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カナダ出身の人気歌手アヴリル・ラヴィーンが、「ライム病」という病気で5ヶ月も寝たきり状態となり、インタビューで「死ぬかと思った」と告白したニュースに驚いた方は多いと思います。

この「ライム病」、ダニによって感染する細菌感染症で、今回のアヴリルさんのように重篤な症状を引き起こすこともあるのです。

ライム病

ライム病はスピロヘータの一種であるボレリアの感染に起因する細菌感染症で、全身性の多様な症状を示します。病原体を保菌しているマダニに刺されることによって感染します。

ライム病の症状と原因

他にもある“果物”の名前がつく病気

よく知られているのは、ほっぺが赤くなる「リンゴ病」(正確には「伝染性紅斑」)です。小学校低学年前後の子どもに見られます。

伝染性紅斑(リンゴ病)

伝染性紅斑は頬がリンゴのように赤くなることから、通称「リンゴ病」とも呼ばれています。5-9歳ごろに最も多く発症します。
原因はパルボウイルス科エリスロウイルス属に属するB19ウイルスの感染です。

伝染性紅斑(リンゴ病)<感染症>の症状と原因

また、乳児のころに発症することがある、皮膚が赤くなって隆起する「イチゴ状血管腫」という病気もあります。

血管腫(イチゴ状血管腫)

イチゴ状血管腫は、出生時にはわずかに赤いか無症状で、生後数週で急速に隆起し、増大します。表面はいちごのように鮮紅色を示す場合が多いのですが、色調には変化がないこともあります。また、その名のとおり表面がこぶ状に隆起するものは3割程度で、6割近くは軽度に隆起するだけです。

血管腫(イチゴ状血管腫、赤ぶどう酒様血管腫、その他)の症状と原因

「ライム病」「リンゴ病」「イチゴ状血管腫」の治療方法

<ライム病の治療>
病原体ボレリアは細菌の一種なので、抗生剤による治療が有効です。服薬期間は2〜4週間程度。また、万一刺された場合には、自分でマダニを引きはがさず病院の皮膚科で外科的切除を受けましょう。無理に虫をはぎ取ることで感染が高まる危険性があるためです。

<リンゴ病の治療>
通常は対症療法のみです。症状が現れた時はすでに感染力がほとんどなく、そのためワクチンもありません。ただ、妊婦が感染すると、20〜30%の割合で胎児に感染するといわれており、胎児の経過観察が必要になります。

<イチゴ状血管腫の治療>
イチゴ状血管腫は自然に消えていくので、とくに合併症の危険がない大部分のものは、無治療で経過をみても差し支えないそうですが、まぶたに症状が現れ、眼をふさいでしまうようになったものや気道をふさぐものなどは、早急な治療が必要です。副腎皮質ステロイド薬の大量投与や、色素レーザー治療といった方法があります。いずれにしろ、早期に的確な診断をすることは簡単ではないので、皮膚科専門医を受診してみましょう。

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対応は様々、注意したい病気

アヴリル・ラヴィーンは回復後、「これからは人生を楽しんでいきたいと本当に思う」と語っています。それほどまでに重い症状だったんですね。
「ライム病」のように、ダニが生息するところに近づかない、体に近寄らせないといった予防をすることができるものもあれば、気づかぬうちに感染・発症してしまうものもあります。気になる症状が現れたら、早めに受診することも大切です。
果物の名前がつく病気、注意していきましょう。