執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

ストレスが多い40歳前後の人に起こりやすい顔面神経麻痺。自然治癒もする病気ですが後遺症が残る場合も。症状の特徴と治療法をご紹介します。

突然顔の半分が動かなくなる顔面神経麻痺(ベル麻痺)|原因はストレス?

ウイルスが顔面神経に炎症を起こす

顔の筋肉が動かなくなるのが顔面神経麻痺です。そのうち突然、片側の神経が麻痺するベル麻痺は60〜75%を占め、発症率は10万人に年20〜30人といわれています。性別は関係なくどの年代でも発症しますが、40歳代がピークという調査があります。また、ほとんどの場合が完全に回復することが可能といわれ、数ヶ月で自然治癒することもあります。ただし、10〜20%の確率で少し後遺症が残るという報告も。

顔面神経麻痺の主な原因はヘルペスウイルスや水ぼうそうのウイルスと考えられています。以前、口唇ヘルペスや水ぼうそうを発症したことがある人が、ストレスや寒さなどをきっかけに、体内に潜んでいたウイルスが活性化。下記のような症状が現れます。

<顔面神経麻痺(ベル麻痺)の主な症状>

・ 額にしわを寄せられない
・ 眼が閉じられない
・ 口笛が吹けない
・ 口角からよだれが垂れる
・ 麻痺している側の耳が過敏になる
・ 味覚障害が起こる
・ 眼が乾燥する

顔には表情筋という筋肉があり、これらの動きを指示しているのが顔面神経です。この神経は脳からの指令を筋肉に伝え、顔の筋肉を動かしています。ウイルスによって顔面神経が炎症を起こすことによって、脳の指令がうまく伝わらず、表情筋が動かせなくなるのが顔面神経麻痺です。

実は、顔には顔面神経以外にも色々な神経が通っており、涙をコントロールする大錐体神経、音を小さくするアブミ骨筋神経、舌の前の方の味覚を感じる鼓索(こさく)神経、顔の表情を動かす顔面神経があります。そのため、顔面神経麻痺を起こした場合は表情筋の麻痺だけでなく、味覚や聴覚の障害などさまざまな症状が同時に起こるのです。

後遺症を残さないために早期に治療開始を

顔面神経麻痺の原因として一番多いと考えられているのが、ストレスです。体内に潜伏していたヘルペスウイルスが、体にストレスがかかり免疫力が落ちた時に再活発化して、神経に炎症を起こします。それは風邪をひいて免疫力が落ちた時に口唇ヘルペスが再発しやすいのと同じ原理です。

ベル麻痺では、ウイルスの活動を抑えるため抗ウイルス薬を処方。そのほか、ステロイド剤で炎症による腫れを抑えて神経の圧迫を取り除いたりする治療もあります。眼が閉じにくい場合は、人工涙液を点眼して眼の角膜を保護します。

治療の開始が遅れると、神経の変性が起こり、後遺症が残る場合もあるので、早く治療を始めることが重要です。また、手で顔をマッサージしたり、冷やしたり、温めたりすることも有効とされています。発症してから、1~2カ月後からは鍼治療も効果的。ただし、自己流でマッサージを行ったり、自己判断で鍼治療を開始すると悪化する場合があるので、担当の医師に相談しましょう。

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