子宮頸がんの精密検査と治療法

子宮頸がん検診の結果、前がん状態やがんが見つかったらどのような治療法を行うのでしょうか。自治医科大学附属さいたま医療センター産婦人科教授の今野良先生に伺いました。

確定診断は「コルポ診」「組織診」で

子宮頸がん検診で細胞診やHPV検査の結果、「クラスⅢ以上」「陽性」と判定された場合には、精密検査を行います。

精密検査ではまず、子宮頚部の表面を拡大して観察する顕微鏡のような器具(コルポスコープ)を使い、異常を疑う箇所がないか観察する「コルポ診」という検査を行います。
コルポ診で、異常を疑う箇所が見られた場合、その部分の組織を採取し(生検)、病理医による「組織診」という検査を行い、最終的に病変の確定診断を行います。


「前がん状態」は3つの程度に分けられる

精密検査で「前がん状態」が見つかったら、どのような治療が行われるのでしょうか。
「前がん状態(異形成)」はその程度により、軽度異形成、中等度異形成、高度異形成の3つに分けられます。

軽度異形成の場合はがんに進行するリスクはほとんどないため(約1%)、治療は行わず、経過観察を行います。
高度異形成は約20%が初期がんに進行するとされ、子宮の入口をほんのわずか切除する「円錐切除術」によってほぼ100%完治します。
その中間である中等度異形成では自然治癒する場合も多いので、状況によって経過観察の場合もあれば、円錐切除手術を行う場合もあります。

円錐切除手術は、下のイラストのように、子宮頚部を円錐形に切り取る手術です。日帰りできる場合もあり、費用は数万円です。
円錐切除手術で切り取る範囲はリンゴのヘタの周囲ぐらいの大きさで、術後も妊娠・出産が可能です。

子宮頸がんの精密検査と治療法

「前がん状態」で見つからず、上皮内がん(最も初期のがん)の状態で見つかった場合でも、円錐切除手術による完治は可能です。ただし、がんが進行してしまうと、子宮を全摘出しなければならなくなり、他のがんの治療と同様、がんのステージ(病期)や年齢、合併症の有無などに合わせて放射線治療や化学療法などが行われます。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

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