仕事や家事をしている時、手首に痛みが……。そんな経験、ありませんか? 手首はたくさんの関節が集まっている箇所。いろんな病気や疾患が潜んでいる可能性があります。

手首の痛みを放置しないで! 女性に多いガングリオンや関節リウマチ

女性はホルモンの影響で手首に炎症がおこりやすく

「なんとなく手首が昨日から痛むけど、放っておいたら治った」という経験がある人も多いはず。実は、手首はたくさんの腱や関節などによって複雑に構成されており、炎症などから痛みが発生しやすい場所なのだとか。

特に女性は、加齢でホルモンが減少すると、関節炎も増加傾向に。関節の軟骨の成分はコラーゲン。女性ホルモンのエストロゲンがコラーゲンの生成にも大きく関係しているため、ホルモンが減少すると軟骨のコラーゲンも減り、関節炎になりやすくなるのです。そのほか、手首の痛み方によって、考えられる病気や原因を推測することができます。その一部をご紹介します。

◯手首を動かしたり、触ったりすると痛い、腫れている

→関節リウマチ

関節に炎症が起こり、それが進行すると関節が破壊され、変形してしまう病気が関節リウマチです。手首や指の関節におこりやすく、左右両側にあらわれることが多いとされています。30〜40代の女性に多く、原因は免疫システムの異常によるもの。放置すると免疫システムにより関節が破壊されることに。原因はまだわかっておらず、自然治癒することはないため、早い段階で治療を開始した方がよい病気です。

◯手首がうまく動かせない、手首がだるく感じる、瞬間的な痛みがある

→腱鞘炎

腱と腱鞘の間に炎症が起こっているのが腱鞘炎。パソコンのキーボードを長時間使う人、漫画家や作家などペンを持つ仕事をする人、手を使った家事をする量の多い女性などに起こりやすい炎症です。症状は徐々に悪化するため、痛みを感じるまで時間がかかります。定期的に手を休めるなどするほか、痛みが強い場合は、炎症を抑える注射を打つ場合も。

◯手首を動かすと痛い、腫れている

→変形性関節症

関節の軟骨がすり減って、痛みや腫れがおこり、それが続くと関節の変形に。放置すると骨にまで影響します。また、変形してしまった関節は戻りません。関節リウマチや痛風、骨折が原因で起こることも。薬や運動療法で治療を行います。

◯手を使った後に痛みがあり、膨張も見られる。握力低下や、手首の動きも悪い

→キーンベック病(月状骨軟化症)

手首にある月状骨という骨がつぶれる病気で、よく手を使う人や高齢者などがかかりやすいもの。手を休めるためにギブスを用いて固定したり、治らない時には手術を行うことも。

◯手首の小指側が痛い

→三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷

三角線維軟骨複合体(TFCC)とは、手首の小指側に集まっている靭帯などの総称で、これを傷つけることを三角線維軟骨複合体損傷と言います。テニスやバトミントン、ゴルフなどのスポーツをする選手に多くみられる症状で、転んで床に手をついたのが原因で損傷する場合もあります。テーピングやギプスによって、患部を固定して安静にしてもよくならない場合は、手術することもあります。

◯手首を動かすと痛い、手首にコブのようなものがある

→ガングリオン

手首などの関節付近に、米粒大からピンポン玉くらいのコブのようなものができるのがガングリオン。通常、痛みはありませんが、ガングリオンが神経付近にできると痛みを感じることが。自然消滅する場合が多く、また、注射の針でコブの中のものを吸い出すことで治療が可能です。

◯手首をひねった、圧をかけたことによる痛み

→捻挫

転倒などによって不意に手首の関節部分に強い圧がかかったり、何かの拍子に手首をひねってしまった場合。いわゆる捻挫ですが、靭帯や軟骨などが傷ついて、手首の痛みとともに患部が腫れることも。数日たっても腫れや痛みが引かない場合は骨折している可能性もあります。

◯手首の親指側が腫れ、痛む

→舟状骨(しゅうじょうこつ)骨折

尻もちをついた時など、手をそらせて地面に手をついた時に、舟状骨という手首の骨を骨折することがあります。舟状骨は骨折に気づきにくく、捻挫だと思っているとなかなか完治せず、くっつかないため、関節ではないのに関節のように動いてしまう“偽関節”に。一度よくなった後にまた手首が痛んで力が入らなくなったりしたら、舟状骨骨折が偽関節になっている可能性があります。

手首の痛みには、個人差があります。痛みや違和感を感じた場合は、整形外科に早めに相談をしましょう。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと