自分は大丈夫が危険! 子どもを望むなら受けたい妊娠前の感染症検査

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

自覚症状がない場合もある感染症。具体的な時期を決めていなくても、将来子どもが欲しいと思っている人は、早めにチェックを受けておきましょう。

自分は大丈夫が危険! 子どもを望むなら受けたい妊娠前の感染症検査

感染症は、不妊、早産、流産、胎児への影響も

感染症は、妊娠前に治療しないと不妊症の原因になったり、お腹の中の胎児に胎内感染、または産道感染したり母乳感染する場合もあります。子どもを望むなら、妊娠前に感染症の検査をしておくと安心です。

病院では、感染症の中でも、不妊の原因になる病気や、胎児の健康を損なう恐れのある病気の検査を中心に行います。感染症の検診で調べておきたい項目を以下に紹介します。

・風疹
妊娠初期に風疹にかかると、胎児に感染する可能性があります。重症になると、心臓奇形や障害などの先天性異常が起こることがあるため、必ず検査しておきたい病気です。特に、昭和54年4月2日~昭和62年10月1日生まれの人は、風疹ワクチンの予防接種率が低いため、風疹に対して免疫のない女性が多いとされています。

・梅毒
最近、感染者が急増。胎盤を通じて胎児に感染する可能性もありますが、治療が可能なので、妊娠検査をきちんと受けましょう。

・B型肝炎ウイルス
母子感染を防ぐため。

・C型肝炎ウイルス
母子感染を防ぐため。

・HIV
HIVウイルスが陽性でも抗HIV療法を行いながら、妊娠・出産が可能になってきています。いち早く、適切な治療を受けることが大切です。

・クラミジア
自覚症状がなく、放置すると子宮頸管炎や卵管炎などを起こし不妊の原因になる場合もあります。

・淋病
早産や流産のリスクが高まるほか、気づかずに出産すると胎児に産道感染する可能性があります。その場合、赤ちゃんに結膜炎や関節炎、尿道炎などの症状が出ることがあり、治療が遅れると失明する場合もあります。

・性器ヘルペス
早産や流産のリスクが高まるほか、治療せずに出産すると胎児に産道感染する可能性があります。新生児がヘルペスに感染すると死に至る場合もあり、難聴や脳性麻痺などの後遺症を残すこともあります。

こういった項目は、一般的にクリニックで「ブライダルチェック」と呼ばれ、まとめて診察を受けることができます。

女性はもちろん、男性もブライダルチェックも

感染症はもちろん、総合的な健康チェックを受けられるのがブライダルチェック。自分の体を検診しておくことは、パートナーや、将来の子どもの健康にも関わります。女性向けだけではなく、男性向けもあります。

基本的に、ブライダルチェックは保険適用外。費用はクリニックによりますが大体2~5万円です。検査項目もクリニックによって異なりますが、女性向けの場合は問診や子宮・卵巣のチェック、血液検査、尿検査、膣内分泌物検査などを行います。感染症の検査のほかに、子宮頸がんや子宮内膜症などの検査がついているところもあります。男性向けのブライダルチェックでは、精子や精液の検査などを行います。
そのほか、受けたい検査がある場合は追加料金で受けられるところもありますので、内容は事前に問い合わせましょう。「最近、会社の健康診断で子宮頸がん検査をしたばかり」という人は、必要な検査だけ受けることで料金が安くなる場合もあります。事前に自分の体調を管理し、安心して新しい命を迎える準備に臨みましょう。




望まない・意図しない妊娠は約4割|低用量ピルの避妊効果とは?

【お話を伺った人】松峯 寿美先生

東峯婦人クリニック院長・医学博士 東京女子医科大学卒。 専門は婦人科一般、不妊症治療など。 日本産婦人科学会専門医、思春期学会理事、東京女子医科大学非常勤講師など兼任。『マタニティホワイトブック』…

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(編集・制作 (株)法研

ホルモンが作る女性のリズム。決めるのはあなた!避妊効果が高く副作用も少ないといわれるピル。あなたはどれくらい知っていますか?

自分のことは自分で決めたい

週刊誌やテレビで、芸能人の「できちゃった婚」のニュースをよく目にしますが、日本では避妊の失敗などによる「意図しない出産」や「望まない出産」が約40%弱もあるといわれています。問題なのは、望まない妊娠で仕事や学校を辞めざるを得なかったり、中絶したりする人が多いということです。

そういったことを避けるためにも、日ごろから避妊について考えておきたいものです。さまざまな避妊方法の中で何を選ぶのか、人任せにせず自分で決めるのが自立した女性!そのためには、十分な情報と正しい知識が必要です。

避妊効果が高く安全といわれるピルが広がらないのはなぜ?

1999年、アメリカから約40年遅れて低用量経口避妊薬=低用量ピル(以下ピル)が解禁され、避妊方法の幅が広がりました。でもピルについて、あなたはどれくらい知っていますか?

ヨーロッパを中心に、ピルは一般的に使われている避妊薬ですが、日本ではコンドームの利用が約8割と圧倒的に多く、ピルを利用している人はわずかです。ピルは避妊効果が高く、副作用も少ないといわれていますが、情報の少なさからか、なんとなく不安、ホルモンを飲むことに抵抗がある、などの理由で服用をためらう人が多いようです。

さらに、ピルの導入にあたってつくられた「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」によって、処方前にさまざまな検査が義務づけられたことも、ピルの利用が進まない原因の一つと考えられています。しかし2005年12月、日本産科婦人科学会などが同ガイドラインを改訂し、検査が大幅に簡素化されただけでなく、製薬会社などがピルの避妊以外の効用をうたってもよいことになりました。

妊娠を防ぐ3つの主な働き

女性には約4週間で1サイクルの月経周期があり、その間に月経と排卵が1回ずつ起こります。そして、排卵のときに出てきた卵子が子宮のほうへ運ばれる途中で精子と出会えば受精卵となり、子宮内膜に着床すると妊娠が成立します。ピルは、排卵を抑える、受精卵を子宮に着床しにくくする、精子を子宮に入りにくくするという、主に3つの働きで妊娠を防ぎます。

ピルは卵巣から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)と同じ成分を含む飲み薬で、これを飲むことで体が妊娠中に近い状態になり、排卵がストップします。また、ホルモンの働きで、精子が子宮に入りにくくなったり、受精卵が子宮内膜に着床しにくい状態になります。このように、何重にも避妊効果を高めているのです。

意外と知られていない、避妊以外のメリット

ピルを使ってみようと思ったら、また、ほかの避妊方法と比較するためにも、ピルのメリットとデメリットをしっかり押さえておきましょう。

メリット

●正しく使用すればほぼ100%の避妊効果があり、妊娠を希望するときは飲むのをやめればよい。
●月経周期をコントロールできる。ピルを飲むと月経周期がきちんと28日周期になり、いつ月経が来るかわかるため、スケジュールが立てやすい。ピルで月経をずらすこともできるため、たとえば、月経が旅行に重ならないようすることができる。
●女性の意思で避妊ができ、自分の体は自分で守る意識が生まれる。
●その他、月経痛が軽くなる、貧血が改善される、にきびがよくなる、子宮内膜症になりにくく悪化を防ぐ、長く飲み続けると子宮体がん・卵巣がんのリスクが減る、骨粗しょう症になりにくくなる、など。

デメリット

●毎日飲まなければならず、飲み忘れると避妊効果がなくなる。
●医師の処方が必要で、保険適用にならないため費用がかかる(月に約3000円~4000円程度)。
●飲み始めの2~3カ月は吐き気や頭痛、乳房の張りなどが起こることがある。
●血栓症のリスクの高い人は飲めない。
●性感染症は防げない(コンドームとの併用が必要)。

避妊だけでなく、健康面や月経周期の調整など女性のQOL(生活の質)をアップさせる効果が期待できるピルですが、上手に使いこなすためには正しい知識が必要です。
次回はピルの使い方についてご紹介しましょう。

※この記事は2007年1月に配信された記事です

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手軽な市販薬に要注意!20代以上の女性に多い『酒さ様皮膚炎』

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【お話を伺った人】古賀 道之先生

古賀皮ふ科院長・東京医科大学名誉教授 1962年 長崎大学医学部卒業後、東京医科大学皮膚科学教室入局 。1971年、東京医科大学講師。立正佼成会佼成病院皮膚科部長、都立大久保病院皮膚科医長、東京医…

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(編集・制作 (株)法研

(「ヘルス&ライフ」法研より)

ステロイドの入ったかぶれ止めを顔に常用すると起こりやすい。ニキビ状のブツブツ、ピリピリ感、強いほてりを伴い、腫れて赤ら顔になる。

ステロイド外用薬の長期使用が原因

あなたは、化粧品やヘアケア用品でかぶれやすいほうですか? そんなとき、ステロイドの入った市販のかぶれ止め薬を使うこともあるでしょう。はじめは炎症が抑えられて湿疹はすぐに治りますが、使い続けるうちに赤ら顔になって、ニキビ状のブツブツができるようになります。このときステロイド薬をやめると、それまで抑えられていた炎症が一気にあらわれ、顔が赤く腫(は)れ上がって、ピリピリしたりほてりを感じたり、かゆみが出ることもあります。これがしゅさ様皮膚炎です。

しゅさ様皮膚炎は、20~50代の女性に多くみられます。もともと顔がほてりやすい、発赤(ほっせき)を繰り返しやすいといった素因のある人が、脂漏性皮膚炎や、化粧品、シャンプー、リンスなどによるかぶれを副腎皮質ステロイドの入った塗り薬で治療しているうちに起こってくる皮膚炎です。

ステロイド外用薬を長期間使い続けると、皮膚が薄く弱くなり、血管が拡張して毛包(毛根を包んでいるところ)を刺激するため、むしろ炎症を起こしやすい条件が整ってしまいます。一般に薬の副作用の症状が出たときにはその薬の使用を中止するのが原則ですが、しゅさ様皮膚炎の場合、ステロイド薬の使用中止後2~3週間は症状が悪化します。このとき、またステロイド薬に頼るとふりだしに戻り、悪循環に陥ってしまうので注意が必要です。

ステロイド薬の使用を中止し、皮膚科を受診する

症状を自覚したときには、直ちに皮膚科を受診してください。皮膚科では、まずステロイド薬の使用をやめ、そのときの症状に応じた適切な外用薬を用いながら、ニキビの治療に使われるテトラサイクリン系の抗生物質を内服します。一時的に症状が悪化しますが、必ず治るので、医師の指示どおりに薬を服用してください。症状がひどく精神的苦痛や不安を伴い、社会生活に支障がある場合は、入院をすすめられるかもしれません。

日常生活では、香辛料などの刺激物を避け、アルコールも控えたほうがよいでしょう。また、化粧品は、腕などの目立たない部分につけて、かぶれがないかどうか、試してから使うようにしたいものです。

ステロイド薬は用法を守って使用することが大切

ステロイド薬は、上手に使うと大変有用な薬ですが、使い方を誤ると副作用を起こしてしまいます。まさに「両刃の剣」といえる薬です。それだけに、皮膚科専門医の指示に従って、正しく使うべきです。

化粧品かぶれなどを起こしたとき、「わざわざ皮膚科を受診するのは面倒だから」という理由で、市販のステロイド外用薬に頼ってしまうこともあるでしょう。しかし、ストロイド薬は使い方しだいで、「薬にもなれば毒にもなる」ものなのです。手軽なはずの市販薬が原因で、何カ月も顔面の炎症に苦しむことにもなりかねません。

ステロイド薬には強さの異なる製剤がたくさんあります。中には、弱い抗炎症作用がありながら血管拡張作用がほとんどないものもあって、症状によってはしゅさ様皮膚炎の治療にさえ使うことができるものもあります。「ステロイドは怖い」という人もいますが、間違った使い方に問題があるのです。ステロイド薬を使うときは、用法をきちんと守って使用することが大切です。

※この記事は2007年12月に配信された記事です

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アウトドアでハチなどの虫に刺されたときの応急処置と予防法

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【お話を伺った人】夏秋 優先生

兵庫医科大学皮膚科 准教授

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(編集・制作 (株)法研

虫に刺されない工夫と万一のときの対処法を紹介。刺されると危険なハチ、ひどいかゆみが続くブユ。夏のアウトドアを楽しむために知っておきたい対処法。

ハチに刺されたら安静にして様子をみる

キャンプやハイキング、山登りなど、アウトドアで楽しもうと考えている人も多いことでしょう。忙しい日常から開放され、自然と触れ合うのはとても楽しいものですが、自然の中には、蚊やブユ、ハチ、ムカデ、マダニなど、人を刺す虫もたくさんいます。なかでもハチに刺されると、命にかかわることもあるので、注意が必要です。

人を刺すのはスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチなどですが、とくに注意しなければいけないのはスズメバチとアシナガバチです。
ハチに刺されると、症状には個人差がありますが、通常は激しい痛みを生じ、刺されたところが赤く腫(は)れあがります。刺されたらまず安静にして局部を冷やします。強烈な痛みや腫れがある場合は、一刻も早く医療機関を受診しましょう。

2回目が怖い! アナフィラキシーショック

ハチに刺されても、普通は命に別状はありませんが、夏から秋にかけて、ハチに刺されて命を落す人が毎年のように出るのも事実。ハチに刺されたときの症状には、ハチ毒そのものによる場合と、ハチ毒に対するアレルギー反応の二つがあります。前者の場合、命にかかわるのは大量の毒が全身にまわった場合、たとえばスズメバチの大群に襲われた場合などです。

後者のアレルギー反応は大変危険で、過去にハチに刺されたことのある人が、同じ種類のハチ1匹にでも刺されると、強烈なアレルギー反応を起こして亡くなることがあります。このアレルギー反応=全身のじんましん、呼吸困難、血圧低下や意識障害などのショック症状をアナフィラキシーショックといいます。刺された後、息苦しさや吐き気、動悸(どうき)、呼吸困難などの全身症状が現れたときは要注意! すぐに救急車を呼びましょう。

一度ハチに刺されたことのある人は、再び刺されないようにしなければいけません。スズメバチとアシナガバチのハチ毒は成分が似ているため、初めアシナガバチに刺された人が今度はスズメバチに刺されると、アレルギー反応を起こす可能性もあることを覚えておきましょう。

ハチに刺されないためには、ハチを刺激しないこと。巣を見つけたら近づかない、ハチが近くによってきたら手ではらったりせず、そっと逃げるのが賢明です。また、黒い服装はハチの攻撃対象になりやすいので、淡い色の服を着て白っぽい帽子をかぶりましょう。香りの強い化粧品や整髪料などは避け、ジュースなどはこまめにふたをします。万一に備え、ハチ専用の殺虫剤を持参するとよいでしょう。

刺されると腫れてひどくかゆい「ブユ」

ハチのように命に危険はないけれど、刺されたところが真っ赤に腫れあがっていつまでもかゆい、なかには発熱する人もいて要注意なのがブユ。小型のハエのような、血を吸う虫で、地域によってブヨ、ブトとも呼ばれます。

高原や山間部の渓流沿いに多く生息し、キャンプなどでむき出しの足を刺される人が多いようです。刺されたときはほとんどかゆみを感じませんが、半日ほどすると赤く腫れ、次第に激しいかゆみを生じます。数日は腫れとかゆみが続き、腫れた部分に熱をもつこともあります。

熱をもっていたら冷やし、早めにかゆみ止めの軟膏をぬるとよいでしょう。かゆみがひどい場合は、ステロイド薬や抗ヒスタミン薬が必要になるので、皮膚科専門医を受診しましょう。化膿することもあるのでかきむしらないこと。

野外に行くときは長袖、長ズボンで

ハチやブユ以外でも、虫に刺されないためには、できるだけ露出部分を減らすこと。野外に行くときはなるべく長袖、長ズボンに靴下、帽子、手袋で全身を覆いましょう。肌の露出部分には虫除けスプレーをしておくと、蚊やブユには効果があります。虫刺され用のぬり薬やガーゼ付きばんそうこうなども持参し、刺されてしまったら次の手順で処置を。

(1)ハチやムカデの場合は傷口から毒を押し出す。ポイズンリムーバーという毒を吸引する器具があるので携帯しておくと便利。
(2)傷口を流水で洗いながら冷やす。
(3)虫刺され用のぬり薬をぬる。
(4)ガーゼ付きばんそうこうで傷口を覆う。

必要があれば医療機関を受診します。虫刺されに対処する方法を知って、アウトドアを楽しんでください。

※この記事は2007年7月に配信された記事です

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太りやすい・肌老化・免疫力ダウン…『腸体温』の低下が招く体調不良

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

腸の体温が低いと、病気にかかりやすくなります。そのしくみを解説します。

太りやすい・肌老化・免疫力ダウン…『腸体温』の低下が招く体調不良

免疫細胞が働かず病気になりやすい体に

がんの死因は、女性で大腸がんがトップ。男性でも3位になっています(人口動態統計によるがん死亡データ/2016年)。
大腸がんが多くなっている原因として、食の欧米化があげられます。
それと共に注意してほしいのが“腸体温”の低下。大腸がんには、腸体温が関係していると考えられる、と東京有明医療大学の川嶋朗教授は指摘しています。
人の体は、体温が低くなると免疫力が低下します。実は、50年前の調査で、日本人の体温は、いまより1度近く高かったそう。それが運動不足や、冬でも冷たい食べ物や飲み物をとるなど生活様式の変化で低下してきました。

体温の低下にともない、腸の温度も下がっています。これが健康に大きな影響を与えているのです。
腸には食物の消化・吸収という重要な役割があります。体を作る、動かす、回復させる……すべての体の活動に栄養が必要です。
しかし、腸体温が低いと消化・吸収能力が落ち、栄養が十分に供給されず、体中に不調が起こってきます。また、がんは「嫌気性」といい、酸素のない状態を好む病気。冷えた体は酸素が巡りにくく、がんが喜ぶ状態です。つまり腸の冷えが大腸がん増加の原因のひとつと考えられるのです。

そして、腸は体で最も「免疫細胞」が集まるところでもあるのも、近頃知られるようになってきました。腸には食べ物などに付着した菌が、そのまま入ってきます。これを排除して体を守るため、体中の6〜7割の免疫細胞が集まり、外敵をやっつけているのです。しかし腸体温が下がると、免疫機能が働きにくくなり、病気にかかりやすくなってしまいます。

腸体温が下がると現れる全身の不調

腸が冷えると、以下のようにさまざまな不調が起こります。あなたも“腸冷え”が原因で、体にトラブルが起きているかもしれません。

◯体が栄養不足に

消化酵素は40度くらいで最もよく働くため、腸は常に40度の高温を保っています。この温度が低いと消化酵素が十分働かず、栄養不足になってしまい、全身の機能が低下します。

◯代謝が下がり生活習慣病に

腸は24時間365日働き、カロリーを消費しています。腸温度の低下で動きが悪くなると、代謝がダウンします。すると太りやすくなったり、さまざまな生活習慣病を引き起こすことにも。

◯免疫力ダウンで病気がちに

腸には体の約7割の免疫細胞が集中しています。腸温度が下がると、免疫細胞の働きも悪くなります。免疫力が下がり、病気にかかりやすい体になります。

◯アレルギー反応も腸冷えから

腸体温の低下で起こりがちなのが、アレルギー症状です。卵などのタンパク質が十分に消化されないまま血中に入ると、体はこれを異物とみなして、アレルギー反応が起こることにも。

◯血液老化で肌が老化!

腸の環境が悪くなると、悪玉菌が増加します。ここで発生した有害物質は、血液にのって全身に回ります。汚れた血で肌が老化したり、さまざまな不調の原因にもつながります。

腸のためにとヨーグルトを食べている人は気をつけて!

健康のために“腸活”を心がけている人も多いのでは? ただし、腸にいいと思ってやっていることが、実はまちがっている場合もあるのです。

◯ヨーグルトで腸が冷える

「腸にいいから」と食べるヨーグルトで、逆に腸を冷やしているかも。腸にいい発酵食品は、納豆や漬物、みそなど日本古来のものがオススメです。ヨーグルトを食べるなら、レンジで40度くらいまで温めましょう。

◯半身浴は温活にならない

半身浴では体が十分温まりません。必要なのは水圧が心配な心臓病の人だけ。腸体温アップには、39度くらいのお湯に全身で長く入るのがベスト。熱いお湯は交感神経を刺激して、腸体温を逆に下げてしまうので×。
ちなみに、体温が高くても冷房が苦手だったり、冷えを感じる人は、腸が冷えている可能性が高いので油断禁物です。温かい食べ物を食べ、腹巻をしたり、お腹に湯たんぽを当てるなどして、腸を温めるよう心がけましょう。

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40代からは骨盤底トレーニングを|排尿トラブルを招くトイレ習慣とは?

ノーイメージ

【執筆者】中田 真木先生

三井記念病院産婦人科医長 1981年東京大学医学部卒業後、同大学産婦人科学教室入局。1991年フランス政府給費研究生(研修先はオテル・デュー・ド・パリ産婦人科)。東京警察病院産婦人科医幹を経て、2…

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(編集・制作 (株)法研

出産経験のある女性は不具合が出る前から始めたい。骨盤底トレーニングの効果が期待できない人もいることに注意。高齢者は全身の健康管理から。

40歳になったら骨盤底トレーニングを

前回は、骨盤底は妊娠・出産によってダメージを受けやすいため、妊娠中から十分に養生し、分娩時に骨盤底を傷めないようにすることが大切であること、出産後は骨盤底の回復を待ってトレーニングを始めたいことなどを述べました。今回は、加齢によって骨盤底の緩みが出てくる40代以降のケアと、骨盤底の緩みにつながりやすい習慣やくせについて説明します。

40~50代は、更年期の訪れとともに心身の衰えを感じる年代です。骨盤底はもともと、子宮や膀胱などの臓器を支えている微妙な部位。この年代には、腟とその周辺の緩みや排尿の勢いの低下、尿意切迫感など骨盤底に関係する問題も増えてきます。妊娠・出産時に被った骨盤底の「古傷」が元になり、尿もれ(尿失禁)や子宮下垂になる人が増えるのもこの年代です。

そこで、とくに出産経験がある女性は、今はこれといった不具合はなくとも、40代を迎えたら1日1回10分間ほど、骨盤底というボディ・パーツを思い出しながら筋力トレーニングをしましょう。別に難しいことではなく、腰かけた姿勢や寝た姿勢で腟や肛門周辺の筋肉をまとめておへその方向へ引き上げる動作を10秒間ほど持続(このとき腹筋は使わない)、ゆっくり休んで筋肉を休ませてからまたくり返す、これを10分間ほど行えばいいのです。

骨盤底の筋肉が健常な人については、40~50代に骨盤底トレーニングを続けることで骨盤底障害を減らせる、発症を遅らせられると考えられています。一方、神経の病気があって骨盤底を正しくすぼめられない、出産のときに骨盤底に大きな傷を負い筋肉の一部が欠損しているなどの場合には、骨盤底トレーニングの効果はあまり期待できないこともあります。

骨盤底に痛みや不快感のある人が受診せずに自己判断で骨盤底トレーニングを続けることは、大いに問題があります。骨盤底トレーニングには痛みや不快感を治める効果がないばかりか、トレーニング中は骨盤底に意識を集中させるため、この部位の痛みや不快感をより強く感じるようになってしまうおそれがあります。

高齢者はトレーニング以前にメタボ対策や足腰の衰えを防ぐことが必要

年をとると尿もれする人が増え、骨盤底の健康は高齢になればなるほど重要です。骨盤底トレーニングは高齢者にも有用ですが、身体機能全般で考えるとき、膀胱・尿道機能だけでなく足腰の力や骨粗しょう症防止を含めて対策を立てないとQOL(生活の質)の向上や日常生活範囲の拡大につながりません。

骨格・筋肉がしっかりしていれば骨盤底障害はおこりにくく、また、まめに体を動かし全身の運動能力を維持している高齢者は、メタボリック症候群にもなりにくい傾向があります。メタボ対策や足腰の衰えを防ぐロハスな(環境や健康に意識の高い)生活などは、骨盤底障害とも密接な関係をもつテーマであるといえます。

この年代では、糖尿病、変形性脊椎症などが増加し、これらよくある疾患から来る骨盤底や排尿のトラブルが増えます。生活習慣病などであれこれと投薬を受けている高齢者には、多重投薬による膀胱障害がみられます。

若いときから骨盤底を意識して健康管理を

最後に、普段のちょっとしたくせや習慣が、骨盤底のゆるみにつながることもあるということを覚えておいてください。

たとえば、排尿するときおなかに力を入れたり、尿が止まった後に尿をしぼり出そうとおなかに力を入れる人がいますが、これは腹圧で膀胱の出口をこじ開けていることになります。排尿の度にこんなことをくり返していると、将来、おなかに力が入ったときに尿がもれる「腹圧性尿失禁」を起こす原因になるので、お腹の力で尿を絞り出すことは絶対にやめましょう。
また、便秘がちの人が毎日のようにトイレで長時間いきむのは、骨盤底が緩んで、年をとったとき肛門が下がってくる原因になります。スムーズに排便できるように、食事と生活を整えましょう。

以上、骨盤底と排尿機能の健康を保つためには、不具合を自覚する以前の長い地道な健康管理が必要、ということがご理解いただけたものと思います。

※この記事は2008年12月に配信された記事です

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