執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

副交感神経が優位になって血流アップ、免疫力も向上!
治療にも使われている香り。リラックスだけではない、香りの生理・心理的効果について紹介。

いい香りは体温を上げる! 好みの香りで代謝も免疫もUP!

昔から利用されてきた香りのパワー

最近は、身だしなみのひとつとしてにおいに気を配る人が増えてきました。洗濯用洗剤や柔軟剤、ルームフレグランスなど、最近ではドラッグストアなどでいろいろな香りの製品が販売されています。好みの香りは、自分をハッピーにさせてくれますね。
こうした香りの力は、昔から様々な場面で用いられ、文化として洗練されてきました。平安時代には、上流階級の間で香りを使った遊びが流行。当日の日本は、香りそのものが贅沢の象徴であり、センスの良さを示す手段でした。

また、香炉から煙を立ちのぼらせ、衣装に香りを焚き込むということも行われていました。自分好みの香りを作って衣服につけることは、暗がりの中でも好きな相手に自分の場所を知らせることができるという目的もあったそうです。

エジプトの女王クレオパトラは、お目当ての王様に初めて会う時、体や部屋にお気に入りの香りを漂わせていたそう。そのため、名だたる王たちが独特の香りにときめいてしまったといわれます。

香りにはうつ病などに対する改善効果も

香りにはさまざまな健康効果もあることがわかっています。古代ギリシャ時代に「医学の父」と呼ばれたヒポクラテスは芳香植物を積極的に治療に取り入れたことで知られ、その伝統を受け継ぐヨーロッパでは、ハーブの香りを使って治療する植物療法が行われています。最近では、香りの嗅覚刺激による生理的・心理的効果を科学的に検証する「アロマコロジー」により、うつ病などに患者に対して香りが改善効果を持つことも報告されています。

いい香りをかぐと体温が上昇、不快な香りでは体温が低下

香りによる効果といえば、ストレス緩和、リラックス、安眠、気分を高めて落ち込みを取り除くなどがありますが、意外に知られていないのが体温を上昇させる効果です。

香りは脳の大脳辺縁系をダイレクトに刺激。大脳辺縁系は、睡眠欲などの本能的欲求や生理的な快・不快に反応する部分で、自律神経とも関わりがあります。

大脳辺縁系は自律神経の交感神経と副交感神経のスイッチを入れ替える指令を出します。不快な香りをかぐと、興奮や緊張を司る交感神経が優位に。筋肉が収縮するので、血流が悪くなります。逆に、いい香りをかぐと副交感神経が優位になり、リラックスモードに。筋肉がゆるみ血流も良くなるため、体温が上がるのです。

体温が上がると免疫力が向上し、代謝も上がるので、風邪をひきにくくなったり、老化防止やダイエットにもつながります。生活の中に「いい香り」を取り入れ、いい香りに触れながら心も体も健康になっていきましょう。