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地味ながら、消化液を作りインスリンを分泌する重要な消化器

膵臓と聞いて、どこにあるかすぐにわかる人は少ないのではないのでしょうか。膵臓は長さ15cmぐらいのタラコのような形をした臓器で、胃の裏側にあります。触診が難しい位置で、異常があっても初期のうちは検査結果にも出ず、診断が難しい上に専門医も少ないため“暗黒の臓器”と言われているのです。

では重要ではないかというとそうではなく、膵臓は消化や血糖に関わる大切な臓器。主な仕事は食物を分解する消化液を作ることと、糖をエネルギーに変えるために必要なホルモン・インスリンを分泌することです。
そのため、膵臓が衰えると消化能力が落ちたり、糖尿病の原因にもなり、全身の不調や老化につながります。

膵臓が溶ける「急性膵炎」、女性に増えている「慢性膵炎」

膵臓の病気には、急性膵炎や慢性膵炎があります。急性膵炎は、普段は膵臓の中では働かない消化液が活性化し、膵臓の作る消化液が膵臓そのものを溶かしてしまう恐ろしい病気。演歌歌手の坂本冬美さんも緊急入院したことがある病気です。激しい痛みに襲われ、死亡率は3割にも上ります。また、慢性膵炎は膵臓がひんぱんに炎症を起こすことで、硬く縮んでいく病気。中年男性に多い病気でしたが、最近は女性にも増えています。

急性膵炎も慢性膵炎も、男性の場合はアルコールの飲み過ぎが原因のことが多いのですが、女性の場合は原因不明なことが多いのが特徴。ただし、医師によっては飲酒していないというだけで「膵炎ではない」と診断されることもあるので、注意が必要です。

薬だけではダメ。膵臓を元気にするには食事の改善が効果的

検査でもわかりにくい膵臓の異常ですが、下のような項目にあてはまったら、膵臓機能が低下している可能性があります。

□左の背中や腰が張ったり、痛むことがある
□脂っこい食事や飲食の後、左わき腹や左の肩甲骨が痛む
□よく下痢をする
□体がだるく感じる
□長時間寝ても眠い
□大人になってアトピーが再発した
□冷や汗や不快感など、低血糖の症状が食後にも起こる

思い当たる人は、まず食生活を見直してみましょう。最近、膵臓の不調が増えているのは、膵臓が食べ物に左右されやすい臓器であるため、食生活の変化に体がついていけていないからだと言われています。薬を飲んでも、食事を変えないと治らないのが膵臓の不調です。

膵臓に負担をかけるのは、アルコール、油もの、甘いもの、辛いもの、カフェイン。膵臓を元気にするには、適度な量を守ってこれらを食べたり飲んだりするようにしましょう。症状が出ている場合は、禁酒した上でいずれの食品も極力控えると、症状が改善してきます。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

【お話を伺った人】平畑光一(ひらはた・こういち)先生

渋谷ヒラハタクリニック院長。消化器専門医。大学病院で消化器全般の診療に携わり、開業医に。父の代から膵臓の診療に力を入れ、全国各地から患者が集まっている。

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