全身の健康を守るにはまず歯の健康から。歯周病は、歯をむしばむだけではなく、病気やメタボまで引き起こす。そのメカニズムと予防法を解説します。

成人の2人に1人が歯周病? 癌や病気、メタボを招く歯周病の原因とは

気をつけて!成人の2人に1人は歯周病&予備軍

歯周病は、歯の下にある骨などが歯周病菌によって破壊され、歯を支えられなくなってしまう病気です。最初は、歯肉が炎症で腫れる程度ですが、放っておけば歯ぐきから膿が出たり、激しく痛んだりして、最後には抜け落ちてしまいます。なんと、成人の2人に1人、30歳以上では80%以上が歯周病あるいはその予備軍といわれます。

歯周病は歯をむしばむだけではなく全身にも影響を及ぼし、最悪の場合は死に至るケースもあります。歯周病菌は、口の中から喉を通り、気管支や肺に入り込んだり、歯ぐきの血管に潜り込んで、血液と一緒に全身の臓器に運ばれていきます。心臓に達すれば「心内膜炎」や「心筋梗塞」の原因になるといわれます。また妊婦の羊水に至れば「早産」や、胎児の成長に悪影響を及ぼす恐れも。「がん」との関係も問題視されています。

さらに、歯周病がメタボリックシンドロームを招くことも知られています。歯周病になると、食べ物を噛みにくくなります。すると食事の時に噛む回数が自然と減り、食べるペースは早くなりがちです。私たちは食事中、お腹がいっぱいになったことを脳の満腹中枢の情報によって確認しています。この情報が伝わるまでに、10~20分くらい要するのですが、早食いだとその情報をキャッチするまでずっと食べ続けてしまうので、必要以上にカロリー過多になります。その結果、肥満を引き起こしてしまい、メタボの原因になるのです。

歯周病を防ぐには3つの原因を知ることから

病気や肥満の原因になる歯周病を予防するには、まず原因を知りましょう。歯周病には、大きく分けて3つの原因があります。
1つ目は、直接の原因となるプラーク(歯石)。この中には、食べ物のカスと一緒に微生物が張り付いたり、潜り込んだりしています。この微生物の中には歯周病菌も含まれ、それらが毒素を出し、歯を支えている骨までも溶かしてしまいます。

2つ目の原因は、遺伝による歯周病体質です。親が重度の歯周病で歯を失っているなど、当てはまる人は、予防により力を入れる必要があります。

3つ目は、食生活の偏り。栄養バランスが崩れると体の免疫機能が低下、歯周病菌の活動が活発になります。また、不摂生な生活習慣や喫煙なども、歯周病菌が活発になる要素です。

まずは「食べた後はしっかり歯を磨く!」が歯周病予防の基本

成人の2人に1人が歯周病? 癌や病気、メタボを招く歯周病の原因とは

歯周病予防には、食後にしっかり歯を磨くこと。基本的なことですが、これが一番大切です。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスも使って、徹底的にプラーク(歯垢)を除去しましょう。歯周病は慢性疾患で、完治できるものではありませんが、お口のケアを正しく行っていれば、進行を遅くすることは可能です。また、体の免疫機能が強い時は進行が停止し、弱まると進行するので、日頃から食事のバランス、生活習慣を改善して、免疫機能を高めておくことも大切です。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

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