食物として摂ったコラーゲンはそのまま肌に届くのでしょうか? 「コラーゲン=美肌」というイメージの商品は多いですが、コラーゲンの摂取が肌に有効かどうかを解説します。

コラーゲンは本当に効果があるの? 食べたコラーゲンは肌に届くのか

コラーゲンは、体の15%を占めるタンパク質のひとつ

肌によい成分の代名詞のように言われている、コラーゲン。コラーゲンが配合された食品やドリンクのパッケージには、「美肌」や「お肌プルプル」といったキャッチコピーが並びます。では、コラーゲンを食品で摂ると、美肌になるのでしょうか?

それを知るためにはまず、人間の体の構成要素について少し解説する必要があります。
体の約60%を占めるのは水で、次いで脂質が20%ほど。脂質は悪者と思われがちですが、細胞を包む細胞膜も脂質からできていますし、皮下脂肪としてエネルギーを蓄える大切な役割もあります。

3番目に多くを占めるタンパク質は量的に15%程度ですが、酵素をはじめ体の中で重要な役割を果たしています。ちなみに、タンパク質を英語でプロテインというのは「第一のもの」という意味のラテン語に由来します。また、炭水化物は体重の0.5%程度ですが、穀物などに多く含まれる重要な栄養素です。

これらタンパク質や炭水化物といった生体の分子には、モノマー(単量体)がたくさん結合しポリマー(多量体)を形成しているという共通点があります。プラスチック製品のポリエチレンがエチレンのポリマーであるのと同時に、タンパク質はアミノ酸のポリマー、また炭水化物はブドウ糖などの単糖のポリマーです。

タンパク質や炭水化物は栄養素として食物から摂取されますが、ポリマーは大きな分子なので、そのままでは消化管の上皮細胞を通して体の中に吸収されません。ポリマーをモノマーに分解(消化)する必要があるのです。

実は、コラーゲンの成分は体内で作られるから不要という説も

これをふまえた上で考えたいのが、コラーゲン。コラーゲンは、プロリンやグリシンなどのアミノ酸からなるタンパク質です。皮下組織をはじめとする結合組織に含まれる大切な物質ですが、「お肌プルプル」といった美肌効果が口から摂取したコラーゲンにあるものでしょうか?

コラーゲンを食べても、巨大なタンパク質のまま吸収されるわけはなく、結局はアミノ酸レベル(またはアミノ酸が2つのジベプチド)に分解されて吸収されます。コラーゲンの材料を摂取したともいえますが、体の中でそれがうまくコラーゲンになるとは限りません。

体内で作ることができず食物からも取る必要のあるアミノ酸を必須アミノ酸といいますが、実はプロリンもグリシンも体内で作ることのできる非必須アミノ酸。通常の食生活でコラーゲンの材料が足りなくなることは、まずないと言えます。コラーゲンのサプリメントをとっているからと、食事をおろそかにしては本末転倒であることを知っておきましょう。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

【参考】
『医師に聞けないあんな疑問 医師が解きたいこんな誤解』

【お話を伺った人】澤田めぐみ(さわだ・めぐみ)先生

内科医。東京医科歯科大学医学部卒。「医学を学ぶのは医師を目指す人たちだけ」という現状に疑問を抱き、「賢い医療消費者を育てたい」という思いから、2011年に日本で唯一の小中学生を対象とした医学教室「とう…

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