ファッション誌を舞台に、女性同士の様々な人間関係が描かれる唯川恵原作のドラマ『セシルのもくろみ』。7月からスタートするや、「“女性のイザコザ”がリアルに描かれてておもしろい」「ママ友によくある“嫉妬の世界”の華やかバージョン!」「学生時代の友達グループでもまさに“こういうコト”がある!」「3姉妹でお互い“微妙に意識し合ってる”部分がある」など、関係性は違えど、自分の立場に置き換えると“思い当たる節が多い”という女性が多数!で、大きな話題となっています。

ドラマ『セシルのもくろみ』の女性が張り合う心理とマウンティング回避法

さて、原作では主人公の専業主婦・宮地奈央が、大学の同窓会で久々に再会した樋口文香から“ファッション誌『ヴァニティ』の読者モデルに一緒に応募しないか(書類はすでに文香が半ば勝手に送付)”と誘われるところから物語は始まります。文香は、学生時代からキレイで評判の女子。38歳になる今もその美貌をキープしている、と奈央が素直に思うほどに洗練され、美に磨きをかけている女性です。文香は奈央と同じ“専業主婦組”で、同窓会の時に自分とは違う“共稼ぎ組”“独身組”の同窓生から“専業主婦組”を皮肉る言葉をかけられてしまい…そのことが納得できず、奈央に不満を話しました。

「~私たちみたいな専業主婦に嫉妬しているのよ。これがもし、生活に疲れてる主婦だったら、彼女たちのプライドも傷つかなったんだろうけど、ほらバッグも靴も私のほうが勝ってたから、きっと頭にきたんだわ」

と、奈央に共感を求め、この時2人は同じ専業主婦の立場として意気投合します。話の端々から自尊心のある文香。彼女から見た奈央は、自分と同類の“専業主婦組”で、生活レベルもそこそこ同じ。でも自分の方がおしゃれ度・洗練度が高いので、優越的な立場でいられる話しやすい相手、という印象です。しかし最終的に読者モデルの採用では、奈央だけが合格します。すると、これまで“仲のいい友達”風を吹かせていた文香の態度が一変! 奈央が、読者モデル採用に合格したことを文香に伝えると

「私、お断りしたの。読者モデルなんて、ちゃんとした家の主婦がやることじゃないもの。~自分を世間に露出して何が楽しいのかしら。そう思わない?~よく考えてみたら下品そのものだって気がついたの。悪いことは言わないから、やめておいた方がいいって。~私から断ってあげてもいいわよ」

と、“合格した”という奈央に対して言い放つのです。これに対して“やってみようと思う”と伝える奈央に文香は「好きにすれば」と吐き捨てたのです!!…衝撃的!ですよね。この後も奈央は、様々な人と出会い、いろんな“イザコザ”の渦にのまれていきます。(ドラマ第1話では、原作にあるこの一節はありませんが、まさに今、奈央が合格し“読者モデル”の世界に足を踏み入れたところ。今後の展開に期待大です。)

ここで早速ひとつ“女性同士のイザコザ”が展開されていますね。文香は友達の奈央に対して、なぜあんなにも急に手のひらを返したような態度をとったのか。ここで、文香は奈央に対して突然“張り合い”ましたが、女性が張り合う心理とは一体何なのでしょうか?

それは
少しでも優位に立ちたい!
“社会的比較”からの“マウンティング” 行為

と見ることができます。

まず“社会的比較”とは、人が「何かしら共通点のある他者」と自分を比較することで、自分の社会における位置を確かめることをいいます。これには、自分よりも優位にいる人と比較して「あのポジションに自分も行きたい、頑張ろう!」となるのが“上方比較”。一方で「自分より劣ってる人もいるから自分はまだ大丈夫」というように下と比較して安心するのが“下方比較”です。

文香の場合の“社会的比較”は以下のように考えられます。

●上方比較:「『ヴァニティ』に出てるモデルみたいに私もなりたい!きっと頑張れば近づけるかも」という前向きな気持ち
●下方比較:オーディションに「自分よりも確実に劣っている友人(奈央)と一緒に受けたから、きっと私の方が合格するだろう」という自己判断による安心感

これが、奈央の合格によって、ものの見事に予想を裏切られてしまい、文香の“社会的比較”で想像していた立ち位置が崩れ、自尊心が大きく傷ついてしまいました。この状況にフラストレーションを感じ、奈央に対して精一杯強がって皮肉を言ってしまったのでしょう。

“マウンティング”とは…

自分の方が優位だと思いたいため、一方的に格付けをし“自分の方が上の立場・境遇にある”と主張しアピールすることをさします。文香は奈央に対して少なからずファッションのセンス・持ち物の格・美貌などは優っている、と感じていて、それを何かにつけ態度で表しているのでした。

●奈央は「文香はなにも言いはしないが、奈央の格好を見て内心では『ダサいわね』と思っているに違いない。」と表現している
●文香は昔から100%相手を認めず、必ず「足はきれいだけど顔は大きい」「服のセンスはいいけどお水っぽい」など、難癖を付ける傾向にある

このように文香は、少し厄介な“マウンティング女子”なのです。なので、まさか自分よりも劣っていると思っていた奈央が、自分を差し置いて合格してしまったものだから、突然張り合い暴言を吐き捨ててしまったのでしょう。

マウンティング女子への対処法

マウンティングする人は、表向きは強く見えますが内面は嫉妬と劣等感でいっぱいなのです。相手に負けていると思いたくない心理が働き、本当は羨ましいのに相手を素直に認められないのです。そこで、マウンティング女子に効果的な対処法はこちら!

●とにかく、相手にしないこと
いちいち対処していたら精神的にこちらが疲れてしまいます。受け流しましょう。といっても、職場・友達・家族…などの関係性から無視できない存在だから、悩むものですよね。

●とにかく相手をほめる
マウンティング女子は“ほめられたい、満たされたい”という気持ちでいっぱいなので、とにかくほめてあげましょう。オーバー気味にほめて、相手をおだててなだめるのも、ひとつの方法かもしれません。

●マウンティング返し!
ちょっと高度なテクニックです。相手の言葉に対して、それを上回るマウンティングな答えを返す。例えば、文香の例で言うと「足はきれいだけど顔は大きい」と難癖をつけたとします。これに対して「でも、顔が大きく見えるのはヘアスタイルのせい。きっと元は小顔よ、絶対」など。相手が言うことを否定し返し、気持ちを逆なでするということです。ただし、この方法は答えに頭を使うので、結局は自分も疲れてしまいますが…。ただ、あまりに腹の立つ相手なら、マウンティング女子をどっぷり劣等感に浸らせ、こちらが感じるストレスを相手にも感じさせることで、スッキリするかもしれません。

最後に。ドラマ第1話の冒頭で、輝く女性を代表し数名のインタビューが盛り込まれていました。その中で“女性同士、張り合う”とは無縁の考え方で成功をおさめた方の言葉がこちら!

元なでしこジャパン代表・澤穂希さん
「決して人と比べることはしなかった。自分の特技、持ち味、絶対負けないということを追求して、自身を知るということがすごく大切。そして自分の長所を活かすということが、一番輝ける」

そもそも人と自分を”比較”しなかった。だから自分らしくやってこれた。
人生で成功をおさめた人の言葉の重みは、格別ですね。
これこそが、つまらない“張り合い”を吹き飛ばす、魔法の方法なのではないでしょうか。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと