。この講演会では、国内外の研究結果を元に、がんの発生リスクを高める食品や予防効果のある食品など、私たちに身近で関心の高い食生活とがんとの関係を中心とする話題が提供されました。

世の中にあふれている“食べ物とがんに関する情報”は、すべて正しいわけではありません。「私たちの食生活に取り入れる価値があるかを適切に判断するには、科学的な根拠に基づいているかを見極めることが大切。がんになりやすい(なりにくい)食生活を、科学的に証明するには、動物実験、試験管内実験、ヒトを対象とした疫学研究などで検証されることが必要です。また、一つの研究結果だけでなく、さまざまな角度で実施された複数の研究でも、同様の関係や結果が示され、また、なぜそうなるのかのメカニズムもある程度説明できることが重要です。こういった視点をもち、“食べ物とがんに関する情報”の質を見分ける力を養ってほしい」と、津金先生はいいます。

科学的根拠に基づいた「日本人のためのがん予防法」

現時点で、科学的根拠に基づいた、最も実行する価値のある予防法として、「日本人のためのがん予防法」が国立がん研究センターから発表されています。これは、WHO(世界保健機関)やWCRF(世界がん研究基金)、AICR(米国がん研究財団)などの食事指針や、日本人を対象に行った研究成果を加味して考えられたものです。
6項目から成る予防法は、がん予防以外にも糖尿病や高血圧などをはじめとする生活習慣病予防にも応用できます。シンプルな表現でわかりやすいので、自分の生活習慣全体を見直して改善するキーワードとして、ぜひ実践していただきたいものです。

*上記の各項目についての詳しい解説は、国立がん研究センター がん対策情報センターのホームページでも読むことができます。

がんになりやすい食生活、なりにくい食生活

講演で津金先生は、「日本人のためのがん予防法」の中の食生活に関する項目を中心に、具体的な説明や補足をしました。以下はその内容です。

●飲酒とがん発生のリスク
適度な飲酒は心筋梗塞や脳梗塞のリスクを下げるというメリットがあります。がんに関しては1日当たりエタノール量約23g(日本酒換算で1合)以内なら、がん全体の発生リスクを上げないことがわかっています。しかし、男性では「ときどき飲酒する人」に比べ、「1日に2~3合飲酒する人」で1.4倍、「3合以上飲酒する人」で1.6倍、がんの発生率が高くなることがわかっています(女性については飲酒習慣のある人が男性ほど多くないので、明確な傾向がみられない)。
大量飲酒が持続することでなりやすいがんは、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、大腸がん、肝臓がん、乳がんなど。飲酒習慣単独より、飲酒習慣に喫煙習慣が加わると、がんの発生リスクがさらに高まることもわかっています。

●食事バランスとがん発生のリスク
適切な範囲内での体重を維持するために、身体活動で消費するエネルギーと食事からの摂取エネルギーのバランスや、各種栄養素のバランスのとれた食生活が基本です。
また、「これをとればがんを予防できる」という単一の食品や栄養素は、現時点ではわかっていません。逆に、とりすぎるとがん発生のリスクを上げる可能性のある食品中の成分や、調理や保存の過程で生成される化学物質があることはわかっています。リスクを分散するためにも、偏りのない食事をとることが大切です。

●食塩・塩蔵品とがん発生のリスク
日本人を対象とした多くのコホート研究(*)で、食塩・塩蔵食品の摂取量が多いほど、胃がんになりやすいことが示されています。
食塩の摂取量は塩蔵品の食塩含有量も含め、1日当たり男性で9g未満、女性で7.5g未満を目指しましょう。特に漬物、塩辛など、塩分の多い食品は控えめに。
(*)コホート研究とは、数万人以上の特定の集団を対象に生活習慣などを調べ、長年にわたり追跡調査を続ける研究。

●野菜・果物の発がん予防効果
野菜は、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、胃がんの発生リスクを下げ、果物はこれらのがんに加えて肺がんの発生リスクも下げる可能性が大きいことがわかっています。
野菜や果物のさまざまな成分が、体内で発生した活性酸素を消去したり、発がん物質を解毒する酵素の活性を高めたりする働きがあると考えられています。
また、野菜や果物は低エネルギー食品なので、エネルギーのとりすぎを防いでいることでも、がんの発生リスクを高めないと考えられます。
野菜・果物は、1日に合計400g(例:野菜料理を小鉢で5皿・果物を1皿程度)を目安に食べましょう。

●加工肉・赤肉とがん発生リスク
欧米で行われた多くのコホート研究では、加工肉(ハム・ソーセージ・ベーコンなど)や赤肉(牛・豚・羊などの肉)の摂取量が多い人ほど、大腸がんになりやすいことがわかっています。可能性のある理由として、加工・保存の過程で発がん物質が生成される、フリーラジカル(*)の産生を促進する鉄が多く含まれる、加熱調理の過程で発がん物質が生成される、エネルギーの高い脂肪が多く含まれる――などです。
これらの摂取は控えめにすることがすすめられます。加工肉は最小限にとどめ、赤肉は1日に71g未満を目安にしましょう。但し、日本人の平均は47g程度のため、多くの日本人は、制限をする必要がないものと思われます。
(*)フリーラジカルとは、電子が1対になっていないために、他の分子から電子を奪い取る力が高まっている原子や分子の総称。活性酸素もその一つ。

●発がんリスクとして疑わしい要因への対処
「確実あるいは可能性が高い」とわかっていないまでも、発がんのリスク要因と疑われているものは、生活の利便性や嗜好(しこう)とのバランスを考えつつ、なるべく避けたほうがよいでしょう。発がんのリスク要因として疑われているものに、動物性脂肪、肉の焼け焦げなどがあります。

●がん予防効果の可能性があるものの利用
がん予防効果の可能性があるとされるものは、不足しないようにとるようにしましょう。現在、多くの研究で予防効果の可能性があるとされているものに、食物繊維、大豆イソフラボン、カルシウム、ビタミンD、ビタミンC、カロテノイド、ミネラル、コーヒー、緑茶などがあります。
たとえば、食物繊維は大腸がん、大豆イソフラボンは乳がん、コーヒーは肝臓がんや子宮体がん、緑茶は胃がんなどのように、各種の成分や食品が、がんの発生リスクを下げることが期待されています。

●サプリメント利用の注意点
がんの予防効果が証明されたサプリメントは、現状では存在しません。栄養成分は、食事からとることが基本で、むしろサプリメントにより特定の成分をとりすぎないよう注意が必要です。
高用量のβ-カロテンやビタミンEのサプリメントが、がんや健康障害のリスクを高めることがわかっています。

最後に会場からの質疑応答の時間もあり、多様な質問に参加者の関心の高さが伺えました。質疑の一つひとつに答えた後、「がん予防のために、あれもダメ、これもダメという食生活を送るのではなく、適度な量とバランスの範囲内で、いろいろな食材を多様な調理法で食べることが、豊かな食生活を送ることだと思います」と津金先生はまとめました。

(編集・制作 (株)法研)
※この記事は2011年2月に配信された記事です

【取材協力】
津金 昌一郎先生

国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 予防研究部長
1981年慶應義塾大学医学部卒、85年同大学大学院修了。86年国立がんセンター研究所入所。臨床疫学研究部長などを経て、2003年に同センターがん予防・検診研究センター予防研究部長に就任。その間に米国ハーバード公衆衛生大学院客員研究員を務める。2010年より現職。1990年にスタートした多目的コホート研究の主任研究者。昭和大学医学部客員教授、日本疫学会理事、日本癌学会評議員などを兼務。著書に『がんになる人ならない人』『なぜ、「がん」になるのか?その予防学教えます。』『食べものとがん~がんを遠ざける食生活~』ほか多数。




フライドポテトやポテトチップスの食べすぎはガンになりやすい?

高温で加熱調理することでできるアクリルアミド。この成分に発がん性があることが指摘されています。フライドポテトやポテトチップスは、調理過程でアクリルアミドが生成されやすい食品。これらの食べ過ぎはガンになりやすい体を作るのでしょうか?

フライドポテトやポテトチップスの食べすぎはガンになりやすい?

家庭料理にも含まれる発がん性物質「アクリルアミド」

体のことを気遣って揚げ物をなるべく避ける人も多いのではないでしょうか? 特にダイエット中は、フライドポテトやポテトチップスなどは、カロリーを気にして極力避けるというのは当然ですが、それ以外にも気をつけたい成分が入っていることが問題視されています。それが、「アクリルアミド」です。2002年スウェーデン国立食品局(NFA)の研究報告によって、ごく一般的な食品や家庭料理にもアクリルアミドが含まれいて、発がん性があることが指摘されました。

アクリルアミドは、原材料に含まれている特定のアミノ酸と糖類が、揚げる、焼く、あぶるなど120度以上の高温の加熱によって化学変化を起こすことで、生成されると考えられています。原材料に水分が少ない場合には、特に生成されやすいそう。そのため、ポテトチップスやフライドポテトなど、ジャガイモを原料にしたものや、ビスケット、クッキーなど穀類を原料とした焼き菓子に多く含まれていることが報告されています。アクリルアミドは、調理過程で生成されるため、家庭料理の野菜の素揚げや炒め物、トーストしたパンにも含有。また、食品ではありませんが、タバコの煙にもアクリルアミドは含まれます。

アクリルアミドはできる限り低減に努めるべき成分

発がん性と聞くと、極力とらないようにしなければと、敏感になりがちですが、食品安全委員会は、食品由来のアクリルアミドの摂取について、発がん以外の影響については極めてリスクが低いとしています。その一方、発がんのリスクにおいては、ヒトにおける健康影響は明確ではないものの、動物実験の結果、公衆衛生上の観点から懸念がないとは言えないため、引き続き、できる範囲でなるべくアクリルアミドの低減に努める必要があるとのこと。アクリルアミドをとったからといってすぐがんに直結するわけではありませんが、摂取量を抑えるべく努めることは必要です。

農林水産省のHPでは「バランスの良い食生活を送れば、特定の食品をたくさん食べることにはなりません。アクリルアミドが一部の食品に含まれていたとしても、その食品からとる量が多くならないので、食品全体からとる量を低く抑えることができます」と解説されています。日本におけるアクリルアミドの推定平均摂取量は、海外と比べて同程度または低い値となっており、過剰に心配する必要はありません。

茹でる、蒸す、煮る調理でアクリルアミドを微量に

健康のためには、アクリルアミドの摂取を減らすべきですが、難しいのは、アクリルアミドは多種多様な食品の調理過程でできるため、完全にとらないようにすることは不可能に近いということ。アクリルアミドをとらないように過剰に反応すると、逆に栄養バランスが崩れる可能性があるので注意が必要です。

茹でる、蒸す、煮るといった調理法では、アクリルアミドは生成されにくく、生成されても微量であるため、家庭で調理する場合には、なるべくこうした調理法をとるのも一つの方法。また、炒めもの、揚げ物を作る際には以下のことに気をつけると、摂取量を低減できます。

<アクリルアミドをできにくくする調理のコツ>
・ 炒めもの、揚げ物に使うジャガイモは冷蔵庫でなく常温で保存
・ 芋類や野菜類は切った後、水にさらして水分量を上げる
・ 調理するときに、食材を焦がさないように注意
・ 炒めもの、揚げ物の火力は弱めに

また、食品会社でもアクリルアミドの濃度を低くするために、原料の保存方法や調理法を改善しています。過剰に心配することなく、まずはバランスのとれた食生活を送るように心がけることが、結果的にアクリルアミドの低減につながるのではないでしょうか。

参考:食品中のアクリルアミドに関する情報-農林水産省
執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

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成長するほくろに要注意!ほくろに似た皮膚のがん・メラノーマを解説

皮膚がんの一種メラノーマ(悪性黒色腫)に注意

色素細胞の集まり。紫外線の当たる場所に多い。思春期以降にできて大きくなる場合は受診を
成長するほくろに要注意!ほくろに似た皮膚のがん・メラノーマを解説

色素細胞が高密度に集まった斑点

誰の顔にも1つや2つは見つかりそうなほくろ。その語源は古くは「ははくそ」。母の胎内でくっついたカスと考えられていました。鎌倉時代には「ははくろ」ともいわれ、それが転じて「はうくろ」という言い方も生まれ、今のように「ほくろ」と変化したのは室町時代――と言われています。

ほくろの正体は、皮膚の表面(表皮)にある色素細胞(メラノサイト)が高い密度で集まってできた斑点(はんてん)。色素細胞は表皮の下のほうに一定間隔で離れて存在していますが、かたまって増えることがあり、それがほくろです。顔だけでなく体のどこにでも見られ、その数は日本人なら平均30個くらいはあるとか。

紫外線の当たる場所、特に顔にできやすい

ほくろの大きさはほとんどが直径5~6mm以下ですが、ごくまれに10 mmを超えるものができることもあります。形は、平坦なしみ状のものもあれば少し盛り上がったものも。
生後数カ月からでき始めて少しずつ増え、30歳を過ぎる頃からは新しくできるものは減ってくると言われます。そもそもなぜほくろができるのか、その理由は分かっていません。

ほくろが褐色や黒色なのは色素細胞がつくり出したメラニン色素のせい。皮膚が紫外線を浴びると色素細胞は褐色や黒色のメラニン色素をつくって表皮細胞に分配。これによって表皮細胞の遺伝子が紫外線の障害を受けないように守っています。
したがって、ほくろのできやすい場所は紫外線の当たる部分。顔が最も多く、次いで首、腕、手、肩など。

ほくろに似た皮膚のがん・メラノーマ

ほくろは良性のできもの(腫瘍)で体には無害ですが、一見ほくろに似ている厄介者が、メラノーマ(悪性黒色腫)という悪性の腫瘍(がん)。色素細胞ががん化したものと考えられていて、がん細胞がメラニン色素を多量につくり出している場合が多いので主に黒色をしています。
子どもにできることはほとんどなく、30歳以降にできるのが一般的。日本人にはまれながんですが、足裏や手のひら、手足の爪などにできやすいとされています。

●思春期以降に気づいた7 mm以上のほくろは要注意
一般的なほくろがメラノーマに変化することはほとんどありません。しかし、もしもメラノーマだった場合、ほくろだと思って放っておくと進行してしまうことも。思春期以降に初めて気づいたほくろが大きくなっていたら、皮膚科の専門医に診てもらったほうがよいでしょう。
受診する前に自分で疑ってみるチェックポイントがあります。

・直径が7mm以上(鉛筆の断面くらい)
・思春期以降にできて少しずつ大きくなっている
・形がいびつ(対称形でない)で色むらがある

切除したいなら皮膚科や形成外科へ

ほくろは良性のできものなので取り除く必要はありませんが、どうしても気になる場合、自分で刃物などを使って取ろうとしたりせず、医療機関を受診してください。傷跡が変形したりする危険がありますし、もしもほくろではなくメラノーマだったら、刺激を与えてしまってほかの場所に転移する危険性もあるからです。

切除は皮膚科や形成外科でやってもらうのがよいでしょう。メスで切除する以外に、炭酸ガスレーザーや電気療法、凍結療法などの方法があります。

(編集・制作 (株)法研)

2014年10月公開記事

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がん根治のための新たな治療法の選び方-3つのポイントとは?

治療方針を主治医に任せっぱなしでは、根治できない?
手術・抗がん剤・放射線の3大療法以外にも、取り入れることができるがんの治療法とその選び方を紹介。

がん根治のための新たな治療法の選び方-3つのポイントとは?

2人に1人ががんになる! でも治療の選択肢は3つだけ

日本人は2人に1人が一生に一度はがんにかかり、3人に1人はがんで亡くなる、世界有数のがん大国。なのに、治療法の選択肢は少ないのが現状です。がんといえば、「手術・抗がん剤・放射線」の3大療法が“標準治療”とされています。もしあなたが、がんで病院に行ったら、これらの組み合わせで治療が行われることがほとんど。その結果「これ以上の改善は見込めない」となると、ホスピスなど終末医療しか残っていません。3大療法を行っても、多くのがんは再発するのに、再発の予防法がないのです。

標準治療は、がんを破壊消滅させることを目的とした治療。しかし同時に、免疫の強化や、自然治癒力を高めるなど、多角的な対策を行わないと根治はできません。また3大療法では、痛みや食欲不振など患者の苦痛が大きいですが、その対策が不十分。
すばるクリニック院長の伊丹仁朗先生は、こうした現状に疑問を持ち、30年以上前からがんを根治させる方法を探求しています。現在は、自分のクリニックで17種類ものがん治療法を実施。伊丹先生は、自分がもしがんになったら、手術や放射線での治療は行いますが、抗がん剤は使わないそう。多くの代替療法で、がんを治し再発を防ぐ方法を選ぶと言います。

3大治療以外にも、科学に裏付けされた治療法はある

代替療法とは、一般的な病院で行われる、通常の治療法以外のもの。その内容は幅広く、漢方などの伝統医学、薬草などを用いた民間療法や、サプリメントなどの栄養療法から、がんへの効果を検証中の「最先端治療」も代替療法に含まれます。中には高額な治療費がかかる方法もあるので、見極めて取り入れることが必要です。

がん根治のための新たな治療法の選び方-3つのポイントとは?

伊丹先生は、3大療法以外の治療法を選ぶ基準として以下を挙げています。

1、副作用がほとんどない
2、科学的な裏付けがある
3、治療費が比較的安い

こういった条件に当てはまる治療法を「早く始めて長く続ける」、また「作用の違う方法を多く組み合わせる」のがポイント。科学的に実証されていて、かつ何百万という高額な費用がかからない治療法はあります。

新しい研究発表が続々! 自分でできるがんを根治させる情報

さらに、ほかにもがん治療を強力アシストしてくれる情報があります。まず、九州大学などの研究によると、進行性の胃がんの患者に胃薬で処方されるイルソグラジンを投与したところ、わずか2カ月でがんが消え、再発しませんでした。投与した量は1日4g。安価な薬ですし、がんの治療では胃薬を処方されることが多いので、医師に“私にはイルソグランジンが効くので処方して”と言えば大丈夫です。

また、女性の場合、乳がん手術は再発しにくい日と再発しやすい日があることがわかりました。英国の研究で、乳がん手術を受けた96人の10年後を追跡調査したところ、「卵胞期」の手術は40%、「黄体期」だと72%と生存率に大きな違いがあるというのです。卵胞期にNK細胞の活性が低下するため、再発率が高くなるのがその理由。乳がん手術は、月経終了後12日以降で、次の月経開始までの“大安日”を選ぶとよいでしょう。

がんの治療の新しい研究結果はどんどん発表されています。すべてを主治医に任せることはせず、自分でも知識を深めて治療に取り組むことが、がんの根治につながるはずです。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

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私に払えるの? 知っておきたい【女性のがん】にかかるお金

【お話を伺った人】早川幸子(はやかわ・ゆきこ)さん

医療や民間保険、社会保障に関する記事を週刊誌等で発表。著書に『読むだけで200万節約できる!医療費と医療保険&介護保険のトクする裏ワザ30』(ダイヤモンド社)。

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【お話を伺った人】増田美加(ますだ・みか)さん

女性のための健康と医療に関する執筆、講演を行う。女性誌でも多数連載。「NPO法人 みんなの漢方」理事長として、漢方の普及にも努める。著書に『患者力』(講談社)他。

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有名人のがん告白などの報道に触れると、「もしも私ががんにかかったら……」と不安になりますね。「手術の費用は何百万?」「治療が長く続いたら?」「働けなくなって収入がなくなったらどうするの?」等々、お金の悩みも尽きません。
そこで、実際にがん治療にかかる費用や安く済ませる方法について、女性医療ジャーナリストの増田美加さんと、医療・保険ライターの早川幸子さんに伺いました。

がんは早く見つかれば見つかるほど、治療費は安くすむ

がん治療にはお金がかかりそうなイメージが。実際に、手術や化学療法、ホルモン療法、放射線療法などには入院も伴い、数十万がかかります。

「まず知っておきたいのは、がんは早い段階で見つかるほど、治療費が安く済む上、体への負担も少ないということ」と教えてくれたのは、増田美加さん。

「たとえば子宮頸がんの場合、早期なら子宮の入口だけの切除で済み、日帰りや1泊2日の入院手術でかかるお金は約5~8万円です。一方、がんが進行して、子宮をすべて摘出したり、手術の範囲が周辺部にまで及ぶ場合は、2週間の手術入院で約25~35万円が必要になります。
乳がんの場合、検診で発見された早期の0期だと、手術と放射線治療だけで済むことも多く、3泊4日の手術入院と放射線で約25万円。一方、やや進んだがんで、乳房を残す手術を行ったり、再発予防やホルモン療法を症状に合わせて行った場合は、1週間の手術入院と治療全体で、1年目で約66万円、2~3年目で約16万円、4~5年目で約14万円が目安になります」(増田さん)

早期発見できれば生存率が高いことももちろんですが、治療費の負担を軽くするためにも、毎年の健康診断や乳がん検診や子宮頸がん検診をきちんと受けることが大切です。

100万円かかっても9万円で済む「高額療養費制度」を活用

とはいっても、早期発見の乳がんでも25万円という金額に、「とても私には払えない……」と思った人もいるのでは? 

「日本には、高額な医療費がかかっても一定金額以上を払わなくていい『高額療養費制度』があります」と教えてくれたのは早川幸子さん。

「たとえば、医療費が100万円かかっても最終的な自己負担額は約9万円(70歳未満で、月収28万~50万円の場合)。病院の窓口ではいったん100万円の3割である30万円を支払いますが、申請すると9万円を超える分は後から返還されます。
限度額は年齢や収入によって異なり、2015年1月の改定によって、月収53万円以上の人は自己負担額が増え、月収26万円以下の人は負担が減ることになりました」(早川さん)

ただし原則として申請しないとお金が戻らないので、申請を忘れずしっかり活用を。また、戻ってくるとはいえ、一度窓口で自己負担額を払わなければいけないので、現金の準備は必要です。
「加入している健康保険で『限度額適用認定証』をもらうと、最初から限度額までの支払いだけで、払い戻し不要に。
また、上限の約9万円まで払う月が1年で3回以上あったら、4回目からは上限金額が4万4400円(収入により金額には差があります)になるので、長期治療が楽になります』(早川さん)

医療費に回せる貯金が100万円あれば、がん保険はいらない

世界一、健康保険が充実している日本ですが、それでもがんに備えて民間のがん保険に入っておきたいという人もいることでしょう。

「確かにがん保険は『診断時に100万円』といった給付金が心強いもの。逆に言えば、医療費に回せる貯蓄が100万円あれば、あえてがん保険に入る必要はないと言えます。
ただし、子育て中などでお金を貯める余裕がない場合や、貯金があっても教育費やローン返済などで使い道が決まっている場合は、がん保険に入っておくのも一つの手段です」(早川さん)

医療の進歩で技術が進み、がんは治る可能性のある病気になってきています。その分、治療費だけでなく、がんの治療をしながら生活をする上での備えも大切になることも知っておきましょう。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

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お酒が弱い・飲めない人は飲酒を断るべし!【アルハラ撃退法】

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お酒を飲む女性が増えています。1954年には13%だった女性の飲酒者が、2008年には62%に急上昇(男性は68%から83%に)。また、20~24歳の飲酒率は男性が83.5%であるのに対し、女性が90.4%と、女性の方がお酒を飲む人が多くなっています。
仕事でも人間関係でも家庭でもストレスの多い女性の息抜きとして、また、コミュニケーションの手段として、お酒はすっかり定着。「女子会」ブームや、女性にも飲みやすいおしゃれなお酒の登場も、女性の飲酒を後押ししています。その一方で、お酒の量を過ごして体調を崩す人や、お酒が飲めない人が肩身の狭い思いをしたりする女性も増加。実は、女性は男性よりも体質的に「お酒に弱い」ので、お酒とのつきあい方には注意が必要なのです。

女性のカラダは男性よりアルコールに弱い

女性が男性よりお酒に弱い理由は、男性に比べて「肝臓が小さいこと」「女性ホルモンがアルコールの分解を妨げること」「体内水分量が少ないこと」などです。
肝臓が小さいために女性は男性よりもアルコールの処理に時間がかかり、女性ホルモンがアルコールの分解を妨げることもあって、アルコール代謝能力は男性の4分の3程度しかありません。また、体内水分量が少ないと、血中アルコール濃度が高くなりやすいため、同じ体重・同じ飲酒量であっても、男性よりも血中アルコール濃度が高くなります。

そのため、女性は男性に比べるとアルコール依存症になりやすいのです。また、肝硬変の患者年齢も男性よりも若い傾向にあります。そのうえ、乳がんや骨粗しょう症のリスクも飲酒量とともに高まることからも、大量飲酒は女性のカラダにとって大きなダメージを与えることがわかります。

アルコールで「がん発症リスク」が高まる体質もある

中でも体に悪いのが、「お酒に弱い人が無理して飲む」こと。日本人の約半数は、アルコールが代謝されてできる毒性の強い「アセトアルデヒド」という物質を分解する「アセトアルデヒド脱水素酵素」の働きが弱く、生まれつき「お酒に弱い人」です。ちなみに、ヨーロッパ系白人、アメリカ先住民、アフリカ系黒人にはこの酵素の働きが弱い人はおらず、お酒に強い人種ということになります。
「アセトアルデヒド脱水素酵素」の働きは遺伝子によって決められており、生涯変わることはありません。お酒が弱い人も飲む回数が増えると強くなるというのはウソ。お酒に慣れることはあっても、体質は変わらないのです。このタイプの人は飲酒によって、がん発症リスクが高くなることがわかっており、無理して飲むことは寿命を縮めることにもつながります。

断りたくても断れない人には遺伝子検査もおすすめ

飲めないお酒を強要する「アルハラ(アルコールハラスメント)」は、断固として断ることで、自分の体を守りましょう。気が弱くて断れないという人は、「アルコール感受性遺伝子検査」を受けてみることをおすすめします。唾液や爪、頬の内側の組織などから遺伝子を分析してアセトアルデヒド脱水素酵素の活性タイプを判定、アルコールに対する感受性と、飲酒によって将来、健康に対してどんな影響が出やすいかを分析します。
価格は5000円~1万円前後で、中には体質を記したカードを発行してくれるところも。「ドクターストップがかかって」と言えばお酒を強要されないように、「遺伝子検査でアルコールがダメと出たので」と言えば、堂々と断ることができるはずです。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

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