ズンドコズンドコ痛むお腹。あまりの痛さに病院を受診したものの、便秘との診断。……ところが、一向に治まる気配のない腹痛はなんと急性虫垂炎だった! 盲腸で入院・手術をした虫垂炎経験者に当時の状況を聞いてみました。

便秘と言われつづけ盲腸(急性虫垂炎)で緊急手術!するまで

■病院で便秘の診断……ところがまさかの盲腸!

6年前の初春、腹痛が2〜3日続いたため病院へ。当時は仕事で大きなストレスを抱えていたため、胃腸炎かもしれないと近所の内科を受診しました。「どのあたりが痛いですか?」と聞かれてハタと気付いたのですが、痛みは腹部のあちこちに出ていました。あるときは右下腹部に、あるときは左下腹部に鋭い痛みが出たかと思えば、今度は胃のあたりがもやもやと痛む……。自分でもうまく説明ができない状態でした。触診で診察台に横になり、お腹をあちこち押されながら、「ここを押すと痛いですか?」、「痛くないです」、「じゃあここは?」といった問答を繰り返した結果、診断は便秘。その日は便秘薬の処方箋を出してもらって帰りました。

ところがその薬を飲み続けても腹痛はよくならず、今度は下腹部がシクシク痛むように。婦人科の病気かもしれないと思った私は「駅名 婦人科」で検索し、一番評判の良さそうな会社近くの婦人科へ駆け込みました。婦人科では内診台に上がり、エコーで診察。「うーん、特に問題なさそうですね。ま、便秘でしょう」ということで、再度大量の便秘薬を出されることになったのです。

薬を飲み続けること1週間、痛みは減るどこかズンドコズンドコと勢いを増して、ついに吐き気を催すようになりました。日頃から食い意地のはっている私の食欲が無くなり、熱まで出る始末。これはさすがにおかしいと、冷や汗をかきながら「gooヘルスケア」で「お腹がいたい」のページを開きました。「上腹部やへそのまわりが突然痛み出し、次に発熱、吐き気や嘔吐、食欲不振が起こります。数時間もすると吐き気は止まり、数時間から24時間以内に痛みが右下腹部に移ってきます。」——虫垂炎の項目に書かれた症状は、まさに私の症状そのものではありませんか。

■便秘と診断されたのにまさかの虫垂炎!

会社近くの総合病院に電話すると、外来の時間は終わっているが救急外来で診てもらえるとのこと。会社を早退し、痛む腹を抱えながらタクシーで病院に向かいました。

救急外来に到着すると、今までの経過から婦人科か内科どちらかだろうということになり、両方の診察を受けることになりました。婦人科で女医さんの内診を受けたあと、採血して虫垂炎の疑いがあるということで内科でCT検査を受けました。結果、私の虫垂は大きく膨れていまにも破裂しそうな状態になっていました。「今日来てくれて良かったです。腹膜炎を起こす一歩手前。腹膜炎を起こして放置していたら、亡くなることもありますよ」という医師の言葉にびっくり。その場ですぐに緊急手術が決まり、家族に連絡して手術の同意を得ることになりました。何の準備もしていない状態だったので動揺。「あのー、いったん家に帰って服取ってきてもいいですか?」と医師に訊くと、「何を言ってるんですか。安静にしてください」と呆れられ、準備室で待機することになりました。スマホの充電は切れそうだし、仕事は山積み、親は遠方に住んでいるのですぐ来られない。どうしたもんか。悶々としながらベッドで寝転がっていると、どんどん熱が上がって来て38度台になりました。お腹も痛いし、熱で身体が動かなくなってきました。

■虫垂炎で緊急手術…まさに「腹を切る」強烈な痛みとの戦い

手術は夜から開始。硬膜外麻酔で全身麻酔の注射を打つと、だんだんと瞼が重くなります。しばらくすると意識が無くなりました。
目が覚めると朝。抗生剤の点滴と尿道カテーテルをつけてベッドの上にいました。看護師さんが「経過いかがですかー」と様子見にきて、管からシャープペンシルのようなボタンを押してカチカチと麻酔を追加してくれました。「このあと麻酔が切れて痛くなると思います。どうしても我慢できなくなったらナースコールで呼んでくださいね」というやりとりのあとで眠りに落ちました。このとき私はまだ「腹を切る」ということの意味が分かっていなかったのです。

次に目覚めたときは焼け付くような強烈な痛みをお腹に感じました。ななな、なんじゃこりゃー! 痛い、痛すぎる。さっきの看護師さんの言葉を思い出し、必死にナースコールを押します。早く、早くなんとかしてー! 看護師さんは一度は麻酔を追加してくれたものの、「ずっと麻酔を続けていると、回復も遅くなってしまうんです。鎮痛剤を出しますので、ちょっと我慢してもらえますか」と、申し訳なさそうにロキソニンをくれました。いやいやいや、ロキソニンごときで誤魔化せる痛みじゃないんですけど。懇願しても麻酔は追加してもらえません。映画『切腹』に出てくる、切腹させられて死にきれなかった浪人の姿を思い出しました。あのお侍はこんな痛さだったのか。そりゃ仲代達也も怒って暴れるわ。痛いよう、痛いようと、その日はずっと涙目で過ごしました。

■術後は歩くのもやっと……開腹術はダメージが大きい

その日の夕方には自力でトイレに行く訓練が始まりました。これがまた痛いのなんの。起き上がるだけで「うぉぉ」と叫んでしまう激痛に耐えつつ、廊下の手すりにつかまって20メートル先のトイレに向かいます。こんな痛いのに歩けとは……看護師さんがドSに思えました。

2日経過すると、なんのかんのと痛みも我慢できるレベルに落ち着いてきました。人間の回復力はすごいなあと感心します。2日間は水分しか取れず、ずっとスポーツ飲料を飲んでいたので飽き飽きしてきました。3日目からは重湯やおかゆになり、身体に力がみなぎってきます。ガス(おなら)が出て腸が動き始めたことを確認し、5日目に退院することになりました。執刀医の若い先生には切除した虫垂を見せてもらったところ、私の虫垂は7センチ程度の大きなものでした。

退院後も1ヶ月程度は本調子ではなかったので、激しい運動や無理をしないように努めました。盲腸(虫垂炎)は軽く思われがちですが、手術直後の激痛は大変なもの。腹膜炎になると1ヶ月は入院することになるそうです。私のように誤診が続いて治療が遅れるケースもあるので、少しでも不安があればセカンドオピニオンを求めてください。

■まとめ

便秘の診断が一変、虫垂炎というまさかの展開。特に女性の場合は、痛みに強いこともありますが、症状を訴えてから一週間ものあいだ激痛と戦っていた様子を思うだけで胸が痛みます。腹膜炎を起こして放置したら死に至るケースもあるようで、腹痛も油断なりません。服薬をしても改善しない場合は、別の医師に相談してみることも時には必要かもしれません。

(編集・制作 gooヘルスケア)文/亀井満月

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