誰でも一度は検査するべき? HIVや性病の検査について詳しく解説

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

「もしかして……」。HIVや性病にかかっているかもしれないという不安を抱いた時、いち早く受けるべきなのが検査です。検査はどこで受けられるのか、またその方法や流れをご紹介します。

誰でも一度は検査するべき? HIVや性病の検査について詳しく解説

保健所などでは無料&匿名で行っているところも

HIVの検査は、全国の保健所や自治体の特設検査施設で無料・匿名で受けることが可能です。もちろん医療機関でも検査はでき、自費診療の場合で費用はだいたい5000~10000円です。保健所などの無料匿名検査は、施設により受けられる日時が異なります。多くの施設は1~2週間に1度、平日の昼間に実施。施設により異なりますので、厚生労働省が運営している下記HPで事前に確認をしましょう。

HIV検査相談マップ http://www.hivkensa.com/

症状が出ているものは病院で保険適用で検査が

性病は、自然治癒しませんし、放置しておくと悪化し不妊の原因にもなります。体調などの変化から「性病かもしれない」と感じたら、すぐに検査を受けるようにしましょう。また、保険診療の病院の場合、症状がないと検査費用が保険適用になりません。でも、陽性だった場合、すぐに治療が開始できるので、早期発見、早期治療につながるというメリットもあります。

自覚症状がある場合は、症状がある部位によって受診する科が異なります。

性器に症状がある時/性病科、男性の場合は泌尿器科、女性の場合は産婦人科
のどに症状がある時/性病科、耳鼻咽喉科
皮膚に症状がある時/性病科、皮膚科

HIVは、スクリーニング検査と確認検査の2つを行う

コンドームを使わない性行為をした時や、HIVに感染したかもしれないと、不安になった時は、すぐに検査を受けましょう。HIV感染は、HIV検査を受けないと見つけられないもの。感染が疑われる日から1カ月しか経っていなくても、感染していれば陽性の反応がでます。体を守るためにも、不安を解消するためにも、気になったらすぐに検査を受けましょう。

検査は、膣分泌液やおりもの、血液や尿から調べる方法が一般的です。HIV検査は、エイズ(後天性免疫不全症候群)の原因ウイルスであるHIVに感染しているかどうかを調べる検査です。HIVに感染すると、体内でHIVに対する抗体が産生されます。一般的には、この抗体が血液中にあるかを調べる「抗体検査」をまず行います。その後、「確認検査」といって、HIVを構成するたんぱく質にHIV抗体があるかどうかを確認する検査を行います。これは、スクリーニング検査で陽性となった時、その反応が本当にHIVによるものなのかを確認するためです。

また、最近は、検査キットを購入して自宅でHIVウイルスの検査を行うこともできます。インターネットでも販売しており、だいたい3000円から。購入する際は、登録衛生検査所で検査を行っている製品か、医療機器を販売する事業許可(高度管理医療機器等販売業・賃貸業の許可)を取得している企業の製品かチェックしましょう。病院や保健所で受ける方が失敗は少ないのでベストですが、事情があって病院や保健所に行けない時は、利用してみてもよいでしょう。




手軽な市販薬に要注意!20代以上の女性に多い『酒さ様皮膚炎』

ノーイメージ

【お話を伺った人】古賀 道之先生

古賀皮ふ科院長・東京医科大学名誉教授 1962年 長崎大学医学部卒業後、東京医科大学皮膚科学教室入局 。1971年、東京医科大学講師。立正佼成会佼成病院皮膚科部長、都立大久保病院皮膚科医長、東京医…

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(編集・制作 (株)法研

(「ヘルス&ライフ」法研より)

ステロイドの入ったかぶれ止めを顔に常用すると起こりやすい。ニキビ状のブツブツ、ピリピリ感、強いほてりを伴い、腫れて赤ら顔になる。

ステロイド外用薬の長期使用が原因

あなたは、化粧品やヘアケア用品でかぶれやすいほうですか? そんなとき、ステロイドの入った市販のかぶれ止め薬を使うこともあるでしょう。はじめは炎症が抑えられて湿疹はすぐに治りますが、使い続けるうちに赤ら顔になって、ニキビ状のブツブツができるようになります。このときステロイド薬をやめると、それまで抑えられていた炎症が一気にあらわれ、顔が赤く腫(は)れ上がって、ピリピリしたりほてりを感じたり、かゆみが出ることもあります。これがしゅさ様皮膚炎です。

しゅさ様皮膚炎は、20~50代の女性に多くみられます。もともと顔がほてりやすい、発赤(ほっせき)を繰り返しやすいといった素因のある人が、脂漏性皮膚炎や、化粧品、シャンプー、リンスなどによるかぶれを副腎皮質ステロイドの入った塗り薬で治療しているうちに起こってくる皮膚炎です。

ステロイド外用薬を長期間使い続けると、皮膚が薄く弱くなり、血管が拡張して毛包(毛根を包んでいるところ)を刺激するため、むしろ炎症を起こしやすい条件が整ってしまいます。一般に薬の副作用の症状が出たときにはその薬の使用を中止するのが原則ですが、しゅさ様皮膚炎の場合、ステロイド薬の使用中止後2~3週間は症状が悪化します。このとき、またステロイド薬に頼るとふりだしに戻り、悪循環に陥ってしまうので注意が必要です。

ステロイド薬の使用を中止し、皮膚科を受診する

症状を自覚したときには、直ちに皮膚科を受診してください。皮膚科では、まずステロイド薬の使用をやめ、そのときの症状に応じた適切な外用薬を用いながら、ニキビの治療に使われるテトラサイクリン系の抗生物質を内服します。一時的に症状が悪化しますが、必ず治るので、医師の指示どおりに薬を服用してください。症状がひどく精神的苦痛や不安を伴い、社会生活に支障がある場合は、入院をすすめられるかもしれません。

日常生活では、香辛料などの刺激物を避け、アルコールも控えたほうがよいでしょう。また、化粧品は、腕などの目立たない部分につけて、かぶれがないかどうか、試してから使うようにしたいものです。

ステロイド薬は用法を守って使用することが大切

ステロイド薬は、上手に使うと大変有用な薬ですが、使い方を誤ると副作用を起こしてしまいます。まさに「両刃の剣」といえる薬です。それだけに、皮膚科専門医の指示に従って、正しく使うべきです。

化粧品かぶれなどを起こしたとき、「わざわざ皮膚科を受診するのは面倒だから」という理由で、市販のステロイド外用薬に頼ってしまうこともあるでしょう。しかし、ストロイド薬は使い方しだいで、「薬にもなれば毒にもなる」ものなのです。手軽なはずの市販薬が原因で、何カ月も顔面の炎症に苦しむことにもなりかねません。

ステロイド薬には強さの異なる製剤がたくさんあります。中には、弱い抗炎症作用がありながら血管拡張作用がほとんどないものもあって、症状によってはしゅさ様皮膚炎の治療にさえ使うことができるものもあります。「ステロイドは怖い」という人もいますが、間違った使い方に問題があるのです。ステロイド薬を使うときは、用法をきちんと守って使用することが大切です。

※この記事は2007年12月に配信された記事です

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アウトドアでハチなどの虫に刺されたときの応急処置と予防法

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【お話を伺った人】夏秋 優先生

兵庫医科大学皮膚科 准教授

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(編集・制作 (株)法研

虫に刺されない工夫と万一のときの対処法を紹介。刺されると危険なハチ、ひどいかゆみが続くブユ。夏のアウトドアを楽しむために知っておきたい対処法。

ハチに刺されたら安静にして様子をみる

キャンプやハイキング、山登りなど、アウトドアで楽しもうと考えている人も多いことでしょう。忙しい日常から開放され、自然と触れ合うのはとても楽しいものですが、自然の中には、蚊やブユ、ハチ、ムカデ、マダニなど、人を刺す虫もたくさんいます。なかでもハチに刺されると、命にかかわることもあるので、注意が必要です。

人を刺すのはスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチなどですが、とくに注意しなければいけないのはスズメバチとアシナガバチです。
ハチに刺されると、症状には個人差がありますが、通常は激しい痛みを生じ、刺されたところが赤く腫(は)れあがります。刺されたらまず安静にして局部を冷やします。強烈な痛みや腫れがある場合は、一刻も早く医療機関を受診しましょう。

2回目が怖い! アナフィラキシーショック

ハチに刺されても、普通は命に別状はありませんが、夏から秋にかけて、ハチに刺されて命を落す人が毎年のように出るのも事実。ハチに刺されたときの症状には、ハチ毒そのものによる場合と、ハチ毒に対するアレルギー反応の二つがあります。前者の場合、命にかかわるのは大量の毒が全身にまわった場合、たとえばスズメバチの大群に襲われた場合などです。

後者のアレルギー反応は大変危険で、過去にハチに刺されたことのある人が、同じ種類のハチ1匹にでも刺されると、強烈なアレルギー反応を起こして亡くなることがあります。このアレルギー反応=全身のじんましん、呼吸困難、血圧低下や意識障害などのショック症状をアナフィラキシーショックといいます。刺された後、息苦しさや吐き気、動悸(どうき)、呼吸困難などの全身症状が現れたときは要注意! すぐに救急車を呼びましょう。

一度ハチに刺されたことのある人は、再び刺されないようにしなければいけません。スズメバチとアシナガバチのハチ毒は成分が似ているため、初めアシナガバチに刺された人が今度はスズメバチに刺されると、アレルギー反応を起こす可能性もあることを覚えておきましょう。

ハチに刺されないためには、ハチを刺激しないこと。巣を見つけたら近づかない、ハチが近くによってきたら手ではらったりせず、そっと逃げるのが賢明です。また、黒い服装はハチの攻撃対象になりやすいので、淡い色の服を着て白っぽい帽子をかぶりましょう。香りの強い化粧品や整髪料などは避け、ジュースなどはこまめにふたをします。万一に備え、ハチ専用の殺虫剤を持参するとよいでしょう。

刺されると腫れてひどくかゆい「ブユ」

ハチのように命に危険はないけれど、刺されたところが真っ赤に腫れあがっていつまでもかゆい、なかには発熱する人もいて要注意なのがブユ。小型のハエのような、血を吸う虫で、地域によってブヨ、ブトとも呼ばれます。

高原や山間部の渓流沿いに多く生息し、キャンプなどでむき出しの足を刺される人が多いようです。刺されたときはほとんどかゆみを感じませんが、半日ほどすると赤く腫れ、次第に激しいかゆみを生じます。数日は腫れとかゆみが続き、腫れた部分に熱をもつこともあります。

熱をもっていたら冷やし、早めにかゆみ止めの軟膏をぬるとよいでしょう。かゆみがひどい場合は、ステロイド薬や抗ヒスタミン薬が必要になるので、皮膚科専門医を受診しましょう。化膿することもあるのでかきむしらないこと。

野外に行くときは長袖、長ズボンで

ハチやブユ以外でも、虫に刺されないためには、できるだけ露出部分を減らすこと。野外に行くときはなるべく長袖、長ズボンに靴下、帽子、手袋で全身を覆いましょう。肌の露出部分には虫除けスプレーをしておくと、蚊やブユには効果があります。虫刺され用のぬり薬やガーゼ付きばんそうこうなども持参し、刺されてしまったら次の手順で処置を。

(1)ハチやムカデの場合は傷口から毒を押し出す。ポイズンリムーバーという毒を吸引する器具があるので携帯しておくと便利。
(2)傷口を流水で洗いながら冷やす。
(3)虫刺され用のぬり薬をぬる。
(4)ガーゼ付きばんそうこうで傷口を覆う。

必要があれば医療機関を受診します。虫刺されに対処する方法を知って、アウトドアを楽しんでください。

※この記事は2007年7月に配信された記事です

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太りやすい・肌老化・免疫力ダウン…『腸体温』の低下が招く体調不良

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

腸の体温が低いと、病気にかかりやすくなります。そのしくみを解説します。

太りやすい・肌老化・免疫力ダウン…『腸体温』の低下が招く体調不良

免疫細胞が働かず病気になりやすい体に

がんの死因は、女性で大腸がんがトップ。男性でも3位になっています(人口動態統計によるがん死亡データ/2016年)。
大腸がんが多くなっている原因として、食の欧米化があげられます。
それと共に注意してほしいのが“腸体温”の低下。大腸がんには、腸体温が関係していると考えられる、と東京有明医療大学の川嶋朗教授は指摘しています。
人の体は、体温が低くなると免疫力が低下します。実は、50年前の調査で、日本人の体温は、いまより1度近く高かったそう。それが運動不足や、冬でも冷たい食べ物や飲み物をとるなど生活様式の変化で低下してきました。

体温の低下にともない、腸の温度も下がっています。これが健康に大きな影響を与えているのです。
腸には食物の消化・吸収という重要な役割があります。体を作る、動かす、回復させる……すべての体の活動に栄養が必要です。
しかし、腸体温が低いと消化・吸収能力が落ち、栄養が十分に供給されず、体中に不調が起こってきます。また、がんは「嫌気性」といい、酸素のない状態を好む病気。冷えた体は酸素が巡りにくく、がんが喜ぶ状態です。つまり腸の冷えが大腸がん増加の原因のひとつと考えられるのです。

そして、腸は体で最も「免疫細胞」が集まるところでもあるのも、近頃知られるようになってきました。腸には食べ物などに付着した菌が、そのまま入ってきます。これを排除して体を守るため、体中の6〜7割の免疫細胞が集まり、外敵をやっつけているのです。しかし腸体温が下がると、免疫機能が働きにくくなり、病気にかかりやすくなってしまいます。

腸体温が下がると現れる全身の不調

腸が冷えると、以下のようにさまざまな不調が起こります。あなたも“腸冷え”が原因で、体にトラブルが起きているかもしれません。

◯体が栄養不足に

消化酵素は40度くらいで最もよく働くため、腸は常に40度の高温を保っています。この温度が低いと消化酵素が十分働かず、栄養不足になってしまい、全身の機能が低下します。

◯代謝が下がり生活習慣病に

腸は24時間365日働き、カロリーを消費しています。腸温度の低下で動きが悪くなると、代謝がダウンします。すると太りやすくなったり、さまざまな生活習慣病を引き起こすことにも。

◯免疫力ダウンで病気がちに

腸には体の約7割の免疫細胞が集中しています。腸温度が下がると、免疫細胞の働きも悪くなります。免疫力が下がり、病気にかかりやすい体になります。

◯アレルギー反応も腸冷えから

腸体温の低下で起こりがちなのが、アレルギー症状です。卵などのタンパク質が十分に消化されないまま血中に入ると、体はこれを異物とみなして、アレルギー反応が起こることにも。

◯血液老化で肌が老化!

腸の環境が悪くなると、悪玉菌が増加します。ここで発生した有害物質は、血液にのって全身に回ります。汚れた血で肌が老化したり、さまざまな不調の原因にもつながります。

腸のためにとヨーグルトを食べている人は気をつけて!

健康のために“腸活”を心がけている人も多いのでは? ただし、腸にいいと思ってやっていることが、実はまちがっている場合もあるのです。

◯ヨーグルトで腸が冷える

「腸にいいから」と食べるヨーグルトで、逆に腸を冷やしているかも。腸にいい発酵食品は、納豆や漬物、みそなど日本古来のものがオススメです。ヨーグルトを食べるなら、レンジで40度くらいまで温めましょう。

◯半身浴は温活にならない

半身浴では体が十分温まりません。必要なのは水圧が心配な心臓病の人だけ。腸体温アップには、39度くらいのお湯に全身で長く入るのがベスト。熱いお湯は交感神経を刺激して、腸体温を逆に下げてしまうので×。
ちなみに、体温が高くても冷房が苦手だったり、冷えを感じる人は、腸が冷えている可能性が高いので油断禁物です。温かい食べ物を食べ、腹巻をしたり、お腹に湯たんぽを当てるなどして、腸を温めるよう心がけましょう。

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40代からは骨盤底トレーニングを|排尿トラブルを招くトイレ習慣とは?

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【執筆者】中田 真木先生

三井記念病院産婦人科医長 1981年東京大学医学部卒業後、同大学産婦人科学教室入局。1991年フランス政府給費研究生(研修先はオテル・デュー・ド・パリ産婦人科)。東京警察病院産婦人科医幹を経て、2…

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(編集・制作 (株)法研

出産経験のある女性は不具合が出る前から始めたい。骨盤底トレーニングの効果が期待できない人もいることに注意。高齢者は全身の健康管理から。

40歳になったら骨盤底トレーニングを

前回は、骨盤底は妊娠・出産によってダメージを受けやすいため、妊娠中から十分に養生し、分娩時に骨盤底を傷めないようにすることが大切であること、出産後は骨盤底の回復を待ってトレーニングを始めたいことなどを述べました。今回は、加齢によって骨盤底の緩みが出てくる40代以降のケアと、骨盤底の緩みにつながりやすい習慣やくせについて説明します。

40~50代は、更年期の訪れとともに心身の衰えを感じる年代です。骨盤底はもともと、子宮や膀胱などの臓器を支えている微妙な部位。この年代には、腟とその周辺の緩みや排尿の勢いの低下、尿意切迫感など骨盤底に関係する問題も増えてきます。妊娠・出産時に被った骨盤底の「古傷」が元になり、尿もれ(尿失禁)や子宮下垂になる人が増えるのもこの年代です。

そこで、とくに出産経験がある女性は、今はこれといった不具合はなくとも、40代を迎えたら1日1回10分間ほど、骨盤底というボディ・パーツを思い出しながら筋力トレーニングをしましょう。別に難しいことではなく、腰かけた姿勢や寝た姿勢で腟や肛門周辺の筋肉をまとめておへその方向へ引き上げる動作を10秒間ほど持続(このとき腹筋は使わない)、ゆっくり休んで筋肉を休ませてからまたくり返す、これを10分間ほど行えばいいのです。

骨盤底の筋肉が健常な人については、40~50代に骨盤底トレーニングを続けることで骨盤底障害を減らせる、発症を遅らせられると考えられています。一方、神経の病気があって骨盤底を正しくすぼめられない、出産のときに骨盤底に大きな傷を負い筋肉の一部が欠損しているなどの場合には、骨盤底トレーニングの効果はあまり期待できないこともあります。

骨盤底に痛みや不快感のある人が受診せずに自己判断で骨盤底トレーニングを続けることは、大いに問題があります。骨盤底トレーニングには痛みや不快感を治める効果がないばかりか、トレーニング中は骨盤底に意識を集中させるため、この部位の痛みや不快感をより強く感じるようになってしまうおそれがあります。

高齢者はトレーニング以前にメタボ対策や足腰の衰えを防ぐことが必要

年をとると尿もれする人が増え、骨盤底の健康は高齢になればなるほど重要です。骨盤底トレーニングは高齢者にも有用ですが、身体機能全般で考えるとき、膀胱・尿道機能だけでなく足腰の力や骨粗しょう症防止を含めて対策を立てないとQOL(生活の質)の向上や日常生活範囲の拡大につながりません。

骨格・筋肉がしっかりしていれば骨盤底障害はおこりにくく、また、まめに体を動かし全身の運動能力を維持している高齢者は、メタボリック症候群にもなりにくい傾向があります。メタボ対策や足腰の衰えを防ぐロハスな(環境や健康に意識の高い)生活などは、骨盤底障害とも密接な関係をもつテーマであるといえます。

この年代では、糖尿病、変形性脊椎症などが増加し、これらよくある疾患から来る骨盤底や排尿のトラブルが増えます。生活習慣病などであれこれと投薬を受けている高齢者には、多重投薬による膀胱障害がみられます。

若いときから骨盤底を意識して健康管理を

最後に、普段のちょっとしたくせや習慣が、骨盤底のゆるみにつながることもあるということを覚えておいてください。

たとえば、排尿するときおなかに力を入れたり、尿が止まった後に尿をしぼり出そうとおなかに力を入れる人がいますが、これは腹圧で膀胱の出口をこじ開けていることになります。排尿の度にこんなことをくり返していると、将来、おなかに力が入ったときに尿がもれる「腹圧性尿失禁」を起こす原因になるので、お腹の力で尿を絞り出すことは絶対にやめましょう。
また、便秘がちの人が毎日のようにトイレで長時間いきむのは、骨盤底が緩んで、年をとったとき肛門が下がってくる原因になります。スムーズに排便できるように、食事と生活を整えましょう。

以上、骨盤底と排尿機能の健康を保つためには、不具合を自覚する以前の長い地道な健康管理が必要、ということがご理解いただけたものと思います。

※この記事は2008年12月に配信された記事です

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足がむくむ、足がダルい…女性に多い『下肢静脈瘤』かも? 原因と症状

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

ふくらはぎなどの血管が青く透けて見えていたら、女性に多い「下肢静脈瘤」かもしれません。病気の基礎情報と、原因、症状についてお伝えします。

足がむくむ、足がダルい…女性に多い『下肢静脈瘤』かも? 原因と症状

40歳以上の女性に多くみられる病気

足の血管がボコボコと浮き出て見えるのが「下肢静脈瘤」の特徴です。良性の病気に分類されるので、急に悪化したり、命の危険があるわけではありませんが、重症化すると手術の必要も出てきます。
「下肢静脈瘤」は、特にふくらはぎの静脈がふくらんでしまう病気です。足の表面に血管が浮き出るため、見た目が気になるのはもちろん、日常的に足のむくみやだるさを感じ、不快感が続きます。ほかにも、足がつる・ほてる、ムズムズするなどの症状が出る場合も。40歳以上の女性に多く見られる病気で、10人に1人の割合で起こります。

血液は、心臓から動脈を通って体の末端まで送られ、静脈を通って心臓に戻される仕組みです。
このとき、血液が足先から心臓に戻る場合には、重力に逆らって下から上に流れることになります。そのため、送られた血液が戻らないよう、逆流を防ぐための「静脈弁」というものがあります。この静脈弁が何かの理由で壊れると、血液が元に戻ってしまい、足にたまって血管がふくらみ、下肢静脈瘤になります。

立ち仕事の女性がなりやすい傾向に

誰もがなる可能性のある病気ですが、なかでも男性に比べて筋力の弱い女性、立ち仕事の人、肥満の人などがなりやすい傾向にあります。
遺伝の影響もあると言われており、両親ともに下肢静脈瘤の場合には、90%子供にも発症すると言われています。
また、販売員や、美容師など、長時間立ちっぱなしになりやすい仕事の人は、静脈内の血液が重力の影響を受けやすく、下肢静脈瘤になりやすい傾向が。
長時間立つことになる場合、ふくらはぎを下から上にマッサージしたり、足の指でグーパーをするエクサなどを行い、血液の流れをよくする対策を。また「弾性ストッキング」という圧がかかるストッキングを着用するのも役立ちます。
できるだけ、ふくらはぎの筋肉を使って静脈の流れをよくしたいので、こまめに動くことも必要です。家に帰ったら、足の血液が心臓に戻りやすいように、足の下にクッションを入れて横になりましょう。湯船でふくらはぎをマッサージするのも、むくみ解消や下肢静脈瘤予防に役立ちます。

女性で足のむくみを感じる人も多いと思いますが、むくんだ足を指で押して、戻らないほどのむくみの場合、下肢静脈瘤の可能性が高いと考えられます。
見た目が気にならない場合でも、血管外科のある病院を受診して一度医師に相談しましょう。症状が辛い場合や足の見た目が気になる場合、下肢静脈瘤が原因の皮膚炎が起こっている場合は手術になることも。最近では、治療法の幅も広がり、日帰りで入院が不要の手術もあります。

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