腹痛で便秘と診断されたが…数日後、盲腸(急性虫垂炎)と発覚!緊急手術へ

(編集・制作 gooヘルスケア)文/亀井満月

ズンドコズンドコ痛むお腹。あまりの痛さに病院を受診したものの、便秘との診断。……ところが、一向に治まる気配のない腹痛はなんと急性虫垂炎だった! 盲腸で入院・手術をした虫垂炎経験者に当時の状況を聞いてみました。

便秘と言われつづけ盲腸(急性虫垂炎)で緊急手術!するまで

■病院で便秘の診断……ところがまさかの盲腸!

6年前の初春、腹痛が2〜3日続いたため病院へ。当時は仕事で大きなストレスを抱えていたため、胃腸炎かもしれないと近所の内科を受診しました。「どのあたりが痛いですか?」と聞かれてハタと気付いたのですが、痛みは腹部のあちこちに出ていました。あるときは右下腹部に、あるときは左下腹部に鋭い痛みが出たかと思えば、今度は胃のあたりがもやもやと痛む……。自分でもうまく説明ができない状態でした。触診で診察台に横になり、お腹をあちこち押されながら、「ここを押すと痛いですか?」、「痛くないです」、「じゃあここは?」といった問答を繰り返した結果、診断は便秘。その日は便秘薬の処方箋を出してもらって帰りました。

ところがその薬を飲み続けても腹痛はよくならず、今度は下腹部がシクシク痛むように。婦人科の病気かもしれないと思った私は「駅名 婦人科」で検索し、一番評判の良さそうな会社近くの婦人科へ駆け込みました。婦人科では内診台に上がり、エコーで診察。「うーん、特に問題なさそうですね。ま、便秘でしょう」ということで、再度大量の便秘薬を出されることになったのです。

薬を飲み続けること1週間、痛みは減るどこかズンドコズンドコと勢いを増して、ついに吐き気を催すようになりました。日頃から食い意地のはっている私の食欲が無くなり、熱まで出る始末。これはさすがにおかしいと、冷や汗をかきながら「gooヘルスケア」で「お腹がいたい」のページを開きました。「上腹部やへそのまわりが突然痛み出し、次に発熱、吐き気や嘔吐、食欲不振が起こります。数時間もすると吐き気は止まり、数時間から24時間以内に痛みが右下腹部に移ってきます。」——虫垂炎の項目に書かれた症状は、まさに私の症状そのものではありませんか。

■便秘と診断されたのにまさかの虫垂炎!

会社近くの総合病院に電話すると、外来の時間は終わっているが救急外来で診てもらえるとのこと。会社を早退し、痛む腹を抱えながらタクシーで病院に向かいました。

救急外来に到着すると、今までの経過から婦人科か内科どちらかだろうということになり、両方の診察を受けることになりました。婦人科で女医さんの内診を受けたあと、採血して虫垂炎の疑いがあるということで内科でCT検査を受けました。結果、私の虫垂は大きく膨れていまにも破裂しそうな状態になっていました。「今日来てくれて良かったです。腹膜炎を起こす一歩手前。腹膜炎を起こして放置していたら、亡くなることもありますよ」という医師の言葉にびっくり。その場ですぐに緊急手術が決まり、家族に連絡して手術の同意を得ることになりました。何の準備もしていない状態だったので動揺。「あのー、いったん家に帰って服取ってきてもいいですか?」と医師に訊くと、「何を言ってるんですか。安静にしてください」と呆れられ、準備室で待機することになりました。スマホの充電は切れそうだし、仕事は山積み、親は遠方に住んでいるのですぐ来られない。どうしたもんか。悶々としながらベッドで寝転がっていると、どんどん熱が上がって来て38度台になりました。お腹も痛いし、熱で身体が動かなくなってきました。

■虫垂炎で緊急手術…まさに「腹を切る」強烈な痛みとの戦い

手術は夜から開始。硬膜外麻酔で全身麻酔の注射を打つと、だんだんと瞼が重くなります。しばらくすると意識が無くなりました。
目が覚めると朝。抗生剤の点滴と尿道カテーテルをつけてベッドの上にいました。看護師さんが「経過いかがですかー」と様子見にきて、管からシャープペンシルのようなボタンを押してカチカチと麻酔を追加してくれました。「このあと麻酔が切れて痛くなると思います。どうしても我慢できなくなったらナースコールで呼んでくださいね」というやりとりのあとで眠りに落ちました。このとき私はまだ「腹を切る」ということの意味が分かっていなかったのです。

次に目覚めたときは焼け付くような強烈な痛みをお腹に感じました。ななな、なんじゃこりゃー! 痛い、痛すぎる。さっきの看護師さんの言葉を思い出し、必死にナースコールを押します。早く、早くなんとかしてー! 看護師さんは一度は麻酔を追加してくれたものの、「ずっと麻酔を続けていると、回復も遅くなってしまうんです。鎮痛剤を出しますので、ちょっと我慢してもらえますか」と、申し訳なさそうにロキソニンをくれました。いやいやいや、ロキソニンごときで誤魔化せる痛みじゃないんですけど。懇願しても麻酔は追加してもらえません。映画『切腹』に出てくる、切腹させられて死にきれなかった浪人の姿を思い出しました。あのお侍はこんな痛さだったのか。そりゃ仲代達也も怒って暴れるわ。痛いよう、痛いようと、その日はずっと涙目で過ごしました。

■術後は歩くのもやっと……開腹術はダメージが大きい

その日の夕方には自力でトイレに行く訓練が始まりました。これがまた痛いのなんの。起き上がるだけで「うぉぉ」と叫んでしまう激痛に耐えつつ、廊下の手すりにつかまって20メートル先のトイレに向かいます。こんな痛いのに歩けとは……看護師さんがドSに思えました。

2日経過すると、なんのかんのと痛みも我慢できるレベルに落ち着いてきました。人間の回復力はすごいなあと感心します。2日間は水分しか取れず、ずっとスポーツ飲料を飲んでいたので飽き飽きしてきました。3日目からは重湯やおかゆになり、身体に力がみなぎってきます。ガス(おなら)が出て腸が動き始めたことを確認し、5日目に退院することになりました。執刀医の若い先生には切除した虫垂を見せてもらったところ、私の虫垂は7センチ程度の大きなものでした。

退院後も1ヶ月程度は本調子ではなかったので、激しい運動や無理をしないように努めました。盲腸(虫垂炎)は軽く思われがちですが、手術直後の激痛は大変なもの。腹膜炎になると1ヶ月は入院することになるそうです。私のように誤診が続いて治療が遅れるケースもあるので、少しでも不安があればセカンドオピニオンを求めてください。

■まとめ

便秘の診断が一変、虫垂炎というまさかの展開。特に女性の場合は、痛みに強いこともありますが、症状を訴えてから一週間ものあいだ激痛と戦っていた様子を思うだけで胸が痛みます。腹膜炎を起こして放置したら死に至るケースもあるようで、腹痛も油断なりません。服薬をしても改善しない場合は、別の医師に相談してみることも時には必要かもしれません。




トイレはどこ!?几帳面で神経質なタイプに多い過敏性腸症候群とは?

【お話を伺った人】天野 恵子先生

千葉県衛生研究所所長 千葉県立東金病院副院長  1942年生まれ。東京大学医学部卒業(医学博士・循環器内科専攻)。東京大学講師、 東京水産大学教授を経て、現在千葉県衛生研究所所長 兼 千葉県立東金…

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(編集・制作 (株)法研

外出先で突然、お腹を下す過敏性腸症候群が増えています。検査では異常がないのに、下痢や便秘を繰り返す過敏性腸症候群。

外出がおっくうになる人も……

ある日突然、外出先で下痢におそわれた。以来、「また、外出先で下痢になるかも」と心配で、電車も各駅停車にしか乗れない。デパートなどでは、トイレの位置をいつも確認していないと不安……。
こんな出来事に身に覚えがあるあなたは、「過敏性腸症候群」かもしれません。

過敏性腸症候群は、検査では異常が見られないものの、腸の運動や分泌機能が過敏になったために下痢や便秘、あるいはそれを交互に繰り返すなどの便通異常、腹痛、お腹がはっていやな感じがする・・・といった症状が起こった状態をいいます。

症状がひどくなると、外出するのをためらう人もいます。たしかに、お腹の調子が不安だと、外出しても落ち着いた気持ちでいることができませんよね。
でも、健診では異常がないのに下痢や便秘などの症状に悩まされてしまうのは、どうしてでしょう。

トイレはどこ!?几帳面で神経質なタイプに多い過敏性腸症候群とは?

下痢の不安がさらに悪循環に

口から入った食べ物は胃、小腸、大腸を通過していくなかで消化・吸収され、徐々に便らしい形状になっていきます。そして、大腸から直腸まで便が下りてくると便意がおこり、肛門から排泄されるのです。このように消化・吸収されたものが肛門に向かって移動できるのは、腸が運動しているからです。朝、食事をすると大腸が動きだし、直腸まで便が運ばれて便意を感じます(胃・結腸反射という反応)。通常の排便は1回済ませると、「今日はすんだから明日にしよう」と無意識のうちにコントロールされ、多くは1日1回におさめられます。ところが、腸の運動は自律神経によってコントロールされているため、自律神経のバランスが乱れるとお通じにトラブルが発生、過敏性腸症候群になってしまうのです。

自律神経を乱す主な原因はストレス。極度のストレスにさらされると、自律神経に緊張が伝わり、腸管運動をうながす副交感神経が過度に緊張して、大腸にけいれんがおき、下痢がおこります。また、けいれんが肛門により近い直腸で起こったときは、逆に便秘がおこります。

一度、症状がおきると、「また下痢をするかもしれない」と不安な気持ちになり、それがさらに下痢を引きおこします。心理的なストレスによって、腸のけいれんが続けておこるという、悪循環になってしまうのです。

几帳面で神経質なタイプに多い

過敏性腸症候群をおこすのは、几帳面、完璧主義、神経質な人に多いといわれています。ストレスに対する耐性が弱い人がかかるケースも多いのです。
では、この苦痛な症状を、どのように治療すればいいのでしょうか。

薬によって症状を一時的に緩和させることはできますが、根本的に治したとはいえません。まず、心理的ストレスの原因となっている、悩みや心配ごとを解消するのがポイント。うまく解消できないときは、カウンセリングを受けたり、心療内科の助けを借りるのもいいでしょう。

そして、生活を規則正しいものにととのえます。夜ふかしをせず、朝は決まった時間に起き、便意のあるなしに関係なくトイレに行く習慣をつけます。

食事時間はなるべく一定にし、メニューでは、食物繊維の多いものを積極的にとるといいでしょう。さらに、「この病気になったのは、デリケートな証拠。ニブイ人にはおこらないはず!」など、前向きに考えて、あまりお腹のことを意識しないで暮らしてみましょう。すると、いつの間にか症状が緩和されているかもしれません。

私たちの生活は、なにかとストレスを蓄積しがち。過敏性腸症候群は、それによって引きおこされる病気の代表的なものです。ストレスとの上手なつき合い方をマスターするのも、大切なことですね。

(「よくわかる 女性のからだ事典」天野恵子監修、法研より)

 ※この記事は2006年9月に配信された記事です

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『ずぼらヨガ』著者崎田ミナさんー慢性的な体調不良がヨガで改善

【お話を伺った人】崎田 ミナさん

イラストレーター。 東京都在住。好きなものは、健康と猫とヨガと音楽と漫画と寿司です。 『自律神経どこでもリセット!ずぼらヨガ』(飛鳥新社)2017年1月11日発売。 いまトピ「雑念ヨガ」の書…

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(編集・制作 gooヘルスケア)文/亀井満月

長時間のデスクワークで肩こりや腰痛が辛い、これといった症状がないものの、なんだかいつもスッキリしない、と慢性的な不調に悩まされている人も多いのではないでしょうか。

うつ気味、無気力、胃痛に頭痛と様々な自律神経失調症の症状に悩まされてきたイラストレーターの崎田ミナさん。そんなご自身の経験をもとに、ヨガやストレッチをわかりやすく解説したイラストエッセイが大ヒット。昨年発売の「自律神経どこでもリセット! ずぼらヨガ」(飛鳥新社)は発行部数23万部、「職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ」(MdN)も16万部を突破と、悩める人々から多くの支持を得ています。

  職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ

 

適度な運動は健康にいいとわかっていても、なかなか重い腰はあがらないもの……。そこで今回は崎田ミナさんに、ずぼらでも続けられるストレッチのコツについてお聞きしました。

ヨガに通い始めたきっかけは体調不良

長年患っていたうつに加え、仕事で無理を重ねたおかげで、5年前ついに心も体も動かなくなり4日間ほど寝込んだことがありました。そんな姿を側で見ていた夫が、近所のジムで行われているヨガを勧めてくれたのがきっかけです。

はじめはヨガに対して敷居の高さを感じていました。ポーズが難しそう、覚えてこなせるのか不安、おまけにヨガウェアも華やか……私にもできるのかな、と少し壁を感じていました。近所のスポーツジムのヨガクラスには、初心者でも入れるレッスンがあったので参加してみることに。いざやってみると発見の連続でした。ヨガクラスではインストラクターの先生が一つ一つの動作をレクチャーしてくれるので、その通りに体を動かせばポーズが完成。ちょっと難しいポーズでも自分ができるラクな体勢で止めて良い。何より、体を伸ばしているだけで気持ちいいんです。体が硬くてもできるなんて知りませんでした。以前は起き上がれないほどに辛かった体も、座ってテレビをみたり台所に立てるようになったりと、少しずつ変化が起きてきました。無理のない範囲で通い続けたこと、習ったポーズや簡単なストレッチを自宅でも工夫しながらやるようにしました。すると8年間ほど服用していた薬が終了。体が軽く感じて動けるようになるなど、振り返ってみると驚くほどの回復を遂げました。

ヨガやストレッチを通して少しずつ健康を取り戻した―そんなご自身の経験を生かし、gooいまトピで「雑念ヨガ」という連載がスタート。ヨガのポーズをもっと簡単に、無理のない軽減法に落とし込んでイラストで解説しています。

テレビをみながら、歯を磨きながら…毎日少しでもいい「ながら」がコツ

スポーツクラブやヨガスタジオに通うのが難しい人もいらっしゃると思います。自宅や会社でできるストレッチはたくさんあります。運動しなきゃ、続けなきゃ……と力まなくてもいいんです。なにかをしながら、ついでにやってみる。そんな風にしてストレッチを生活に取り入れていくことが長続きするコツだと思います。

例えば、足の指を開くと気持ちいいですよね。足指セパレーターなどのグッズを利用するのも手ですが、テレビをみながら足の指を揉んだり指と指の間を開いたりするだけでも充分。次第に指先がポカポカして血行がよくなっていくのを実感できると思います。

あとは、歯を磨きながらつま先立ちをすればふくらはぎのエクササイズになり、むくみや冷え対策に。デスクワークが続いたら、席を立つついでに肩を回すようにしたり。深呼吸を数回して気分転換するだけでもいいと思います。がんばらなくてもできる技を覚えてほんの隙間時間に取り入れるだけでずいぶんと体もラクになりますし、蓄積される疲労もかなり減ってきます。

あれをしなきゃ、これをしなきゃと追い込んでしまうことが継続性を欠いてしまう原因かもしれません。時には自分を追い込む場面も必要かもしれませんが、まずは無理のない範囲で生活の中に取り入れていくことがポイントだと思います。

注意点としては、ストレッチに勢いや反動をつけたり、効果を高めようと強めに行ったりすることで体に負担がかかってしまうことがあります。症状を悪化させてしまう原因になるので、無理をせずに気持ちいいところで止めることが大切です。

すきま時間にやってみよう!すぐにできるストレッチ

崎田さんが、いますぐにでもできる簡単ストレッチを書き下ろしてくれました!

【簡単ストレッチ】小胸筋腕回しストレッチで肩こりを解消!

腕の付け根、ワキの横あたりに「小胸筋」というインナーマッスルがあります。「小胸筋」は背中側にある肩甲骨に繋がっていて、肩コリの原因の一つでもあります。

イラストの筋肉の部分を押さえてみて「イタ気持ちいい場所」を探します。

3本指で少し強めに「イタ気持ちいい場所」を押さえながら、ヒジを曲げて背泳ぎのように大きく後ろ回しを10回します。逆の腕も同様に行います。

息を止めないようにゆっくり自然な呼吸で、背すじをピンと伸ばしながら行いましょう。猫背だと効果が半減してしまいます。腕を大きく回すと肩甲骨も動くので、肩周りのこわばった筋肉がほぐれて血流もグンとアップ。肩コリと胸のツマリの緩和に効果的! 浅くなりがちだった呼吸がラクになる感覚も。コツを覚えたらあとは気持ちよく伸ばすだけ。気分もリフレッシュします。家事や仕事、勉強の合間におすすめです。

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【乳がん患者の体験談】抗がん剤で脱毛して外見が激変…でも綺麗でいたい

山崎 多賀子さん

【執筆者】山崎 多賀子さん

美容ジャーナリスト 美容、健康に関する幅広いジャンルで長年取材を続ける。自らの乳がん体験から、各種NPO団体でのサポート活動、講演やがん患者対象のメイクセミナーにも力を注ぐ。NPO法人CNJ認定乳が…

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病気との付き合い方、私の場合。人ごとではないから知って欲しい乳がんになること。

乳がんの治療は、局所治療と全身治療の二つに分けられます。

患部を摘出する手術や、術後に取り残したがん細胞をやっつけるために乳房に当てる放射線治療は、部分的なものなので、局所治療とよばれます。
また、がん細胞が血液やリンパの流れにのって全身を巡っている可能性がある場合は、点滴や注射、飲み薬によるホルモン療法や抗がん剤、新しいところでは分子標的薬があり、これらは全身に作用させるので全身治療とよばれます。

術後の痛みや、乳房や乳首を失ったり、形が大きく変形したときの喪失感は、人によって性格を変えてしまうほどの影響を与えることもあります。また女性ホルモンの分泌を抑えるホルモン療法では、更年期と同じさまざまな不調がでてきます。しかし、なかでも辛いのは、抗がん剤治療ではないでしょうか。

抗がん剤は、吐き気や胃腸の不調、しびれ、味覚障害など、個人差はあるものの身体的に辛い副作用を伴いますが、そこへ追い打ちをかけるのが、外見をガラリと変えてしまう脱毛です。健康な細胞にも強いダメージを与える、標準治療の抗がん剤では、ほぼ完全脱毛してしまいます。それも頭髪だけでなく、眉もまつ毛も鼻毛も抜けてしまい、くすみやむくみ、肌荒れがおこり、まさに「重病人」の風貌になってしまうのです。

ニキビができるだけで、人に見られたくないと思うのが女性の心理ですから、想像するだけで耐えられない、と思うものです。
私も抗がん剤の選択を迷ったときに、そんな姿を人に見られたくない。おっぱいは服を着れば分からないけれど、顔は隠せない。抗がん剤をしたら、仕事も楽しいこともすべてあきらめて、引きこもっているしかない。そう思うと絶望的になりました。

皆さんは、がんというと、病院で寝たきりのイメージがあるかもしれませんが、実際はそうとも限りません。

乳がんの場合、手術で3日から長くて2週間日の入院。手術以外の治療はすべて通院が一般的です。いっそ入院しているなら病院に守られているし、患者だらけなので外見もそう気にならない。でも実際の闘病の場は、普段の生活の場なのです。病院の外では自分で自分を守らないといけないからこそ、孤独という恐怖を感じるのです。

ところが、医師や経験者の話を聞き回ってみると、抗がん剤の治療中、ずっと具合が悪いわけではないことが分かりました。確かに、薬を点滴した数日間は吐き気などの副作用がでるので、安静にしていたほうがいいけれど、それ以外は案外、普通の生活ができるというのです。

このことが分かり、やっと恐怖から解放されました。
「元気な日があるのなら、オシャレなウィッグを作ろう。流行の帽子を用意しよう。どうせなら今以上にオシャレになってやろうじゃないの! 病気だからって、ひと目を気にしてこそこそ生活するなんて、まっぴらごめん! 具合が悪い日は病人だけれど、元気なときは普通の人に戻ろう!」そう思ったら、ムクムクと力が沸いてきたのです。

そして抗がん剤が始まる前に、希望どおりのオシャレなウィッグやつけ毛、帽子を準備できたときに、大丈夫だと思えました。「脱毛どんと来い!」と思えたのです。

髪はもちろん、病人風の顔も、元気に見えるメイクで克服できました。メイクして、ウィッグや帽子をかぶった私の姿は、我ながらとても抗がん剤中とは思えませんでした。すると不思議なことに、そんな姿を人に見てもらいたくなるので、体調がいいときは、積極的に仕事や遊びに出るようになりました。なんと、趣味のバレーボールも帽子をかぶって参加したほどです。

治療は医師に任せる。でも外見をキレイにすることは自分でできる。

女性にとって外見が心に与える影響の大きさと、外見を整えることの大切さを、この経験から改めて学びました。そしてこれはなにも、がんに限らずの話だと思いました。辛く、具合が悪いときは、外見など気にする必要はありません。でも、元気なときは、外見を整えてやると、自分のモチベーションが上がるのです。再び社会とつながりたくなるのです。身体力、気力、知識、経験はすべて、困難を乗り越えていく「力」になります。同じようにキレイも「力」、なのだと私は思っています。

自分の経験から、元気に見える簡単なメイク法を著書や講演会などで、機会があるごとにご紹介させていただいており、私が所属するNPO法人キャンサーリボンズが運営する、新百合ヶ丘駅(神奈川県・新百合ヶ丘)のリボンズハウスでも、定期的に小さな美容セミナーも開いていますので、もし機会があったら、のぞいてみてくださいね。健康な方も大歓迎です。

最後にひとつ、医療用ウィッグについてです。実は医療用のウィッグは、どんなに安くても10万円前後します(私は2種類買って、40万円以上しました)。製造にとても手間がかかるため、高額なのは仕方がないのですが、抗がん剤治療が高額な上に手痛い出費。もちろん買えずにあきらめる人も少なくないのが現状です。
残念ながら日本では医療用ウィッグに保険適用が認められていませんが、ファッション用のウィッグは患者用にできていないので、不具合が多いのです。髪はあればいいってももではない。不自然なヘアスタイルで人に会いたくなくなるものです。現在NPOで抗がん剤を受ける患者さんに医療用のウィッグを贈る活動をしていますので、皆さんにも、ぜひそんな現状を知って頂けたら嬉しいです。

関連コラム
●第一回 【乳がん患者の体験談】告知のショックーまさか自分が乳がんになるなんて

●第二回 【乳がん患者の体験談】ホルモン療法と抗がん剤、治療の選択の難しさ

※この記事は2009年10月に配信された記事です

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【乳がん患者の体験談】告知のショックーまさか自分が乳がんになるなんて

山崎 多賀子さん

【執筆者】山崎 多賀子さん

美容ジャーナリスト 美容、健康に関する幅広いジャンルで長年取材を続ける。自らの乳がん体験から、各種NPO団体でのサポート活動、講演やがん患者対象のメイクセミナーにも力を注ぐ。NPO法人CNJ認定乳が…

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人ごとではないから知ってほしい 乳がんになるということ。

乳がんになって思い知らされた検診が必要な本当の理由

今年もピンクリボン運動月間が始まり、さまざまな場所でイベントが繰り広げられています。ただ、この運動を季節の風物詩かなにかで、自分自身に向けられたメッセージとは思っていない女性も多いようです。そこで乳がんの体験者として声を大にして言います。乳がんは女性の誰もがかかる可能性があり、しかも予防ができない病気です。ピンクリボン運動とは、「乳がんを早く発見し、寿命まで幸せな人生を送るために、皆さん乳がん検診にいってください」、と呼びかけるための運動だということを。

とはいえ、健康だと思っている人のほとんどは、自分が乳がんになる、などと思わないものです。何を隠そう私はその代表選手のようなものでした。忙しいし、予約するのは面倒だし、検診代も高いし。だいいち体が丈夫な私が40代でがんなどという怖い病気になるはずがない。そう思って疑いませんでした。ところが、これまで検診をさぼっていた私は、本当にラッキーな偶然により、乳がんを見つけることができたのです。検診で命拾いをした、と心の底から思います。

そこでまず、私が乳がんを発見した経緯を書きたいと思います。

私は4年前、44歳の夏、子宮を調べておこうと、婦人科へ検診に行ったのです。理由は近い将来の更年期に備え、今のうちに子宮や卵巣を調べておこう。そして信頼できる婦人科の主治医を見つけておきたい、と考えたからです。若いころから生理が重かったので、いつか大きな病気をするとしたら、きっと婦人科系だろうと決めつけていたため、乳がんについてはまったくノーマークでした。

ところが私が選んで行ったクリニックは、初診時に婦人科の他にマンモグラフィを含む乳がん検診も必ず受けるシステムになっていました。なので、私はついでのつもりでマンモグラフィを受けました。乳がん検診は実に10年ぶりでした。

その結果、婦人科系は問題なし。ところがマンモグラフィでひっかかってしまったのです。とはいえ触ってもしこりはないし、乳腺症の疑いかな? と、このときは気楽に構えていました。

クリニックで見せられた私のマンモグラフィの画像には、右乳房だけに塩をまいたような白いツブツブがたくさん映っていて、これを石灰化といい、ほとんどが良性のものだが、なかには乳がんが隠れている場合があるということでした。そして3度の検査の結果、乳がんと診断されてしまったのです。痛くも痒くもないのに、この瞬間から私は乳がん患者になったのです。どれだけ触っても、しこりらしきものも感じられないのに!なぜ!? なんと私の乳がんは、しこりにならず、がん細胞が乳管の中をじわじわ這うように増殖していたのです。このようなタイプは、触診ではまず見つけることは不可能で、超音波にも映らない。超早期の石灰化も映し出す、マンモグラフィでなければ見つからないものでした。

告知を受けたときは頭が真っ白になり、床がスッと抜け落ち、椅子ごと底へ落ちていくようでした。

しかし、あのとき検診を受けに行っていなければ、今も私は乳がんと知らずにのうのうと生活していた可能性があります。そして、自分で気づいたときは病状が進んでいて、私は本来の寿命を全うできなかっただろうと思うと、怖しくなります。
乳がんでおっぱいがなくなっても人は死にません。乳がんで死亡するのは、他の臓器に転移再発してしまうからです。そして再発すると完治は困難と言われています。乳がんは早く見つけるほど、完治の確立が高いことが分かっています。乳がんになるのを止めることはできない。ならば、乳がんになっても早く見つけて、早く治すことが最大の防衛策です。それには、定期的に乳がん検診を受けて、手で触っても分からないくらいの段階で見つけることがとても大切なのです。

進行がゆっくりの乳がんは、1cmのしこりになるのに、約10年かかるといわれています。でも1cmから2cmになるのは、わりとすぐなのだそうです。私の乳がんも広がりかたをみるとおそらく10年前には始まっていたと言われました。なんのことはない。私は34歳のときにすでに乳がんだったのです。

私は本当にラッキーだった。でも私のように乳がんにならないと信じて検診に行かずにいて、でも実はすでに乳がんという人が世の中にはたくさんいます。それはあなたかもしれないし、あなたの大切な人かもしれない。

日本の乳がんでの年間死亡者数は交通事故死よりもずっと多い事、そして乳がんにかかる人も死亡する人も年々増えていることをご存知でしたか? その恐ろしい現実をもう一度自分のこととして、考えてほしいと思います。

結果的に私は右乳房を全摘出し、再建をしました。当初、超早期と言われていた乳がんは思ったよりも進行していて、再発を防ぐために抗がん剤治療を受け、吐き気や脱毛などの副作用を経験し、現在は女性ホルモンを抑えるホルモン療法を続けています。治療を受けたことに後悔はありませんが、もっと早くから乳がん検診にいっていたら、抗がん剤を受けなくてもすんだかもしれなかったのに、と思わずにはいられません。早く見つければ、治療も軽くすむ可能性が高いのです。

次回は、万が一乳がんになってしまったときの、治療について書きたいと思います。

※この記事は2009年9月に配信された記事です

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突然の腹痛・吐き気・お腹の張りは腸閉塞(イレウス)かも? 症状と対処法

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

腸が詰まってしまい、激痛を起こす腸閉塞。命に影響を及ぼす場合もある危険な病気です。症状と対処法をご紹介します。

突然の腹痛・吐き気・お腹の張りは腸閉塞(イレウス)かも? 症状と対処法

自然治癒することはない腸閉塞

特に食中毒になるような食品を食べたわけでもないのに、急に強いお腹の痛みや吐き気に襲われたら……。腸閉塞の可能性が考えられます。
腸閉塞とは、漢字からもわかるように腸の通り道が狭くなり、腸が詰まる病気です。別名イレウスとも呼ばれ、これは自然に治ることがありません。命に関わる場合もあるので、適切な対処が必要です。

本来、食事で摂った食べ物は胃や腸で消化吸収され、残りは便として排出されます。その流れが滞ってしまうので、はじめは胃液や胆汁を吐きますが、進行すると腸の内容物が逆流し便のにおいのする吐瀉物を嘔吐します。症状も、腸が詰まった瞬間に急に激しい腹痛と嘔吐に襲われる、お腹が張る、見た目でわかるほど腸がむくむといったことがほとんどの人に現れます。まれに、激痛の波が繰り返す人もいます。

腸閉塞は原因によって分類されている

腸閉塞(イレウス)は大きく分けると「機械的イレウス」と「機能的イレウス」に分類されます。

◯機械的イレウス

物理的に腸が詰まってしまっている状態。腸閉塞(イレウス)の90%が機械的イレウスといわれ、そのほとんどが手術後に腸が癒着することによっておこるイレウスです。これを腸管癒着といい、腹部の手術によっておこります。子宮がん、大腸がん、胃石、胆石でも腸閉塞に。腸の炎症のほか、腸がねじれる腸捻転も原因になります。

◯機能的イレウス

腸の働きが滞って、腸の内容物が停滞してしまっている状態。腸の神経や筋肉が通常通り働かず、腸の働きが麻痺することによって起こる麻痺性イレウスがその代表です。開腹手術のほか、ショックなどの強いストレス、薬の副作用でも起こるとされています。また、胆石、虫垂炎、ヒステリーなどによって腸の一部が痙攣することによって起こる痙攣性イレウスもあります。

急な腹痛はすぐに病院へ

急激な腹痛に襲われたら、すぐに病院を受診しましょう。レントゲンや聴音波、CT検査によって診断がおこなわれます。
ほとんどの場合は保存療法がおこなわれ、食事を摂らずに、点滴で栄養補給を実施。そして、鼻からチューブを入れ腸管のふさがったところまで挿入します。内容物を排出して、腸にかかっている圧を減らすためです。こういった保存療法をおこなっても、改善しない場合、腸閉塞を繰り返す場合には手術を実施。腸のねじれた部分や、腫瘍、異物を排出するほか、腸の一部を切除する場合もあります。

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