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今年の春も多くの人が悩まされた花粉症。スギ花粉のシーズンが過ぎ、やっと楽になったと胸をなで下ろしている人が少なくないと思いますが、来年の春のために今からはじめる花粉症治療があります。

一般的な花粉症薬のような対症療法とは違い、花粉症の完治を目指すのが「舌下減感作療法」です。

体質の改善を図る「舌下減感作療法」とは?

有効率が70%以上にものぼるとされる新しい花粉症治療法「舌下減感作療法」は、治療薬のシダトレンが2014年に保険適用になったばかり。スギ花粉の飛ぶ時期の半年以上前から治療をスタートするのが特徴だといわれていますが、どのような治療法なのでしょうか。慶友銀座クリニック院長 大場俊彦先生に聞きました。

「舌下減感作(免疫)療法は、抗ヒスタミン薬によりアレルギー症状を抑える対症療法
とは異なり、完治を視野に入れ、体質を変える治療法です。アレルギーの原因であるアレルゲンを低濃度・少量から飲み始め、一定量まで徐々に増やしていきます。ただし、薬の服用を2年から5年間、毎日続けなければいけないという大変根気のいる治療です。また、今後でてくるとされるダニに対する舌下免疫療法も期待できます」

アレルゲンである花粉エキスを投与する「減感作療法」というものがありましたが、従来の減感作療法は定期的に医療機関で注射してもらわなければならず、注射による痛みが生じました。対する舌下減感作療法は、薬をもらうために定期的に受診する必要がありますが、自分で薬を飲めば良いというメリットがあります。「減感作療法と比べて重篤な副作用も少なく、保険適用である点もメリットといえるでしょう」と、大場先生はいいます。

ただし、舌下減感作療法はどの医療機関でも受けられる治療法ではないそうで、シダトレンを販売する鳥居薬品のサイトなどで、舌下減感作療法を受けられる医療機関を検索することができます。

スギ花粉症のシーズンが終わった今、なぜ治療を開始?

舌下減感作療法をはじめる時期は、スギ花粉が飛散しはじめる3カ月以上前とされていて、6月から始めるのが理想とされています。花粉が飛んでいる時期に治療を始められないのは、なぜでしょうか。

「スギ花粉症の患者さんは、当然ながら、スギ花粉が飛んでいる時期に(アレルギーの程度を数値化した)血清中総IgEとスギ特異的IgEが高くなります。しかも、治療薬のシダトレンにはスギ花粉由来のアレルゲンを含んでいるので、飛散しているスギ花粉に加えて薬のアレルゲンを取り込むことになり、アレルギー反応が誘発されやすくなる恐れがあります。また、シダトレンの臨床試験では、投与をはじめてから1カ月間に副作用が多く発現していることも踏まえ、安全性を考慮して、スギ花粉飛散時期には新たな投与は開始しないことになっているのです」

特にこんな人にオススメ

最後に、大場先生より、舌下減感作療法をオススメしたい人を教えてもらいました。

「スギ花粉症で悩む人であれば、皆さんにオススメですが、特に、毎年花粉症に悩みたくない人、花粉症の薬を飲むと眠気などの副作用がつらい人、花粉症の薬を減らしたい人に勧めています。具体的には、受験生や運転業務に従事している人、数年以内は妊娠を予定していない人などです」

スギ花粉症の症状は、人によっては日常生活にも影響をもたらすもの。「舌下減感作療法」には、医療機関の受診と長期間の薬の服用が必要ですが、スギ花粉症から解放されることが期待できるのであれば検討してみるのもよさそうです。

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