ヒトパピロマーウイルス(HPVウイルス)の感染によって発症する感染症が、尖圭コンジローマ。一見普通のイボのようで自覚症状もほぼありませんが、子宮頸がんと関わりのある病気です。尖圭コンジローマと子宮頸がんの関係について解説します。

イボかと思ったら性病だった! 子宮頸がんの発生を高める感染症

HPVウイルスには100種類以上の種類が

子宮頸がんの原因となっているのは、HPV(ヒトパピロマーウイルス)です。このHPVは、性行為によって感染します。ウイルスが皮膚に付着してもうつりませんが、性行為でできた目で見えないほど小さな傷から体内に入り感染。セックスの経験があるすべての女性に感染している可能性があるほど、実は身近なウイルスなのです。

HPVウイルスは、大きく分けて2つ。低リスク型と高リスク型、または良性と悪性とよばれています。低リスク型は、6型、11型などで、これらのウイルスは、尖圭コンジローマなどの良性の腫瘍の原因となります。

尖圭コンジローマは、感染すると性器や肛門周辺にカリフラワー状の、もしくは乳頭のような形のイボができます。軽い痛みやかゆみがありますが、自覚症状はほとんどありません。イボは外科手術で切除が可能。ただし、イボの根元まで完璧に除去するのが難しいため、ウイルスが残る場合がほとんど。3ヶ月以内に約25%が再発するといわれ、根気よく治療が必要な病気です。

尖圭コンジローマと子宮頸がんの関係とは?

HPVの高リスク型ウイルスは、16、18、31型など多数。子宮頸がんなどの悪性の腫瘍の原因となります。高リスク型に感染したからといってすぐに病気になるわけではなく、体の防御反応である免疫によって、ウイルスやウイルスによって病変した細胞はほとんどがなくなります。その確率は約70~90%と言われており、がんになるのはほんの数%です。また、感染からがんになるまでには、数年から数十年かかります。定期的に子宮頸がん検診を受けていれば、がんになる前の状態で病変を発見し治療することが可能です。

ただ、まれに低リスク型のウイルス感染によるものとされる、尖圭コンジローマのイボから高リスク型のウイルスが出ることもあります。そのため、まだはっきりとした因果関係はわかっていませんが、低リスク型と高リスク型のHPVウイルスの間に何らかの関係があるのではと考えられています。また、尖圭コンジローマを患うとほかの性感染症に感染している可能性も高いので、病院でしっかりチェックを受けましょう。

また数年前に、HPVウイルスを予防するワクチンが日本でも認可されました。HPV2価ワクチンは、子宮頸がんの主な原因となる、16、18型を予防するもの。HPV4価ワクチンは、子宮頸がんの原因ウイルスと尖圭コンジローマの主な原因である6、11型の両方を予防するものです。
対象は9歳以上の女性で、体に抗体を作るために半年に3回の注射が必要です。1回のワクチンにつき15000~20000円程度の費用がかかりますが、自治体によっては助成制度を設けているところもあります。接種する時にすでにウイルスに感染している場合にはワクチンの効果はなく、すでに発症している人に対しての治療効果もありません。
そのためセックスを経験する前の年齢にワクチンを接種することが重要とされるのです。ただ、ワクチンを受けても定期的に子宮頸がん検診を受けることは必要。ワクチンと検診の併用で、子宮頸がんを予防しましょう。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと