【発達障害の特徴】幼児期に視線があわないことがあったー理由と対処法

提供:gooヘルスケア

出典:株式会社法研「子どもの発達障害 家族応援ブック」
著者:高貝 就 浜松医科大学 子どものこころの発達研究センター特任准教授

発達障害の子どもに年齢とともにあらわれやすい行動とは

 これまで、広汎性(こう はん せい)発達障害の子に見られる代表的な特徴や、わが子が広汎性発達障害の可能性があると専門家から言われたら、どのようにすべきかをお話ししてきました。この章では、発達障害の子どもに年齢とともにあらわれやすい行動について紹介します。

 子どもの気になる行動には、それぞれ理由があります。その理由を理解して、周囲がお子さんにあった対応をすることが、お子さんの自尊心のためにも大切です。ぜひ、ちょっと困ったとき、気になるときの参考にしてください。

発達障害の子ども幼児期の「気になる」行動や特徴

 広汎性発達障害の子をもつ親御さんに子どもの小さい頃の様子をたずねると、「実は赤ちゃんの頃から少し気になる特徴がありました」とおっしゃることがけっこうあります。その特徴には、たとえば「異常に好き嫌いが多い」とか「抱っこをしても喜ばない」といった、育てにくさにつながるものが多いようです。また、電化製品のマークや回転している車輪など、特定のものに並外れた関心を抱き続けるという特徴も聞かれます。

 その子どもが年齢にあった心身の発達をしているかの判断は、母子手帳のなかの発達の様子をたずねる質問項目や、1歳半健診・3歳児健診などでの検査や診察が大まかな指標となります。また家庭だけではなく、お友だちや幼稚園・保育園の先生との交流の様子から子どもが抱える困り感に気づくこともあります。相手や周囲に「迷惑」ととられがちな行動について、もし広汎性発達障害などのこころの問題を考える視点がなければ、子どもは単に「わがままな子」「やる気のない子」「乱暴な子」といった負のレッテルが貼られ、叱られるばかりです。しかし、本人はなぜいけないのか、どうすればいいのかがわからず、困っているのです。

 子どもの様子をそのまま見ていても大丈夫か、または早くから治療や療育的な関わりを始めたほうがいいのかは、親御さんだけで判断することは難しいことと思います。発達障害の診断を出生後のごく早い段階で下すことが可能かどうかについては、まだ結論が出ていません。けれども、幼児期の特徴を見逃さないことが重要であることは、専門家の間でも共通した認識です。

「視線があわない」発達障害の子ども(1歳半~)行動の理由と対処法

一見、見ているようでもこちらを見ていないケース

 「赤ちゃん特有の、人なつっこさが見られない」「あやしても、母親と目をあわさない」などの行動から気づくことが多いようです。こちらを見ているようでも、よく見ると目の焦点があってなく、集中していないように見えます。少し成長してくると、父親や母親など、普段から一緒に過ごしている人とは視線をあわせることができるようになってきます。けれども、見知らぬ人が声をかけても答えてくれません。

Why ?

*ほかの人の存在に気づいていない場合や相手に興味がないということが考えられます。

 広汎性発達障害によく見られる特徴です。特に、乳児期の子どもにあらわれやすい傾向があります。なぜ目を見ないのか、乳児期のため、この頃の子どもの気持ちを正確に知るのは難しいので、細やかな経過観察が必要です。

●「あらわれ」とは
症状や特徴、特性が頻繁に見られること。広汎性発達障害などの子どもの特性があらわれることを「あらわれ」と表現したりする。
 

こう対処

*1歳半の時点では診断はできません。注意しつつ、見守るにとどめます。

 子どもは親や周囲の人と心を通わせるスキルをもって生まれてくるものです。けれども乳児のうちから、他人とコミュニケーションをとる能力に問題があると思われる子どもがいるのも事実です。乳児のうちは、「視線をあわせない」ということだけで、広汎性発達障害の診断はできません。またその後は、特に問題なく成長していく場合も多いものです。けれども、もし1歳半健診の時期になっても視線があわない違和感が続くようなら、広汎性発達障害の特徴の一つ「社会性の障害」のあらわれの可能性があります。まずは、保健師やかかりつけの小児科医に相談してみましょう。




【発達障害の特徴】服がきちんと着られない理由と対処法

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服がきちんと着られないため、だらしないと思われる

出典:株式会社法研「子どもの発達障害 家族応援ブック」
著者:高貝 就 浜松医科大学 子どものこころの発達研究センター特任准教授

「服がきちんと着られない」発達障害の子ども(低学年~)行動の理由と対処法

 洋服を前後ろ逆や裏返しのまま着てしまったり、上着のすそから下着がはみ出ていても無頓着(む とん ちゃく)で、周りの人にいつもだらしない印象をもたれがち。ボタンをきちんとかけることも苦手です。また、着ている洋服がしわくちゃなことはまったく気にしないのに、少しでも手が汚れていると気になって、手を洗わないと気がすまない、など、過敏さと鈍感さが同居している子どももいます。

Why ?

*うまくできないのは着替えの手順が理解できていないため。また、他人からどう見られているか無頓着という要因も。

 広汎性発達障害の子どもは、服の場所の位置感覚や着替えの手順の流れをイメージすることが苦手なために着替えがうまくできないことがあります。他人からどう見られているかにも関心が低いので、身だしなみに気を配らないこともあります。また過敏性の問題から、服のタグや、縫い目が痛くて服を着ることが苦痛になっている場合もあります。

●「身だしなみチェックリスト」

  • □ 寝グセをなおす
  • □ 靴下をはく
  • □ 顔を洗う
  • □ 靴ひもを結ぶ
  • □ ボタンを全部とめる
  • □ カバンを持つ
  • □ チャックをしめる

チェックリストは外出時に目にとまる場所に置くと効果的。

こう対処

*時間がかかっても、少しずつでも一人できちんとできることを増やしていきましょう。

 朝の慌ただしい時間など、服を着るのに時間がかかっているとつい強い口調で叱ってしまう、とお母さんから伺うことがあります。けれども、叱ったからといってテキパキとはできません。もちろん、着替えは生活の基本動作なので自立を促すことが大切です。そのため、時間がかかっても一人でできることを段階的に増やすようにサポートします。たとえば、靴下のかかとがわからなかったら、その部分に名前を書いて目印にするといった工夫です。タグの肌触りが苦手なら取り除きましょう。着替えが終わったら、ボタンやファスナーがちゃんとしめられているかなどは、チェックリストを活用し、お家の方が一緒に確認しても。うまくできたら必ずほめてあげましょう。

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【発達障害の特徴】物を借りても返さない・借りたことを忘れる理由と対処法

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ものを借りたこと自体を忘れてしまう

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著者:高貝 就 浜松医科大学 子どものこころの発達研究センター特任准教授

「物を借りても返さない」発達障害の子ども(低学年~)行動の理由と対処法

 友だちから、おもちゃや本を借りても、借りたことをすぐに忘れてしまいます。そして、友だちに催促されて思い出します。

 また、友だちにものを借りるときに、相手の承諾をきちんととらずにもっていってしまったり、返すときも「ありがとう」と言い忘れたりなど、ものの貸し借りのルールがきちんとわかっていないようなところがあります。

Why ?

*ものを借りて返すということを重要とは思っていないので、借りたことを忘れてしまうのです。

 借りたこと自体を忘れてしまったり、返そうと思ってランドセルに入れても、そこから出して返すことを忘れてしまうのです。広汎性発達障害の子どもは、興味のあることや昔あった出来事を覚えておくことは苦手ではないのですが、興味や注意を向けていないことについては、記憶に残りにくいのが特徴。他人からものを借りたりしたことを覚えておくのが苦手なのは、借りたことに注意を払うことが少ないからです。

こう対処

*借りた事実に注意がいくように、メモをしたりルールを決めたりして自覚を促しましょう。

 「お友だちからものを借りたら、ノートにメモをする」「人から借りたものは、家や学校で決まった場所に置くようにする」といったルールを子どもとつくり、それを家のなかの目につきやすいところに貼って、注意や記憶を留めておきやすくする工夫をしてみてください。また、子どもが自分ですすんでものを返すことができたら、「よく気がついたね」としっかりとほめましょう。自分の取った行動が正しいと評価されると、その行動をまたくり返そうと思い、それが定着につながります。

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【発達障害の特徴】悪気なく思ったことを言ってしまう理由と対処法

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考えなしに、思った通りのことを口に出してしまう

出典:株式会社法研「子どもの発達障害 家族応援ブック」
著者:高貝 就 浜松医科大学 子どものこころの発達研究センター特任准教授

「人にひどいことを言う」発達障害の子ども(低学年~)行動の理由と対処法

 年配の先生に対して「おばあさん先生!」など、普通は失礼ととられるようなことを、面と向かって言ってしまったりします。でも本人は、相手を傷つけたり、周囲の人たちを嫌な気分にさせてしまっていることに気がついていないのです。あまりにそんな発言が続くと、クラスのなかで「○○ちゃんはひどいことを平気で言う」とレッテルを貼られてしまいます。

Why ?

*悪気はありませんが、相手の心の痛みや苦しみに共感する力が足りないのです。

 自分の言った言葉で、相手がどんな気持ちになるのかわからないので、普通なら傷ついたり、不快に思うようなことを平気で言ってしまいます。本人は、視覚的に得た情報と自分なりの感想をストレートに言っているだけで、けっして悪意をもっているわけではありません。

こう対処

*「その言葉で傷ついた」と他人の感情に気づかせることが重要です。

 このようなことを子どもが言ったときは、感情的にならずに「おばあちゃんなんて、自分の歳よりずっと上の人みたいに言われて、とっても嫌な気持ちになるから、やめてね」とはっきりと伝えてください。また、「容姿や身なりについて言うことは、相手につらい思いをさせてしまうことがあるから、やめましょう」などと教えておくことが必要です。叱ったりせずに、静かにきちんと伝えると、広汎性発達障害の子どもも受け入れやすくなります。このような注意をくり返すことで、相手を傷つけるような言葉づかいは確実に減っていきます。

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【発達障害の特徴】なんでも言葉通りに受け止めてしまう理由と対処法

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言外(げん がい)の意味がわからない

出典:株式会社法研「子どもの発達障害 家族応援ブック」
著者:高貝 就 浜松医科大学 子どものこころの発達研究センター特任准教授

「すべて言葉通りに受け止める」発達障害の子ども(低学年~)行動の理由と対処法

 たとえば授業中に先生が怒って「もう授業をやめるから、みんな帰れ」と言った場合、その言葉通りに帰る生徒はほとんどいないと思います。けれども広汎性発達障害の子どものなかには、「先生がそう言ったから」とそのまま帰宅してしまう子がいます。また、いわゆる社交辞令を理解することが苦手です。「お近くにいらした際はぜひお立ち寄りください」と言われて突然訪ねてもいいのかなと考えてしまうことがあります。

Why ?

*言葉で説明されていること以外の言外の意味を読み取ることができません。

 これは「比喩がわからない」と似た特性に由来するものです。広汎性発達障害の子どもは、言葉に表現されない表情やニュアンスを読み取ることが苦手なので、相手が本気で言っているのかわからないことがあります。「天然キャラ」などとプラスに評価されることもありますが、自分が真面目に対応しているのに笑われたり、からかわれたりして傷ついてしまうことがあります。

こう対処

*冗談まじりの言い方はしない努力を。また意味がわからないときに怒ったり笑ったりしないこと。

 ご家庭で何か子どもにメッセージを伝えるときには、冗談や皮肉をこめた表現を使うことはなるべくしないで、静かに率直に伝えるようにします。もしも言葉通りに受け取ってしまって、ちぐはぐな反応になっても笑ったりせずに「お母さんはこういう意味で言ったのよ」などと、丁寧に説明してあげましょう。

 また、子どもが友だちから「遊びにきてね」などと言われた場合は、いつでも行っていいわけではなく、あらかじめ相手の親御さんを通して都合を確認するように説明しておくといいと思います。

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【発達障害の特徴】たとえ話が理解できない理由と対処法

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たとえや比喩(ひ ゆ)の意味がわからない

出典:株式会社法研「子どもの発達障害 家族応援ブック」
著者:高貝 就 浜松医科大学 子どものこころの発達研究センター特任准教授

「たとえ話が理解できない」発達障害の子ども(低学年~)行動の理由と対処法

 たとえば「隣の赤ちゃんは玉のような男の子ね」と言ったときに、「その赤ちゃんはそんなに丸いの?」とびっくりして聞き返したり、誰かが「そのギャグ寒い」と言うと「ぼくは寒くないよ。毛布を持ってこようか」などと答えたりします。

 物事を、たとえ話やことわざを使ってわかりやすく説明しようとすると、その意味がわからず、かえって混乱してしまいます。

Why ?

*たとえ話と現実の区別がつかずに、言葉そのままの意味だと思ってしまいます。

 抽象的な概念を現実に当てはめて考えたりすることが苦手なため、たとえ話を理解できないことがあります。たとえ話や比喩を使った説明と、実際の事柄との区別がつかず、話についていけなくなってしまいます。

こう対処

*家ではことわざや慣用表現は使わずに、シンプルでストレートな言い方を心がけて。

 低学年のうちは、たとえ話やことわざを控え、具体的な表現で話すようにしましょう。たとえば早起きをした方がいいという場合には「『早起きは三文(さん もん)の徳』っていうでしょう? だから早く起きた方がいいよ」という声かけよりも、「毎朝6時半に起きようね」とシンプルに、伝えてみてください。ことわざや慣用句について教える必要がないわけではありません。高学年になれば、授業でも取り上げられるでしょう。そうした教育の場で、意味を理解させながら覚えていくといいでしょう。慣用表現は年齢がもっと大きくなれば、覚えることもできるようになっていきます。

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