検診時にもらえる赤ちゃんの2Dエコー写真。正直モヤッとした画像でわかりづらいことも多いです。そこで、【アラフォー妊娠ライフ】を連載中のフリーライター五十嵐ななが、他院の妊婦でもOKという東京・恵比寿の「広尾レディース」で「3D/4D胎児エコー」を初体験してきました!
指しゃぶり、瞬き…赤ちゃんのしぐさに感動
さっそくですが院長の宗田聡先生、3D/4Dエコーってどんなものですか?
「3Dエコーとは、複数の2Dエコー画像をコンピュータグラフィックでつなぎあわせ、陰影などをつけて立体感を出した画像です。4Dとは、それに時間軸を加えたもの。赤ちゃんが指をくわえたり、手を動かしたりするかわいいしぐさがリアルタイムで楽しめます」
なんと、立体画像だけでなく、赤ちゃんが今何をしているかまで覗けちゃうわけですね。さっそくお願いします!
やり方は基本的には2Dエコーと同様、腹部に液体をぬってプローブ(エコーの器具)を当てると、まず2D画像が映しだされ、そこから3D/4Dモードへ。
すると、いきなりリアルな赤ちゃんの顔が出現! 輪郭、目、鼻、唇の形まで、2Dとはまったく違い明らかに“人間”の姿をしています。
「子宮の壁に頭をくっつけていますね。お、口に手をやって、指しゃぶりの練習をしているみたいです。こんどは目を閉じたり開いたり、パチパチ瞬きしてますよ。あ、アクビをしています!」
なんと手を頬にあて、大きな口を開けてまるでムンクの叫びのようなおもしろいカオ! かわいい~。わが子ながら、なかなか愛嬌があるなぁ(笑)。
最近、胎動がボコンボコン激しいと思ったら、赤ちゃんはまもなく外の世界にデビューするために、こんなふうに日々いろんな活動をしてたんですね。ちょっぴり不思議で、とても愛おしい気持ちが湧いてきます。
続いては下半身へ。29週ともなると一度に全身は映らないので別々に撮影。太ももと膝を曲げている様子、かかと、さらには女のコの証拠までしっかり見えちゃってます。
「超音波は光ですから、手前にへその緒や胎盤があったりすると、赤ちゃんが鮮明に映らないこともあります。ベストは赤ちゃんがふっくらして顔もわかりやすい25週~30週。15週~20週前半ではまだ痩せていますが、顔から足まで全身が映ってかわいいです。30週を超えるとなかなかキレイに撮れないためお断りという病院も多いですが、当院では事情を説明した上で出産直前まで受け付けています。赤ちゃんの向きによっては、ぽっちゃりとかわいい画像が楽しめますよ」
パパと赤ちゃんの距離感も縮まる
3D/4D撮影の目的は「あくまで楽しんでもらうことで、赤ちゃんの異常を探すことではない」と宗田先生は強調します。
「妊娠は本来ハッピーなことなのに、最近は情報があふれすぎて、異常がないか、ちゃんと育ってるかと眉間にシワを寄せている人が多い。そんな妊婦さんに赤ちゃんの姿をリアルに感じ、ハッピーになってもらえれば。
コンピュータグラフィックとはいえ、目の距離感、唇の厚さ、鼻の形など顔の特徴が出ますから、家族で『鼻がパパに似てる』なんてワイワイと盛り上がってほしい。特にご主人は実感がわきにくいものですが、これで一気に赤ちゃんとの距離感が縮まり、新しい家族を迎え入れる準備ができます」
広尾レディースでは予約すれば初回9000円、2回目以降7,000円で誰でも撮影可能。静止画のプリントのほか、動画もSDカードに入れて持ち帰れるのがうれしいです。(2015年9月取材時点)
そしてその夜、わが家ではさっそく赤ちゃん映像上映会が――。
初めての動くわが子を、無言で見つめる夫。「鼻がパパにソックリじゃない?」と言うと、「うん、似てるね。いや、むしろキミ似かもね。目鼻立ちがクッキリしてなかなか利発そうなコじゃないか」と、なんだか満足げ。早くも親バカな感想にちょっと苦笑しつつも、赤ちゃんへの親近感がアップしたことは間違いなさそうです。
(フリーライター:五十嵐なな)