脳の発達が通常と違っているために起こる特性が発達障害。学校だと1クラスあたり2~3人の割合と身近な存在です。生まれつきの特性で「病気」とは異なり、その特性を家族や周囲がよく理解することが大切です。

発達障害とは? 症状や原因-子どもの1割弱は発達障害?

症状の現れ方に個人差が大きい発達障害

学習障害、注意欠如・多動性障害、広汎性発達障害などを総称して、発達障害と呼びます。これらは、生まれつき脳の発達が通常と違っているために、幼児のうちから症状が現れるもの。発達障害のある人は、コミュニケーションや対人関係をつくるのが苦手です。残念ながら、他人からみると「わがまま」や「困った人」と思われて、距離を置かれることも少なくありません。社会生活においても、支障をきたすことがあります。

発達障害とは? 症状や原因-子どもの1割弱は発達障害?

発達障害は、親のしつけや教育のせいではなく、脳機能の障害によるものと、まわりの人が理解することで、その人自身も生活がしやすくなります。注意したいのは、軽度の発達障害は、症状が軽度だからといって社会生活における障害が軽度とは限らないということ。軽度の人でも、まわりの理解とサポートが必要です。
発達障害は、複数の障害が重なって現れる場合もあり、障害の程度や年齢、生活環境によっても症状がかなり違ってきます。発達障害は多様であり、同じように診断された人でも症状の現れ方が異なる場合も多々あることを理解しましょう。

発達障害の子どもは小・中学生の6.5%

発達障害という言葉は、最近になって聞かれるようになったと感じる人もいるかもしれません。でも、発達障害は決して特殊なことではなく、身近な存在です。1980年代後半から医療機関での診断基準が普及したことにより、発達障害の認知度が高まったと考えられます。

文部科学省の2012年の調査によると、全国の公立小・中学校の通常学級の児童生徒のうち、人とコミュニケーションがうまく取れないなどの発達障害の可能性のある小・中学生が6.5%にのぼることがわかりました。これは、1クラス40人の場合、2~3人の割合にあたります。このデータは、通常学級に通う子どもを対象にしており、知的障害のある児童生徒はデータから除かれているため、実際にはより数値が高い可能性があります。

さらに、発達障害の可能性がある生徒のうち4割弱は、教員がより丁寧に教えたり、黒板に近い席に座らせるなどといった特別な支援を受けていないこともわかりました。学校だけに支援を任せるのは限界があるため、まわりの人が積極的にその子の特性を理解し、お互いに生活しやすい環境を作れるように努める必要があります。

発達障害は、脳の先天的な異常のため、大人になれば治るということはありません。学校はもちろん、社会人になってからも、発達障害の人々と接する機会は十分にあります。本人の持ち味や気持ちを汲み取って、その人の特性を生かせる環境を作るなど、サポートをするように心がけましょう。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと