不安神経症になりやすい人の特徴|発症しやすい年齢は20代~30代の女性

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

不安障害のひとつ、不安神経症。生活に支障がでるほど不安感を感じてしまう疾患で、女性が男性の2倍なりやすいそう。症状や治療法についてまとめました。

不安神経症になりやすい人の特徴|発症しやすい年齢は20代~30代の女性

20~30代は生活環境から不安の種が増える

不安神経症とは、全般性不安障害とも呼ばれ、以前はノイローゼという名前でも呼ばれていました。心理的原因によって生じる心身の機能障害の総称と定義されています。不安障害のひとつで、恐怖症やパニック障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と並列にあたる疾患です。日本では1.8%の人が不安神経症を持っているというデータがあります。不安神経症は女性に多く、また、不安神経症の人の25%はうつ病も併発するとされています。

不安神経症の症状は、一般的に起こる生活上のことに過剰に不安になってしまうことです。それが、生活に支障をきたすほどで半年以上続く場合は、全般性不安障害の可能性があります。18歳から60歳までのすべての年齢層でみられますが、発症のピークは30歳。つまり、20~30代で発症しやすいと考えられます。

20~30歳は、仕事と家庭の両立などで生活が多忙になり、その分心配する事柄が増える時期。例えば、「仕事のスケジュールが間に合うか」「家族の健康は大丈夫か」「人に嫌われないか」など、あらゆることが不安の種になります。誰でも多少の心配や不安は抱えているものですが、不安が原因で落ち着かない、疲れやすい、集中できない、イライラする、筋肉の緊張が続く、発汗、めまい、不眠といった症状が起こるようなら、不安神経症が疑われます。

がまん強い人は全般性不安障害になりやすい!?

不安神経症の原因は、はっきりとはわかっていません。以前は、心理的要因が原因と考えられてきましたが、近年では脳の研究が進んだことにより、心理的要因に加え、脳内神経伝達物質系が関係する脳機能異常があるとする説が有力になってきています。

また、がまん強い性格、ネガティブ思考、リスクをとらない性格の人が発症しやすいとも言われます。一般的に誰もが、生活の中で不安感を抱くことはありますが、それが過剰で生活に支障をきたしている場合は、専門医に相談をしましょう。精神科や心療内科が近くにない場合は、精神保保健祉センターが公的な窓口として全国に設置されています。

不安神経症の治療法とは?

不安神経症の治療は薬物療法とカウンセリングが中心です。薬は、症状によって抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬などが用いられます。カウンセリングでは、苦手なモノや場所に少しずつ慣れさせていく認知行動療法を行います。物事を不安に直結させてしまう考え方のクセを少しずつ直し、不安に対処できるようにするもの。時間をかけて不安要素に対応できる心を作ります。




うまくいかない人間関係の原因は自分の心の問題にある!?

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【執筆者】ピースマインド・イープ

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【執筆】長田京子カウンセラー

日々の忙しい生活の中で、こんな風に感じたことはありませんか?日曜日の夜に、明日から仕事か・・・と重い気分になったこと、毎朝、これから仕事かと、ため息をつきたい気分になったことはありませんか?現代社会で、多くの人々がハードな仕事量をこなし、夜遅くまで仕事をしています。でも、ため息の理由はこれだけでしょうか?

うまくいかない人間関係の原因は自分の心の問題にある!?

ため息の原因とは?

今まで、たくさんの方にカウンセリングをさせて頂いて感じることが、大半が人間関係の問題です。ため息の原因の多くが、人間関係にまつわるのものではないでしょうか?
このコラムを通して提案があります。「自分の人間関係」は、「自分の心の中を映し出しているもの」と、とらえてみるのです。例えば、心の中でザワザワ・・とすることがあれば、それが自分の周囲の人間関係に映し出されていると考えるのです。なにやら、落ち着かないザワザワ感が周囲にありませか?そして、そのザワザワ感は、そのことを解消して心静かにしたくて現れているのではないでしょうか?

意識の大半は潜在意識

意識には、大きくわけると顕在意識と潜在意識があります。私たちは顕在意識を使って日々の活動をしています。でも、その活動や行動、心の状態に大きく影響しているのは、潜在意識です。意識の93%から97%が潜在意識であり、そのカラクリを知るためには、ダイバーのように意識の中にもぐって行くしかありません。でも、ダイバーになるのは困難で、想像、推定するしかありません。それでは、例をあげますので、自分自身に置き換えながら、想像してみましょう。

ケース1 部下への指導

Aさんのため息の原因は、部下のことです。いくら指導しても、仕事の段取りが悪く、失敗ばかりです。それに見ているとイライラとしてきます。今日も、この部下に指導しなくてはならいなと思うと、ため息です。このイライラ感を見つめてみましょう。Aさんのこの感情の元は“怒り”です。部下が「能力が低く手際が悪く自信のない性質」に見えて、そこに怒りを感じていました。静かに座り、心をみつめて行くと、若い頃の自分にそっくりであることに気づきました。そして、Aさんは内心、今でも、自分に自信が持てず仕事の能力も低いと思っていました。部下に自分のコンプレックスを映し出していたのです。部下を攻めて怒っていたはずですが、実は、自分のことを攻め続けていたのでした。

ケース2 上司との人間関係

Bさんのため息の原因は上司との人間関係です。Bさんは上司が嫌で仕方ありません。上司は、些細なことに干渉し、説教をするのでした。客観的に見れば、部下へ思いやりともとれ、その指導力には定評がありました。でも、Bさんは、そこに嫌悪感を持っていました。Bさんは、自分の心のカラクリを見つめてみました。上司の思いやりとも過干渉ともとれるその性質は、以前にも体験した記憶があり、紐解くと、その性質にそっくりなのは父親でした。思春期の頃、父親の干渉に嫌悪を抱いていましたが、それは父の思いやりととって、心の片隅に追いやって来たものです。父に、もっと自分を信頼してほしい、自由にさせて欲しいと憤っていましたが、その感情は未消化のままでした。それが、今、上司を通して浮上していたのでした。

潜在意識にある心の情景が、現実に映し出されて、嫌悪やイライラや怒りを見るのです。そのスクリーンは人間関係の上にあります。人間関係が自分の心のスクリーンだと思えば、相手を攻める気持ちはなくなります。人間関係の問題解決の糸口は、自分の心のお掃除やケアだと思います。
もし、あなたのため息度が多ければ、カウンセリングの利用の好機会だと思います。

※この記事は2007年5月に配信された記事です

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朝起きるのがつらいのは血圧の低さが原因? 女性に多い低血圧の症状

【お話を伺った人】中村 理英子先生

中村クリニック院長 1946年生まれ。1970年東邦大学医学部卒業後、同大学産婦人科学教室に入局。1991年より、東京・下北沢に中村クリニック(産婦人科・内科・皮膚科)を開設。女性誌などでも女性の…

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(編集・制作 (株)法研

規則正しい生活リズムで快適な毎日を! 朝型生活とバランスのよい食事、血行をよくする運動を続けることで症状を軽く

原因のはっきりしない本態性低血圧の人がほとんど

「低血圧だから朝起きられない」という人、若い女性には結構多いようです。低血圧の人には、ほかにもめまいや立ちくらみ、頭痛、肩こり、疲れやすい、体がだるい、気力がわかないなど、さまざまな症状がみられます。そして春から夏にかけて、症状は強くなることが多いのです。

低血圧とは血圧が正常値を下回っていること。特に決まった基準はありませんが、一般的に最大血圧が100mmHg以下の場合を低血圧といい、次の3種類に分けられます。

●本態性低血圧
特に原因が見当たらず、体質的なものと考えられている。症状がひどくなければ治療の必要はない
●二次性低血圧
がん、貧血、甲状腺機能低下症など、何らかの病気が原因で起こる。原因に対する治療が必要
●起立性低血圧
急に起き上がったり、長時間立ち続けたときに血圧が下がり、めまいや立ちくらみなどを起こすもので、たびたび起こる場合は受診が必要

低血圧といわれる人のほとんどは本態性低血圧で、日常生活に支障をきたすほどの症状が出ることはまれです。しかし、初めにあげたような症状が起こりやすく、つらいのも事実です。

なぜ血圧が低いと、このような症状が起こるのでしょうか? 最大血圧の数値は、心臓が血液を全身へ送り出すときに、血管の壁にかかる圧力を示していますが、その圧力が低い低血圧の人は、血液を押し出す力が弱く、血液の循環が悪くなりがちです。血行が悪いと、血流にのって運ばれる栄養や酸素が体のすみずみまで行き届かず、疲労物質を速やかに流すことができないため、疲れやすく、さまざまな症状が現れるのです。夏に症状が強く出やすいのは、気温が高くなると血管がゆるみ、血圧が下がるためです。

でも、「体質だからしかたない」とあきらめないで! 症状を軽くして快適な毎日を送るにはどうしたらいいか、考えていきましょう。

夜型生活がいっそうの体調不良をもたらす

血圧は眠っているとき低くなり、朝目覚めるころだんだん高くなりますが、低血圧の人はこの血圧の上昇がうまくいかないため、朝起きるのがつらかったり、だるかったりします。起きて活動しているうちに血圧も上がって、夕方から夜にかけては人より元気になったりする人もいます。このため、つらさをわかってもらえないだけでなく、病気でもないのに怠けている、甘いなどと思われがちなのも低血圧のつらいところ。

しかし、朝弱いからと夜型の生活を続けていてはだめ! 夜更かしすれば朝はますます起きるのがつらくなり、午前中をボーっと過ごしてまた夜更かしといった悪循環に陥ってしまいます。低血圧だからこそ早く起きて、血液循環をよくしてあげることが大切なのです。

急に生活リズムを変えるのは大変ですが、少しずつ夜寝る時間を早くしていきましょう。朝起きるときはゆっくり起き上がること。急に起き上がると脳貧血の状態になりやすく、低血圧の症状をひきずってしまうため、ゆっくり時間をかけて起き上がるようにします。ちょっとした工夫で、すっきり目覚めることができるようになります。

●寝たまま手足を上に上げてバタバタさせたり、仰向けでばんざいをして、手足で引っ張り合うようにぐーんと伸びをしたり、軽くストレッチをしてから起き上がる
●カーテンを開けて朝日を浴びる
●朝ごはんをしっかり食べる
●時間があるなら熱めのシャワーを浴びるのもよい

日常生活ではこんなことに気をつけて

低血圧の症状をやわらげるには、規則正しい生活リズムとともに、血行をよくすることが大切。次のような点に気をつけましょう。

●食事は3食バランスよく。たんぱく質、ビタミン、ミネラル、脂質などをしっかり
●適度な運動を続ける。激しい運動は動悸(どうき)やふらつきを起こしたりするので軽い運動を。ストレッチや体操、ウォーキング、水泳など、少しずつでも続けることが大切
●汗をかいたら十分水分をとり、塩分を補給。塩分が不足すると血圧が下がりやすい
●体を冷やさず、暖める。ただし、長いお風呂は血圧を下げるため禁物
●ストレスをためない。低血圧の人はストレスがたまると胃の不調を起こしやすく、肩こり、頭痛の症状を悪化させやすい
●夏バテに注意。普通の人より疲れやすく食欲も低下しやすいため特に気をつける。冷房対策はしっかり

高血圧はほうっておくと心臓病や脳血管障害などのさまざまな病気の引き金になるのに対し、低血圧自体は直接病気を起こす原因にはならず、むしろ低血圧の人は長生きできると言われるほどです。あまり気にせず、上手につきあっていきましょう。

それでも症状がつらい人は、お医者さんに相談を。お薬や加圧バンドなどで症状を軽くする治療もあります。

※この記事は2007年7月に配信された記事です

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あの人うつ病かも? うつを見分ける症状のポイント|接し方のヒント

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【執筆者】ピースマインド・イープ

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【執筆】住本吉章カウンセラー

あの人うつ病かも? うつを見分ける症状のポイント|接し方のヒント

誰でもが陥りやすいうつ状態

うつ状態は、誰でもが陥りやすい状態です。一昔前までは、中年以降のものとされていましたが、最近では、低年齢化の傾向がみられ、大学生はもちろんのこと、不登校中の中学生や高校生にもみられるようになりました。専門家の話では、小学生にまで降りてきた、とさえ言われています。私どもの相談室にお越しになったうつ状態の方には、お医者様に必ず診てもらってくださいと、申し上げています。しかし、なかなか腰が重い方もいらっしゃいます。もちろん、心療内科等に通院しながら、当方のカウンセリングを利用されている方もいらっしゃいます。

そんな方をカウンセリングするとき、私が気をつけていることがあります。そのことについて、お話ししてみたいと思います。もし身近にそのような状態の方がいる際の対処法のヒントとして知っていただければと思います。

見落としてはならないポイント

さて、うつ状態は、精神面と身体面の両方に現れますが、基本的に見落としてはならないことがあります。それは、例えば次のポイントです。

(1)悲しい感じや、落ち込んだ感じが続いているのかどうか
(2)これまで楽しめていたことに、楽しみがもてない状態にあるのかどうか
(3)これらの状態がどれくらい長く続いているか……等です。

同じうつ状態の方でも困っていらっしゃる内容や程度は、人によってまちまちです。何を期待してお越しになったかに注目していますと、いくつかの傾向が見られます。
私がこれまで相談させていただいた方々の特徴は、以下のように分類できます。

(1)眠れない、食欲が出ない。疲れやすい、しんどい、やる気が出ない。
(2)人との対応ができない。人間関係がうまくいかない。自信が持てない。
(3)ものごとに集中できない。気分が沈む。楽しくない。
(4)なにごとも悲観的に考えて、罪悪感に苦しみ、自分は無価値な人間に思えてくる。将来が心配。お先真っ暗だ。

大部分の方々は、このような特徴のうち、2つ以上の特徴が重なっていることが多いようです。
このことから、うつ状態は様々な角度から対応しなければならないことが分かります。たっぷり時間をかけ、じっくりお話をお聞きしてさしあげますと、落ち込んだうつ気分の全般的な底上げが起こり、当面の課題がはっきり見えてきます。

このように働きかけています

まず、最初に心がけなければならないことは、よく寝られるようにしてあげることです。すると、やや活動的になられ、食事がすすむようになり、以前よりも元気になれる方が多いようです。家で元気が出てこられたら、職場に出られるようになり、また職場でも元気が出るようになります。

次に、人間関係の保ち方について全力を注ぐようにしています。お越しになる方の中には、物事を悲観的にとらえ、いつも、御自身を悪い方へ悪い方へと追い込んでいらっしゃる方がいます。そんな場合、その方特有の考え方を、もっと柔軟にしてあげるお手伝いをしています。また、悪いことが起きると、それがいつまでも継続し、それが万事に広がり、すべてがうまくいかなくなるように思いこんでいらっしゃる方が多いようです。しかも、ご自分のせいで事態を悪化させてしまったと強く信じ、ご自分を厳しく責め立てられます。こんな方の思考を柔軟にして差し上げるのも、私の仕事です。

早く回復する近道とは

そして、先入観を持たずに、いろいろな方法を試してみることをお勧めしています。さらに試してみないうちから、将来、果たしてうまくいくだろうかと、不安にとりつかれ、心配し、おびえている方もいらっしゃいます。この不安も、心理相談のなかで、いろいろな方法を示させていただき、ご自身を強くしていかれる作業のお手伝いをするようにしています。

うつ状態の方は、ご自身の今の状態は必ず良くなる、という「強い希望」を持たれ、今日、様々な有効な方法が開発されているのだから、それらを利用すれば必ず良くなる、という「期待感」をもたれることをおすすめしています。これが早く回復する近道だ、と私は考えています。

※この記事は2007年3月に配信された記事です

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40代からは骨盤底トレーニングを|排尿トラブルを招くトイレ習慣とは?

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【執筆者】中田 真木先生

三井記念病院産婦人科医長 1981年東京大学医学部卒業後、同大学産婦人科学教室入局。1991年フランス政府給費研究生(研修先はオテル・デュー・ド・パリ産婦人科)。東京警察病院産婦人科医幹を経て、2…

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(編集・制作 (株)法研

出産経験のある女性は不具合が出る前から始めたい。骨盤底トレーニングの効果が期待できない人もいることに注意。高齢者は全身の健康管理から。

40歳になったら骨盤底トレーニングを

前回は、骨盤底は妊娠・出産によってダメージを受けやすいため、妊娠中から十分に養生し、分娩時に骨盤底を傷めないようにすることが大切であること、出産後は骨盤底の回復を待ってトレーニングを始めたいことなどを述べました。今回は、加齢によって骨盤底の緩みが出てくる40代以降のケアと、骨盤底の緩みにつながりやすい習慣やくせについて説明します。

40~50代は、更年期の訪れとともに心身の衰えを感じる年代です。骨盤底はもともと、子宮や膀胱などの臓器を支えている微妙な部位。この年代には、腟とその周辺の緩みや排尿の勢いの低下、尿意切迫感など骨盤底に関係する問題も増えてきます。妊娠・出産時に被った骨盤底の「古傷」が元になり、尿もれ(尿失禁)や子宮下垂になる人が増えるのもこの年代です。

そこで、とくに出産経験がある女性は、今はこれといった不具合はなくとも、40代を迎えたら1日1回10分間ほど、骨盤底というボディ・パーツを思い出しながら筋力トレーニングをしましょう。別に難しいことではなく、腰かけた姿勢や寝た姿勢で腟や肛門周辺の筋肉をまとめておへその方向へ引き上げる動作を10秒間ほど持続(このとき腹筋は使わない)、ゆっくり休んで筋肉を休ませてからまたくり返す、これを10分間ほど行えばいいのです。

骨盤底の筋肉が健常な人については、40~50代に骨盤底トレーニングを続けることで骨盤底障害を減らせる、発症を遅らせられると考えられています。一方、神経の病気があって骨盤底を正しくすぼめられない、出産のときに骨盤底に大きな傷を負い筋肉の一部が欠損しているなどの場合には、骨盤底トレーニングの効果はあまり期待できないこともあります。

骨盤底に痛みや不快感のある人が受診せずに自己判断で骨盤底トレーニングを続けることは、大いに問題があります。骨盤底トレーニングには痛みや不快感を治める効果がないばかりか、トレーニング中は骨盤底に意識を集中させるため、この部位の痛みや不快感をより強く感じるようになってしまうおそれがあります。

高齢者はトレーニング以前にメタボ対策や足腰の衰えを防ぐことが必要

年をとると尿もれする人が増え、骨盤底の健康は高齢になればなるほど重要です。骨盤底トレーニングは高齢者にも有用ですが、身体機能全般で考えるとき、膀胱・尿道機能だけでなく足腰の力や骨粗しょう症防止を含めて対策を立てないとQOL(生活の質)の向上や日常生活範囲の拡大につながりません。

骨格・筋肉がしっかりしていれば骨盤底障害はおこりにくく、また、まめに体を動かし全身の運動能力を維持している高齢者は、メタボリック症候群にもなりにくい傾向があります。メタボ対策や足腰の衰えを防ぐロハスな(環境や健康に意識の高い)生活などは、骨盤底障害とも密接な関係をもつテーマであるといえます。

この年代では、糖尿病、変形性脊椎症などが増加し、これらよくある疾患から来る骨盤底や排尿のトラブルが増えます。生活習慣病などであれこれと投薬を受けている高齢者には、多重投薬による膀胱障害がみられます。

若いときから骨盤底を意識して健康管理を

最後に、普段のちょっとしたくせや習慣が、骨盤底のゆるみにつながることもあるということを覚えておいてください。

たとえば、排尿するときおなかに力を入れたり、尿が止まった後に尿をしぼり出そうとおなかに力を入れる人がいますが、これは腹圧で膀胱の出口をこじ開けていることになります。排尿の度にこんなことをくり返していると、将来、おなかに力が入ったときに尿がもれる「腹圧性尿失禁」を起こす原因になるので、お腹の力で尿を絞り出すことは絶対にやめましょう。
また、便秘がちの人が毎日のようにトイレで長時間いきむのは、骨盤底が緩んで、年をとったとき肛門が下がってくる原因になります。スムーズに排便できるように、食事と生活を整えましょう。

以上、骨盤底と排尿機能の健康を保つためには、不具合を自覚する以前の長い地道な健康管理が必要、ということがご理解いただけたものと思います。

※この記事は2008年12月に配信された記事です

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うまくいかない人間関係の原因は親への葛藤や感情にあるかも?

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【執筆者】ピースマインド・イープ

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うまくいかない人間関係の原因は親への葛藤や感情にあるかも?

心理学用語―転移とは?

臨床心理学の用語に、『転移』という用語があります。この用語は、臨床心理学用語の中でも最も有名な用語のうちの1つと言っても良いほど、よく知られている用語です。

臨床心理学用語としての『転移』の意味は、「心理療法の過程で、クライエント(相談をする人)がセラピスト(相談を受ける人)に対して向ける感情。その感情は、クライエントが過去に出会った重要な人物(主に養育者)に対して抱いた感情と同様のものである」とされています。つまり、心理療法を受けていくうちに、セラピストに対して、親に対して抱くのと同じような感情を抱くようになることを、『転移』と呼びます。

この概念は、精神分析の創始者であるS.フロイトが提唱したもので、陽性と陰性とに分けられます。陽性とは好ましい感情を抱くこと、陰性とは攻撃・嫌悪などのネガティブな感情を抱くことを言います。精神分析では、この『転移』という現象は自然に起こるものとされており、セラピストはこの現象に敏感に気づくことを求められ、心理療法の過程に活かすことが望まれます。

うまくいかない人間関係は『転移』にあるかも?

このように、本来は心理療法におけるセラピスト-クライエント関係の理解を深めるための用語ですが、私たちの日常生活においても見受けられる現象です。例えば、どうしてもうまく付き合えない上司がいたとしましょう。では、自分にとってその上司とうまく付き合えない理由とは、どの辺にあるのでしょうか。「人の話を聞かずに自分の意見を押し付ける」「何事もいいかげんで頼りにならない」「こちらの機嫌ばかりとっていて、イライラする」……etc。うまく付き合えない理由は人それぞれです。この状況に、『転移』という概念を当てはめて考えてみると、その上司とうまく付き合えない理由は、両親との葛藤にその根源があるのかもしれない、ということになります。

厳格な父親のもとで何事も規律に縛られ、窮屈な思いを抱いて育ってきた人にとっては、規則、規則と口うるさく言う男性上司には反発を覚えるでしょう。母親の過大な期待に応えるために努力して育ってきた人は、期待を寄せてくれる女性上司のために身を粉にして働こうと思うかもしれません。

自分が誰かとぶつかったり、不愉快な思いを抱いたりした時、あるいは、誰かに過剰に依存したくなったり、こちらを見てほしいと思ったりした時、その感情の背景に過去の誰がいるのかに思いをめぐらせてみてください。そこに『転移』が起きているかもしれません。

※この記事は2008年3月に配信された記事です

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