緊急性がないのに救急車を呼ぶ人が増えているそうです。そういった人が多いと本当に必要な人への到着時間が遅れることになります。救急車を呼ぶべきか迷うことがあったら相談できる窓口があるので是非、活用してください。

救急車を呼ぶ前に…緊急性があるか迷ったら、相談ダイヤルを利用して

「眠れない」「靴ずれで足が痛い」で救急車出場のケースも

救急車は本来、緊急で病院に行く必要のある人を搬送するためのものです。しかし、最近では軽い症状でもタクシー感覚で救急車を利用する人が増え、そのために本当に救急車が必要な人への到着が遅れる恐れが出てきています。「子どもが熱を出したから」呼んだという話はよく聞きますが、そのほか「眠れない」「靴ずれで足が痛い」などで救急車を呼んだ例も実際にあります。

その結果、東京都では2013年の救急出場回数は約75万件で、なんと42秒に1回の割合で救急車が出場していることになります。救急出場回数が増えれば、現場からより離れた地域の救急隊が出場する確率が高くなり、到着時間が遅くなることにつながります。

緊急度に応じて対応に幅を持たせる試みも行われている

このような事態を受けて、東京消防庁では、現場に到着した救急隊が「救急搬送トリアージ基準」にのっとって「緊急性なし」と判断した場合には、自分で医療機関を受診してもらうよう依頼、同意が得られれば救急隊は次の出動に備えるという取り組みをスタートさせています。トリアージとは、一般的には災害時に治療や搬送の優先順位を決定することとされていますが、「救急搬送トリアージ」とは、平常時での個別の傷病者に対する緊急度・重症度を評価して、救急搬送の要否を含めて評価結果に応じた搬送体制を提供することを意味しています。

迷った場合は救急相談センターに電話して相談を

救急車を呼ぶべきか迷ったときや、診察可能な病院がわからない場合には、東京都では「救急相談センター」に電話して相談することもできます。救急相談センターは24時間年中無休で、症状に基づく緊急性の有無や、受診の必要性に関するアドバイス、医療機関の案内を行っています。電話番号は「♯7119」(携帯電話・プッシュ回線から。東京都以外でもそれぞれ相談の窓口があるので消防署などで確認を)。また、救急車を呼ぶほどではないけれど交通手段がないといった場合には、民間の搬送事業者を利用することもできます。

ちなみに、東京都だけで毎年1万人以上の人が急性アルコール中毒で救急車搬送されています。急性アルコール中毒を減らすことも、救急車の適正利用のためには大切です。
救急車を本当に必要とする人のために、みんなで協力していきましょう。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

【参考】
『医師に聞けないあんな疑問 医師が解きたいこんな誤解』

【お話を伺った人】澤田めぐみ(さわだ・めぐみ)先生

内科医。東京医科歯科大学医学部卒。「医学を学ぶのは医師を目指す人たちだけ」という現状に疑問を抱き、「賢い医療消費者を育てたい」という思いから、2011年に日本で唯一の小中学生を対象とした医学教室「とう…

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