実は多い『女性の排尿トラブル』原因と対策|受診が恥ずかしいを克服しよう

【お話を伺った人】巴 ひかる先生

(社)日本泌尿器科学会「女性泌尿器科医の会」委員長 東京女子医科大学東医療センター泌尿器科講師 1983年東京女子医科大学医学部卒業、1987年同大学院修了。同大学泌尿器科学教室に入局し、200…

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(編集・制作 (株)法研

女性特有の臓器や構造による排尿トラブルなどに対処。
泌尿器科のお医者さんを必要とする女性がますます増加。女性が安心して泌尿器科にかかれるしくみを!

恥ずかしくて受診しづらい泌尿器科 女性医師の割合は?

排尿トラブルなどの泌尿器にかかわるトラブルや病気は年とともに増えてきますが、女性の場合、尿道の構造や、妊娠・出産などが原因で起こる排尿トラブルなどが若いうちからみられます。

この泌尿器のトラブルを診てくれるのは泌尿器科ですが、泌尿器科を専門とする医師は、全国の医師数全体の2.3%しかいません(*)。また、泌尿器科の領域である腎臓・尿管は男女共通ですが、尿を排出する臓器(膀胱~尿道)やその周辺の生殖器などは、構造が男女で大きく異なるため、性差に基づいた医療が必要です。

また、これらの領域のトラブルは恥ずかしさが先に立って受診しづらいもの。「男性の先生ではちょっと……」という女性も当然いることでしょう。このような課題を解消するには、女性特有の泌尿器科のトラブルや病気のことがわかる、女性の医師を増やすことが必要です。医師として女性泌尿器科を専門とするのに男女差はありませんが、女性泌尿器科医のほうが患者さんと気持ちを共有しやすい面もあります。

しかし現実には、泌尿器科を専門とする女性医師は、全国の医師数全体の0.5%に過ぎません(*)。また、2007年度中に(社)日本泌尿器科学会に入会していた7584人中、女性は304人(約4%)にとどまり、他の診療科と比べても最低レベル。これを都道府県別にみると、女性泌尿器科医ゼロという県もあり、半分以上の県が5人以下でした。

このような現状を何とかしようという動きも出てきています。2006年1月、(社)日本泌尿器科学会のなかに「女性泌尿器科医の会」が誕生したのです。同会は女性泌尿器科医の増員・育成を通して、女性泌尿器科疾患の予防・治療が円滑に行える社会を目指し、学会内外で活動しています。

(*)厚生労働省/2006年『医師・歯科医師・薬剤師調査』より

排尿トラブルの主な原因とは?

泌尿器科を受診する女性の多くは、排尿トラブル、すなわち「トイレが近い」「急にトイレに行きたくなりがまんできない」「尿がもれる」「尿が出にくい」「排尿後も尿が残っている感じがする」といった症状がきっかけになっています。

その原因の一つに、「骨盤底筋群のゆるみ」があります。骨盤底筋群はおなか側の恥骨とお尻側の尾骨との間にある複数の筋肉や靭帯で、ハンモック状にその上部の子宮、膀胱、直腸といった臓器を受け止め、支えています。

この骨盤底筋群は妊娠や出産、肥満や年をとることで損なわれ、ゆるみによって尿道を支えきれなくなると、咳やくしゃみなどおなかに力が入ったときに尿がもれてしまう腹圧性尿失禁を招きます。また、子宮、膀胱、直腸が腟の中に下がったり、さらには腟から体の外に出てきてしまうことがあります。それぞれ子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤と呼ばれ、総称して骨盤臓器脱(性器脱)といいます。いずれも膀胱や尿道に影響を及ぼすために排尿トラブルを伴うことになります。

骨盤底筋群のケアが有効な場合も

女性に多い泌尿器科の病気はこのほか、頻尿や切迫性尿失禁をともなう過活動膀胱、細菌性尿路感染による膀胱炎、心因性頻尿、そして原因不明の間質性膀胱炎などです。
更年期前後から増えてくる病気が多いものの、若い人にも多い、また若いころから予防やケアが必要な病気を含んでいることも女性の泌尿器の病気の特徴といえるでしょう。

なかでも最も訴えの多いのは前述の腹圧性尿失禁です。それを予防するための骨盤底筋群のケアはとても重要です。次いで多いのが切迫性尿失禁。トイレに行きたいと思ったら、がまんできずにもれてしまうのが主な症状で、こちらに対しても骨盤底筋訓練は有効といわれています。

膀胱炎は多くが細菌感染によるもの。細菌が尿道に侵入した場合、尿道が約4cmしかない女性はすぐに膀胱にまで達してしまうのです。同じ膀胱炎でも、間質性膀胱炎では尿中に菌を認めません。尿がたまってくると下腹部・尿道・腟のあたりに強い痛みを伴い、排尿すると楽になるため何度もトイレ通いをする結果、頻尿となります。患者さんにとって大きなストレスとなりますが、まだ原因がよく分かっていません。

以上のようなトラブルをかかえていても、どこを受診したらよいのかわからない人も多いでしょう。最近は「女性泌尿器科外来」を開設する医療機関が増えてきました。インターネットやガイドブック(『女性泌尿器科外来へ行こう』法研 など)で最寄りの女性泌尿器科を探してみましょう。

※この記事は2009年8月に配信された記事です



女性の10人に1人は子宮内膜症のおそれ…痛みや症状について

ノーイメージ

【お話を伺った人】高山 雅臣先生

東京医科大学名誉教授 東京医科大学大学院卒業。1991年、東京医科大学産科婦人科学主任教授を経て現在に至る。日本産科婦人科学会、日本産科婦人科内視鏡学会など多数の理事を務める。医学博士、メディカル…

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(編集・制作 (株)法研

20〜40歳代の女性に急増しており、推定患者数は12万人。生命を奪われる疾患ではないが、耐えがたい痛みが特徴で、腸に転移したり、卵巣のなかでがん化するケースも。

女性の10人に1人は子宮内膜症のおそれ…痛みや症状について

子宮・卵巣周辺のいたるところに発生する子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮内膜(子宮の内側の粘膜組織)あるいは子宮内膜症によく似た細胞が、子宮以外の場所に増殖してしまう病気です(図参照)。子宮以外の場所とは、たとえば卵巣、卵管、直腸と子宮の間(ダグラス窩)などで、ときには肺のなかまで発生します。

子宮内膜症がやっかいなのは、それらの場所で子宮内膜症に似た細胞が増殖し、月経と同じように周期的に出血を起こしてしまうからです。子宮内であれば月経として体外に排出されるはずの組織が、排出経路がないため小さな血液のかたまりとして体内にたまってしまうのです。こうした血のかたまりは、やがて周囲の細胞組織と癒着し、強い痛みをともなうさまざまな障害を引き起こします。

QOL(生活の質)を大きく低下させるほどの痛み

日本では月経のある女性の10人に1人は子宮内膜症をもっているといわれ、とくに20〜40歳代の女性に急増しており、現在、治療を受けている人は12万人、潜在患者数は200万人とも推定されています。

子宮内膜症は、発症する部位によって表のように3つに大きく分類されます。そして、これらの発症する部位にかかわらず、子宮内膜症に起こる大きな特徴のひとつが「疼痛(とうつう)」です。この特徴により世界子宮内膜症学会では、子宮内膜症を「再発性の慢性疼痛疾患」と位置づけています。つまり、ズキズキとしたうずくような痛みが継続して起こる病気ということです。

痛みは月経痛、下腹部痛、腰痛、性交痛、排便痛などさまざまで、子宮内膜症が発症する場所によっても異なります。しかし、これらの痛みが子宮内膜症にかかっている女性たち共通の悩みであり、痛みによって会社を休まざるを得なくなったり、性生活が営めないなど、QOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を大きく低下させるほどの「疼痛」に苦しめられるケースもまれではありません。

放置しておくと子宮や卵巣を失うことも

子宮内膜症は基本的には良性で、直接的に生命に影響を及ぼす疾患ではありませんが、治療をしないまま放置しておくと、月経痛がくりかえし起こったり、しだいに性交痛や排便痛などをともなうようになります。不妊の原因が子宮内膜症であるケースも少なくありません。

また、内膜症が深部へもぐり込んで直腸に増殖すると下血が起こったり、膀胱に増殖した場合は血尿が出たり、さらには腸に転移したり、卵巣のなかでがん化するケースもあるというように、非常にやっかいな側面のある疾患です。最悪の場合は、子宮や卵巣を失うことにもなるため、なによりも早期発見が重要となる婦人科疾患のひとつです。

(「子宮・卵巣の病気を防ぐ」高山雅臣編著、法研より)

※この記事は2005年10月に配信された記事です

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女性はあそこがゆるみやすい…『骨盤底』を鍛えて早めのケアを!

【お話を伺った人】竹山 政美先生

健保連・大阪中央病院泌尿器科部長 1979年大阪大学医学部卒業、86年同大学大学院医学研究科博士課程修了。健保連・大阪中央病院泌尿器科勤務。98年「神経・尿失禁外来」(02年「女性のための泌尿器科…

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(編集・制作 (株)法研

女性の体にとって大事な「骨盤底」を鍛えましょう。骨盤底の筋肉がゆるむと、さまざまな障害が。簡単にできる体操で日頃からケアしましょう。

筋肉のゆるみをガードしよう!

骨盤底は、骨盤の下にあるハンモック状の筋肉群。膀胱、子宮、直腸などの腹部臓器を支えていて、筋肉にゆるみができると、尿もれ、尿意の切迫感、性器脱など、さまざまな障害が起こります。

筋肉は、肥満や妊娠、さらに加齢によって、ゆるみやすくなります。ゆるんでから回復させるのは、なかなか大変。とくに、骨盤底は排尿や排便などの機能にも係わっているため、日常生活にもさまざまな影響が。
骨盤底の筋肉は、幸い、手足の筋肉と同じで鍛えやすい組成ですから、早めにケアしておくといいでしょう。毎日手軽に行える、簡単な体操を紹介します。

女性はあそこがゆるみやすい…『骨盤底』を鍛えて早めのケアを!

基本姿勢はあおむけ

骨盤底筋は、手足の筋肉と同じ横紋筋という筋肉でできています。だから鍛えることが可能です。
以下の、A、B、Cの体操を、最低、朝昼晩3回行うといいでしょう。腹筋に力が入ると逆効果なので、リラックスするためにまずあおむけになり、両足を立てた体位(基本姿勢)で始めます。3ヶ月くらいで、効果が現れます。

【骨盤底体操の方法(基本姿勢)】

A.基本姿勢(あおむけの姿勢で)
1.あおむけになり、リラックスしてゆっくり腹式呼吸をします。
2.リラックスできたら、まず速い動きで肛門を締める動きを繰り返します。
初めのうちは片手をおなかの上に置き、腹筋に力が入らないよう注意しながら、片手を会陰部においてその部分の筋肉が締まるのを確認しながら行います。リズミカルに「締めて・ゆるめて」を10回くり返します。
3.次に持続力を鍛えます。肛門を締めたまま、声を出して1から10まで数えます。その後ゆるめます。最初は10まで数える前に力がゆるんでしまいますが、かまいません。30秒ほどリラックスしたら、2回目を始めます。10回終了したら1セット終了です。

毎日続けると効果的

次は、体操の応用編。立ったまま、あるいはいすに座って行う方法をご紹介します。この体操はどこでもできるのがメリット。根気よく、毎日続けてみましょう。

【骨盤底筋体操の方法(応用編)】

B.立った姿勢で
1.机やテーブルの前で、足を肩幅に開いて立ちます。
2.両手も肩幅に広げ、手のひらを机やテーブルの上に置きます。
3.上体の重さを腕にかけ、背中はまっすぐに伸ばし、顔は正面を見ます。
4.肩とおなかの力を抜いて、肛門と膣、尿道口を締めます。
キッチンで調理をしているときなど、流し台やテーブルを利用して、気軽に行うといいでしょう。

C.いすに座った姿勢で
1.いすに深く座り、両足を肩幅に開きます。
2.背中を背もたれにつけてまっすぐ伸ばし、顔は正面を見ます。
3.肩とおなかの力を抜いて、肛門と膣、尿道口を締めます。
電車の座席に座っているときや、家でテレビを見ているときなど、日常的にできる体操です。

骨盤底筋体操は、一度にまとめて行うと疲れて長続きしないので、1日のうちに何回にも分けて行うといいでしょう。効果が出るまで1~3ヶ月はかかりますが、手軽にできて動きもそう大きくないので、電車に乗っているときなど、空き時間を利用して日課にしたいものです。

(「女性泌尿器外来へ行こう」竹山政美著、法研より)

※この記事は2006年10月に配信された記事です

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女性の体にとって『骨盤底』が大事な理由|20~30代からケアを!

【お話を伺った人】竹山 政美先生

健保連・大阪中央病院泌尿器科部長 1979年大阪大学医学部卒業、86年同大学大学院医学研究科博士課程修了。健保連・大阪中央病院泌尿器科勤務。98年「神経・尿失禁外来」(02年「女性のための泌尿器科…

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(編集・制作 (株)法研

骨盤底は、女性の腹部臓器を支える重要な部分です。骨盤底の筋力が弱ると、尿もれなどの不調がおこります。あなたもチェックしてみましょう。

知る人ぞ知る、大事な筋肉

「骨盤底」と聞いても、「ナニ?それ」と首をかしげる人が多いのではないでしょうか。

骨盤底は女性の体にとって、とても重要な役割を果たしています。骨盤底は骨盤の底にあり、腹部臓器を支えている部分で、筋肉や繊維組織で形成されています。
骨盤底筋は、体の前面にある恥骨、後ろの尾骨の間をつないで、ハンモック状のかたちをしています。人類が二足歩行をはじめた頃から、骨盤の底に腹部臓器の重みがかかるようになり、骨盤底が、それを支える役割を果たすようになりました。
膀胱、子宮、直腸など、骨盤内臓器を、骨盤底のハンモック状の筋肉群、じん帯など支持組織が協力して、しっかり支えています。そしてそれ以外にも、蓄尿、排尿、排便などに重要な役割をつとめています。排尿などの機能には、神経と筋肉が協調して、高度なはたらきをすることが必要。

そのため骨盤底は、婦人科のみならず泌尿器科では重要なキーワード。骨盤底を健康に保つことが、QOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)に大きく影響するのです。

女性の体にとって『骨盤底』が大事な理由|20~30代からのケアを

肥満、妊娠によって筋肉がゆるむ

骨盤底がゆるんだり、断裂したりすると、尿もれや性器脱、尿意切迫感など、さまざまな障害がおこります。尿もれは、中年以降の女性に多いとされていますが、若い女性にもおこります。
さらに性器脱という、ショッキングな症状も。性器脱は、子宮、直腸などの内臓を筋肉が支えられなくなり、体外に出てしまう疾患です。
いずれの症状も、日常生活に深刻な影響を及ぼすだけに、早くからガードしておきたいものですね。

骨盤底のゆるみの最も大きな原因は、妊娠や出産。また、肥満による体重の増加や、更年期に女性ホルモンであるエストロゲンが減少すること、加齢によって筋肉が弱まること、などからもゆるみがおこります。

早くから骨盤底ケアを

骨盤底のゆるみが原因で起こる症状・病気は、骨盤底のどの部分の筋肉群がゆるんだかによって異なります。
たとえば、恥骨尿道じん帯や尿道を吊っている部分にゆるみや断裂がおこると、尿失禁や便失禁がおこります。症状がすすむと、尿道が脱出する、尿道瘤になります。
さらに、膣の前壁に障害がおこると、膀胱が支えきれなくなり、排尿困難、頻尿、過活動膀胱などの症状があらわれます。それがすすむと、膀胱が膣から脱出して膀胱瘤になります。仙骨子宮じん帯や、膣の後壁に障害がおきると、排尿障害、過活動膀胱、下腹部痛などの症状があらわれ、子宮脱、直腸脱、小腸脱など性器脱がおこります。

女性の泌尿器科の多くの疾患は、このような、骨盤底筋の障害によっておこります。その治療は、ハンモック状の筋肉群を修復することがメインです。
でも、筋肉群に症状があらわれる前に、20~30代から骨盤底のケアを行って、なるべく未然に防ぎたいですね。次回、PART2では、骨盤底を強化する方法をご紹介します。

私達の生涯のQORは、健康な体を得てこそ、人生の選択肢もひろがります。骨盤底ケアを行って、人生の“底力”もしっかりキープしたいですね。

(「女性泌尿器外来へ行こう」竹山政美ほか著、法研より)

※この記事は2006年10月に配信された記事です

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夏はデリケートゾーンのトラブルに注意!ムレ・かゆみ・かぶれの予防法

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【お話を伺った人】中田 真木先生

三井記念病院産婦人科医長 1981年東京大学医学部卒業後、同大学産婦人科学教室入局。1991年フランス政府給費研究生(研修先はオテル・デュー・ド・パリ産婦人科)。東京警察病院産婦人科医幹を経て、2…

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(編集・制作 (株)法研

生理用ナプキンによる蒸れ、かぶれ、かゆみを防ぐには? 密着させず、風通しよく、清潔に。ひどいかゆみや痛み、分泌物の増加があったら早めに受診を。

かぶれやかゆみの正体は接触性皮膚炎と雑菌の繁殖

暑い日が続きますね。ただでさえ蒸し暑いのに、月経期のデリケートゾーンは生理用ナプキン(以下ナプキン)によって密閉され、非常に蒸れやすい状態になります。
そのため、もともと角質層が薄く刺激に弱い、文字通りデリケートな外陰部の皮膚はふやけて傷つきやすくなり、かぶれやかゆみなどのトラブルが発生しやすくなります。ナプキンが触れる刺激で接触性皮膚炎をおこしたり、常に湿った状態で不潔になりやすいため雑菌が繁殖したりするのです。

多くの女性がナプキンやおりものシートによるデリケートゾーンの蒸れやかぶれ、かゆみに悩んでいるようですが、他の人に相談しにくい場所だけに、がまんして症状が進んでしまったり、市販のぬり薬でかえって悪化させてしまうケースもみられます。

蒸れやこすれが原因のかぶれやかゆみなら、ひどくならないうちに原因を取り除けば解消します。そこで、今回は月経期の蒸れない工夫、かぶれない工夫を紹介しましょう。

夏はデリケートゾーントラブルに注意!ムレ・かゆみ・かぶれの対策方法

ナプキンを密着させず、風通しをよく

むれを防ぐには、まず、できるだけナプキンを密着させず、当てている時間も減らすこと。ぴったりしたジーンズやサニタリーショーツでナプキンを密着させ摩擦し続けると、蒸れてトラブルが増加します。ガードルなどの締め付けのきつい下着やズボン、ストッキングなどは、暑い場所で長く身に着けるのは避けたほうがいいでしょう。

せめて家にいるときくらいは、風通しをよくすることを考えて、下半身を締め付けない衣類に着替えましょう。経血量が少ないときは、サニタリーショーツは外し、おりものならシートを外して何度も下着を交換します。

素材を圧縮した薄手のナプキンで陰部を密閉すると問題がおこりやすいので、少し厚手のふっくらしたものに当て換えて、皮膚とナプキンの間にすきまをつくりましょう。中心部が盛り上がっている形状のものより平らなもののほうが、すきまができやすいようです。

ナプキンには表面がやわらかいもの、表面にプラスチックメッシュがのっているものなどいくつかのタイプがありますが、こすれてかゆくなる場合はやわらかいものにするほうがトラブルが少なくてすみます。その問題がない場合は、メッシュのさっぱりした感触を求めるのもよいでしょう。

出血がほとんど治まったら、夜寝ている間はナプキンを外して風通しをはかるのがよいでしょう。本格的にかゆみの出ている人は、ショーツをはかずに直接パジャマを着て寝ることをおすすめします。パジャマはぴったりしたものではなく、ゆったりしたものにします。

夏はデリケートゾーントラブルに注意!ムレ・かゆみ・かぶれの対策方法

清潔にして、洗濯にも一工夫を

デリケートゾーンの清潔を保つことも大切です。可能であれば、月経期やおりものが多いときは、局部の汗や分泌物をふきとるかトイレのシャワーで軽く流すなどしてさっぱりしましょう。ただし、腟の内側には強力な自浄作用があり、中を洗浄する必要はありません(かえって、洗わないほうがよいことがわかっています)。
また、外陰部の皮膚が傷んでいるときに繰り返し洗うとかえって炎症をおこすので、そのおそれのあるときには、ガーゼやおしぼりなどでそっと拭うだけにしましょう。
ナプキンやおりものシートはこまめに換えます。出血や分泌物の量が少なくても、長くても4~5時間たったら新しいものに交換しましょう。

下着も汚れたらすぐに清潔なものに換えましょう。また、洗濯後の下着に残った洗剤の刺激でかぶれることもあるので、すすぎは十分に行うようにしましょう。
高温多湿の日本の夏はカビにとって天国。陰干ししたり室内に干した下着をそのまま引き出しにしまうのは、かゆくなるもとです。日光(紫外線)に当てればカビ退治になりますが、それができない場合は、干した後に、短時間でも乾燥機を使う、低温のアイロンを当てるなどカビ対策を。

かゆみがある時の注意点は?

かゆいからといってかくと、さらにかゆくなって悪循環。風通しよく清潔にして、蒸れやすい局所の環境を改善するのが一番です。市販の外用薬を使うときには注意を。添付文書に「粘膜にはつけないように」と書いてあるものは、本来外陰部にはつけてはいけないのですが、そういった薬を外陰部につけてかぶれる人が多いようです。

ひどいかゆみがある場合、カンジダというカビの一種が腟内で繁殖する「カンジダ腟炎」や、別の感染症の可能性もあります。ひどいかゆみや痛みがあったり、おりものの量が増えたりしたら、早めに産婦人科か婦人科へ受診しましょう。

一方、咳やくしゃみ、スポーツなどで尿がもれてしまう人がいます。その量には個人差がありますが、決して少ない量ではありません。そういった場合は、暑い季節もパッドが手離せません。尿もれがあるのに生理用のナプキンを使っていると、皮膚障害をおこす原因になるため、尿を吸収させる場合には、尿もれ専用パッドを使うのがよいでしょう。
尿もれ専用品は、内部に生理用パッドよりたくさんの吸収材が詰まっていて、尿がしみてもパッドの表面がじめじめしないすぐれものです(ただし、血液を吸わせるのには向きません)。最近は、売り場でも生理用品の近くに尿もれ専用品を配置し、手に取りやすくしてありますから、尿もれには尿もれ専用パッドを使ってください。

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【女性に多い貧血】体がだるい・動悸…鉄分が足りないサインとは?

(編集・制作 (株)法研

【取材協力】澤田 賢一先生 秋田大学医学部第3内科教授

鉄欠乏性貧血の患者数は推定1000万人といわれています。貧血の中では最も多い鉄欠乏性貧血。昔に比べると食糧事情は良くなっているのに鉄欠乏性貧血は増えています。

日本は“貧血列島”!!

近ごろ、体がだるい。肌に血の気がなく、動悸や息ぎれがする…。こんな症状がある人は、鉄欠乏性貧血の可能性を疑ってみましょう。

鉄欠乏性貧血は、最も頻繁に見られる貧血。全身に酸素を運ぶヘモグロビンは鉄とたんぱく質でできていますが、体内の鉄が不足するとヘモグロビンの数が減少し、いろいろな臓器や組織が酸欠状態になります。これが鉄欠乏性貧血です。

もともと女性は、月経の影響で鉄を失いやすいもの。日ごろ、体内で余った鉄分は肝臓で貯蔵され、食事などからの摂取が減ってもそれを活用していますが、マイナス状態が長く続くと、鉄欠乏性貧血になってしまいます。

この病気自体は貧血の中ではいわば“ありふれた”ものですが、問題なのは、無理なダイエット、不規則な食事、偏食などの広がりにより社会的に治りにくくなっていること。秋田大学医学部の澤田賢一教授は、これまでの報告者のデータをもとに、統計に表れていない潜在型を含めて、日本女性の鉄欠乏性貧血患者は1000万人にのぼると推定しています。「いまや“貧血列島”といっても過言ではないでしょうね」(澤田教授)

【女性に多い貧血】体がだるい・動悸…鉄分が足りないサインとは?

爪が変形する人も

鉄欠乏性貧血は“ありふれた”ものとはいえ、決してあなどることはできません。肌に血の気がない(雪白感)、だるさの他、異常な眠気におそわれる、めまい、頭痛、動悸、息ぎれといったさまざまな不快症状が現れます。また、集中力が低下して、イライラや無関心に陥る人もいます。

さらに、特徴的な症状として、爪がそり返り、中心がくぼんだスプーン状になることも。これは匙状爪(しじょうづめ)と呼ばれる症状です。

このような症状が現れたら何らかの手を打つ必要がありますが、鉄欠乏性貧血は徐々に進行するため、体の方が貧血状態に慣れてしまい、そのサインを見逃すこともしばしばです。そのため、健康診断がきっかけで発見される人もあるようです。

鉄欠乏性貧血は、血液検査で鉄欠乏などを示すデータによって、容易に判明します。しかし、貧血を根本的に治すには、鉄分不足の原因をはっきりさせることが大切です。
原因としては、食事からとる鉄分の不足、過剰な喪失、吸収不全などがあげられますが、内臓器官からの出血(胃や十二指腸の潰瘍、がん、子宮筋腫など)が原因ということもあります。鉄不足の原因によっては治療法が異なる場合もあるので、鉄欠乏性貧血のサインをキャッチしたとき、あるいは健診で指摘されたときは必ず詳細な検査を受けるようにしましょう。

貧血を予防・改善するための食生活!

貧血の治療には、鉄剤が処方されるのが一般的ですが、予防や改善には、毎日の食生活を見直すことがポイントです。
まず、食事時間をなるべく規則的にすること。
3食の食事を、毎日できるだけ同じ時間にとるのがいいのです。
食事の内容は、血液(赤血球)を作るのに必要な成分は欠かさずに。次の成分を積極的にとるようにします。

・鉄分……レバー、海藻、緑黄色野菜、かき
・たんぱく質……魚、肉のささみ、赤身、牛乳、卵
・ビタミンB12……ハマグリ、イワシ、サケ
・葉酸……レバー、卵黄、緑黄色野菜
・ビタミンC……果物、野菜

【女性に多い貧血】体がだるい・動悸…鉄分が足りないサインとは?

ビタミンCは鉄分の吸収を助けます。また、香辛料、酸味のあるものなども、胃散の分泌をうながし食欲を高め、鉄分の吸収をスムーズにするので、とり入れるといいでしょう。

忙しい毎日、仕事や恋愛にパワフルにとり組みたくても、貧血状態ではむずかしい……。鉄分を意識的に摂取して、いつも“活動スタンバイ”OKな、元気な自分でいたいですね。

(「健康のひろば」、法研より)

※この記事は2006年9月に配信された記事です

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