(編集・制作 (株)法研

目の疲れやドライアイには「温め」や「保湿」が効果的。
蒸しタオルで目を温めると、使いすぎによる目の筋肉疲労やドライアイが改善、全身もリフレッシュ!

夕方に起きやすい「見えにくさ」は、目の中の筋肉疲労が原因

パソコン作業(VDT作業)などを長時間続けたとき、だんだん目がしょぼしょぼして焦点が合わなくなり、かすんで見えにくくなることがあります。ドライアイや白内障の眼科専門医である後藤英樹先生は、このような目を使いすぎたときに起こる症状について「とくに、仕事の疲れがたまる夕方、そして1週間の疲れがたまる週末(金曜日)に多いことから、「夕方老眼」「週末老眼」などと呼ぶこともあります」といいます。

後藤先生によれば、その背景にあるのは目の中で起こっている筋肉疲労です。目の中には「水晶体」というレンズがあり、これは「毛様体筋」という筋肉によって支えられています。この筋肉が緊張(収縮)することによって水晶体の厚みが変化し、見たいものへのピント合わせをしているのです。

パソコンで細かい文字や模様を追い続けているときや、デスクワーク、針仕事など細かい作業をするときは、ピントを調節し続けるために、毛様体筋も緊張し続けなくてはいけません。そこで、ちょうどハードなスポーツをした後に起こる筋肉の凝りと似たことが、目の中でも起こっているというのです。

オフィスで気になるドライアイも、目の疲れの原因

一方、ドライアイはかつて「涙が出ないために目の水分が不足する」タイプが主であると考えられてきました。しかし、最近問題になっているのは、眼球をおおっている油膜が薄くなり、水分がどんどん蒸発してしまう「蒸発亢進」タイプのドライアイです。

疲れ目の大きな原因とされるパソコン画面の見すぎ、つまりVDT症候群(テクノストレス眼症、 IT眼症)は、この蒸発亢進型ドライアイの原因でもあります。
目を酷使しているときはまばたきが減り、目の潤いが減りがち。それが「乾き」として自覚される場合もあれば、ぼやける、かすむ、しょぼしょぼする、目の疲れなどのさまざまな症状になって出ることもあるのです。

疲れた目やドライアイを蒸しタオルで温めると、症状が改善

さて、こうした疲れ目やドライアイについて、「目を冷やすとすっきりする」と思っている人もいるかもしれません。しかし、そんなときはむしろ「温め」や「保湿」が効果的なことがわかりました。

後藤先生らは、まず連続したパソコン作業により「夕方老眼」、「週末老眼」の状態が起こっている人の目を蒸しタオルで温めることにより、ピント調節力がどのように変化するのかを調べました。

この実験は(1)40度の蒸しタオルを1本使って3分間温める、(2)同様に40度の蒸しタオルを5本使って2分ごとに交換し10分間温める、という2つの方法で行われ、どちらの方法でもピント調節力の回復が認められました。

また、ドライアイによる症状についても同じ実験をしたところ、「見えやすい」「明るく見える」などについて、3分でも10分でも改善効果が見られました。特に10分間温めたときには、ドライアイを調べる眼科検査である涙液層破壊時間(*)の改善にも効果がみられました。
(* 涙の質を調べる検査で、まばたきをして涙液が角膜を覆ってはじけるまでの時間を調べる)

「夕方老眼」「週末老眼」のような症状を防ぐためにも、目を使いすぎたと感じるときには、早めに蒸しタオルで目の「温め」と「保湿」を行って毛様体筋のこりをほぐし、疲れを翌日に持ち越さないようにしたいもの。蒸しタオルは、目を保湿してドライアイの改善にも役立ちます。
最近では、目を温めたり保湿するヘルスケアグッズも発売されています。こうしたものを利用するのもよいでしょう。

ただし、目のかすみやぼやけの症状には、治療の必要な疾患が隠れている場合もあります。いつまでも症状が続くときは無理をせず、眼科を受診することも必要です。

目を温めて全身もリフレッシュ。美的効果も?

後藤先生は「目はいろいろな神経の集まっている場所。蒸気などで目に適度な水分を与えながら温めることは、全身へのリフレッシュ効果も期待できるのでは?」といいます。
実際に、飲食店などで出される温かいおしぼりを目にのせると目だけではなく全身のコリがほぐされて心地よい、ということを日常生活の中で経験したことのある方も多いでしょう。

また、「別の研究では、ドライアイを改善することで、瞳の輝きが増すという結果も出ています」と後藤先生。これはちょうど、皮膚が乾燥すると肌色につやがなくなり、カサカサして見えるということと同じなのでしょうか。

目の印象で、人の印象は変わるもの。鏡を見て目もとがどんよりしていると感じるときも、目を「蒸気で温める」方法を試してはいかがでしょう。

<疲れ目やドライアイをケアする方法>

●蒸しタオルや目の保湿グッズなどで目を温める
●お茶を飲むときに湯気を目に当てたりする工夫もよい
●保湿用の目薬を使用する(花粉症用の眼鏡型カバーなども有用)
●室内が乾燥しすぎないようにする(エアコンに注意する)
●パソコン画面などを見るVDT作業では画面の位置環境をよくする
●パソコンや携帯電話などを見る作業をあまり長く続けない(長時間の近業、凝視作業を避ける)

※この記事は2009年11月に配信された記事です

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