(編集・制作 gooヘルスケア)文/亀井満月

出産後の体重減少に抜け毛……子どもの世話で自分のことは二の次、三の次にしてしまい自分の体調の変化と向き合う時間がとれないという人も多いかもしれません。
今回は「産後無痛性甲状腺炎」の体験談をご紹介します。「バセドウ病」と区別が難しく、はじめの診断が翻ったケースです。

産後の体重減少や激しい抜け毛の原因は「産後無痛性甲状腺炎」だった!

■産後で気づきにくい「産後無痛性甲状腺炎」

出産後のこと、体重が順調に減り最初は特に気に留めていませんでしたが、ゆるゆると減り続けた結果、産後4か月で産前の体重よりも痩せてしまっていました。抜け毛もひどく、産後だからと思いつつも気になっていました。

産後の体重減少が止まらないと何気なくSNSに投稿したら、甲状腺の病気ではないかと指摘してくれた人がいてなんとなく病気を疑うきっかけになりました。
それでも授乳が原因ではないかと思い、授乳回数を減らすなどしましたが変化はみられませんでした。

「甲状腺 産後」で検索したところ、gooヘルスケアに「無痛性甲状腺炎」の情報があり、おそらくこれかな?と思いました。しかし「バセドウ病と区別が難しい」との記述があり、内分泌を専門に診ている病院を近所で探しました。本来であれば受診の第一選択肢は出産した産婦人科に相談するのが良さそうですが、わたしは産後に引っ越したためかかれませんでした。

■検査結果で「バセドウ病」と診断、しかし…

問診では「バセドウ病だろう」との仮診断で、血液検査を受けました。甲状腺機能が亢進(活発化)しており「やはりバセドウ病」とのことで薬を処方されました。授乳中であることを伝えたが、授乳はやめるようにとの指示に落ち込みました。

事前に読んだ「バセドウ病と誤診されやすい」というのが頭に残っていたので、帰宅後さらに検索。受診したクリニックでは「バセドウ病」と「無痛性甲状腺炎」を区別する際に参考とする甲状腺の自己抗体検査が採血の項目になかったことに気づきます。
甲状腺の病気で服薬が必要になったとしても、薬の種類や飲み方を工夫することで問題なく授乳が続けられることも知り、別の病院でもう一度受診することにしました。

女性の(出産などの)体の変化にも理解がある甲状腺専門医を探して再度受診(この時点で産後5か月)。採血、問診、触診(甲状腺の大きさ確認)、超音波検査(エコー)などの結果、「産後無痛性甲状腺炎」と診断されました。
産後は4ケ月程度で甲状腺機能亢進、6ケ月ごろに甲状腺機能低下、9ケ月経過する頃には正常値に戻るケースが多いそうです。

■病名は判明したが授乳中…治療内容は?

甲状腺の数値が正常値に戻るまで1ヶ月おきに受診。初回の受診では甲状腺機能亢進していたが服薬は必要ない数値との判断。体がつらくなり薬が必要になった場合でも授乳が続けられ、薬を選べるし服薬の仕方を工夫することもできるので心配しないように、と先生の方から言って下さったのでホッとしました。結局、治療中の服薬はせずに終わりました。

治療は、初回から1ヶ月おきに4回受診(採血、問診、触診(甲状腺の大きさ確認))、その時点で正常値に戻ったので、間を空けて4か月後に再受診(採血、問診、触診(甲状腺の大きさ確認)して終了。2人目を出産したら産後にまた受診するようにとのことでした。

■経過と産後ママへのアドバイス

原因がはっきりし、時間がたてば治ることがわかっていたので心配せず過ごせました。この病気は、産後の体調不良と思い病気であることにすら気づかない方が殆どなため、あまり知られていませんが、実際はかなりの人がかかっていると言われている病気です。

時間が経過しても甲状腺機能低下のまま正常値に戻らない人もまれにいるそうなので、産後4か月を過ぎてからの体重減少や激しい抜け毛、だるさや疲労感・ほてりなどの症状が思い当たる方は念のため受診をおすすめします。
私は産後に引っ越してしまったため甲状腺専門医を受診しましたが、産婦人科の先生はこの病気をよく知っているので、出産した病院の先生に相談されてもよいかと思います。

■まとめ

一度はバセドウ病と診断されたものの、診断結果に疑問を持ったことで翻った今回のケース。事前にネットで正しい知識を得ていたことと、受診後も全てを鵜呑みにせず、検査項目を照らし合わせて調べたことで発覚しました。特に治療のために授乳をやめなければならないとなると産後ママにとっては大きな決断です。

見分けがつかないとされるバセドウ病と産後無痛性甲状腺炎。前者は治療をしないと甲状腺ホルモンが低下しないのに対して、無痛性甲状腺炎の甲状腺機能亢進症は一過性です。治療をしなくても正常に戻るため、治療法はまったく異なるのだそう。
専門の医師ですら見分けがつかないだけに、自分の体調の変化を記録し、正しい知識を得て照らし合わせることも必要と言えそうです。

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