生理予定日前でもわかる?0~4週目『妊娠初期・超初期』症状チェック法

提供:gooヘルスケア

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

多くの人が妊娠に気づくのが、妊娠してから4~8週目の妊娠初期。それより前の0~4週を妊娠“超”初期とよび、その時期に起こる小さな症状で、妊娠の可能性を予測することができるのです。

生理予定日前でもわかる?『妊娠初期』のチェック方法

妊娠“超”初期症状は3~4週に多い

妊娠期間は昔から「十月十日(とつきとうか)」といわれるように、最後の生理から分娩まで約10カ月。この妊娠期間を約3カ月ごとにわけて、妊娠初期(4〜15週)、妊娠中期(16~27週)、妊娠後期(28~39週)と呼びます。ちなみに多くの人が「妊娠した!」と気づくのが、妊娠初期の4~8週目あたりです。

厳密な医学用語ではありませんが最近では、妊娠0~4週を「妊娠“超”初期」と言い、人によっては、この妊娠超初期の間の3~4週に「妊娠超初期症状」が出る場合もあるそう。これは「妊娠検査薬で陽性が出る前」に起こる体の変化。超初期症状がではじめるのは、着床から生理予定日の間のだいたい妊娠3~4週の間です。かなり小さな症状なので、気づかない人も多く、確実に妊娠がわかってから「そういえばあの時」といったように、思い出すくらいだとか。ですが、事前に症状を知っておけば、少しでもはやく、妊娠の可能性を知ることができるようになります。

妊娠超初期症状と生理前症状はとても似ている

小さな変化のため自己判断がしにくい、妊娠超初期症状。生理前症状と似ているのには、妊娠のしくみと関係があります。

妊娠は、まず卵子が卵巣から排卵され、その排卵した卵子が卵管に吸い上げられます。そして、卵管の中で精子と出会って受精。その後、受精卵が成長しながら4~6日かけて子宮内へ移動。この時、受精卵は、受精してから約24時間で分裂し2個の細胞に。48時間後には、さらに分裂して4個にというように、時間とともに倍々に分裂を繰り返しながら、卵管の運動により子宮腔内の方へと送り込まれていきます。

受精卵が成長している間、子宮内膜は着床に向けての準備へ。排卵後の卵胞から分泌される「黄体ホルモン」が、子宮内膜に作用し子宮内膜が受精卵を受け入れられる状態に整えます。そして、約7日目に準備のできた子宮内膜に着床します。この着床した受精卵がやがて成長し赤ちゃんになるのです。

この排卵後に分泌される「黄体ホルモン」。妊娠中・生理前には、必ず分泌されるので、妊娠初期症状と生理前症状は区別がつけにくいのです。特に似ているのが、黄体ホルモンの影響で起こる下記の3つの症状になります。

1)胸の張り、乳首が痛む
乳腺を発達させる作用があるため。胸が張ったり、乳首が痛くなったりします。

2)便秘や下痢
流産を防ぐために、子宮を収縮させます。その影響を受けて子宮の前にある大腸も収縮し、便秘に。黄体ホルモンの分泌が少ない時は、下痢になることもあります。

3)眠気や倦怠感
眠気を招く作用があるので、常に眠かったり、倦怠感で体がだるいといった症状が起こります。

また、妊娠超初期症状のわかりやすい兆候のひとつとして「着床出血」があります。受精卵が子宮内膜に着床する際に、子宮内膜に小さな傷がつきそれが出血にいたるもの。起こりやすいのは、生理予定日の1週間前から生理予定日までの間です。ただ、「着床出血」自体がおこらない人もいますし、起こっても生理と勘違いして気づかない人もいます。

基礎体温はいつもより0.5~1.0℃上がる

妊娠の兆候をいち早く知る方法として、一般的なのは基礎体温計測法。日頃から計測している人なら、その数値から妊娠の兆候を知ることができます。普段の体温は、排卵日から次の生理が始まるまで高温期が続き、生理が始まってから次の排卵までは低温期が続きます。この高温期が2週間以上続いたり、いつもの基礎体温と比べて、0.5~1.0℃上がるなどの変化が見られたら、妊娠している可能性が高くなります。

ただ、体温に変化があらわれずに妊娠にいたったケースもあるので、気になる場合はすぐ産婦人科に相談に行きましょう。基礎体温表は、その人の体を知る上でのとても重要な情報。医師も診察がしやすくなりますので、妊娠を望む人は基礎体温を日頃からつけておくのがおすすめです。

■さらにくわしく!以下も参考に■

妊娠前に読んでおきたい、これはやっておきたい8つのこと

妊娠すると、ママがかかった病気や口にした食べ物が、直接胎児へ影響を与えます。妊娠をする前から、妊娠に備えて準備しておきたい8つのことをまとめました。
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妊娠前に準備しておきたいこと

・基礎体温の計測
妊娠を望むなら、まず基礎体温を計測して、きちんと排卵しているかどうかをチェックしてみましょう。基礎体温をグラフにしたとき、低温期と高温期の二相が大まかに分かれれば排卵が正常であると言えます。二相に分かれない場合には、無排卵である可能性がありますので、婦人科を受診する必要があります。

・風疹の予防接種
妊娠初期に風疹にかかると、胎児が風しんウイルスに感染して、先天性心疾患や白内障、難聴といった先天性風疹症候群という障害を引き起こす可能性があります。妊娠前に風疹の抗体を調べ、抗体がなければ、風疹の予防接種を受けるようにしましょう。妊娠してからではワクチン接種できないので、必ず妊娠する前に!(抗体を持たないまま妊娠してしまった妊婦さんを守るため、妊婦さんの旦那さんや周囲の人が予防接種を受けることも大切です)

・葉酸の摂取
葉酸は胎児が脳や神経を作る妊娠3カ月までに必要な栄養素で、妊娠前からの摂取が望ましいとされています。葉酸が不足すると、無脳症や二分脊椎、脳瘤といった脳や神経の先天性疾患のリスクが高まります。(葉酸摂取は授乳期まで続けること!)

・歯の治療
妊娠初期のつわりなどで歯が磨けなくなり、むし歯が悪化することがあります。また、妊娠初期の歯科治療を推奨していないクリニックもあるので、むし歯や口腔内のトラブルについては、妊娠前に治療しておくことがオススメ。出産後もなかなか治療に通いにくいので、妊娠中期(妊娠4~7ヶ月)以降にも検診や治療をしておくといいでしょう。妊婦さん向けの検診プログラムを実施している歯科クリニックもあります。

改めたい生活習慣

・禁煙
喫煙は妊婦さんにとっても、赤ちゃんにとっても厳禁!タバコに含まれるニコチンによって末梢血管の収縮が起こりやすくなります。特に妊娠中は血液が固まりやすく、血管がつまりやすい状態。子宮へも血液が流れにくくなり、胎児に栄養が充分に行き届かないことから、低体重児で生まれるリスクが高まります。とはいえ、妊娠後すぐに禁煙するのは難しいので、妊娠を希望するなら今すぐタバコはやめましょう。

・禁酒
妊娠中にお酒を飲むと、胎盤を通じて胎児にアルコール成分を含んだ血液が届くことになり、胎児性アルコール症候群と呼ばれる異常を引き起こすリスクがあります。顔面の異常形成や知的障害、小頭症、低身長や低体重などの症状が出ることも。妊娠に気づいた段階で禁酒をすれば問題ないとはされていますが、妊娠に気づくタイミングによっては胎児に影響を及ぼす可能性がありますので、妊娠を考えた段階で禁酒しておくと安心です。

・カフェインフリー
妊娠とカフェインによる影響ははっきりとはわかっていませんが、1日に8杯以上ものコーヒーを摂取すると、流産や低体重児が生まれるリスクが高まるとされています。妊娠がわかったら、コーヒーや紅茶は2~3杯程度までに抑えて、カフェインフリーの飲み物を飲むようにしましょう。

・ストレス対策
妊娠中は身体の変化や産後の育児への不安、不眠などストレスを抱えやすくなります。しかし、ホルモンの変化が著しく、体調変化も激しい妊娠中は、自分の気持ちのコントロールも難しくなります。だからこそ、パパとなる旦那様に「妊娠中やママはこんなにも大変なんだ」ということを理解してもらい、できる限りサポートしてもらえるよう一緒に学んでおくことが大切です。

妊娠後、なによりも大切なのは、おなかの赤ちゃんがすくすくと育ち、元気に生まれてくること。そのために、妊娠してから止めるべきことと、妊娠前から気をつけておきたいことがたくさんあります。妊娠する前にこうしたことを知っておくことで、健やかで、ハッピーな妊娠生活を送れるようにしましょう。
ヘルスケア-妊娠前に読んでおきたい、これはやっておきたい8つのこと

不妊に悩んでいる人へのアドバイス

不妊の原因はさまざまだが、女性では年齢の影響が大きい。長引く治療では息抜きも必要。夫婦でコミュニケーションをとりながら治療にのぞんでほしい。

「不妊症」は定義・診断基準が明確でなく、原因は多岐にわたる
不妊症においては他の疾患と異なる特徴がいくつかあります。まず、その定義が明白でないこと。一般的に2年以上妊娠しない場合に不妊症と診断される場合が多いと思われますが、これは健常な男女が定期的に夫婦生活を営んだ場合、1年以内に約80%、2年以内に約90%で妊娠が成立するものの、3年目以降には新しく妊娠するご夫婦が増えてこなくなる、すなわち累積妊娠数が3年目以降は頭打ちになるという統計に基づいて従来からいわれてきたことなのです。したがって約10組に1組のご夫婦が不妊症のカップルということになります。

しかしながら最近ではこの数字は確実に増加しており、現在では7~8組に1組が不妊症のカップルともいわれています。これには女性の社会進出に伴う晩婚化が影響しており、近年問題となっている少子化も、女性の晩婚化が一因となっていると分析されています。不妊症のカップルが増えているのは、女性の結婚年齢および出産年齢が高くなっていることが最大の原因と考えられます。

次に診断基準が明確でないこと。ほかの疾患では、例えば血糖値がある一定値を超えれば糖尿病と診断されますし、胃カメラで胃の中に潰瘍(かいよう)形成が見つかれば胃潰瘍と診断されます。ところが不妊症は病名こそついていますが、ある独立した一つの病気ではなく、一定期間妊娠しない状態、すなわち2年間以上の不妊状態についてこの病名を当てはめています。

ですからその原因は多岐にわたっており、一つの大きな原因が見つかることもあれば、いろいろな相対的な要因が組み合わさっていることもあります。また、機能性不妊あるいは原因不明不妊といわれる、検査所見上は特定できる原因は見つからないものの、なかなか結果が出ないケースもあります。これも正確には原因がないわけでは決してなく、それまでに行われた検査では、原因を見つけることができないというだけのことなのです。
よく外来で「私の不妊原因は何ですか?」というようなご質問をお受けしますが、厳密な意味で正確にお答えすることは非常に難しいということになります。

女性は35歳以上になると妊娠率が低下、流産率は増加する
また、妊娠には女性の年齢が大きく関与してくること。すなわち女性の年齢によって、検査や治療の内容やスピードが大きく左右されます。男性があまり年齢の影響を受けないことと比較すると、女性の場合、とくに35歳以上になると卵子の老化に伴う質の低下によって妊娠率は明らかに低下してきますし、運よく妊娠された場合でも流産率は増加してきます。40歳以降の女性のtaking baby home rate(無事に出産して赤ちゃんと共に自宅に戻る確率)は、なんと約2%といわれています。
我々不妊治療を行う側においても患者年齢を考慮し治療計画を立てていかねばならないため、女性の年齢は一番重要なファクターといっても過言ではありません。

もちろん理想は自然妊娠ですから、より負担の少ない方法で妊娠していただきたいのですが、一方で患者さんにとっては妊娠することが最終目標ではなく、家庭に新しい家族が増えて、子育てをして新しい生活を営んでいただくことまでを治療のゴールと考えると、効率よく妊娠していただくための治療手段を考えるという点も大変重要な要素になってきます。

不妊治療は二人でじっくり話し合って進めてほしい
そしてもう一つ重要なことは、治療にはご主人の理解と協力が不可欠なことです。よくご主人があまり協力的でなく女性側だけで検査や治療を進めていくケースがありますが、タイミング指導ぐらいまではいいものの、誘発剤を使用したり、人工授精に移行したりと治療のステップアップを考えていく上では、どうしてもご主人の協力がないとうまく治療が進みません。

そして何よりも精神的な支えとして、ご主人のバックアップは必要と考えます。とくにお子さんがすでにいらっしゃる場合の治療に関しては、ご夫婦の間で治療に対する温度差を感じることもたびたびあります。
スムースな治療計画を立てていくためには、長い目で見た場合、まずは検査や治療の進め方について、いつまでするのか、どこまでするのか、といった大きな事柄に関しては、お二人でじっくり話し合ってコミュニケーションをとりながら行ってほしいものです。

治療には根気が必要だが、ときには肩の力を抜くことも大事
さて、不妊治療についてですが、大きく分けると次の4種類になります。
(1)タイミング指導
(2)誘発剤(経口薬・注射薬)を併用したタイミング指導
(3)人工授精の併用
(4)体外受精や顕微授精などの補助生殖医療(ART)

通常、(1)から順番に階段を上るように徐々にステップアップしていきます。

妊娠の成立には、排卵から卵管による卵子の捕捉および受精を経て、受精卵の分割や子宮への移送、最終的な着床という一連のプロセスを経てゴールまでたどり着くのですが、それまでにたくさんのハードルがあります。患者さんは毎周期どこかのハードルでつまずいているのです。そのハードルをいくつか取っ払ってゴールにたどり着きやすくするのが不妊治療ということになります。

治療が進むにつれて取っ払うハードルの数が増えるので妊娠率は高くなりますが、その分患者さん側の負担も増大してきます。その際、治療回数やステップアップまでのインターバルを決める上で、前述した年齢や不妊原因、不妊期間、過去の治療歴といった要素が重要になってきます。

また治療の奏功率すなわち妊娠率ですが、タイミング指導で1周期あたり5~10%、一番確率の高い補助生殖医療でも胚移植1回あたりの成功率は30%前後なので、まだまだ十分満足のいく成績ではありません。ですから不妊治療には根気や息抜きといったことも必要で、治療が長引いて精神的に煮詰まってしまわないように、ときには休憩を挟んだりして肩の力を抜くことも大事なことと考えます。

そして医療機関を選ぶ際には、治療に関してご夫婦の希望が第一になりますので、それを尊重しつつ正確な情報を提供し、治療計画を立ててくれる医療機関をお探しください。
あくまでも一般的にですが、妊娠率が比較的高い30歳代前半までは一つの治療を決めた場合には5~6周期は同じ治療を繰り返して次の段階へステップアップを、30代後半からは3周期程度でステップアップということがすすめられています。
ヘルスケア-不妊に悩んでいる人へのアドバイス




妊娠中のつわりに効果のある漢方とは? 風邪やむくみなどの体調不良にも

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つらい「妊娠・出産の症状」改善-漢方医学、西洋医学での対処法

ストレスをためず、軽い運動を

妊娠中のつわりに効果のある漢方とは? 風邪やむくみなどの体調不良にも

出典:株式会社法研「女子漢方」
著者:矢久保 修嗣 日本大学医学部附属板橋病院 東洋医学科 科長
木下 優子 日本大学医学部附属板橋病院 東洋医学科 外来医長
上田 ゆき子 日本大学医学部附属板橋病院 東洋医学科 救急担当医長


漢方医学の考え方

症状

妊娠中の女性の体の変化には個人差があり、とくに不快感はなく、心地よく過ごしている人もいますが、つわりになったり、切迫流産や早産になったりするなど、予想できないことの連続です。

つわりは、とくに、においや食の嗜好には敏感になりがちで、今まで好きだった食べ物がおいしいと感じなくなったり、ご飯を炊くにおいも気になったりするなど、さまざまな変化が起こります。

その原因には、気の巡りが悪いことや水の滞りがあることが考えられます。妊娠すると、妊婦さんは、ほぼ全員、水毒(すい どく)になります。そのため、むくみが出たり、ひどい場合は高血圧になったりします。

また、血虚(けっ きょ)もよくみられる症状で、貧血や立ちくらみなどが起こることがあります。

一方の切迫流産や早産は、おなかの張りが強くなることで起こると考えられます。そこで、緊張をゆるめる作用のある芍薬(しゃく やく)を含む処方を使うことになります。

つわりは、赤ちゃんからのメッセージだという考え方もあります。食べないで欲しいものや、食べて欲しいものを赤ちゃんが伝えてきていると言うのです。

また、それまでの食生活や生活習慣によって母体に出ている影響を、この時期にリセットしようとしているという見方もあります。

どちらにしても、つらいことには変わりがないので、症状を少しでも和らげるようにするのがよいでしょう。

なお、食べられないと胎児が育たないのではないかと心配する人もいますが、そんなことはありません。食べられるときに食べられる物を食べたらいいと気楽に考えることが大切です。

妊娠の症状には個人差があり、また、同じ人でも、一人目はつわりが重かったけれど、二人目はそうでもなかったなど、妊娠するたびに異なります。しかし、つわりや妊娠高血圧症候群などは二度目も出ることが多いので、一回目の妊娠で症状があった人は早めに漢方薬を飲むことをおすすめします。

漢方処方

*妊娠時の万能薬は、当帰芍薬散

妊娠時に、もっともよく使われるのが、婦人科系の病気の処方としても代表的な漢方薬、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)です。安胎薬(あん たい やく)と呼ばれ、もともとは、妊娠時の腹痛の薬として処方されていました。

血虚(けっ きょ)に対する漢方薬なので、貧血に効果があり、また、水毒の漢方薬として、むくみを改善する作用もあります。そこで、現在では、腹痛に加えて、妊娠時の貧血や高血圧症候群に対する漢方薬としても使われています。

妊娠の初期から出産時にまで使うことができる便利な処方なので、一回目の妊娠で高血圧症候群やむくみが認められた人は、早い時期から内服をおすすめすることがあります。

また、不妊や習慣性流産のある人などにも処方されます。まさに、女性のための万能薬と言えます。

*つわりがある場合

よく使われる漢方薬は、香蘇散(こう そ さん)です。つわりには紫蘇がよいとされており、この香蘇散にも入っています。

吐き気に対しては、半夏(はん げ)と茯苓(ぶく りょう)の組合せも有効で、小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)、茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう)が使われます。

また、胃腸のもたれや体力回復に効果のある人参湯(にん じん とう)を処方することもあります。

ただし、つわりがひどいときは、エキス剤すら飲みたくないと感じることがあります。その場合は、生薬(しょうやく)を粉末にして内服すると飲める場合があります。それでもつらいときは、漢方薬ではなく、紫蘇酢(し そ ず)なども効果があります。ドラッグストアでも売っているので、ためしてみるとよいでしょう。

つわりは、悪化すると入院になることもある症状です。体調が悪いときには、無理をせず、主治医に相談しましょう。

*風邪を引いた場合

よく使われるのが、香蘇散(こう そ さん)です。現在では、気分が落ち込むなど、抑うつの傾向のみられる人に使うことで知られていますが、もともとは、風邪の処方です。

風邪とは、読んで字のごとく、風の邪(じゃ)であり、気の巡りをよくすることで風邪を追い出そうというものです。

なお、風邪で咳や喉の痛みが続く場合には、麦門冬湯(ばく もん どう とう)を使います。悪寒がして、風邪かなと思うようなときには、桂枝湯(けい し とう)がおすすめです。

*むくみや妊娠高血圧症候群がある場合

むくみや妊娠中の高血圧には、水毒が関係していることが多いので、余分な水分をのぞく作用のある漢方薬、五苓散(ご れい さん)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を処方します。悪くなってから飲むのではなく、早めの内服が効果的です。

 

西洋医学の考え方

 妊娠初期は、つわり。後期は、むくみや妊娠高血圧症候群などの症状があらわれやすくなります。医師の指示に従いながら生活習慣をととのえますが、ひどいときは、漢方薬をすすめられる場合もあります。

 

症状

妊娠中は、短期間でホルモンのバランスが変わるため、さまざまな不調が起こります。

具体的な症状としては、初期は眠気、頻尿、食欲不振、食欲増加、便秘、貧血、つわりによる吐き気やむかつきなどがあります。妊娠4~6週目から12~16週目の時期は、胃のむかつきや吐き気を感じるつわりが起こります。

つわりの症状が強く、食べ物だけでなく、水も受けつけなくなって脱水症状を起こすなど、日常生活に支障をきたすような場合は、妊娠悪阻(お そ)と呼び、入院が必要になる人もいます。

また、妊娠中は、月経前に増えるプロゲステロン(黄体ホルモン)が、普段の何倍も出ることが原因で、むくみやすくなります。

中期以降になると、切迫流産、妊娠に伴ってみられる高血圧、たんぱく尿、むくみ、1週間に500g以上の体重増加などの症状の一つ、もしくは二つがあらわれる妊娠高血圧症候群の症状が起こりうる可能性があります。

妊娠後期(6ヵ月以降)は、基本的には安定期に入りますが、さらにむくみやすくなります。これは、おなかの中で大きくなった子宮が血管を圧迫して、血液やリンパの流れが悪くなるためです。

ほかにも、内臓が圧迫されたような感覚になり、息苦しさや、胃もたれなどがあらわれることがあります。これを第二のつわり、と呼ぶ人もいます。

また、ホルモンの影響と、大きくなったおなかの負担により、腰痛を起こしやすくなります。食欲が増加して、食べ過ぎや妊娠高血圧症候群や、切迫早産などの可能性もあります。

そのほか、妊娠期間中に、風邪を引いたり、花粉症の症状が出たりする人もいると思います。風疹の感染なども、問題になっています。しかし薬の服用は、漢方薬であっても絶対に自分では判断せずに、担当の医師に相談してください。

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生理前の不調の原因と改善方法|つらいPMSを助けてくれる食材とは?

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つらい「月経前緊張症(PMS)」改善-漢方医学、西洋医学での対処法

気を巡らせて、イライラを抑える

出典:株式会社法研「女子漢方」
著者:矢久保 修嗣 日本大学医学部附属板橋病院 東洋医学科 科長
木下 優子 日本大学医学部附属板橋病院 東洋医学科 外来医長
上田 ゆき子 日本大学医学部附属板橋病院 東洋医学科 救急担当医長


漢方医学の考え方

症状

腹痛や頭痛など、一般的に生理痛と言われている症状が月経困難症です。多くの女性にあらわれ、本人でないとわからないつらい症状が特徴で、日常生活に支障をきたす人もいます。

月経困難症の人の大半は、血の滞りである瘀血(お けつ)がある可能性があります。瘀血の程度はさまざまで、食養生や運動だけで、ある程度改善されるものから、漢方薬での治療が必要なものまであります。

痛みだけでなく、イライラ、倦怠感などがある人もいます。これは、ホルモンバランスの崩れやストレスなどによって気が滞る気滞(き たい)、冷え、水が滞る水毒(すい どく)などが複合的に起こることが原因だと考えられています。

イライラや気分が落ち込むなどの症状が出る理由は、血や気が滞ると、自律神経を司る肝の働きが低下するためです。肝は、血を貯蔵しておくところであるとともに、怒りの感情にも繋がっているからです。

このほか、冷えも月経困難症の症状を悪化させますので、冷えがある場合には、治療が必要です。

婦人科には行きづらいと感じている人が多く、またついついがん検診などもおろそかになってしまいがちです。しかし、もしも、月経痛に悩んでいるようなら、ぜひ一度、婦人科を受診することをおすすめします。この月経痛が、子宮筋腫や子宮内膜症、あるいは子宮がんなどの大きな病気のサインのこともあるからです。

実際に検査をして、具体的な病気が見つからない場合は、痛み止めなどの対症療法が主となります。このようなときに、漢方薬がよく用いられます。

漢方処方

処方の中心になるのは、女性の三大処方と言われる当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)です。

瘀血に対する効果の強さを順番であらわすと、「桂枝茯苓丸>加味逍遙散>当帰芍薬散」となりますが、漢方薬の効果の強さで決めるというわけではなく、ほかにみられる症状で処方を決めていきます。

原則的には、月経困難症の症状が出ている期間だけではなく、毎日内服してもらうことになります。その理由は、痛みを感じるのは月経のときだけだとしても、その原因となっている瘀血や冷えは、常にあると考えているためです。

*色白でむくみやすく、冷えやすい場合

虚弱な女性のさまざまな症状に用いることができると言われている当帰芍薬散を用います。処方される人に、竹久夢二の絵に出てくるような儚げな感じの美人が多いことで知られていて”当芍美人(とうしゃくびじん)”と言う言葉があるくらいです。

また、むくみの原因となっている水毒があるために、全体的にはほっそりしていますが、足首は引き締まっていないことが多いです。むくみによって、めまいや手足のだるさを訴えたり、冷え症があらわれる人もいます。

このほか、のどが渇きやすかったり、トイレに行く回数が人より少なかったりするのも水毒の徴候の一部です。

当帰芍薬散は、もともとは、妊娠時の腹痛の薬なので、腹痛に対する効果も定評があります。

*イライラしたり、症状がいくつもある場合

イライラなどの精神症状を伴う場合には、加味逍遙散(かみしょうようさん)を用います。

また、「イライラだけでなく、頭痛もあって、体がだるい」など、不調の種類が多い場合に対応するのも、この処方の特徴の一つです。不調の種類が多いと、医学的に説明の難しい不定愁訴だと言われがちですが、この不定愁訴こそが、加味逍遥散を使う目的の一つなのです。

漢方薬の名前についている逍遥とは、いろいろと移り変わるという意味で、この移り変わる症状に使う処方だからこそ加味逍遥散という名前がついています。症状がいろいろあって、なおかつ移り変わるというのがポイントなのです。

このほか、イライラが強くてキーッとなってしまう人で、下腹部が痛む人には、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)がおすすめです。

*にきびや肩こりを伴う生理痛で、瘀血の症状が中心の場合

血の滞りによる瘀血で、にきびや肩こりがみられる場合には、桂枝茯苓丸を使います。瘀血があると、気の滞りも合併することが多く、のぼせを伴いやすくなります。

瘀血のある人は、おへその周りや舌の部分を押すと不快な感じや痛みがあることが多いので、自分で押してみるのもいいでしょう。舌や唇の色が暗くくすんで見えたり、眼の下にくまが見られるというのも瘀血の症状です。

また、桂枝茯苓丸は、別名、催生湯(さい せい とう)とも言われ、子宮筋の緊張を促す可能性があることから、妊娠中は飲むことができません。

このほか、ちょっと意外な処方としては、胃薬だと思われている安中散(あんちゅうさん)があります。これは、安中散に含まれる生薬(しょうやく)、ウイキョウとエンゴサクに痛みをとる効果があるからです。もともと胃腸虚弱があり、胃痛を伴うような生理痛に用います。ウイキョウは、ハーブではフェンネルとも呼ばれ、消化促進などにも使われている植物です。

*生理痛がひどいときの頓用(症状が出たときや、つらいときなど、必要に応じて薬を服用)

月経中に痛みがあるときには、右記に紹介した処方と併用して、漢方薬の芍薬甘草湯(しゃく やく かん ぞう とう)や呉茱萸湯(ご しゅ ゆ とう)を用います。芍薬甘草湯は、おなかが引きつれるように痛むときに、呉茱萸湯は冷えや胃痛を伴うときに用います。

 

西洋医学の考え方

症状

PMS(premenstrual syndrome)は、月経が始まる3~10日前の時期にあらわれるさまざまな症状のことを言います。

症状は、頭痛、腰痛、乳房やおなかの張り、むくみ、肌荒れやニキビ、便秘、眠気、倦怠感、そして、甘い物がいつも以上に食べたくなる人もいます。

その原因は、月経の約2週間前から排卵の時期までにプロゲステロン(黄体ホルモン)が増加して、女性ホルモンの分泌のバランスが大きく変化することだと考えられています。

このほか、ストレスが多い人、生活が不規則になっている人も、ホルモンのバランスの崩れによって症状が強く出やすくなります。

 散歩や買い物、外食などで、気分転換をして、楽しむ時間をつくりましょう。

 

対処法

基礎体温をつけることで、女性ホルモンのバランスをある程度チェックすることができます。

また、月経前には、無理なスケジュールを組まず、ビタミンやミネラルをたくさんとり、睡眠や休息をたくさんとるようにしましょう。

痛みが強い場合には鎮痛薬、むくみには利尿薬、イライラや落ち込みなどメンタルの症状が強い場合には、抗うつ剤や精神安定剤など、精神科の薬を使うこともあります。

 

つらい「月経困難症、月経前緊張症(PMS)の食養」改善-漢方医学、西洋医学での対処法

血を巡らせて、自律神経の安定を促す食材をとる

 

月経困難症、月経前緊張症(PMS)は、いずれも血を巡らせて、体を温め、自律神経や女性ホルモンのバランスをととのえることがポイントとなります。

 

月経困難症の場合

月経血に黒い塊が混じる瘀血タイプ

月経血は、正常であれば鮮紅色(せん こう しょく)でサラッとしていますが、月経血が黒ずんでいたり、血の塊のようなものが混じっていたりする人は、血が滞っている瘀血(お けつ)の状態だと考えられます。

血行が悪いので、月経の子宮収縮時に月経痛が起こりやすくなります。このような人は、血の流れをよくする食材をとりましょう。

代表的な食材は、タマネギ、サフラン、ウコンなどです。タマネギは、温性で胃腸を温め、消化を促し、利尿作用や気の巡りを改善する作用があると言われています。また、血栓を溶かす作用もあります。加熱するとうまみ、甘みが増し、価格も安定していて、和食にも洋食にも使え、とても優れた食材と言えるでしょう。

サフランは、パエリアの色づけなどで知られていますが、お湯に入れればサフランティーに、ご飯を炊くときに加えればサフランライスになり、普段の食事に手軽にとりいれることができます。

冷えやむくみなどがある水毒の場合

冷えには、鶏肉や生姜などの食材がおすすめです。同時に、利尿作用のある小豆、トウモロコシ等の食材でむくみを改善しましょう。鶏肉、生姜、トウモロコシを入れたスープなら、冷えとむくみの両方に有効です。

*月経前緊張症(PMS)の場合

ストレスやホルモンバランスの乱れから、気逆(きぎゃく)や気滞(き たい)になっていると考えられます。気逆は、中枢から下に流れるべき気が、上へと逆行している状態で、動悸や冷えのぼせなどの症状があらわれます。

このような場合は、気の巡りをよくする大根、のぼせて上昇した気を降ろす作用のあるソバなどをとり、気の流れを戻してあげましょう。さらに、精神を安定させる作用を持つユリ根やハスの実などをとるとよいでしょう。

自律神経のバランスをととのえて、肝の機能を助ける作用のあるレバー、牛筋、シジミ、ウナギ、トマトもおすすめです。また、ピーマン、クレソン、菊花には、肝の余分な熱を収める働きがあると言われています。

 

月経困難症、月経前緊張症のお助け食材

熱性・温性 鮭、羊肉、鶏肉、鶏レバー、ニラ、ウド、桃、杏、ヨモギ、紅花、ウコン、生姜、松の実、シナモン
平性 玄米、うるち米、小豆、黒豆、豚肉、黒キクラゲ、山芋、ウズラ、烏骨鶏、イカ、トウモロコシ、サフラン、ユリ根
涼性・寒性 ソバ、ハマグリ、ナス、トマト、キュウリ、冬瓜、大根

 

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痩せていることは悪いこと?妊娠中の『痩せ』が子供の病気リスクを高める

提供:gooヘルスケア

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

2500g未満の低出生体重児が増えています。将来の病気リスクと予防法について解説します。

お母さんの栄養不足などで低体重赤ちゃんが増加

グルメ大国といわれる日本で、お母さんの栄養不足による赤ちゃんの低体重が問題になっていると聞いたら驚くでしょうか? 低出生体重児とは、生まれた時の体重が2500g未満の赤ちゃんのこと。日本ではその割合が増え続け、今ではなんと約10人に1人が低出生体重児として生まれています。

出生体重は子宮内の栄養状態を示すひとつの指標として考えられているもの。最近では早産でなく、予定日近くでも小さく生まれる子供が多いのです。そして小さい赤ちゃんは、将来さまざまな生活習慣病になりやすい素因を持って生まれることがわかってきました。

痩せていることは悪いこと?妊娠中の『痩せ』が子供の病気リスクを高める

将来は高血圧・脳梗塞・冠動脈疾患などになりやすい

低出生体重との関連がはっきりしている病気は、高血圧、脳梗塞、冠動脈疾患、脂質代謝異常、2型糖尿病、神経発達障害です。
しかし素因があるだけでは病気を発症しません。運動不足、栄養やストレス過多等の望ましくない生活をすると発症リスクが高くなります。
これを「成人病胎児期発症起源説(DOHaD<ドーハッド>説)」と言います。

生活習慣病といえば、長年の生活習慣が引き起こす病気と考えられていますが、その多くが胎児期の栄養不足などがひとつの原因ではないかという説が有力になってきているというから驚きです。お母さんが低栄養だと、赤ちゃんは、少ない栄養でも生きていけるよう遺伝子の働きを調節する仕組みを変化させて対応します。
胎児期に起こった低栄養による変化は元に戻りにくいのが特徴です。また、胎児は受精時からすでに子宮環境の影響を受けているため、妊娠がわかってからではなく、常日頃から栄養に注意しておくことも大事と言えます。

妊娠する前・妊娠中・生まれた後の食生活が大切

遺伝子の働きの調節には、さまざまな栄養素が関わっていることがわかってきています。食事の量が減ると、そうした大事な栄養素は十分に摂ることが難しくなるので、妊娠したい人は無理なダイエットをしないこと。

しかし、低体重で生まれても、食生活や生活習慣に注意すれば、生活習慣病のリスクを低下させることは可能であることもわかってきました。子供の食習慣は、母親の食習慣の影響を多大に受けるもの。ですから、まずは女性が自分の食生活を整え、栄養・健康に気をつけることがとても大切なのです。

参照元
低出生体重児 | e-ヘルスネット 情報提供
マニュアル等厚生労働科学研究成果|厚生労働省

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つらい生理痛がおこる原因とは?月経困難症に効果のある漢方

提供:gooヘルスケア

つらい「月経困難症」改善-漢方医学、西洋医学での対処法

血を巡らせて、冷えを改善

出典:株式会社法研「女子漢方」
著者:矢久保 修嗣 日本大学医学部附属板橋病院 東洋医学科 科長
木下 優子 日本大学医学部附属板橋病院 東洋医学科 外来医長
上田 ゆき子 日本大学医学部附属板橋病院 東洋医学科 救急担当医長


漢方医学の考え方

症状

腹痛や頭痛など、一般的に生理痛と言われている症状が月経困難症です。多くの女性にあらわれ、本人でないとわからないつらい症状が特徴で、日常生活に支障をきたす人もいます。

月経困難症の人の大半は、血の滞りである瘀血(お けつ)がある可能性があります。瘀血の程度はさまざまで、食養生や運動だけで、ある程度改善されるものから、漢方薬での治療が必要なものまであります。

痛みだけでなく、イライラ、倦怠感などがある人もいます。これは、ホルモンバランスの崩れやストレスなどによって気が滞る気滞(き たい)、冷え、水が滞る水毒(すい どく)などが複合的に起こることが原因だと考えられています。

イライラや気分が落ち込むなどの症状が出る理由は、血や気が滞ると、自律神経を司る肝の働きが低下するためです。肝は、血を貯蔵しておくところであるとともに、怒りの感情にも繋がっているからです。

このほか、冷えも月経困難症の症状を悪化させますので、冷えがある場合には、治療が必要です。

婦人科には行きづらいと感じている人が多く、またついついがん検診などもおろそかになってしまいがちです。しかし、もしも、月経痛に悩んでいるようなら、ぜひ一度、婦人科を受診することをおすすめします。この月経痛が、子宮筋腫や子宮内膜症、あるいは子宮がんなどの大きな病気のサインのこともあるからです。

実際に検査をして、具体的な病気が見つからない場合は、痛み止めなどの対症療法が主となります。このようなときに、漢方薬がよく用いられます。

漢方処方

処方の中心になるのは、女性の三大処方と言われる当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)です。

瘀血に対する効果の強さを順番であらわすと、「桂枝茯苓丸>加味逍遙散>当帰芍薬散」となりますが、漢方薬の効果の強さで決めるというわけではなく、ほかにみられる症状で処方を決めていきます。

原則的には、月経困難症の症状が出ている期間だけではなく、毎日内服してもらうことになります。その理由は、痛みを感じるのは月経のときだけだとしても、その原因となっている瘀血や冷えは、常にあると考えているためです。

*色白でむくみやすく、冷えやすい場合

虚弱な女性のさまざまな症状に用いることができると言われている当帰芍薬散を用います。処方される人に、竹久夢二の絵に出てくるような儚げな感じの美人が多いことで知られていて”当芍美人(とうしゃくびじん)”と言う言葉があるくらいです。

また、むくみの原因となっている水毒があるために、全体的にはほっそりしていますが、足首は引き締まっていないことが多いです。むくみによって、めまいや手足のだるさを訴えたり、冷え症があらわれる人もいます。

このほか、のどが渇きやすかったり、トイレに行く回数が人より少なかったりするのも水毒の徴候の一部です。

当帰芍薬散は、もともとは、妊娠時の腹痛の薬なので、腹痛に対する効果も定評があります。

*イライラしたり、症状がいくつもある場合

イライラなどの精神症状を伴う場合には、加味逍遙散(かみしょうようさん)を用います。

また、「イライラだけでなく、頭痛もあって、体がだるい」など、不調の種類が多い場合に対応するのも、この処方の特徴の一つです。不調の種類が多いと、医学的に説明の難しい不定愁訴だと言われがちですが、この不定愁訴こそが、加味逍遥散を使う目的の一つなのです。

漢方薬の名前についている逍遥とは、いろいろと移り変わるという意味で、この移り変わる症状に使う処方だからこそ加味逍遥散という名前がついています。症状がいろいろあって、なおかつ移り変わるというのがポイントなのです。

このほか、イライラが強くてキーッとなってしまう人で、下腹部が痛む人には、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)がおすすめです。

*にきびや肩こりを伴う生理痛で、瘀血の症状が中心の場合

血の滞りによる瘀血で、にきびや肩こりがみられる場合には、桂枝茯苓丸を使います。瘀血があると、気の滞りも合併することが多く、のぼせを伴いやすくなります。

瘀血のある人は、おへその周りや舌の部分を押すと不快な感じや痛みがあることが多いので、自分で押してみるのもいいでしょう。舌や唇の色が暗くくすんで見えたり、眼の下にくまが見られるというのも瘀血の症状です。

また、桂枝茯苓丸は、別名、催生湯(さい せい とう)とも言われ、子宮筋の緊張を促す可能性があることから、妊娠中は飲むことができません。

このほか、ちょっと意外な処方としては、胃薬だと思われている安中散(あんちゅうさん)があります。これは、安中散に含まれる生薬(しょうやく)、ウイキョウとエンゴサクに痛みをとる効果があるからです。もともと胃腸虚弱があり、胃痛を伴うような生理痛に用います。ウイキョウは、ハーブではフェンネルとも呼ばれ、消化促進などにも使われている植物です。

*生理痛がひどいときの頓用(症状が出たときや、つらいときなど、必要に応じて薬を服用)

月経中に痛みがあるときには、上記に紹介した処方と併用して、漢方薬の芍薬甘草湯(しゃく やく かん ぞう とう)や呉茱萸湯(ご しゅ ゆ とう)を用います。芍薬甘草湯は、おなかが引きつれるように痛むときに、呉茱萸湯は冷えや胃痛を伴うときに用います。

 ●症状がいろいろあって、なおかつ移り変わる人は加味逍遥散タイプ

 

 ●色白でほっそりしているけれど、むくみがちならば当帰芍薬散タイプ

 

 ●にきび、肩こり、のぼせがあるならば桂枝茯苓丸タイプ


西洋医学の考え方

症状

月経が始まる前、あるいは月経時に伴う月経痛で、薬を飲んだり、日常生活に支障をきたすほどの痛みがあるものを月経困難症と言います。月経困難症には、ホルモンのバランスによるものと、子宮筋腫・子宮内膜症などによるものがありますが、ここでは、ホルモンバランスによる月経困難症について説明します。

月経困難症の痛みの原因には、子宮の強い収縮、骨盤内のうっ血、自律神経の乱れなどが挙げられます。そのなかでも、主たる原因と考えられているのが、子宮の収縮です。

月経になると、プロスタグランジンという生理活性物質が子宮内膜でつくられます。この物質が子宮の平滑筋という筋肉を強く収縮させることで、いらなくなった子宮内膜がはがれ、外に排出されます。これが月経です。このときの収縮が、過度だったり、収縮に対して過敏だったりすると、それが原因で痛みとして感じてしまうのです。

子宮が未発達で子宮口(月経血の通り道)が狭い場合や、子宮後屈など子宮の位置が正常ではない場合は、とくに痛みが起きやすいようです。

 月経困難症は、ストレスなどによる気の異常を伴うのが特徴です。

 

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顔色を見れば、体の不調な場所が分かる!10秒でできる健康管理

ノーイメージ

【お話を伺った人】猪越 恭也先生

長春中医薬大学客員教授・吉祥寺東西薬局主宰 家庭の主婦に中国医学を普及させることをライフワークとする。近著に「顔色をみれば病気がわかる」(草思社)がある。

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提供:gooヘルスケア

(編集・制作 (株)法研

鏡を見ながら五臓の不調を察知する。朝の洗顔時は、鏡の前で10秒間。顔色を見ながら自分の体調をチェック。

毎朝、10秒間は顔色をチェック

日ごろ、どんなに忙しくしている女性でも鏡を見る習慣のない人はいないでしょう。また男性でも、朝、顔を洗うときくらいは、洗面台の鏡に映った自分の顔に目がいくのではないでしょうか?

そのわずか10秒で、顔色から、体の不調やその背景にある生活の乱れが見つけられる方法があるのです。中国医学に基づく“顔色チェック”で、健康状態や体調不良の原因を推測するポイントを、以下紹介しましょう。

顔色を見れば、体の不調な場所が分かる!10秒でできる健康管理

赤、青、黄……、顔色が何を表しているか

青→肝(目とつながる)
ストレスを受け止める内臓

中国医学の内臓論は「五臓六腑」です。五臓は肝・心・脾(胃腸)・肺・腎の5つ。

その1つである「肝」は、今日の肝臓とほぼ同じ働きのある内臓です。血液を貯蔵して浄化し、栄養を与え、そのきれいになった栄養豊かな血液で、体中のすべての働きを支え、ストレスを受け止めます。まさに「肝腎要め」の内臓です。
この「肝」の働きが滞ると、血液が汚れて濁り、肌を通して見える静脈は青く目立つようになります。こめかみやみけんに青筋が立ち、顔色が青味を帯びたり青黒くなったりします。そして怒りやすくなります。

また、顔の部分では目に症状が現れやすく、目の疲れ、視力減退、目のかすみ、ドライアイ、白内障などが起こってきます。
その他、血液の汚れによって血流が悪くなったり、血液が固まりやすくなり(お血=おけつ)、肩こり、頭痛、冷え性、子宮筋腫、子宮内膜症、チョコレートのう疱、痔などの原因となり、ひどいときには狭心症や心筋梗塞につながります(必ずしも肝の検査データが悪いわけではありません)。

赤→心(舌)
気になる赤ら顔は、心臓に要注意!

狭心症や心筋梗塞などの予兆であり、血圧が高くなっていることがあります。
五臓のうちの「心」は、今日の心臓と大脳の働きを合わせもった内臓です。びっくりすると心臓がどきどきするし、心臓病の人はよく不安感があり、不眠となります。

心の不調は、舌にも現れます。五臓の「心」の、大脳の働きの部分に起こる脳卒中(脳出血や脳硬塞)は、舌の働きを障害して、ろれつが回らなくなり、あるいは舌が右か左に曲ってしまいます。
狭心症や心筋梗塞を起こしやすい人の舌は、暗赤色や紫色をしていたり、紫の点々や斑点が現れ、舌の裏面の静脈が太くなり蛇行していることもあります(お血=おけつ)。

黄→脾(胃腸)(口)
ミカンの食べ過ぎでもないのに黄色い

五臓のうちの「脾」は、今日の消化器系で、おおむね胃腸に相当しています。胃腸の働きが悪いと(自覚していない人もいます)、栄養状態が悪くなり、血液が薄くなって肌は黄色っぽく見えるようになります。そして、血管が脆くなり、出血しやすくなります。そのため体のあちこちにアザ(内出血斑)が出たり、女性では月経がだらだらと長く続いたりします。
白目が黄色くなるのは黄疸の疑いがあります。胆のうの障害なので消化に影響します。

胃腸は口とつながっており、脾の異常は口や口唇に現れます。また胃は歯茎と深いつながりをもっています。
口の中がまずい、口の中が荒れる、味が分からない、口角が切れる、口唇が荒れる、歯茎から出血する、口内炎が出来るなどは、脾、胃の障害を示しています。

脾が弱いと、筋肉の発達が悪く、内臓下垂(胃下垂、脱腸、子宮下垂、遊達腎)を起こしやすくなります。

白→肺(鼻)
美容上は有利でも呼吸器系が弱い

中国医学の「肺」は、空気を吸い込み吐き出す呼吸器系の総称で、わずかながら呼吸をしている皮膚を含んでいます。
色白の人は、この「肺」の系統が弱い体質の人が多く、カゼをひきやすく、慢性的な鼻炎や、アトピーなどの皮膚疾患にもかかりやすく、アレルギー体質の人が多く見られます。

中でも鼻は、空気の取り入れ口であり、吐き出し口でもあるので、肺の弱い人はよく鼻の病気にかかっています。アレルギー性鼻炎、蓄膿症などが主なもので、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、味覚障害などの症状が起こります。

黒→腎(耳)
ホルモンと水分のコントロール

「腎」は、水臓といわれ、体内の水分の調節をする作用がありますが、中国医学では今日のホルモン系と関係の深い内臓です。それと関係してSEXを支配する内臓系でもあります。
この「腎」が弱るとホルモンの分泌が衰え肌が黒ずんできたり、目の下のクマが濃くなってきます。精力減退、不妊(男女とも)、生長発育不全、骨や歯が脆い、足腰がだるい、白髪や脱毛、尿の漏れ、老化の進行が早い(早老)などの症状が見られ、病気にかかりやすくなり、病気にかかると治りにくくなります(免疫力の低下)。

また、耳とのつながりが深く、聴力の低下や耳鳴り、慢性中耳炎などの症状を起こしやすいのは、五臓の腎の衰弱(腎虚)によるものです。
手足のほてりや午後の微熱、逆に腰や足の冷えなど体温の調節異常が起こることもあります。

これから毎朝、鏡を見ながら「顔色10秒セルフチェック」をおこなって、体調管理のバロメーターにするのはいかがでしょうか? 五臓の不調を意識することで、大きな病気を未然に防ぐきっかけになるかもしれません。

(「健康のひろば」、法研より)

※この記事は2006年5月に配信された記事です

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