パニック障害とうつ病は併発しやすい? 関係性と5つの予防リラックス法

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

女性の発症率が高いパニック障害。ほかの精神障害との関連も深いこの病気は、重症になると外出ができなくなるなど、生活や仕事の支障になります。パニック障害についてと、その対処法についてまとめました。

パニック障害とうつ病は併発しやすい? 関係性と5つの予防リラックス法

心臓の発作と不安感が同時に押し寄せる

芸能人でも発症する人が多いパニック障害。100人中1〜3人が発症するという高い確率の病気です。男性よりも女性がかかりやすい傾向にあり、男性の2〜2.5倍におよびます。罹患者の年齢は10代後半から30代半ばの人が中心です。

パニック障害とは、急に胸がドキドキし、息が苦しくなるほか、めまい、吐き気などが起こると同時に、「死んでしまうのではないか」などと強い不安も感じる病気です。救急車を呼ぶ人もいますが、病院に着く頃には激しい発作も治まり、心電図検査などをしても異常は見つかりません。

急に起こる発作なので、自分でもどうしてこんな状況になるか理解できず、困惑してしまいます。やっかいなのは、病気の根底にある不安感や恐怖感が強まると、発作がおさまってもさまざまな症状があらわれること。
「また発作が起きるのではないか」という不安から、外出が難しくなる人もおり、日常生活にも支障をきたします。発作は不規則に繰り返され、専門医でも発作が起こるタイミングは予測できません。きちんと治療をしないと、慢性化してしまうのです。体に異常がないのに、発作を繰り返している人は、心療内科や精神科を受診しましょう。

ほかの精神障害を併発することも

パニック障害とうつ病を併発する人も多くみられます。併発しない場合も、その後にうつ病にかかることが多く、パニック障害の人がうつ病になる割合は、50~65%という調査も。パニック障害は、うつ病だけではなく、強迫性障害やパーソナリティー障害など他の精神障害を併発することもあります。

要因としては、過去に経験した大きな出来事が関係していると考えられています。ここ1年で過度なストレスに遭遇したり、幼い頃に虐待にあったり、両親の離婚でのかなりの心労があったなどです。
また、10代の頃にタバコを吸っていた人もパニック障害を発症しやすくなります。喫煙や飲酒、カフェインを多く含む飲み物も誘因のひとつとされています。

治療では、抗うつ薬などを用いた薬物治療により不安を取り除きパニック発作が起きないようにします。薬の効果が出たら、精神療法を行うのが一般的です。
精神療法では、医師と患者の対話などにより、患者が不安から逃げずに乗り越えることをサポートします。その経験を増やすことによって自信につながり、不安も減少していきます。

自分でできる予防法を知っておく

パニック障害は生死にかかわらない病気であり、適切な治療を受ければ改善します。診断されたら、医師の指示通り通院して、回復を目指しましょう。発作の心配は常に付きまとうかもしれませんが、同時に発作が起きた時の対処法を知っておくだけで、だいぶ不安感が和らぐはずです。

1)腹ばい、前かがみの姿勢になる
発作を感じたら、腹ばいか前かがみの姿勢をとりましょう。自然と腹式呼吸になり過呼吸を防ぎます。自律神経も安定するので、動悸や息苦しさなどの症状も治まります。

2)家族や友人に電話する
強い不安を感じた時、まわりに誰もいなければ、家族や友人に電話をかけて「大丈夫」と声をかけてもらいましょう。まわりには日頃から病気のことを伝えておくとサポートしてもらいやすくなります。身近な人の声を聞くことで不安が治まります。

3)リラックスできるツボを押す
手には気分をリラックスさせるツボがあります。
発作が起きそうになったら、呼吸を整えながらゆっくり押しましょう。

●手の甲の親指と人差し指の付け根にある「合谷」
合谷

●手首の内側で手首の右側と手のひらの小指側にある骨のキワにある「神門」
神門

●手首の内側のシワから指3本分離れた手首の中央にある「内関」
内関

4)アロマテラピーを取り入れる
ローズやラベンダーなどの精油は、香りが鼻の粘膜から脳に届き、不安が静まることがわかっています。ティッシュやハンカチに数滴たらし、深呼吸をしましょう。呼吸を整えることで、副交感神経が優位になり、リラックスできます。

5)冷たい水を飲む
パニック発作は、気温の上昇でもおこりやすくなります。5〜7月は特にパニック発作の発症が多い時期。冷たい水を飲むと、体温を下げるとともに、気分転換にもなります。




あの人うつ病かも? うつを見分ける症状のポイント|接し方のヒント

ノーイメージ

【執筆者】ピースマインド・イープ

■ピースマインド・イープ株式会社 高度な専門性を活かしたメンタルヘルス関連サービスを提供。日本最大級のオンラインによる心理カウンセリングサービスを提供するほか、オフラインでも直営カウンセリングルーム…

もっとみる

【執筆】住本吉章カウンセラー

あの人うつ病かも? うつを見分ける症状のポイント|接し方のヒント

誰でもが陥りやすいうつ状態

うつ状態は、誰でもが陥りやすい状態です。一昔前までは、中年以降のものとされていましたが、最近では、低年齢化の傾向がみられ、大学生はもちろんのこと、不登校中の中学生や高校生にもみられるようになりました。専門家の話では、小学生にまで降りてきた、とさえ言われています。私どもの相談室にお越しになったうつ状態の方には、お医者様に必ず診てもらってくださいと、申し上げています。しかし、なかなか腰が重い方もいらっしゃいます。もちろん、心療内科等に通院しながら、当方のカウンセリングを利用されている方もいらっしゃいます。

そんな方をカウンセリングするとき、私が気をつけていることがあります。そのことについて、お話ししてみたいと思います。もし身近にそのような状態の方がいる際の対処法のヒントとして知っていただければと思います。

見落としてはならないポイント

さて、うつ状態は、精神面と身体面の両方に現れますが、基本的に見落としてはならないことがあります。それは、例えば次のポイントです。

(1)悲しい感じや、落ち込んだ感じが続いているのかどうか
(2)これまで楽しめていたことに、楽しみがもてない状態にあるのかどうか
(3)これらの状態がどれくらい長く続いているか……等です。

同じうつ状態の方でも困っていらっしゃる内容や程度は、人によってまちまちです。何を期待してお越しになったかに注目していますと、いくつかの傾向が見られます。
私がこれまで相談させていただいた方々の特徴は、以下のように分類できます。

(1)眠れない、食欲が出ない。疲れやすい、しんどい、やる気が出ない。
(2)人との対応ができない。人間関係がうまくいかない。自信が持てない。
(3)ものごとに集中できない。気分が沈む。楽しくない。
(4)なにごとも悲観的に考えて、罪悪感に苦しみ、自分は無価値な人間に思えてくる。将来が心配。お先真っ暗だ。

大部分の方々は、このような特徴のうち、2つ以上の特徴が重なっていることが多いようです。
このことから、うつ状態は様々な角度から対応しなければならないことが分かります。たっぷり時間をかけ、じっくりお話をお聞きしてさしあげますと、落ち込んだうつ気分の全般的な底上げが起こり、当面の課題がはっきり見えてきます。

このように働きかけています

まず、最初に心がけなければならないことは、よく寝られるようにしてあげることです。すると、やや活動的になられ、食事がすすむようになり、以前よりも元気になれる方が多いようです。家で元気が出てこられたら、職場に出られるようになり、また職場でも元気が出るようになります。

次に、人間関係の保ち方について全力を注ぐようにしています。お越しになる方の中には、物事を悲観的にとらえ、いつも、御自身を悪い方へ悪い方へと追い込んでいらっしゃる方がいます。そんな場合、その方特有の考え方を、もっと柔軟にしてあげるお手伝いをしています。また、悪いことが起きると、それがいつまでも継続し、それが万事に広がり、すべてがうまくいかなくなるように思いこんでいらっしゃる方が多いようです。しかも、ご自分のせいで事態を悪化させてしまったと強く信じ、ご自分を厳しく責め立てられます。こんな方の思考を柔軟にして差し上げるのも、私の仕事です。

早く回復する近道とは

そして、先入観を持たずに、いろいろな方法を試してみることをお勧めしています。さらに試してみないうちから、将来、果たしてうまくいくだろうかと、不安にとりつかれ、心配し、おびえている方もいらっしゃいます。この不安も、心理相談のなかで、いろいろな方法を示させていただき、ご自身を強くしていかれる作業のお手伝いをするようにしています。

うつ状態の方は、ご自身の今の状態は必ず良くなる、という「強い希望」を持たれ、今日、様々な有効な方法が開発されているのだから、それらを利用すれば必ず良くなる、という「期待感」をもたれることをおすすめしています。これが早く回復する近道だ、と私は考えています。

※この記事は2007年3月に配信された記事です

続きを読む




うまくいかない人間関係の原因は親への葛藤や感情にあるかも?

ノーイメージ

【執筆者】ピースマインド・イープ

■ピースマインド・イープ株式会社 高度な専門性を活かしたメンタルヘルス関連サービスを提供。日本最大級のオンラインによる心理カウンセリングサービスを提供するほか、オフラインでも直営カウンセリングルーム…

もっとみる

うまくいかない人間関係の原因は親への葛藤や感情にあるかも?

心理学用語―転移とは?

臨床心理学の用語に、『転移』という用語があります。この用語は、臨床心理学用語の中でも最も有名な用語のうちの1つと言っても良いほど、よく知られている用語です。

臨床心理学用語としての『転移』の意味は、「心理療法の過程で、クライエント(相談をする人)がセラピスト(相談を受ける人)に対して向ける感情。その感情は、クライエントが過去に出会った重要な人物(主に養育者)に対して抱いた感情と同様のものである」とされています。つまり、心理療法を受けていくうちに、セラピストに対して、親に対して抱くのと同じような感情を抱くようになることを、『転移』と呼びます。

この概念は、精神分析の創始者であるS.フロイトが提唱したもので、陽性と陰性とに分けられます。陽性とは好ましい感情を抱くこと、陰性とは攻撃・嫌悪などのネガティブな感情を抱くことを言います。精神分析では、この『転移』という現象は自然に起こるものとされており、セラピストはこの現象に敏感に気づくことを求められ、心理療法の過程に活かすことが望まれます。

うまくいかない人間関係は『転移』にあるかも?

このように、本来は心理療法におけるセラピスト-クライエント関係の理解を深めるための用語ですが、私たちの日常生活においても見受けられる現象です。例えば、どうしてもうまく付き合えない上司がいたとしましょう。では、自分にとってその上司とうまく付き合えない理由とは、どの辺にあるのでしょうか。「人の話を聞かずに自分の意見を押し付ける」「何事もいいかげんで頼りにならない」「こちらの機嫌ばかりとっていて、イライラする」……etc。うまく付き合えない理由は人それぞれです。この状況に、『転移』という概念を当てはめて考えてみると、その上司とうまく付き合えない理由は、両親との葛藤にその根源があるのかもしれない、ということになります。

厳格な父親のもとで何事も規律に縛られ、窮屈な思いを抱いて育ってきた人にとっては、規則、規則と口うるさく言う男性上司には反発を覚えるでしょう。母親の過大な期待に応えるために努力して育ってきた人は、期待を寄せてくれる女性上司のために身を粉にして働こうと思うかもしれません。

自分が誰かとぶつかったり、不愉快な思いを抱いたりした時、あるいは、誰かに過剰に依存したくなったり、こちらを見てほしいと思ったりした時、その感情の背景に過去の誰がいるのかに思いをめぐらせてみてください。そこに『転移』が起きているかもしれません。

※この記事は2008年3月に配信された記事です

続きを読む




ネガティブな考えにオサラバ、考え方のクセをつかみ改善する7つの方法

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

ネガティブ思考の人は、考え方がマイナスにクセづいているのが原因かもしれません。そんな考え方のクセを修正して、改善する方法をご紹介します。

ネガティブな考えにオサラバ、考え方のクセをつかみ改善する7つの方法

ネガティブかポジティブかは性格ではなくクセ

「嫌われたらいやだな」、「失敗したらどうしよう」と、考え方が暗いほうにばかり向かってしまう人がいます。同じシチュエーションでも、ネガティブな人とポジティブな人では受け取り方が違います。そして、ポジティブな人は、ポジティブな事柄を呼び寄せるようになり、ネガティブな人には、ネガティブな出来事が起こりやすくなってしまいます。
こうしたネガティブな思考は、生まれつきの性格ではなく、考え方のクセが大きな原因なのです。ネガティブな思考は、頭の中で増長してより強いネガティブなイメージを広げてしまうので、ネガティブな思考のループを断ち切ることが大切です。こうした考え方のクセを改善する方法をご紹介します。

ネガティブな考え方を改善する7つの方法

1)「いいこと日記」をつける

ネガティブ思考の人は、物事のネガティブな面を探すクセがついています。そのため、ポジティブなことを探すクセをつけることが重要です。それに最適なのが「いいこと日記」。寝る前に今日あった「よかったこと」を箇条書きで、思いつく限り書いていきましょう。「天気がよかった」「遅刻しなかった」など、些細な事柄でOK。5個書けるようになったら、次は10個と、数を増やしていきましょう。日中も「いいこと日記」を書くためにポジティブな事柄を探して。これで、物事のポジティブな面を探すクセがつきます。

2)ネガティブな友達と距離をおく

ネガティブな思考は伝染します。友達のグチを「うん、うん」とずっと聞いていると、聞いている方も暗い気分になるものです。時々つきあうのは友だちづきあいのうちですが、合うたびにグチや心の不安を言って雰囲気が暗くなる友達とは、少し距離をおきましょう。逆に、ポジティブな友人と過ごす時間を増やして。

3)口調を変える

ネガティブな人は、無意識のうちに「どうせ」「でも」など、否定的な意見を言うクセがあります。この言葉が出たら、ネガティブ思考になっている証拠なので、肯定的なことを話すように意識して。例えば「どうせできない」ではなく、「できるかもしれない」など。口調を変えることで、意識も変えることができます。

4)胸を広げ、深い呼吸を意識する

ネガティブな思考の時は、猫背になり、呼吸が浅くなっています。呼吸は気持ちをコントロールする上で重要なポイント。胸を広げて、鼻からゆっくり息を吸って、口から吐くという、深い呼吸を繰り返しましょう。呼吸を整えることで、不安感も取り除くことができます。

5)できる理由を探す

なにか新しいことにチャレンジする時、すぐにできない理由を探してしまうのがネガティブな人の特徴です。これを逆にするだけで、ポジティブな思考になれます。新しいことにチャレンジした時に得られるメリットを、できるだけ考えるようにしましょう。文字に書き出し、何度も見ることで、勇気が湧きポジティブになれます。

6)暗いニュースや音楽を避ける

どんなにポジティブな人でも、暗い音楽やニュースを聞いていると気持ちが落ち込みます。できるだけ明るく、おだやかな音楽を聴くように意識しましょう。テレビのニュースは、暗い事柄も多いので、だらだらテレビを見ている人は要注意。無意識にネガティブな思考に引っ張られるので、極力避けて。

7)予定を詰め込む

時間がたっぷりありすぎると、いろいろと考えすぎてネガティブな思考になりがち。予定を詰め込んで、よけいなことを考えるスキを与えないようにしましょう。自分を忙しくすることで達成感も味わえますし、ネガティブな友達とも距離を置きやすくなります。

また、とても基本的なことですが、しっかり休みをとることを忘れずに。どんなにポジティブな人でも、疲労がたまっているとネガティブになります。特に、睡眠不足は判断力を乱すもと。心と体の健康はつながっているので、たっぷり睡眠をとって、エネルギーみなぎる体を取り戻しましょう。

続きを読む



怒りの対処法「アンガーマネジメント」で人間関係を円滑に

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

仕事に家事に多忙な毎日。ちょっとしたことでイライラしていませんか? そんな怒りをコントロールするのが「アンガーマネジメント」。その方法をまとめました。

怒りの対処法「アンガーマネジメント」で人間関係を円滑に

怒りをコントロールしてストレスを減らす

レジで待たされイライラ……、上司に小言をいわれ憤慨……。すぐ怒ってしまったり、怒り出すと止まらないといったことはありませんか? 怒りは自然な感情ですが、激しい気持ちに振り回されて「仕事が手につかない」、「人間関係が悪化」といった支障もでてきます。

そこで、取り入れたいのが「アンガーマネジメント」です。アンガーマネジメントとは、怒りをコントロールしたり、癒やしたりする方法のこと。1970年代にアメリカで開発された、心理トレーニングがその始まりです。エグゼクティブが取り入れるなどして、日本でも近年急速に広まりました。

「あの時、怒らなければよかった」といった怒りにまつわる後悔や、「小さなことでもイライラしてしまい疲れる」などのストレスも減らすことができます。ただし、怒りの感情をなくしたり、無理に押さえ込んだりすることは不要。怒りの感情自体は悪いことではありません。自分の怒りの感情を理解し、コントロールすることが重要なのです。

アンガーマネジメント流 怒りの対処法

もしイライラしたり、カッとなったりしたら、次のことを取り入れてみましょう。怒りの感情が爆発するのを防ぐことができます。

◯6秒ルールで時間を稼ぐ

アンガーマネジメントの方法として有名なのが「6秒ルール」。怒りの感情のピークは、最初の6秒だとされます。そこで、この6秒をやり過ごすという方法です。怒りを感じたら、自分に「落ち着いて」と問いかけてみたり、手に指で怒りの内容を書くなどして、6秒をやり過ごしましょう。

◯怒りを感じた場所を離れる

強い怒りを感じて、自分の感情がコントロールできないと思ったら、まずその場を離れましょう。物理的に環境を変えることによって、相手を怒鳴り散らすなどの攻撃的な行為を避けることができます。

◯怒りに点数をつける

怒りという感情は目に見えないもの。怒りとひとくくりにするだけでなく、点数をつけて客観視することで、冷静に理解しやすくなります。まったく怒りを感じていない状態を0、絶対に許せないと思うくらいの激しい怒りが10です。怒りの感情が湧き上がった時、点数をつけるクセをつけることによって、自分の怒りの種類やクセを知ることもできます。

◯深呼吸をする

怒りを感じると、体は自律神経の交感神経を優位にします。心拍数を上げて体を攻撃モードにして備えるためです。逆に副交感神経は体をリラックスさせるもの。怒りを感じたら、深呼吸をしましょう。深呼吸すると、副交感神経を優位にする効果が。深呼吸で体をリラックス状態にすれば、怒りがトーンダウンしてくるでしょう。

続きを読む



ひとりぼっち…誰もわかってくれない…と感じたらー不安の応急手当

ノーイメージ

【執筆者】ピースマインド・イープ

■ピースマインド・イープ株式会社 高度な専門性を活かしたメンタルヘルス関連サービスを提供。日本最大級のオンラインによる心理カウンセリングサービスを提供するほか、オフラインでも直営カウンセリングルーム…

もっとみる

【執筆】石野朝子カウンセラー

「こころのひとりぼっち感」を抱えていませんか?

カウンセリングをしていて、いろんな人にお会いしていると、人それぞれ持っておられる悩みはさまざまに違うものですが、奥底にひとつ共通していることがあるなと思います。それは、カウンセリングにいらっしゃる方がみな、どこかで「こころのひとりぼっち」を感じている、ということです。職場の人間関係に悩む人、嫁姑問題に悩む人、子育てに悩む人、夫婦関係や恋愛に悩む人、大人だけではなく学校にいけないなどの悩みを持つ子どもたちも、みな一様に、「こころのひとりぼっち」を抱えていると思うのです。

誰もわかってくれない…と思ったら

「こころのひとりぼっち」は、たとえ周りに実際に人がいたとしても、それがその人の心を支えるものとなっていない状態です。「どうして私だけが…」「なんでうちの子だけが…」「私さえ我慢すれば…」とか、「誰も聞いてくれない」「誰もわかってくれない」という表現にあらわれるものです。たとえ共に暮らす家族があったとしても、周りに友人がいたとしても、こころがひとりぼっちになってしまう状況はよくあります。

職場の人間関係に悩むある女性は、仕事場では「なんで私ばっかり」と思い、そしてやはり会社でも家に帰っても、心理的には「誰もわかってくれない」、と訴えておられました。人との間にこころの通う実感がなく、頼れる人のいる安心感もない、「こころのひとりぼっち感」は、とてもさびしくて苦しいものです。

みなさんはこういう気持ちになったことはありませんか?ひとりぼっち感ですから、その人はひとりで対処するしかないんだ、誰も助けてくれないんだと思っています。そういう苦しいひとりぼっち感は、考えれば当たり前ですけれど、人とのつながり(こころがひとりぼっちでない状態をつくること)でその傷つきの痛みを癒し、克服するしかありません。

放っておくと危険な孤独感

こころのひとりぼっち感をそのまま放っておくと、体にも心にもよくありません。病院の精神科につとめていた頃、自分がコントロールできない苦悩のなかでどうしようもなくなり、病を得てやっと訪れてくださる人の成育歴など聴いておりますと、十年も二十年も、ひとつの「ひとりぼっち感」(たとえば、小学生のころいじめられた体験)を核として、雪だるま式にひとりぼっち感を大きくしておられる方に少なからず出会いました。

ひとつのひとりぼっち感(いじめられた、あのとき誰もわかってくれなかった)が次のひとりぼっち感(たとえば恋人にふられた、やっぱりどうせ誰もわかってくれない)を深め、また次のひとりぼっち感(たとえば仕事で上司と、家庭でなら姑と、うまくいかない、誰も味方してくれない、なんで私だけ)が「またか、またか」、という感じで繰り返し体験されている。雪だるま式に思いが膨らんでいくのですから、これは放っておくといけません。

「ひとりぼっち感」の体験は、できるだけはやくにその傷つきを修復する必要がある、と思います。放っておいて、ついには「誰もわかってくれなかった」「もう誰も信じられない」「生きていても苦しいばかりで仕方がない」と、思いつめる方が実際にいらっしゃいます。

聴き手つなぎ手として心を健康にするカウンセリング

ですから、誰にも言えないな、誰もわかってくれないような気がするな、なんで私ばかり、という気持ちになったら、できるだけ早く、ひとりぼっちでない状態を求めてほしいと思います。身近なところから話せる人を見つける、一緒に安心して過ごせる人を見つけられればもっとも良い応急手当になりますが、見つけることにも出会うことにも運とエネルギーが必要ですから、そのような時こそ、聴き手つなぎ手のプロ(カウンセラー)が集まる相談機関の扉を叩いてほしいと思います。

「こころのひとりぼっち感」で、訪れてくださった人が、カウンセリングを終結して帰っていかれるときには、その人のこころはもうひとりぼっちではなく、その人にとって大切な人とのこころのつながりを持っておられます。大切な人とのゆるぎないつながりは、こころをとても健康にするものです。

よく言われることですが、人間はその漢字の示すとおり、人と人が寄り添い、人との間に生きることが本分です。あなたに寄り添う人になったり、あなたが人と寄り添うための土台となったりして、人との間に生き生きとひとりぼっちでなく存在する本来のあなたになるお手伝いをすること。容易なことではありませんが、これを目標として日々カウンセリングに来てくださる方と向き合っていきたいと思っています。

※この記事は2007年2月に配信された記事です

続きを読む



  1. 1
    野菜ジュースは飲んでも意味がない? 野菜ジュースでとれる栄養とは
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと …
  2. 2
    批判されても挫けない!『心が折れない』強いメンタルの作り方
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと …
  3. 3
    脳は疲れない? 酷使することで能力を高める方法5つ
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと …
  4. 4 みぞおちの辺りが痛い 激しい痛みor鈍痛? 痛むのは真ん中・右・左?
    みぞおちの辺りの腹痛 激しい痛みor鈍痛? 痛むのは真ん中・右・左?
    お腹の上の部分、みぞおちあたりの痛み。胃痛? それとも、ほかの病気? …
  5. 5
    腸内環境の改善で”性格”まで変わる?!心の安定を得るための方法5つ
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと 腸内…
  6. 6
    ヘルプマーク、ハートプラスマークなど、見えない障害を持つ人のためのマーク
    (編集・制作 gooヘルスケア) 外見からはわからない障害を抱え…
  7. 7 ストレスに強い人と弱い人の違い|ストレス耐性を高める6つの要素
    ストレスに強い人と弱い人の違い|ストレス耐性を高める6つの要素
    環境の変化にストレスを感じる人と感じない人がいる 日々、暖かくなって…
  8. 8
    あの人うつ病かも? うつを見分ける症状のポイント|接し方のヒント
    【執筆】住本吉章カウンセラー 誰でもが陥りやすいうつ状態 …
  9. 9
    【医師が教える】夏まで90日!リバウンドなしダイエットのやり方
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと …
  10. 10
    体はストレスや疲労のサインを出している―年度替わりのストレス対策
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと 3~…
  11. 11
    【足のむくみを解消するストレッチ】座ったまま、仕事の合間でOK!
    (編集・制作 (株)法研) デスクワーク中でも座ったままできる運動で…
  12. 12 痩せたい人が食べるべき食材|“脂肪を燃やす栄養素”の最新情報
    痩せたい人が食べるべき食材|“脂肪を燃やす栄養素”の最新情報
    知らなきゃ損! 微量でも体内で大きな力を発揮する。 微量栄養素が欠乏…
  13. 13
    足がむくむ、足がダルい…女性に多い『下肢静脈瘤』かも? 原因と症状
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと …
  14. 14
    寝起きスッキリ! 朝すぐに起きられる人になる11個の方法
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと 早朝…
  15. 15
    女性に多い『痔』原因と症状|こんな人は要注意!痔になりやすい7つの習慣
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと 男性…
  16. 16 仕事や家事がしんどい、やる気がわかない…心が疲れたときの対処法
    仕事や家事がしんどい、やる気がわかない…心が疲れたときの対処法
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと …
  17. 17
    家庭でできる食中毒予防|心がけて欲しい8つのポイント
    (編集・制作 (株)法研) 「わが家では起こるわけがない」と思ってい…
  18. 18
    快眠でパフォーマンスアップ! しっかり噛んでセロトニンを分泌
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと 睡眠…
  19. 19 驚いたときに腰が抜けるのはなぜ?
    驚いたときに腰が抜けるのはなぜ?
    脳や交感神経の作用のほかに、病気の一症状としても。 大脳皮質の一時的…
  20. 20
    ネガティブな考えにオサラバ、考え方のクセをつかみ改善する7つの方法
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと ネガ…

一覧