健康診断で分かる病気ってなに? 毎年検診を受ける理由とは

【お話を伺った人】御供 泰治

愛知きわみ看護短期大学学長 名古屋市立大学名誉教授 1966年名古屋市立大学医学部卒業、71年同大学院修了(医学博士)、71~73年米国スローン・ケッタリング癌研究所留学。愛知県がんセンター研究…

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(編集・制作 (株)法研

「面倒くさい」などと言ってていいの? 受ければわかる・受けなければわからない、体のいいとこ・悪いとこ。

健診はお金を払ってでも受けてほしい

2008年4月から、40~74歳のすべての人を対象に、メタボリックシンドロームを早期に発見する新しい健診(特定健診)が始まります。

ところで、みなさんの中には「健康診断」というと、「何だか面倒くさい」とか「いまは健康だから別に受けなくてもいいよ」など、ともすれば敬遠したくなる人も少なくないでしょう。でもちょっと待ってください。健康診断、略して健診は、本当は敬遠するどころか、お金を払ってでも受けよう、という気持ちになっていただきたいくらいのものなのです。今回は、健診の必要性と健診結果が意味することを知っていただきたいと思います。

一般的に健診というと、職場で受けられるものと市町村などが実施しているものがあります。検査項目は多少の違いはありますが、基本的には以下のようなものです。

  • 問 診:ふだんの健康上の問題などを聞き取ります
  • 身体計測:身長、体重、視力、聴力を測定します
  • 血圧測定:収縮期血圧(最高血圧)、拡張期血圧(最低血圧)を測定します
  • 血液検査:貧血の有無、肝機能、糖尿病・動脈硬化・痛風の危険性などを調べます
  • 尿検査:糖尿病・痛風の危険性や、腎臓から尿道までの尿の通り道の異常を調べます
  • X線検査:肺や胃の異常を調べます
  • 心電図検査:不整脈、狭心症、心筋梗塞、心筋症などの有無を調べます
  • 超音波検査:肝臓、胆のう、腎臓、すい臓などの異常を調べます
  • がん検査:X線、便、細胞診などにより胃、肺、大腸、乳房、子宮などのがんの有無を調べます

異常が見つからなくても、それはそれで意味がある

このように項目を並べてみると、体の大切な部分をほとんどくまなく調べてもらえることがわかります。これはつまり、健診は何か体の不調を感じて受診するわけではないので、自分でも気づいていない、ましてや他人が見てもわからない異常が体内のどこかに潜んでいないかどうかを、科学的に調べることを目的としているからです。

この結果、何か異常が見つかれば「やっぱり健診を受けておいてよかった」ということになるでしょうし、逆に何も異常が発見されなくても、健康体であることを確認できたことで健診の目的を果たしたことになるのです。

逃げてはいけない精密検査

では、何か異常が見つかったら、どうしますか? 健診での「異常」とは、一様に「病気にかかっている」ということを意味するものではありません。もちろん中には、ただちに治療が必要と診断されるケースもあるかもしれません。症状があらわれないため、健診を受けるまでは全く気づかなかったのです。健診の威力をまざまざと実感できるケースです。
病気かどうかわからないが疑わしいデータがあらわれているので、もっと詳しく調べてみようという結果になることもあります。この場合は改めて精密検査を受けて、事実をはっきりさせなくてはなりません。ここでありがちなのが、精密検査を受けるように指示されているのに、すっぽかしてしまう人が少なからずいることです。自分の体のことなのに、「忙しい」とか「怖い」とか何だかんだ理由をつけて逃げてしまいます。放っておけばどういうことになるか、わからないわけではないでしょうに……。

警告値が出たら生活習慣の修正を

精密検査や再検査をするほどでもないけれど、正常と異常の間のグレーゾーンか、グレーゾーンに近い高めの正常値が出ることもよくあります。こういう場合は現状の生活習慣を続けているとやがては異常値に突入してしまいますよ、という警告と受け止められます。医師からは、どうしたら正常値に戻すことができるか、食生活のしかたを中心に生活習慣を改善していくアドバイスが示されるはずです。これこそ健診の大きな目的の一つで、病気になる前の予防のためのハウツーをしっかり実践してください。

以上のことと関連して、気をつけていただきたい「勘違い」について―。健診を受けたそのことだけで、健康管理をしたつもりになってしまう人がいます。これは単純な勘違い。健診は治療ではありません。健診の結果をそれからの生活習慣の改善に上手に活かしてこそ健診の意味があります。

もう一度おさらいすると、健診は自分の健康管理のために毎年必ず受ける、治療が必要とされたら一も二もなく受診する、再検査が必要なら必ず受ける、医師からの生活指導を守る―これをしなければ、せっかく最新の科学技術を駆使した検査を受けたのに“もったいない”ことになってしまいます。“もったいない”は地球環境を守るためにいま盛んに見直されているキーワードですが、健康環境を守るためにも心しておきたいことです。

※この記事は2008年3月に配信された記事です



恋愛するとキレイになるのは本当?からだに与える意外な影響

【お話を伺った人】松下 祥先生

埼玉医科大学免疫学教授、医学博士 九州大学医学部卒業。日本では珍しいライター病の症例との出合いを契機に遺伝学・免疫学の研究者に。熊本大学大学院助教授を経て2001年より現職。アレルギー、自己免疫な…

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(編集・制作 (株)法研

自律神経がバランスよく働くとき免疫力もアップする!恋愛には、自律神経の交感神経と副交感神経を適度に働かせ、免疫系を活性化させる効果があります。

免疫力に影響を与える自律神経

ステキな恋をしていると免疫力が高まる!? これは本当のことです。恋愛と免疫力という一見何の接点もないようなこの2つが、実は根本の部分で深くかかわっているのです。白血球は、免疫系で重要な役割を果たしていますが、その免疫細胞の働きに大きな影響を与えているのが自律神経です。

自律神経は私たちの思いとは無関係に、呼吸、血液の循環、消化・吸収などにかかわる内臓の働きをコントロールしています。それによって、私たちの命を守り、生命活動を維持しているのです。

重要なのは交感神経と副交感神経のバランス

自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があり、状況に応じてどちらかが優位になるように、うまく切り替わっています。

たとえば、仕事や勉強などで緊張感を保たなければならないときは交感神経が優位になっています。また、怒りや恐怖を感じて身を守る必要があるときにも、交感神経が優位になって、体が次の行動を起こしやすいように準備体制を整えます。反対に、休息して、心身がリラックスしているときや安心感に包まれているときには、副交感神経が優位になります。

免疫系をよく働かせるためには、どちらか一方が優位になりっぱなしという状況は好ましくなく、この2つの自律神経が適度にバランスよく働いている環境が望ましいといわれています。

緊張とリラックスの切り替えが免疫力を活性化させる

では、なぜ恋愛は免疫力を高めることにつながるのでしょうか。その効果は、交感神経と副交感神経がタイミングよく切り替わることにあると考えられています。切り替えによって自律神経が活性化され、その刺激を受けた免疫系も活動的になるということです。

ステキな恋愛の最中は、いつも彼(彼女)のことで胸がいっぱいで、次のデートへの期待に胸をワクワクさせたり、彼(彼女)の言動に一喜一憂したり。幸福感と満足感に包まれる一方で、ハラハラ、ドキドキもして、交感神経と副交感神経が適度に切り替わりながらバランスよく働いているのです。だから、心も体も充実し、免疫力もアップするというわけです。

というわけで、ステキな恋をしている人は免疫力が高まり、心身ともに充実し、メリハリのある生活を送ることができるのです。

(「免疫力がアップする50の法則」松下 祥監修、法研より)

※この記事は2006年4月に配信された記事です

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歩くとツライ、外反母趾。大きめの靴を履くのはOK?正しい靴の選び方

【お話を伺った人】井口 傑先生

慶応義塾大学医学部総合医科学研究センター・整形外科教授 昭和45年、慶應義塾大学医学部を卒業。平成2年に慶應義塾大学医学部整形 外科講師、平成17年から慶應義塾大学医学部総合医科学研究センター・整…

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(編集・制作 (株)法研

外反母趾の靴選び、自宅でできる運動療法などを紹介します。親ゆびの関節が変形して起こる外反母趾。自分でできる診断法を紹介します。チェックしてみましょう。

親ゆびのつけ根部分が出っぱって、靴を履いて歩くと痛む…

そんな方は、外反母趾を疑ってみるといいでしょう。外反母趾は、足の親ゆびが小指の方に曲がる(外反する)病気です。親ゆびのつけ根の関節が飛び出して靴に当たり、痛みが生じます。はじめのうちは、靴を脱げば痛みが治まりますが、そのうち歩くだけでも曲がりが進行するようになり、ひどくなると親ゆびが第2指の下にもぐり込んでしまいます。

外反母趾の診断には、X線撮影が行われます。親ゆびの関節の出る角度(外反母趾角)が15度以上が外反母趾です。20度では軽症、20~40度は中等度、40度以上は重度の外反母趾といわれます。

また、外反母趾を自分でチェックする簡単な方法もあります。紙の上に体重をかけて立ち、足の内側のラインに線を引きます。親ゆびの一番出っぱった位置で交差する、親ゆび寄りの前側の線と後ろ側の線を分度器で測ると、つけ根の出ている角度がわかります。自宅測定の場合は、X線より角度を大きく判断し、20度以上を外反母趾と呼びます。

歩くとツライ、外反母趾。ゆるい靴を履くのはOK?正しい靴の選び方

先のとがった靴はダメ! でも幅広の靴でも痛みが

外反母趾の原因は、素質、女性、ハイヒールの3つ。外反母趾は遺伝的な疾患ではありませんが、足の形状の特徴などから、親から子へと受け継ぎやすい病気です。さらに女性の場合、筋肉が柔らかく、外反母趾に冒される割合は、男女で1対10と差があります。そして、ハイヒールなど先細の靴を履くことで、後天的に症状が悪化します。

それでは、外反母趾の症状のある人は、どんな靴を選べばいいのでしょうか。

外反母趾の人は、幅広の靴を選びがちですが、これは間違いです。ゆるすぎると、靴として足を支える力が失われ、一時的には痛みが減っても、かえって変形を進行させることがあります。

靴選びのポイントは、出っぱった部分に幅を合わせず、元の足の幅で選ぶこと。そして、出っぱった部分があたっても痛まないよう、お店でその部分の革を器械で伸ばしてもらったり、革が柔らかくなる柔軟剤を塗ってもらいましょう。

症状がひどい場合の治療法

外反母趾は、日常生活に支障がない程度なら、とくに治療は必要ありません。しかし症状が改善されないときは、装具などを使った治療を行います。 装具は、足底板や痛みを和らげるためのフットケア用品として市販されています。

足底板は靴の中敷きのようなもので、足の裏のアーチを支えます。こうした靴に入れて使う装具は、靴のゆとりに十分気をつけ、装着したとき、足に合っている状態で使用することが大切です。装具が合っていないと、かえって外反母趾の症状が進行させてしまうことがあります。 どうしても変形を治したいというときは、中足骨を切る手術が行われます。4~10日くらいの入院が必要ですが、この手術によって足の変形はほぼ治ります。

最後に、自宅でできる外反母趾の簡単な運動療法をご紹介しておきましょう。根気よく続けて、外反母趾の進行を防ぎたいものです。

[タオル寄せ運動]

椅子に座って、床に敷いたタオルを足のゆびでたぐり寄せます。足の筋肉を強化するので、へん平足などの予防にもなります。

(「クリニックQ&A」、法研より)

「歩くとつらい!外反母趾の対処法」
井口傑先生(慶応大学医学部総合医科学研究センター)
日本靴医学会

※この記事は2006年7月に配信された記事です

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睡眠中の”よだれ”に潜む意外な健康リスク

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

朝、起きたとき枕や口のまわりに、よだれのあとがついていることはありませんか? いつもついている場合は、ちょっと注意が必要。よだれの健康リスクについてご紹介します。

よだれは睡眠中に口呼吸をしているサイン

寝ている時によだれがたれてしまったという経験は誰しもありますが、起きたらいつもよだれが出ている…という人は、注意が必要です。よだれは、睡眠時に口から唾液がこぼれて出るもの。寝ている時に口が開いているため、よだれがでてしまうのです。この場合、口呼吸になっている人がほとんどで、それによりさまざまな健康リスクが起こります。

睡眠中の"よだれ"に潜む意外な健康リスク

よだれに潜む意外な健康リスク

○ 虫歯

よだれの大きな原因が「口呼吸」。睡眠時に口が開いていることで、唾液が排出されてしまうのです。ここで気になるリスクが「虫歯」。口の中は唾液で潤されることで、口内の細菌バランスをキープし、虫歯を防いでいます。しかし口呼吸をすると、口の中が乾くため、細菌のバランスが崩れます。そのため、よだれが多い人は虫歯になるリスクが高まることに。

○ 口臭

口呼吸で口の中がドライになる影響は、虫歯だけではありません。雑菌が繁殖しやすくなるために、口臭が強くなる傾向があります。

○ 風邪

よだれがでる人は、睡眠中に口が開いています。長時間口が開いているためにウイルスや細菌が入り込みやすく、風邪をひきやすくなります。また喉に炎症が起こりやすくなるので、喉の痛みを感じる人も。

○ 睡眠時無呼吸症候群

「睡眠時無呼吸症候群」とは、寝ている間、ひんぱんに呼吸が止まる症状のこと。呼吸が10秒以上、止まってしまうと「無呼吸」とされます。この無呼吸が、一晩で30回以上、または1時間に5回以上起きると、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。睡眠が浅くなることで、日中のパフォーマンスが低下するだけでなく、突然死の可能性も。原因は肥満、口呼吸、鼻炎、あごの筋力の低下などが複合的に関係しているとされます。そして、よだれは、睡眠時無呼吸症候群をしているサインのひとつ。もしかして? と思う人は、内科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。

あごの力を鍛えて口呼吸を改善

よだれがたれる大きな原因は、睡眠時の口呼吸にあります。口が開いてしまうのは「鼻炎で鼻がつまっている」、「枕の高さが合っていない」、「あごの力が弱い」などの要因から。鼻炎は治療をして改善を。枕は高すぎて気道がせまくなっている可能性があるので、低くするなどで調整しましょう。またあごの力は、日頃から硬いものを意識的に食べたり、食事で一口30回を目安に噛む回数を増やすことで強化できます。ガムを噛むなども効果的。日中も、鼻呼吸ができているかを意識してチェックしましょう。睡眠中の鼻呼吸をサポートする、口を閉じるテープや、鼻腔を広げて鼻呼吸をしやすくするアイテムなどがドラッグストアで販売されているので活用してみて。

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美味しい『野菜と果物』を見分けるコツ|栄養価の高い野菜とは?

【お話を伺った人】古旗 照美先生

株式会社しょくスポーツ 代表取締役/管理栄養士・健康運動指導士 プロ野球やJリーグ選手などの栄養サポート、食育と運動を融合した「食育アドベンチャー」の考案と実践など、幅広い活動を行っている。 株…

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(編集・制作 (株)法研

新鮮な旬の野菜をお店で見分けるコツを紹介します。味と栄養がアップする、旬の野菜・くだもの。食生活にうまく取り入れて、真夏をヘルシーに過ごしましょう。

真夏のトマトの栄養価は1.5倍!

現在スーパーでは、季節や旬にかかわらず、ほとんどの野菜が1年をとおして並べられています。旬の野菜と季節はずれの野菜、見た目はそう違いませんよね。しかし栄養価の点において、旬のもののほうがずっと優秀なのです。たとえば、トマト。夏が旬のトマトは、それ以外の季節のトマトに比べると、1.5倍ものビタミンCを含んでいるのです。冬が旬のホウレンソウなら、冬には100gあたりビタミンCを60mgを含んでいますが、夏には20mgしか含んでいないのです。旬の野菜から豊富な栄養素を摂るほうが、効率よく、健康的な体を作ることができるというわけです。

また、旬の野菜は大量に収穫できるため安価で購入できますし、栄養価もずっと高いのです。季節はずれのものに較べ、あくや苦みなどが強くなりますが、その野菜ならではの独特の香りと味が楽しめます。では、今が旬である夏野菜・くだものの見分け方をお話ししましょう。

美味しい『野菜と果物』を見分けるコツ|栄養価の高い野菜とは?

トマトはヘタ、きゅうりはトゲに注目!

夏の野菜・くだものは、このような点に気をつけて選びましょう。

トマト……ヘタが青くピンとしていて、あまり大きくないもの。ずっしりと重く肉厚のものが良いでしょう。

きゅうり……濃い緑色のものを選びましょう。太さが均一で、表面のトゲがさわると痛いくらいのものが良いでしょう。

なす……表面に傷がなく、紺色のツヤがあるもの。紺色が薄いものや茶色に近いものは鮮度がないので避けましょう。

ピーマン……緑色が濃く、全体にツヤがあり、形に張りのあるもの。腐りやすいヘタ部分をよく見て選ぶと良いでしょう。

とうもろこし……粒が均一に入っていて、指で押すとへこむくらいのものが新鮮な証拠です。穂先が濃い茶色で、縮れているものが良いでしょう。

さやいんげん……緑色が濃く、細めでみずみずしいもの。表面が白っぽいものや皮にシワのあるやわらかいものは避けましょう。

すいか……皮を軽くたたいて、鈍いポーンという音がするもの。ツルの切り口が新しいものを選ぶと良いでしょう。

桃……傷みやすいので、あまり触らず、見た目で選ぶ。全体に色づきがよく、甘い香りのするものが良いでしょう。

産地の表示、マークも参考に

さらに店頭では、商品のラッピングについているマーク、POP(販売用広告)などにも注目すると良いでしょう。最近では、トレーサビリティ・システム(識別番号によって、商品の生産、加工、流通などの履歴がわかるしくみ)により、生産地がわかるケースも増えています。
一般的には、生産地と販売場所が近い方が、輸送時間やコストがかからないため、新鮮で安価と考えることができます。
また、農林水産大臣の登録を受けた認定機関の、厳しい審査に合格した食材につけられる「有機JASマーク」なども参考にするといいでしょう。

「旬」を辞書で調べると、「味のよい食べ頃の時期。出盛りの時期」と出ています。おいしく食べて体にも役立つ……「旬」を忘れがちな私達の日常生活ですが、季節の恵みをもっと暮らしに活用し、新鮮で栄養価の高い野菜を自ら選んで健康的に過ごしたいものですね。

(「へるすあっぷ21」、法研より)

※この記事は2006年8月に配信された記事です

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顔色を見れば、体の不調な場所が分かる!10秒でできる健康管理

ノーイメージ

【お話を伺った人】猪越 恭也先生

長春中医薬大学客員教授・吉祥寺東西薬局主宰 家庭の主婦に中国医学を普及させることをライフワークとする。近著に「顔色をみれば病気がわかる」(草思社)がある。

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(編集・制作 (株)法研

鏡を見ながら五臓の不調を察知する。朝の洗顔時は、鏡の前で10秒間。顔色を見ながら自分の体調をチェック。

毎朝、10秒間は顔色をチェック

日ごろ、どんなに忙しくしている女性でも鏡を見る習慣のない人はいないでしょう。また男性でも、朝、顔を洗うときくらいは、洗面台の鏡に映った自分の顔に目がいくのではないでしょうか?

そのわずか10秒で、顔色から、体の不調やその背景にある生活の乱れが見つけられる方法があるのです。中国医学に基づく“顔色チェック”で、健康状態や体調不良の原因を推測するポイントを、以下紹介しましょう。

顔色を見れば、体の不調な場所が分かる!10秒でできる健康管理

赤、青、黄……、顔色が何を表しているか

青→肝(目とつながる)
ストレスを受け止める内臓

中国医学の内臓論は「五臓六腑」です。五臓は肝・心・脾(胃腸)・肺・腎の5つ。

その1つである「肝」は、今日の肝臓とほぼ同じ働きのある内臓です。血液を貯蔵して浄化し、栄養を与え、そのきれいになった栄養豊かな血液で、体中のすべての働きを支え、ストレスを受け止めます。まさに「肝腎要め」の内臓です。
この「肝」の働きが滞ると、血液が汚れて濁り、肌を通して見える静脈は青く目立つようになります。こめかみやみけんに青筋が立ち、顔色が青味を帯びたり青黒くなったりします。そして怒りやすくなります。

また、顔の部分では目に症状が現れやすく、目の疲れ、視力減退、目のかすみ、ドライアイ、白内障などが起こってきます。
その他、血液の汚れによって血流が悪くなったり、血液が固まりやすくなり(お血=おけつ)、肩こり、頭痛、冷え性、子宮筋腫、子宮内膜症、チョコレートのう疱、痔などの原因となり、ひどいときには狭心症や心筋梗塞につながります(必ずしも肝の検査データが悪いわけではありません)。

赤→心(舌)
気になる赤ら顔は、心臓に要注意!

狭心症や心筋梗塞などの予兆であり、血圧が高くなっていることがあります。
五臓のうちの「心」は、今日の心臓と大脳の働きを合わせもった内臓です。びっくりすると心臓がどきどきするし、心臓病の人はよく不安感があり、不眠となります。

心の不調は、舌にも現れます。五臓の「心」の、大脳の働きの部分に起こる脳卒中(脳出血や脳硬塞)は、舌の働きを障害して、ろれつが回らなくなり、あるいは舌が右か左に曲ってしまいます。
狭心症や心筋梗塞を起こしやすい人の舌は、暗赤色や紫色をしていたり、紫の点々や斑点が現れ、舌の裏面の静脈が太くなり蛇行していることもあります(お血=おけつ)。

黄→脾(胃腸)(口)
ミカンの食べ過ぎでもないのに黄色い

五臓のうちの「脾」は、今日の消化器系で、おおむね胃腸に相当しています。胃腸の働きが悪いと(自覚していない人もいます)、栄養状態が悪くなり、血液が薄くなって肌は黄色っぽく見えるようになります。そして、血管が脆くなり、出血しやすくなります。そのため体のあちこちにアザ(内出血斑)が出たり、女性では月経がだらだらと長く続いたりします。
白目が黄色くなるのは黄疸の疑いがあります。胆のうの障害なので消化に影響します。

胃腸は口とつながっており、脾の異常は口や口唇に現れます。また胃は歯茎と深いつながりをもっています。
口の中がまずい、口の中が荒れる、味が分からない、口角が切れる、口唇が荒れる、歯茎から出血する、口内炎が出来るなどは、脾、胃の障害を示しています。

脾が弱いと、筋肉の発達が悪く、内臓下垂(胃下垂、脱腸、子宮下垂、遊達腎)を起こしやすくなります。

白→肺(鼻)
美容上は有利でも呼吸器系が弱い

中国医学の「肺」は、空気を吸い込み吐き出す呼吸器系の総称で、わずかながら呼吸をしている皮膚を含んでいます。
色白の人は、この「肺」の系統が弱い体質の人が多く、カゼをひきやすく、慢性的な鼻炎や、アトピーなどの皮膚疾患にもかかりやすく、アレルギー体質の人が多く見られます。

中でも鼻は、空気の取り入れ口であり、吐き出し口でもあるので、肺の弱い人はよく鼻の病気にかかっています。アレルギー性鼻炎、蓄膿症などが主なもので、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、味覚障害などの症状が起こります。

黒→腎(耳)
ホルモンと水分のコントロール

「腎」は、水臓といわれ、体内の水分の調節をする作用がありますが、中国医学では今日のホルモン系と関係の深い内臓です。それと関係してSEXを支配する内臓系でもあります。
この「腎」が弱るとホルモンの分泌が衰え肌が黒ずんできたり、目の下のクマが濃くなってきます。精力減退、不妊(男女とも)、生長発育不全、骨や歯が脆い、足腰がだるい、白髪や脱毛、尿の漏れ、老化の進行が早い(早老)などの症状が見られ、病気にかかりやすくなり、病気にかかると治りにくくなります(免疫力の低下)。

また、耳とのつながりが深く、聴力の低下や耳鳴り、慢性中耳炎などの症状を起こしやすいのは、五臓の腎の衰弱(腎虚)によるものです。
手足のほてりや午後の微熱、逆に腰や足の冷えなど体温の調節異常が起こることもあります。

これから毎朝、鏡を見ながら「顔色10秒セルフチェック」をおこなって、体調管理のバロメーターにするのはいかがでしょうか? 五臓の不調を意識することで、大きな病気を未然に防ぐきっかけになるかもしれません。

(「健康のひろば」、法研より)

※この記事は2006年5月に配信された記事です

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