死亡する確率も高い敗血症。特に免疫力の低い高齢者にかかりやすい病気とされています。その症状や治療法をまとめました。

敗血症の発症から治療法まで|命にかかわる場合の症状とは?

風邪や虫歯が原因でかかることも

高齢者や妊婦、新生児などがかかりやすいといわれている敗血症。細菌やウイルスが血液中に入って全身にまわり、病原菌が作り出す毒素によって中毒症状を起こし、さまざまな臓器や全身に感染を生じた状態をいいます。細菌が血液に入り込む原因としては、中耳炎や虫歯の抜歯、風邪、副鼻腔炎などさまざまです。糖尿病や血液の病気、肝臓や腎臓の病気、抗がん剤を投与されている人などもかかることがあります。

敗血症に罹患する人の約60%が65歳以上、さらに敗血症が原因で死亡する人の80%が65歳以上といわれ、高齢者の疾患ともいわれています。また、手術や病気療養中で、カテーテルを体内に挿入していたり、ドレナージ菅や気管内テープなど、医療器具が体内にある場合も細菌に感染しやすいので注意が必要です。

正常な免疫力の人であれば、体に細菌やウイルスが入った場合、体の免疫機能が働き、発熱などの炎症反応を起こして細菌から体を保護します。でも、免疫力の弱い人の場合、この炎症反応が自分の心臓や肺、腎臓などにダメージを与えてしまいます。敗血症が重症化した場合、3人に1人が死亡するというデータもあるほど、死亡率の高い病気です。米国では毎年75万人が敗血症にかかり、そのうち25万人が敗血症で死亡していると報告されています。

早期に治療を開始することがカギ

敗血症は風邪や下痢などの感染症から、血液中に病原体が入りこむことで発症します。原因菌は連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、肺炎菌などです。急激に症状が悪化するのも特徴で、早期に治療を開始することが、一命を取り留めることにつながります。

敗血症の疑いがある症状は以下の通りです。
・悪寒
・38度以上の高熱
・36度以下の低体温
・呼吸数、心拍数の増加
・意識がもうろうとしている
・手足がとても冷たい

治療が遅れると生存の可能性が低下するので、原因菌が特定できる前から抗生物質を使って治療を開始します。敗血症が重症化し、さらに敗血症性ショックといわれる、危険なレベルの低血圧に至っている場合は、集中治療室で治療が必要です。これは敗血症に加え、臓器の機能不全がともなうもので、循環器不全、腎不全などが起こります。

最初に使う抗生物質は、感染がどこから始まったかによって原因菌を推測してまず2〜3種類を使い、その後に原因菌が特定できたら最も効果的な抗生物質に絞って投薬します。初めに数種の抗生物質を使うのは、検査結果を待っている間に症状が急激に悪化する可能性が高く、早期治療開始が必要なためです。敗血症の原因が体にたまった膿の場合は、手術で除去することもあります。症状によっては、静脈から大量の輸液を補給し、血液中の体液量を増加させて血圧を上げたり、人工呼吸器を使用することもあります。軽症の場合は、数週間以内で治療が可能ですが、敗血症性ショックなど重篤な場合には、数週間から数ヶ月の治療期間が必要です。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと