提供:gooヘルスケア
執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと
食事のたびにカロリーをチェックするカロリー制限ダイエットはストレス大! 誰もが望んでいる、楽に痩せられるダイエットの新常識をご紹介します。
運動よりもカロリー制限が手軽?
「ダイエットをしよう」と決意した時、まず思い浮かべるのが、太りそうな食べ物を控えたり、食べる物を減らす“カロリー制限”ではないでしょうか。いまは、スーパーやコンビニの商品、ファミリーレストランのメニューにもカロリーが記載されています。
ダイエットでカロリー制限するのは、摂取カロリーを抑えて、消費カロリーを増やせば、痩せるという理論からきているもの。運動をして消費カロリーを増やすより、食べ物を制限して摂取カロリーを制限する方が手軽なため、まず食べ物のカロリーを制限する方に向かいがちです。
ただ、食べ物のカロリー制限は好きなものが食べられないというストレスも多い方法でした。しかし、近年の研究ではダイエットにはカロリー制限がいらないことがわかってきています。
お腹いっぱいたべても痩せるコツ
米国医師会が発行する『ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(JAMA)』に掲載された記事によると、カロリー計算や食事量の制限をしなくても、体重を減らせるのだそう。そのダイエット成功のカギは、食事の質でした。スタンフォード・プリベンション・リサーチ・センターの研究で、体重超過や肥満の人、約600人を対象に、1年にわたり炭水化物が少ない(ローカボ)と、脂質が少ない(ローファット)のダイエット効果を検証しました。
その結果は、2つのグループともに、ウエストサイズ、体脂肪、血圧・血糖値などが減少し、健康度が上がったのです(※)。
この2つのグループが行った方法で注目したいのが、どちらのグループも「お腹いっぱいまで食べていい」というルールで行ったこと。それぞれのグループは、炭水化物や脂肪の摂取を控えましたが、それ以外の食事制限は行っていません。参加者によると、食べ物との付き合い方が変わり、テレビを見ながらの“ながら食い”が減って、家族で食卓を囲むことが増えたそう。
この結果を見ると、カロリー制限は必要なしと思われがちですが、実は、実験の終わりには、以前より少ないカロリー摂取量になっていました。意識的にカロリー制限をしたわけではないけれど、結果的に摂取カロリーが少なくなっていたということです。類似の実験も多数行われており、最近では「健康的な食事を意識すると自然と摂取カロリーが減っていくこと」がわかっています。
ダイエット成功の鍵は、カロリー制限を意識することではなく、食事の質を上げることを意識することでした。
・ 野菜や自然の食品をとる
・ 精製した穀類を避ける
・ 人工甘味料、添加物を加えた加工食品を極力避ける
また、これらを意識することによって、従来のカロリー制限による食事に対するストレスを感じることもなく、自然とカロリーを制限することができます。ダイエットには我慢がつきものとイメージする人も多くいますが、ストレスなくダイエットできる方法もあるのです。まずは我慢することではなく、食事の質を上げることに注目してみましょう。