選択肢が広がる乳がん治療 早期発見がより重要に。
最近20年で乳がん医療は大きく進歩。乳がんのなりやすさや、乳房温存治療など、乳がんの最新情報を紹介。

乳がんの予防と治療の新常識ー乳がんリスクを『ほぼ確実』高める行為とは?

乳房温存療法が世界標準に

日本女性の11人に1人がかかる乳がん。乳がんにかかる女性は増加しており、1年間に1万4000人の人が乳がんで亡くなっています(2016年の統計による)。
その一方で、乳がん医療は大きく進歩。例えば、以前は、乳がんになったら乳房全体を切らなければならないと言われていましたが、乳房全体を切除しても、がん細胞とその周囲だけを小さく切っても、治療後の余命には変わりがないとする報告が相次いだため、現在では乳房を残す温存療法が世界標準になっています。乳がんになったら即、胸を失う、ということにはならなくなりました。

欧米では遺伝性乳がんの予防的切除も

ハリウッドの人気女優、アンジェリーナ・ジョリーさんが乳がん予防のために乳房を切除したことは記憶に新しいでしょう。アンジーが乳房切除に踏み切ったのは、遺伝子検査によって乳がんに関係する遺伝子の異変が見つかったからで、この手術により、彼女の乳がんリスクは87%から5%になったと言われています。遺伝子検査で乳がんの発症リスクがわかり、乳房切除手術で発症リスクが下げられるなど、以前は考えられないことでした。欧米では遺伝性乳がんの研究が進み、手術には多くの場合、保険も適用されます。

乳がんリスクを高める生活習慣に注意

遺伝子が原因の乳がんは、乳がん全体の5~10%と言われており、それ以外の乳がんの原因はよくわかっていません。これまで欧米を中心に、食事などさまざまな生活習慣と乳がんとの関連が研究されてきましたが、乳がんは発症するまで20年、30年とかかるため、生活習慣との関連を検証するのは難しいのが現状。ただ、その中でも「乳がんリスクを増加させる」ことがわかっているものを避け、「乳がんリスクを減少させる」可能性があるとわかっているものを取り入れることは、乳がん予防につながると考えられます。

飲酒と喫煙は「ほぼ確実」に乳がんリスクを増加

「乳癌診療ガイドライン2013」(日本乳癌学会編)で紹介されている、国際的なリスク評価によると、乳がんリスクを「ほぼ確実に増加させる」とされているのは、アルコールとタバコ。また、乳がんにかかりにくくなる「可能性がある」とされているのは、大豆イソフラボンと乳製品の摂取です。一方、高脂肪食品の摂取や、ストレス、電磁波など、乳がんリスクを増加させると言われているものは、今のところ「証拠不十分」。バランスのよい食事が大切であることは言うまでもありません。

閉経後は運動をして、太らないように注意!

運動や肥満との関係で言えば、閉経前の運動が乳がんリスクを下げるかについては「証拠不十分」。一方、閉経後の運動は「ほぼ確実」に乳がんリスクを下げると言われています。閉経後の肥満は乳がんにかかりやすくなることも「ほぼ確実」なので、閉経後は運動をして、太らないように気を付けることが大切と言えます。

早期発見・早期治療が最も重要

乳がんは早期に発見できれば約9割は治る病気です。また、早期であれば見た目を重視した治療など、選択の幅が広がります。月1回の自己検診と、40歳以上はマンモグラフィ、30代で気になる人はエコー(超音波)による検診を受けるようにしましょう。自己検診で異変を発見したら、婦人科ではなく乳腺外科を受診します。

(編集・制作 (株)からだにいいこと)

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