動く赤ちゃんの姿がリアル! 妊娠8ヶ月妊婦が3D/4D撮影に挑戦!

【お話を伺った人】宗田 聡(そうだ・さとし)先生

広尾レディース院長、筑波大学大学院人間総合科学研究科非常勤講師。専門は、産婦人科医(周産期医療、出生前診断、胎児医学、遺伝医学、メンタルヘルス、医療倫理、プライマリケア、医療IT、女性医学)。

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監修:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

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検診時にもらえる赤ちゃんの2Dエコー写真。正直モヤッとした画像でわかりづらいことも多いです。そこで、【アラフォー妊娠ライフ】を連載中のフリーライター五十嵐ななが、他院の妊婦でもOKという東京・恵比寿の「広尾レディース」で「3D/4D胎児エコー」を初体験してきました!

指しゃぶり、瞬き…赤ちゃんのしぐさに感動

さっそくですが院長の宗田聡先生、3D/4Dエコーってどんなものですか?

「3Dエコーとは、複数の2Dエコー画像をコンピュータグラフィックでつなぎあわせ、陰影などをつけて立体感を出した画像です。4Dとは、それに時間軸を加えたもの。赤ちゃんが指をくわえたり、手を動かしたりするかわいいしぐさがリアルタイムで楽しめます」

なんと、立体画像だけでなく、赤ちゃんが今何をしているかまで覗けちゃうわけですね。さっそくお願いします!

やり方は基本的には2Dエコーと同様、腹部に液体をぬってプローブ(エコーの器具)を当てると、まず2D画像が映しだされ、そこから3D/4Dモードへ。

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すると、いきなりリアルな赤ちゃんの顔が出現! 輪郭、目、鼻、唇の形まで、2Dとはまったく違い明らかに“人間”の姿をしています。

「子宮の壁に頭をくっつけていますね。お、口に手をやって、指しゃぶりの練習をしているみたいです。こんどは目を閉じたり開いたり、パチパチ瞬きしてますよ。あ、アクビをしています!」

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指しゃぶり

なんと手を頬にあて、大きな口を開けてまるでムンクの叫びのようなおもしろいカオ! かわいい~。わが子ながら、なかなか愛嬌があるなぁ(笑)。

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ムンクの叫び顔

最近、胎動がボコンボコン激しいと思ったら、赤ちゃんはまもなく外の世界にデビューするために、こんなふうに日々いろんな活動をしてたんですね。ちょっぴり不思議で、とても愛おしい気持ちが湧いてきます。

続いては下半身へ。29週ともなると一度に全身は映らないので別々に撮影。太ももと膝を曲げている様子、かかと、さらには女のコの証拠までしっかり見えちゃってます。

「超音波は光ですから、手前にへその緒や胎盤があったりすると、赤ちゃんが鮮明に映らないこともあります。ベストは赤ちゃんがふっくらして顔もわかりやすい25週~30週。15週~20週前半ではまだ痩せていますが、顔から足まで全身が映ってかわいいです。30週を超えるとなかなかキレイに撮れないためお断りという病院も多いですが、当院では事情を説明した上で出産直前まで受け付けています。赤ちゃんの向きによっては、ぽっちゃりとかわいい画像が楽しめますよ」

パパと赤ちゃんの距離感も縮まる

3D/4D撮影の目的は「あくまで楽しんでもらうことで、赤ちゃんの異常を探すことではない」と宗田先生は強調します。

「妊娠は本来ハッピーなことなのに、最近は情報があふれすぎて、異常がないか、ちゃんと育ってるかと眉間にシワを寄せている人が多い。そんな妊婦さんに赤ちゃんの姿をリアルに感じ、ハッピーになってもらえれば。

コンピュータグラフィックとはいえ、目の距離感、唇の厚さ、鼻の形など顔の特徴が出ますから、家族で『鼻がパパに似てる』なんてワイワイと盛り上がってほしい。特にご主人は実感がわきにくいものですが、これで一気に赤ちゃんとの距離感が縮まり、新しい家族を迎え入れる準備ができます」

広尾レディースでは予約すれば初回9000円、2回目以降7,000円で誰でも撮影可能。静止画のプリントのほか、動画もSDカードに入れて持ち帰れるのがうれしいです。(2015年9月取材時点)

そしてその夜、わが家ではさっそく赤ちゃん映像上映会が――。

初めての動くわが子を、無言で見つめる夫。「鼻がパパにソックリじゃない?」と言うと、「うん、似てるね。いや、むしろキミ似かもね。目鼻立ちがクッキリしてなかなか利発そうなコじゃないか」と、なんだか満足げ。早くも親バカな感想にちょっと苦笑しつつも、赤ちゃんへの親近感がアップしたことは間違いなさそうです。

(フリーライター:五十嵐なな)




小さく生まれた赤ちゃんの将来の病気リスク|低体重で産まれる原因とは?

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【お話を伺った人】福岡 秀興先生

早稲田大学胎生期エピジェネティック制御研究所教授 1973年東京大学医学部医学科卒業後、米国ワシントン大学薬理学教室リサーチアソシエート、東京大学医学部母子保健学講座助教授、同大学院医学系研究科発…

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(編集・制作 (株)法研

出生体重の低下は、子どもの生活習慣病発症のリスクを高める。出生体重低下の背景に若い女性の「やせ」願望と「やせ」傾向。妊娠前からバランスのとれた十分な栄養摂取を。

出生体重の小さい児は心筋梗塞や糖尿病のリスクが高い

産婦人科医でもある早稲田大学の福岡秀興氏によると、出生体重と生活習慣病の関係を最初に指摘したのは英国のバーカー医師です。1986年、バーカー医師は「成人病(生活習慣病)胎児期発症説」を唱え、その最初のデータで、出生体重が低い子どもほど、特に5.5ポンド(2,500g)以下の場合、将来心筋梗塞などの心臓病(虚血性心疾患)による死亡率が上昇していることを示しました。また、出生体重4,300g以上でも死亡率は上昇していました。

また、インドと米国での、男性の2型糖尿病発症リスクと出生体重との関係を調べた結果では、インドでは出生体重約2,800g、米国では同約3,800gでリスクが最も低く、それよりも高くても低くてもそのリスクが高まることが明らかになっています。

出生体重の小さい女性が妊娠中に罹りやすい病気がある

日本でも、厚生労働省研究班の報告では、出生体重が小さい女性は、妊娠すると妊娠糖尿病になりやすいことが明らかになっています。生まれたときに2,500g未満の女性は、2,500~4,000g未満だった女性より、約5倍も妊娠糖尿病になりやすかったのです。妊娠糖尿病は、十分な栄養(血糖値)管理が行われなくてはならないことに加えて、分娩後に母親自身が将来、糖尿病になるリスクが高いことが知られています。
福岡氏は「日本では妊娠糖尿病になる女性は、肥満の人と必ずしも肥満でない人の比率が約半々ですが、必ずしも肥満でない人の妊娠糖尿病の発症率がこれほど高いのは、世界的にみても特異な現象といえます。」と指摘しています。

出生体重の低下との関連がある病気

さらに、主に海外で多くの疫学調査が大掛かりに行われてきた結果、出生体重の低下による発症リスクとの関連がわかっている病気には、次のようなものがあります。

●出生体重の低下との関連が明らかな病気

虚血性心疾患、2型糖尿病、本態性高血圧症、メタボリックシンドローム、脳梗塞、脂質異常症、血液凝固能の亢進、神経発達異常

●出生体重の低下との関連が想定されている病気(確定したものではない)

慢性閉塞性肺疾患、うつ病、統合失調症、行動異常、子宮及び卵巣腫瘍、思春期早発症、乳がん、前立腺がん、睾丸がんなど

母体の低栄養が赤ちゃんにどう影響するのか?

ではなぜ、出生体重の小さい児は生活習慣病になりやすいのでしょうか。福岡氏はその一例として、亡くなった子どもを解剖した調査の結果を紹介し、出生体重の小さい児では、老廃物をろ過する腎臓のなかで、中心的な役割を果たす「ネフロン」という器官の数が減少していたことを示しています。少ないネフロンで老廃物の処理を行うため、ネフロンへの負担が増大し、生活習慣病に結びつく腎機能障害を起こしやすくなる、ということです。

出生体重の小さい児は、胎内での低栄養に対応した体のしくみをもって生まれてくると考えられています。低栄養という胎内環境で生き抜くしくみができ、エネルギーをため込みやすい体にもなります。その結果、食料が豊富で、運動量も少なく、ストレスが多い現在社会では、肥満になりやすい、というわけです。

このような胎児の低栄養は、母体の低栄養、すなわち「やせ」と密接につながっています。妊娠前にやせていたお母さんは、その食習慣に慣れて、妊娠中に十分な量の食事を摂ることが少ない傾向にあります。しかも、産後の肥満を恐れて食事を制限する妊婦さんもいます。このような妊婦さんからは、十分な栄養が子宮内に届かないために、胎児が低体重になるのです。

妊娠を望む女性の食生活の注意点とは?

では現在、日本では、子どもの出生体重や、妊娠する可能性のある女性の栄養状態はどうなっているのでしょう。

厚生労働省の2010年度『「出生に関する統計」の概況』によると、2009年に生まれた子どもの平均体重は3,020gであり、約30年前の1980年の3,200gに比べて180g減少。また、「母子保健の主なる統計」(母子衛生研究会編)によれば、低出生体重児(出生体重が2,500g未満)の占める割合は、2007年9.65%、2008年9.58%で約10人に1人と高く、1975年以降増え続けています。

一方、厚生労働省の2009年『国民健康・栄養調査』によると、20歳代女性の22.3%、30歳代女性の14.3%が「やせ」(BMI<18.5)となっており、その多さは「先進工業国では世界中でも珍しい、特異な状態」(福岡氏)となっています。

その背景には、これらの世代での過剰なダイエットの広がりが考えられます。実際に、20歳代女性の摂取エネルギー量は最近10年で10%以上も減少しているのです。

このような危機的な状況を改めるため、厚生労働省は「健やか親子21」推進検討委員会に「食を通じた妊産婦の健康支援方策検討会」を設置し、2006年、福岡氏も参加して『妊産婦のための食生活指針』を策定しました。

●妊産婦のための食生活指針

(1)妊娠前から、健康な体づくりを
(2)「主食」を中心に、エネルギーをしっかりと
(3)不足しがちなビタミン・ミネラル(特に葉酸など)を、「副菜」でたっぷりと
(4)体づくりの基礎となる「主菜」は適量を
(5)牛乳・乳製品などの多様な食品を組み合わせて、カルシウムを十分に
(6)妊娠中の体重増加は、お母さんと赤ちゃんにとって望ましい量に
(7)母乳育児も、バランスのよい食生活のなかで
(8)たばことお酒の害から赤ちゃんを守りましょう
(9)お母さんと赤ちゃんの健やかな毎日は、体と心にゆとりのある生活から生まれます

福岡氏は「小さく産んで、大きく育てるという考え方は間違い。生まれてくる子どもが将来心筋梗塞や糖尿病などの病気を発症するリスクが高くなる可能性がある。」として、妊婦さん本人のためにも、生まれてくる子どものためにも、妊娠以前からのバランスのとれた十分な栄養摂取を呼びかけています。

※この記事は2011年3月に配信された記事です

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妊娠検査薬で妊娠が分かるのはなぜ? 仕組みと使用の注意点

福本 由美子

【執筆者】福本 由美子先生

済生会奈良病院・松原徳洲会病院婦人科医 1986年奈良県立医科大学卒業。同大附属病院、東大阪市立総合病院、湘南鎌倉総合病院、松原徳洲会病院の産婦人科勤務を経て、大阪中央病院泌尿器科・ウロギネセンター…

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(編集・制作 (株)法研

月経の遅れは「妊娠の可能性がある」と考えよう

そろそろ月経が来るはずなのに来ないときには、どんな可能性があるのでしょうか? 卵巣の働きの一時的な不調、過度のダイエット、ストレスなどが原因で起こるホルモン分泌の異常などで月経が遅れることもありますが、性交経験があれば、たとえ避妊していても妊娠の可能性は完全にゼロではありません。月経が遅れれば妊娠の可能性も考えておかなければなりません。

市販の妊娠検査薬の仕組み

しかし、大学生を対象にした調査で、月経の遅れが妊娠を意味することを理解できていなかった例が多いことがわかっています。まずは月経や妊娠について正確で十分な知識をもっておくことが望まれます。そのうえで、妊娠したかどうか調べたいが、いきなり産婦人科に行くのは抵抗があるという場合、市販の妊娠検査薬を利用する方法があります。

妊娠すると体の中ではHCG(ヒト絨毛性<じゅうもうせい>ゴナドトロピン)という物質が作られ、尿の中にも排出されます。それを利用して妊娠しているかどうかを調べるのが妊娠検査薬です。妊娠検査薬は薬局・薬店やドラッグストアなどで市販されていて、妊娠の可能性を自宅で手軽に調べることができ、多くの女性に利用されています。検査薬の使い方については薬局・薬店でアドバイスしてもらえますが、最終的な判断は使用者が行うことになります。

妊娠検査薬の判定が間違う場合とは

妊娠のしくみを簡単に説明すると「卵巣から出た卵子と精巣で作られた精子が卵管の先で受精して、それが卵管を通って子宮に運ばれて根付くこと」となります。

受精卵が子宮に根付くと少しずつHCGが作られ始めますが、受精卵が卵管内を運ばれている約1週間から10日くらいの間はHCGの量が少なく、検査しても「妊娠していない」という結果が出ます。この期間は普通、体調の変化もありません。HCGが尿から検出できるくらいの量に増えて初めて「妊娠」という判定ができることになります。
検査薬の「利用方法」を十分に読んで、その手順に従って判定しないと、誤った結果が出ることがありますから気をつけましょう。

妊娠検査薬の利用には注意が必要

妊娠検査薬の市販にあたっては、一部の産婦人科医から反対意見が出ていました。検査結果の判断を誤ると危険であるというのがその理由でした。検査薬で「妊娠」という結果が出ても、必ずしもそれが問題のない妊娠とは限らないからなのです。
たとえば子宮外妊娠や胞状奇胎(ぶどう子)などの場合も、検査薬による検査では大抵「妊娠」という結果が出ますが、このような異常妊娠を早く発見できると、体に影響が少ない治療をすることができます。発見が遅れると、体に影響の大きい治療を選択せざるをえなくなり、その結果、将来妊娠しにくくなることもありますし、命にかかわることもあります。

こうしたことを防ぐために、妊娠検査薬で「妊娠」という判定が出たときには、早く産婦人科の診察を受けることが大事です。順調な妊娠であった場合も、なるべく早期から妊娠の経過をチェックしておくことは、赤ちゃんにとってもお母さんにとっても大事なことです。

判定が陽性でも実は妊娠していた…という場合も

また、いったんは「妊娠していない」という結果が出ても、実は妊娠していたということがまれにあります。HCGがまだ検出できる前の段階に検査を行ってしまうと、そのようなことが起こります。たまたま排卵の時期がずれ込んだ場合や、性交渉から受精までに日数がかかった場合には、妊娠と判定できる時期が予測よりも1~2週間ずれ込むことがあります。

一度「妊娠していない」という結果が出ても月経が来ない場合には、慎重を期して再度妊娠検査薬を利用したり、産婦人科で相談したりすることが大事です。

月経だと思っていても、いつもより出血量が少ない場合は月経ではないこともあります。実際に、3,000gの赤ちゃんを出産した方で、出産直前まで不定期ながら出血があり、それを月経だと思っていたという例があります。出血イコール月経ではないのです。出血の状態や体調に気を配る必要があります。

妊娠検査薬の判定で自己判断は禁物

月経や妊娠については、時に判断がしづらいケースもあります。妊娠検査薬で「妊娠」という結果なら早めに産婦人科を受診して、赤ちゃんと自分自身のために健康管理を行っていきましょう。もし「妊娠していない」という結果であっても、1~2週間待って月経が来ないようなら、ごく初期段階の妊娠や卵巣の不調の可能性もありますので、再度検査薬で検査するか産婦人科で相談してください。

せっかくの検査結果を活かせるように、「かかりつけ産婦人科医」をもつなど、いろいろと相談できる状況を整えておくといいでしょう。

※この記事は2009年5月に配信された記事です

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仕事と育児の両立に役立つー働きながら子育てする女性を支援する制度

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【お話を伺った人】荒木 葉子

内科専門医・産業医・労働衛生コンサルタント 東京医科歯科大学大学院 疾患生命科学研究部女性研究者支援室特任教授 慶應義塾大学医学部卒業後、内科・血液内科専攻。カリフォルニア大学サンフランシスコ…

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(編集・制作 (株)法研

仕事と妊娠・出産を両立させるために。
家族や職場の理解と協力を得て、制度も上手に活用。ふだんよりも体をいたわりながら乗り切ろう。

働きながら子どもを育てるのは大変だがメリットも多い

少子化が社会問題となり、女性が働きながら子どもを生み・育てられるような社会制度や職場環境が望まれ対策もとられていますが、まだまだ十分な職場ばかりではありません。そのため、働き続けるために子どもを産むことをためらう女性も多いようです。無事出産して仕事に復帰した場合も、仕事と育児の両立は肉体的・精神的にハードであるのは事実でしょう。

それでも、働きながら子どもを育てることにはさまざまなメリットがあります。経済的なことはもちろんですが、仕事によって人間関係や視野が広がり、自分を認めてもらえるなど充実感が得られ、パートナーやその他の家族と助け合って家事・育児をするようになれば家族の絆も深まります。子どもがいることで仕事の励みになるという人も多いでしょう。

働きながら妊娠・出産・育児をするために、家族の協力は不可欠です。出産したが協力が得られず母親だけが大変な思いをするということがないように、家事や育児の分担などについて、前もってよく話し合っておくことです。

さらに、働く女性を支援するさまざまな制度がありますが、これを上手に活用するには制度の内容をよく知っておく必要があります。そして、妊娠がわかったら早めに職場に報告して働き続ける意思があることを伝え、理解と協力が得られるように働きかけることも大切です。

妊娠中の働く女性を支援する制度がある

働く女性が安心して妊娠・出産・育児をするために、「労働基準法」、「男女雇用機会均等法」、「育児・介護休業法」などの法律によって、次のような制度が整備されています。

●産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)と産後8週間(一定の場合6週間)の休業を取得できる
●子どもが1歳(一定の場合1歳6カ月)に達するまで、父親、母親のいずれでも育児休業を取得できる(交代でとることもできる)
●妊娠・出産や、産前産後休業の取得を理由とする解雇など不利益な取り扱いは禁止
●産前産後の健康診査や保健指導を受けるために必要な時間を確保できる
●主治医の指導を受けた場合、混雑した電車を避ける時差出勤、休憩時間の延長、つわりや切迫流産など症状に応じ勤務時間の短縮や休業ができる
(医師の指導を明確に職場に伝えるための「母性健康管理指導事項連絡カード」の活用がすすめられる)
●重いものを扱ったり危険な環境での業務など作業の負担が大きいときは、ほかの軽い業務に替ることができる
●時間外労働、休日労働、深夜労働などが免除される

これらは、正社員、パートなどの雇用形態に関係なく、すべての女性が対象となります。職場ごとの規定や就業規則によって運用には差がありますので、どんなサポートが受けられるのか、休業取得などのための請求方法などについて、前もって確認しておくことが大切です。たとえば、勤務時間の短縮や休業、休暇などの扱いが有給か無給かなどは会社によって異なります。

産前産後の休暇を申し入れたら退職をすすめられたなど、困ったときには各都道府県労働局雇用均等室に相談するとよいでしょう。

がんばりすぎず、体をいたわって

妊娠・出産は体に大きな負担をかけるため、ふだんよりも体をいたわる必要があります。過労とストレスには十分注意して、妊娠前と同じように働こうとがんばりすぎないことです。疲れたりおなかが張ったら休憩をとって、体調によっては休むことも必要です。忙しくても定期健診は必ず受け、妊娠の経過や体の状態に応じた指示を守るようにするほか、次のようなことに気をつけましょう。

混雑した電車・バスは避ける

通勤は時差出勤や混雑の少ない経路への変更がすすめられる。自転車やバイクはバランスがとりにくく危険なので避ける。

仕事中は同じ姿勢と冷えに注意

長時間同じ姿勢でいると、血液循環が悪くなって腰痛などの原因に。ときどきストレッチをしたり歩いたりして体を動かそう。休憩時間は足を高くして休んだり、軽い散歩で体をリラックスさせて。長時間の立ち仕事はおなかが張ったり激しく疲労するので避けること。体を冷やさないように、冷房は直接当たらないようにして、カーディガンやひざかけ、レッグウォーマーなどで対策を。

食事は栄養バランスに気をつける

塩分を控え、たんぱく質、ビタミン・ミネラルを不足させない。妊娠中の太りすぎは妊娠中毒症や難産の原因になるので食べすぎに注意。貧血予防に鉄分を含む食品をとり、便秘予防に食物繊維と水分を十分に。

嗜好品に注意

タバコは血管を収縮させ、胎児に酸素や栄養が届きにくくなるのできっぱりやめる。アルコールも妊娠中と授乳中は控えよう。カフェインの多いコーヒー、紅茶などは1日1~2杯にとどめ、番茶や麦茶などを。

適度に運動する

安静を指示されていなければ、ストレス対策、太りすぎ防止にぜひ適度の運動を。ウォーキングやスイミングがおすすめ。

※この記事は2009年3月に配信された記事です

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産後の体重減少や抜け毛の原因は「産後無痛性甲状腺炎」だった!

(編集・制作 gooヘルスケア)文/亀井満月

出産後の体重減少に抜け毛……子どもの世話で自分のことは二の次、三の次にしてしまい自分の体調の変化と向き合う時間がとれないという人も多いかもしれません。
今回は「産後無痛性甲状腺炎」の体験談をご紹介します。「バセドウ病」と区別が難しく、はじめの診断が翻ったケースです。

産後の体重減少や激しい抜け毛の原因は「産後無痛性甲状腺炎」だった!

■産後で気づきにくい「産後無痛性甲状腺炎」

出産後のこと、体重が順調に減り最初は特に気に留めていませんでしたが、ゆるゆると減り続けた結果、産後4か月で産前の体重よりも痩せてしまっていました。抜け毛もひどく、産後だからと思いつつも気になっていました。

産後の体重減少が止まらないと何気なくSNSに投稿したら、甲状腺の病気ではないかと指摘してくれた人がいてなんとなく病気を疑うきっかけになりました。
それでも授乳が原因ではないかと思い、授乳回数を減らすなどしましたが変化はみられませんでした。

「甲状腺 産後」で検索したところ、gooヘルスケアに「無痛性甲状腺炎」の情報があり、おそらくこれかな?と思いました。しかし「バセドウ病と区別が難しい」との記述があり、内分泌を専門に診ている病院を近所で探しました。本来であれば受診の第一選択肢は出産した産婦人科に相談するのが良さそうですが、わたしは産後に引っ越したためかかれませんでした。

■検査結果で「バセドウ病」と診断、しかし…

問診では「バセドウ病だろう」との仮診断で、血液検査を受けました。甲状腺機能が亢進(活発化)しており「やはりバセドウ病」とのことで薬を処方されました。授乳中であることを伝えたが、授乳はやめるようにとの指示に落ち込みました。

事前に読んだ「バセドウ病と誤診されやすい」というのが頭に残っていたので、帰宅後さらに検索。受診したクリニックでは「バセドウ病」と「無痛性甲状腺炎」を区別する際に参考とする甲状腺の自己抗体検査が採血の項目になかったことに気づきます。
甲状腺の病気で服薬が必要になったとしても、薬の種類や飲み方を工夫することで問題なく授乳が続けられることも知り、別の病院でもう一度受診することにしました。

女性の(出産などの)体の変化にも理解がある甲状腺専門医を探して再度受診(この時点で産後5か月)。採血、問診、触診(甲状腺の大きさ確認)、超音波検査(エコー)などの結果、「産後無痛性甲状腺炎」と診断されました。
産後は4ケ月程度で甲状腺機能亢進、6ケ月ごろに甲状腺機能低下、9ケ月経過する頃には正常値に戻るケースが多いそうです。

■病名は判明したが授乳中…治療内容は?

甲状腺の数値が正常値に戻るまで1ヶ月おきに受診。初回の受診では甲状腺機能亢進していたが服薬は必要ない数値との判断。体がつらくなり薬が必要になった場合でも授乳が続けられ、薬を選べるし服薬の仕方を工夫することもできるので心配しないように、と先生の方から言って下さったのでホッとしました。結局、治療中の服薬はせずに終わりました。

治療は、初回から1ヶ月おきに4回受診(採血、問診、触診(甲状腺の大きさ確認))、その時点で正常値に戻ったので、間を空けて4か月後に再受診(採血、問診、触診(甲状腺の大きさ確認)して終了。2人目を出産したら産後にまた受診するようにとのことでした。

■経過と産後ママへのアドバイス

原因がはっきりし、時間がたてば治ることがわかっていたので心配せず過ごせました。この病気は、産後の体調不良と思い病気であることにすら気づかない方が殆どなため、あまり知られていませんが、実際はかなりの人がかかっていると言われている病気です。

時間が経過しても甲状腺機能低下のまま正常値に戻らない人もまれにいるそうなので、産後4か月を過ぎてからの体重減少や激しい抜け毛、だるさや疲労感・ほてりなどの症状が思い当たる方は念のため受診をおすすめします。
私は産後に引っ越してしまったため甲状腺専門医を受診しましたが、産婦人科の先生はこの病気をよく知っているので、出産した病院の先生に相談されてもよいかと思います。

■まとめ

一度はバセドウ病と診断されたものの、診断結果に疑問を持ったことで翻った今回のケース。事前にネットで正しい知識を得ていたことと、受診後も全てを鵜呑みにせず、検査項目を照らし合わせて調べたことで発覚しました。特に治療のために授乳をやめなければならないとなると産後ママにとっては大きな決断です。

見分けがつかないとされるバセドウ病と産後無痛性甲状腺炎。前者は治療をしないと甲状腺ホルモンが低下しないのに対して、無痛性甲状腺炎の甲状腺機能亢進症は一過性です。治療をしなくても正常に戻るため、治療法はまったく異なるのだそう。
専門の医師ですら見分けがつかないだけに、自分の体調の変化を記録し、正しい知識を得て照らし合わせることも必要と言えそうです。

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妊娠の前に受けておきたい検査やワクチンとは?

福本 由美子

【執筆者】福本 由美子先生

済生会奈良病院・松原徳洲会病院婦人科医 1986年奈良県立医科大学卒業。同大附属病院、東大阪市立総合病院、湘南鎌倉総合病院、松原徳洲会病院の産婦人科勤務を経て、大阪中央病院泌尿器科・ウロギネセンター…

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(編集・制作 (株)法研)

母体の健康状態を整え、順調な妊娠・出産に備えたい。
必要な検査や健康管理を行い、月経のリズムを意識。これまで以上に自分の体を観察して、知ってほしい。

妊娠にあたって心構えをしておけると理想的

「赤ちゃんが欲しい」と思ったとき、まず考えてほしいことがあります。
気づいたら妊娠していた……、そして無事に生まれた……、無事に育っている……、それではいけないの? という考え方もあるかもしれませんが、あらかじめ準備しておけば無用のトラブルが避けられます。

日本は先進国の中でとりわけ「計画外の妊娠」の多い国であるといわれています。避妊についての知識や意識もあまり高くないという意見もあって、妊娠にあたって心構えをしていないことの現れだとも感じます。
20歳代のカップルでは、妊娠してから結婚を考える「おめでた婚」が30%くらいという調査結果もあります。

しかし、夫婦の生活の中に赤ちゃんを迎えるのは、楽しみとともに責任も生じますし、物心両面の準備をしていかなくてはなりません。子どもとともに親として徐々に成長していくものなのでしょうが、まずはその第一歩として心構えをもって妊娠を考えられたら理想的です。

妊娠を希望する人が必要な主な検査

妊娠生活を健康に送るために、最も重要なことは母体の健康状態です。
妊娠を考え始めたら、まず、健康診断や人間ドックなどで、内科的なチェックを受けておく必要があります。妊娠中は検査や治療が限られてしまいます。妊娠期間中を健康で過ごすために治療しなくてはならない病気がないか、生活上で気をつけておくことがないか知っておきたいものです。具体的には、以下の通りです。

・問診
・身体計測
・血圧測定
・尿検査
・血液検査(貧血の有無、コレステロール、中性脂肪、尿酸、血糖、電解質、腎臓・肝臓機能検査など)
・心電図
・胸部レントゲン
・歯科検診

以上。これらは必ず受けるようにしましょう。

内科的な検査だけでなく、婦人科で子宮や卵巣の健康状態を知るための、検査も受けておきましょう。

・子宮がん検査
・内診
・子宮や卵巣の超音波検査
・おりもの検査

この検査によって妊娠前に治療しておかないといけないような卵巣の病気や子宮筋腫、子宮内膜症などがないか、子宮がんやクラミジア、カンジダ、淋菌、トリコモナスといった感染症がないかを調べます。

妊娠前のワクチン接種も重要

また、妊娠中に感染すると胎児に影響が出るような感染症、たとえば風疹(三日ばしか)、水痘(水ぼうそう)や流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)に対する免疫力をもっているかどうか(抗体が自分の体内にあるかどうか)も調べておくといいでしょう。風疹や水痘では、妊娠中に初めて感染すると胎児にも感染が起こることがあり、その場合、赤ちゃんの目や耳に不具合が生じたり、精神的発達に遅れが出たり、流産や早産になる場合があるといわれています。流行性耳下腺炎では、流産の可能性が高くなるといわれています。

これらの感染症については、妊娠前にワクチンを接種することで妊娠中の感染を予防できます。ただ、妊娠中とくに妊娠早期にはワクチンを接種できませんので、接種前1カ月間と接種後2カ月間は確実に避妊をしておくことが大事です。以前にワクチンを接種したことのある方でも、その効力が何らかの理由で弱まっていることがあります。十分な抗体を自分がもっているかどうかは血液検査で知ることができます。ぜひチェックを受け、抗体が不十分ならワクチンを接種しておきましょう。

猫を飼っている人は特に注意が必要

加熱不十分な肉やネコの排泄物には、トキソプラズマ(原虫の一種)という病原体が含まれていることがありますが、妊娠直前や妊娠中に初めて感染すると赤ちゃんの目や耳、脳に影響が出ることがあります。肉料理は十分に加熱したものにすること、生肉を調理したときに使った調理器具や手は十分に洗ってから他の食材に触ること、ネコとの過剰な接触は避けること、ネコの排泄物が混入している可能性のある砂には直接触れないなど、普段の生活にはない注意が必要です。ネコを飼っている人は一度産婦人科医に相談してみるといいでしょう。

月経リズムを意識し、妊娠が疑われるときは早めに産婦人科を受診して

積極的に妊娠を考える段階になったら、自分で自分の体を知るために、月経のリズムについて意識することが大切です。日ごろから基礎体温表を記録するといいでしょう。

予定の月経よりも1週間程度遅れるようなら市販の妊娠検査薬で検査をしたり、産婦人科を受診したりするなどして、早い時期に妊娠かどうかを確認しておきましょう。妊娠検査薬で妊娠という結果が出た場合は、なるべく早く産婦人科医の診察を受けましょう。大抵の妊娠は問題ありません。でも中には、子宮外妊娠や異所性妊娠、絨毛性疾患といった病的な妊娠の場合もあります。もし病的な妊娠であっても、早い診断により体へのダメージを最小限に抑えた治療を受けることが可能になります。

妊娠を考え始めたら、これまで以上に自分の体をよく観察して知っておくことで、自分自身の体を守りながら順調な妊娠・出産に備えることができます。

最近、妊娠・出産される方たちの年齢が上ってきています。残念ながら、年齢が上れば上るほど妊娠・出産にはリスクが大きくなっていきます。妊娠や出産に関連したさまざまな合併症が少ないのは22~24歳前後であるというデータがありますので、これを過ぎた年齢で妊娠を考え始めたなら、なるべく早めに具体的に考えていきたいものです。

※この記事は2010年3月に配信された記事です

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