胎児への影響を考え、薬での治療が制限される妊娠中。そんな時、性病にかかってしまったら? その対処法をご紹介します。

妊娠中に性病が発覚! 赤ちゃんへの影響は? 治療はできる?

妊婦健診で早期発見が可能 適切な治療を受けて

性病は、不妊や早産、流産のほか、胎児へ健康被害を及ぼす場合もあります。妊娠中に性病になった場合は、どのように対応すべきでしょうか。

妊娠中、妊婦健診を受けていれば、胎児に影響のあるほとんどの性病について、血液検査でチェックができます。自覚症状がなくても、血液でウイルスの有無がわかるので発見が可能です。もちろん、体に異変があればその都度、医師に相談しましょう。

<妊娠中に注意したい性病>

◯クラミジア
日本で一番感染者が多い、性感染症です。妊娠中に感染して治療をせずにいると、子宮頸管炎や絨毛膜羊膜炎を起こして切迫流産や切迫早産につながる場合があります。

また、クラミジアに感染したまま通常分娩すると、産道感染する可能性があります。赤ちゃんに感染すると、新生児結膜炎や新生児肺炎に。クラミジアに女性がかかっている場合、パートナーも感染している可能性が高くなります。そのため、クラミジアが発覚したら、治療はパートナーも一緒に取り組んでもらうことが必要です。

◯カンジダ膣炎
もともと体に備わっているカビの一種の真菌が異常に繁殖して炎症を起こす病気です。免疫力が落ちた時に発症しやすく、妊娠中もかかりやすい時期のひとつ。

特につわりなどで体力が低下する妊娠初期にかかる人が多いようです。外陰部にかゆみが出たり、おりものがヨーグルトやカッテージチーズのようになったりするなどの症状が出ます。カンジダ膣炎は妊娠中も膣座薬による治療が可能。赤ちゃんに産道感染する可能性があるので、出産までに完治させるのがベストです。もし赤ちゃんに感染した場合、口の中にカビ菌が繁殖する鵞口瘡(がこうそう)や皮膚炎になる恐れがあります。

◯梅毒
ひと昔前に流行った性感染症で当時は不治の病と言われていた病気です。それが最近になって感染者が増え始めています。梅毒の症状は、体にしこりができる第1期から、神経まで侵される末期症状の第4期まで、悪化と回復を繰り返しながら進行していきます。現在では、治療が可能なのでほとんどが2期まで完治します。

無症状であっても、梅毒に感染した状態で妊娠している場合は、胎盤を通して母子感染し、赤ちゃんが先天性梅毒にかかる可能性があります。ただし現在では妊娠初期に必ず梅毒検査が行われ、妊娠中にも服薬治療できるので、ほとんどこういったケースはありません。

◯淋病
淋菌に感染することで、おりものの増加や不正出血、下腹部痛が起こる病気です。女性の多くは症状が出ず、気づかないまま放置しておくと、卵管炎や骨盤腹膜炎を起こし、不妊や子宮外妊娠の原因にも。

赤ちゃんへの影響は、出産時の産道感染です。赤ちゃんにうつると、結膜炎などの症状を引き起こす場合があります。妊娠中でも使える薬で治療が可能で、もし出産までに治療が間に合わない場合は、帝王切開での出産がすすめられます。また、淋病に感染している人のうち、20~30%の人がクラミジアにも感染していると報告されています。あわせて検査をしてもらいましょう。

◯HIV
HIVに感染し、治療をせずにいると、免疫力がだんだん弱くなって体を守れなくなるため、普段では病気にならないような細菌やウイルスで病気にかかってしまいます。こうなると、エイズ発症と診断されます。現在では、適切な治療を受けている人であれば、妊娠出産が可能です。

HIVに感染したまま、気づかずに出産した場合、赤ちゃんへの感染率は約30%。一方、HIV感染がわかった場合は抗HIV薬を服用し、帝王切開で出産、母乳を与えずに粉ミルクで育てる、生まれた赤ちゃんには抗HIV薬を6週間飲ませるなどの対策をとることができます。こうした対策で赤ちゃんへの感染率は1%以下に抑えることが可能に。さらに、どちらかがHIVに感染している夫婦でも、人工授精や体外受精によって、お互いに感染させることなく出産することが可能になってきています。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

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