【女性のからだの基礎知識】生理前・排卵日・生理後の心と体の変化の仕方

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

毎月おこる生理。その前後には、女性ホルモンの働きによって体に変化が訪れます。生理前から生理後の体の変化をまとめました。

【女性のからだの基礎知識】生理前・排卵日・生理後の心と体の変化の仕方

2つの女性ホルモンの状態によって4つの時期に分けられる

女性の心と体は、生理周期とホルモンバランスによって大きく変化します。女性ホルモンの影響は個人差が大きく、毎回生理に悩まされる人もいれば、まったく症状がない人もあります。

女性ホルモンには大きく分けて、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2つがあります。「エストロゲン(卵胞ホルモン)」は、卵胞を育み、子宮内膜を厚くして妊娠の準備をします。そのほか、コラーゲンの生成を促し、女性らしい体を作る働きも。

「プロゲステロン(黄体ホルモン)」は、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の働きにより分厚くなった子宮内膜を柔らかくして受精・着床を促し、妊娠した際、子宮を健康な状態に維持するため、水分や栄養素を溜め込む性質があります。生理前にむくんだりするのは、「プロゲステロン」の溜め込む性質が影響したものです。
これらの女性ホルモンの状態によって「月経期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」の4つに分けることができます。

生理が終わったら訪れる「卵胞期」は心も体も安定している時期

一番わかりやすいのが「月経期」。2つのホルモンが少なくなり、子宮の中で妊娠の準備をしていた子宮内膜がはがれて出血として出てきます。これが生理です。
生理が終わると訪れるのが「卵胞期」。月経が終わってから排卵するまでの時期を言います。この時期に、エストロゲンがたくさん分泌され、卵胞が徐々に育っていきます。同時に、受精卵が着床するためのベッドとなる子宮内膜を厚くさせます。エストロゲンには、コラーゲンを生成させる働きもあるので、この時期は肌もきれいで、自律神経も整っている時期です。心も体も安定しているので、何か新しいことにチャレンジするにもぴったり。卵胞期は通常、7~10日です。

不調が出やすいのは「排卵期」から「黄体期」

「卵胞期」とは逆で、不調が出やすくなるのが、「排卵期」「黄体期」です。「排卵期」は、排卵する時期のことで通常1~2日。成熟した卵胞がホルモンの刺激を受けて破裂し、卵子が卵巣の外に飛び出すのが排卵です。この時期を境に、エストロゲンは低下しはじめます。人によっては、排卵の刺激でお腹が痛くなったり、卵巣から出血したりする場合もあります。

「黄体期」は、排卵後から月経までの期間を示します。排卵期にいったん低下したエストロゲンも再び増加。同時に、プロゲステロンも増加する時期です。プロゲステロンは、子宮内膜の状態をよりよくし、妊娠の準備をします。この時期に妊娠しなければ、排卵から2週間経つと、少しずつ2つのホルモンが減少していき、不要になった子宮内膜がはがれて月経血となって、体外に排出されます。この期間は2週間と決まっており、生理不順の人でも同じです。プロゲステロンには、むくみや肌荒れ、便秘などの症状を引き起こす働きが。そのため、「排卵期」から「黄体期」は心身ともに不調が現れやすい時期ともいえます。

このように、生理前・排卵日・生理後に自分の体でおこる変化を知れば、スケジュールも立てやすく、体調不良になりそうな時は予定を変更したりなど事前に準備をすることも可能です。体の仕組みを知り、毎日快適に過ごせるように努めていきましょう。




生理前のイライラや体調不良(PMS)との上手な付き合い方とは?

【お話を伺った人】天野 恵子先生

千葉県衛生研究所所長 千葉県立東金病院副院長  1942年生まれ。東京大学医学部卒業(医学博士・循環器内科専攻)。東京大学講師、 東京水産大学教授を経て、現在千葉県衛生研究所所長 兼 千葉県立東金…

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(編集・制作 (株)法研

月経前の不快な症状は、月経前症候群(PMS)と呼ばれます。月経前症候群は、働く女性の7~8割が体験するといわれます。上手に対処して、快適に過ごしましょう。

働く女性の7~8割が体験

生理が始まる3~10日前から、なんとなくイライラする、ゆううつな気分になる、腹痛や腰痛が起こる。でも、生理が始まると、ケロリと治ってしまう…こんな体験をした人はないですか? これらの症状は月経前症候群(PMS)と呼ばれます。
人によって、症状が続く期間や現れかたに差がありますが、PMSは働く女性の7~8割が体験しているといわれます。「自分では自覚していなかったけれど、そういえば思い当たる…」という人も多いのではないでしょうか。
イライラして、つい、まわりの人にあたってしまい、後で自己嫌悪におちいる…こんなこともPMSが原因で起こることが多いのです。
必要以上に自分を責めず、PMSについて知識を持って、上手に対処したいものですね。

心身にさまざまな症状が

PMSが起こる原因は、ホルモンバランスの乱れや脳内神経伝達物質であるセロトニンの失調などが考えられます。
一般的には、月経開始の3~10日前から症状が現われ、月経が始まると軽くなる人もいますが、開始後も続いて、徐々に軽くなっていく人もいます。
身体的な症状で現れやすいのは、下腹痛、腰痛、頭痛、肩こり、めまい、乳房のはり、冷え、下痢・便秘など。食欲が亢進したり、逆に減退することもあります。さらに、むくみ、にきび、肌荒れ、疲れやすい、眠くなる、などの症状も起こります。
精神的な症状としては、イライラする、怒りっぽくなる、ゆううつ、無気力、涙もろくなる、不安感、性欲亢進または減退などです。
さらに、仕事、家事などに集中できなくなり、攻撃的になって口論が増える、人づきあいが悪くなる、などの社会的な影響もみられます。

このようなPMSを克服するには、いつどんな症状が現われるかを自分で自覚していることが大事。「生理前には不安定になる」と自覚しているだけで、いくらか苦痛がやわらぎますし、気持ちも前向きになります。
「今、生理前でイライラしてるの。ゴメンね」と、友達や周りの人にあらかじめ断っておくのもひとつの手でしょう。

治療は対症療法がメイン

PMSの治療は、症状に応じた対症療法が行われます。頭痛には頭痛薬、腹痛・腰痛には鎮痛剤、むくみには利尿剤、イライラには精神安定剤とそれぞれの症状をおさえる薬が処方されます。
鎮痛剤がクセになりそうで心配だ、という人もありますが、月に数日、鎮痛剤を服用する程度では、まったく心配ありません。痛みを放置してストレスを増幅させる方が、心身ともに負担が大きくなります。
ただし、月経痛が強すぎる場合は、婦人科を受診しておきましょう。日常生活に支障が出るほどの月経痛は「月経困難症」と呼ばれ、治療の対象になっています。また、子宮の発育不全や子宮筋腫、子宮内膜症、感染症による癒着などが背景にある場合もあります。

さらに、前述の対症療法に加え日頃から、生活習慣をととのえて、適度な運動をすることも重要です。ウォーキングやジョギングだけでも、背中や腹部に筋肉がついて血行がよくなり、腰痛がやわらぎます。
もちろんバランスのとれた食生活をすることも大切。ビタミンE、ビタミンB6(ナッツ類、豚肉、レバー、新鮮な魚、アボカド、プルーン、レーズンなどに豊富)を積極的にとりましょう。逆にカフェイン、塩、砂糖などは控えるようにしましょう。

PMSは、排卵があって、月経がくる人なら、誰でもかかる可能性があります。知識を持って、自分でうまくコントロールしたいものですね。また、症状が強い場合は、気軽に婦人科を受診して、少しでも不快感をやわらげたいものです。

※この記事は2006年11月に配信された記事です

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生理前の不調(PMS)むくみ・イライラ・頭痛に効果的な漢方薬とは?

【お話を伺った人】天野 恵子先生

千葉県衛生研究所所長 千葉県立東金病院副院長  1942年生まれ。東京大学医学部卒業(医学博士・循環器内科専攻)。東京大学講師、 東京水産大学教授を経て、現在千葉県衛生研究所所長 兼 千葉県立東金…

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(編集・制作 (株)法研

漢方で月経異常や子宮、卵巣などの病気を予防しましょう。漢方では、気・血・水が滞って病気になるといわれています。自分の体調をチェックしてみましょう。

その人の体質、症状で診断する

漢方は、6世紀頃、中国医学が日本に伝えられ、それが日本で独自に発達した、伝統医学です。
西洋医学では、臓器や組織の異常のある部分を見つけ、病名を決定し、治療を行います。ところが、漢方では、その人の体質や症状などから診断を下し、処方を決定します。ですから、病名は同じでも、処方が西洋医学と異なることがあるのです。

女性の身体は、男性に比べて筋肉が少ないため、熱やエネルギーを作り出すことが苦手です。また、微妙な女性ホルモンバランスを保っているため、自律神経が狂いやすく、気温の変化や冷房、飲食物でも身体に影響が出てしまいます。このようなことから女性は血行不良になりやすく、冷え症や月経痛をはじめとするさまざまな体調不良がおきます。
漢方では、体内のエネルギーのバランスが整った状態を「健康」と考えます。ですから、女性の抱える体調不良はエネルギーのバランスが崩れている状態ととらえ、バランスを取り戻せるようトータルで治療していきます。その際使われる漢方薬は、月経痛や冷え症といったひとつの症状を消し去るための薬ではなく、体調不良が起こらないよう体質改善するための薬といえるのです。
漢方薬の原料は、薬草の茎や根、葉を乾燥させたものや、動物、鉱物など。一般には、漢方薬は副作用がないと思われがちですが、これは間違いです。薬である以上、体調になんらかの作用を及ぼします。素人判断で安易に利用せずに、必ず、医師や薬剤師の指示を受けるようにしましょう。

生理前の不調(PMS)むくみ・イライラ・頭痛に効果的な漢方薬とは?

婦人科系疾患の原因になる「淤血(おけつ)」

漢方では、人間の体内をめぐる「気・血・水」に着目します。「気」は全身をめぐるエネルギー。同時に、精神的なはたらきも意味しています。「血」は血液そのものや、その循環。そして「水」は血液以外の水分代謝のことを指します。これらの3要素が、順調に体内を循環している状態が、漢方で考える健康です。

「気・血・水」のどれかが、異常を起こすと、体に不調が起こり、ひどくなると病気の症状が現われます。血液の流れが悪くなることを「淤血(おけつ)」と呼び、女性の場合は、婦人科系疾患の原因の一つになりやすいのです。

「淤血」は、血液のとどこおりです。腹診で、へそのまわりや下腹部を手で押して、抵抗感やひびくような痛みがあるときは、淤血のサインです。
淤血によって起こりやすい婦人科系の症状は、月経異常や卵巣炎、子宮内膜症など。それを改善するために、漢方ではどのような処方が行われるのでしょうか。

さまざまな漢方薬を知っておこう

生理前に、イライラ、頭痛、むくみなどが起こる月経前緊張症は、淤血以外にも、気・血・水のバランスが乱れていることが多いのです。その原因は、主に冷えと考えられています。また、夏場に冷たい飲食物をとり過ぎたり、無理なダイエットで体温が低下した場合には、冷えによって無月経になることもあります。

これらのケースでは、体力がある人には桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を、体力がない人には当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を処方します。桂枝茯苓丸は、月経異常だけでなく、卵巣炎、卵管炎、子宮内膜症、更年期障害などにも効果があるといわれています。

また、子宮筋腫のようなはれものやできものも、血流の異常が原因と考えられています。淤血を解消するために、桂枝茯苓丸や当帰芍薬散、加味逍遥散(かみしょうようさん)などが用いられます。また、骨盤内のうっ血に対しては、温経湯(うんけいとう)が効果を示すことがあります。

さらに、漢方薬は精神状態の不調にも効き目を持っています。最近、うつ傾向の人が増えているようですが、漢方ではうつは「気」と「水」の流れが滞ることととらえます。体力のある人には柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつばれいとう)、体力のない人には香蘇散(こうそさん)などを処方します。

月経によってホルモンバランスが変化する、女性のからだは、不安定になりがち。体をトータルにとらえ、体液やエネルギーの循環をととのえる、漢方医学の知恵を参考にしたいものですね。

(「よくわかる女性のからだ事典」天野恵子監修、法研より)

※この記事は2006年8月に配信された記事です

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ピルの入手方法や飲み方・ピルの基礎知識|ピルを使用できない人とは?

【お話を伺った人】松峯 寿美先生

東峯婦人クリニック院長・医学博士 東京女子医科大学卒。 専門は婦人科一般、不妊症治療など。 日本産婦人科学会専門医、思春期学会理事、東京女子医科大学非常勤講師など兼任。『マタニティホワイトブック』…

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(編集・制作 (株)法研

正しく使って自分の健康は自分で守る!確実な避妊にはピル、性感染症の予防にはコンドーム!ダブルブロックで自分を守りましょう。

ピルはどこで手に入るの?

低用量経口避妊薬=低用量ピル(以下ピル)は、日本ではかぜ薬などのように薬局などで買うことができません。使用には医師の処方が必要です。一般的には婦人科や産婦人科を受診して医師による問診や血圧測定を受け、問題がなければ処方してもらいます。以前は多くの検査が必要でしたが、2005年12月の「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」の改訂により、基本的には問診と血圧測定だけで入手できるようになりました。

まず問診でリスク因子がないかを確認し、リスク因子があれば必要な検査を行います。子宮がんや性感染症の検査などは健康管理のために重要ですが、ピルの処方に必要というわけではありません。ただ、せっかく産婦人科を受診するのですから、検査を受けていない人はこの機会に検査しておくのもよいことです。
ピルについてわからないことがあればささいなことでも質問し、きちんと説明してくれる医師を選びましょう。これをきっかけに、体のことを何でも相談できる「かかりつけ医」ができるとよいですね。

ヘビースモーカーはピルを使えない!

ピルは月経が始まる10代から50代で閉経するまで、ほとんどの女性が使うことができますが、なかには飲むと危険な人もいます。次のような人はピルの使用を避けるか、注意して使う必要があります。

●血栓症の人、あるいは血栓症にかかったことのある人
●脳・心血管系の病気にかかっているか、かかったことのある人
●乳がん、子宮体がん、子宮頸がんにかかっている人
●肝機能障害、高血圧、糖尿病、高脂血症にかかっている人
●妊娠、授乳中の人
●35歳以上で1日15本以上喫煙する人

血栓症のリスクの高い人はピルを使用できません。また、タバコを吸う人がピルを服用すると、血栓症や乳がんなどのリスクが高くなるといわれています。健康のためにもぜひ禁煙を! また、結核やてんかんの薬、ある種のサプリメントには、ピルの避妊効果を低下させるものがありますから、何か薬を服用している人は医師に相談しましょう。

二つのタイプと服用開始日が選べる

ピルは1カ月分(1周期分)が1シートに入っていて、シートに指示された順番どおりに飲んでいきます。「21錠タイプ」と「28錠タイプ」があり、服用開始日も自分で決めることができます。

服用期間はそれぞれ21日間と28日間で1周期です。「21錠タイプ」の服用方法は、1日1錠を21日間連続して飲み、22日目から7日間休薬し、8日目から新しいシートのピルを飲みます。「28錠タイプ」は、飲み忘れを防ぐため7日間は偽薬(ホルモンの含まれないプラセボ錠)を飲み続けます。飲み終ったら、翌日から新しいシートのピルを飲みます。

服用開始日は通常、月経の第1~2日目ですが、サンデースタートピルといって、月経が始まって最初の日曜日(月経が日曜日に始まった場合はその日)から服用を始めることもできます。サンデースタートピルのメリットは、月経が週の半ばに来るため、週末に用事がある人には便利なことです。しかし、服用を開始して最初の1週間は避妊効果がなかったり、少量の出血が続くことがあるので注意しましょう。

大切なのは飲み忘れしないこと。毎日同じ時間帯に飲むのが望ましいので、例えば朝食時や歯みがきのときなど、毎日の習慣と結びつけると忘れにくいでしょう。携帯電話にアラームをセットするのも一法です。飲み忘れは妊娠と不正性器出血(月経以外の出血)の可能性を高めますから注意しましょう。
それでも飲み忘れた場合は、24時間以内なら気づいたときただちに1錠飲み、その日の分も通常通りに飲みます(計2錠服用することになる)。24時間以上たってしまったら、次の月経開始日から新しいシートの錠剤を飲みます。月経周期を崩したくなければピルを続けて飲みますが、飲み忘れた日から新しいシートを飲み始めるまでは避妊効果がありませんから、別の避妊法との併用が必要です。プラセボ錠の飲み忘れは問題ありません。

性感染症予防にはコンドームを忘れずに!

ピルを飲んでいれば性感染症にもかからないと思っていたら大変! クラミジアやエイズなど、性行為でうつる性感染症はピルで予防することはできません。性感染症を予防するのはコンドームだけです。
性感染症は感染初期には症状のないものが多く、気がつかないうちにうつしたり、うつされたりすることがあります。しかも多くは女性のほうが感染しやすく、腹膜炎や不妊の原因になるなど被害も大きくなってしまいます。ピルはあくまで避妊用のため。性感染症予防にはコンドームを正しく使用して、自分の健康は自分で守りましょう。

※この記事は2007年2月に配信された記事です

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望まない・意図しない妊娠は約4割|低用量ピルの避妊効果とは?

【お話を伺った人】松峯 寿美先生

東峯婦人クリニック院長・医学博士 東京女子医科大学卒。 専門は婦人科一般、不妊症治療など。 日本産婦人科学会専門医、思春期学会理事、東京女子医科大学非常勤講師など兼任。『マタニティホワイトブック』…

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(編集・制作 (株)法研

ホルモンが作る女性のリズム。決めるのはあなた!避妊効果が高く副作用も少ないといわれるピル。あなたはどれくらい知っていますか?

自分のことは自分で決めたい

週刊誌やテレビで、芸能人の「できちゃった婚」のニュースをよく目にしますが、日本では避妊の失敗などによる「意図しない出産」や「望まない出産」が約40%弱もあるといわれています。問題なのは、望まない妊娠で仕事や学校を辞めざるを得なかったり、中絶したりする人が多いということです。

そういったことを避けるためにも、日ごろから避妊について考えておきたいものです。さまざまな避妊方法の中で何を選ぶのか、人任せにせず自分で決めるのが自立した女性!そのためには、十分な情報と正しい知識が必要です。

避妊効果が高く安全といわれるピルが広がらないのはなぜ?

1999年、アメリカから約40年遅れて低用量経口避妊薬=低用量ピル(以下ピル)が解禁され、避妊方法の幅が広がりました。でもピルについて、あなたはどれくらい知っていますか?

ヨーロッパを中心に、ピルは一般的に使われている避妊薬ですが、日本ではコンドームの利用が約8割と圧倒的に多く、ピルを利用している人はわずかです。ピルは避妊効果が高く、副作用も少ないといわれていますが、情報の少なさからか、なんとなく不安、ホルモンを飲むことに抵抗がある、などの理由で服用をためらう人が多いようです。

さらに、ピルの導入にあたってつくられた「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」によって、処方前にさまざまな検査が義務づけられたことも、ピルの利用が進まない原因の一つと考えられています。しかし2005年12月、日本産科婦人科学会などが同ガイドラインを改訂し、検査が大幅に簡素化されただけでなく、製薬会社などがピルの避妊以外の効用をうたってもよいことになりました。

妊娠を防ぐ3つの主な働き

女性には約4週間で1サイクルの月経周期があり、その間に月経と排卵が1回ずつ起こります。そして、排卵のときに出てきた卵子が子宮のほうへ運ばれる途中で精子と出会えば受精卵となり、子宮内膜に着床すると妊娠が成立します。ピルは、排卵を抑える、受精卵を子宮に着床しにくくする、精子を子宮に入りにくくするという、主に3つの働きで妊娠を防ぎます。

ピルは卵巣から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)と同じ成分を含む飲み薬で、これを飲むことで体が妊娠中に近い状態になり、排卵がストップします。また、ホルモンの働きで、精子が子宮に入りにくくなったり、受精卵が子宮内膜に着床しにくい状態になります。このように、何重にも避妊効果を高めているのです。

意外と知られていない、避妊以外のメリット

ピルを使ってみようと思ったら、また、ほかの避妊方法と比較するためにも、ピルのメリットとデメリットをしっかり押さえておきましょう。

メリット

●正しく使用すればほぼ100%の避妊効果があり、妊娠を希望するときは飲むのをやめればよい。
●月経周期をコントロールできる。ピルを飲むと月経周期がきちんと28日周期になり、いつ月経が来るかわかるため、スケジュールが立てやすい。ピルで月経をずらすこともできるため、たとえば、月経が旅行に重ならないようすることができる。
●女性の意思で避妊ができ、自分の体は自分で守る意識が生まれる。
●その他、月経痛が軽くなる、貧血が改善される、にきびがよくなる、子宮内膜症になりにくく悪化を防ぐ、長く飲み続けると子宮体がん・卵巣がんのリスクが減る、骨粗しょう症になりにくくなる、など。

デメリット

●毎日飲まなければならず、飲み忘れると避妊効果がなくなる。
●医師の処方が必要で、保険適用にならないため費用がかかる(月に約3000円~4000円程度)。
●飲み始めの2~3カ月は吐き気や頭痛、乳房の張りなどが起こることがある。
●血栓症のリスクの高い人は飲めない。
●性感染症は防げない(コンドームとの併用が必要)。

避妊だけでなく、健康面や月経周期の調整など女性のQOL(生活の質)をアップさせる効果が期待できるピルですが、上手に使いこなすためには正しい知識が必要です。
次回はピルの使い方についてご紹介しましょう。

※この記事は2007年1月に配信された記事です

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生理不順は病気のサインー生理周期が何日間だと注意が必要?

【お話を伺った人】中村 理英子先生

中村クリニック院長 1946年生まれ。1970年東邦大学医学部卒業後、同大学産婦人科学教室に入局。1991年より、東京・下北沢に中村クリニック(産婦人科・内科・皮膚科)を開設。女性誌などでも女性の…

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(編集・制作 (株)法研

月経周期の異常を放っておくと、不妊症や無月経の原因にも。ストレスや無理なダイエットも月経不順の原因に。基礎体温をつけて早期発見、早期治療。

注意が必要な頻発月経と稀発月経

女性のみなさんは自分の月経が何日周期なのか、正確に言えますか? 毎月のことなのに、意外と正確なことを知らないのが月経に関すること。変だなと思っても、よほどのことでないと「病院へ行くのは面倒くさいし、人に聞くのも何だか……。」という人が多いのでは。しかし、月経には女性の体の異常が現れます。異常を早く見つけるためにも、自分の月経についてよく知っておく必要があるでしょう。

月経周期とは生理が始まった日から次の生理が始まる日までを言い、成人女性の場合、通常25~35日くらい。月経周期が毎月一定の人もいれば、ばらつきのある人もいます。年齢、環境の変化やストレス、体調などで周期が不規則になることがあっても、多少のばらつきは問題ありません。注意しなければいけないのは、周期が24日以内の頻発月経と、周期が36日以上の稀発(きはつ)月経、これらは病的な月経不順とされています。いずれの場合も、排卵がある場合(排卵性)とない場合(無排卵性)があり、どちらであるのか見極めることが大切です。

基礎体温表をつけて、自分の月経サイクルを知ろう

排卵があるかないかは、基礎体温表をつけて観察するとわかります。正常な基礎体温のパターンをみると、低温期と高温期の2層に分かれていて、月経から排卵までの約14日間は体温が低く、排卵後から次の月経までの約14日間は体温が高くなっています。
低温期は卵胞期(らんぽうき)ともいい、卵巣の中の卵胞から卵胞ホルモンが分泌されます。排卵が起こると、卵胞が黄体へ変化して黄体ホルモンを分泌、黄体ホルモンには体温を高める働きがあるため、基礎体温が上昇します。この高温期を黄体期といいます。月経と月経の間にまったく高温期がない場合、排卵がないと考えられます。

このように、基礎体温をつけることで排卵の有無や卵胞期と黄体期のリズムがわかり、月経の異常の原因を見つける手がかりとなります。受診するときは2カ月程度の基礎体温表を持参すると、診断の助けになります。

20~30代で無排卵ならば治療が必要となることも

頻発月経も稀発月経も、無排卵性は思春期や成人の女性にも見られます。思春期には卵巣機能が未熟なために、排卵のない頻発月経を起こすことがありますが、この場合成長に伴って排卵が順調に起こるようになるため、とくに治療の必要はありません。成人女性ではストレスなどによる卵巣機能の低下が原因となって起こることがあります。20~30代の女性の場合、無排卵が長く続けば不妊症になったり、体の不調を招く原因にもなるため、ホルモン剤や排卵誘発剤などによる治療が必要となります。

頻発月経で排卵がある場合は、基礎体温の卵胞期が極端に短い場合と黄体期の極端に短い場合があります。性腺刺激ホルモンの異常や黄体ホルモンの分泌不足などの可能性があり、受診が必要です。
また、注意しなければならないのは、頻発月経だと思っていたら不正出血だったということが少なくないことです。不正出血の原因には子宮内膜症や子宮筋腫、子宮がんなど重大な病気も多いので、早めに婦人科を受診しましょう。

稀発月経は、ストレスや無理なダイエット、激しいスポーツなどが原因で起こることが多く、周期が長くても定期的で排卵もある場合は、あまり問題ないでしょう。いつ来るのかわからないくらい不定期な場合、卵巣や下垂体の機能異常である可能性がありますから、早めに受診しましょう。

無月経は3カ月以内に婦人科を受診して

3カ月以上月経がない場合を無月経といい、早めの治療が必要です。稀発月経同様に、ストレスや無理なダイエットなどでも起こりますが、脳の視床下部や下垂体の機能低下、甲状腺や副腎の病気、また卵巣や子宮の病気などが原因のことも考えられます。

月経不順と甘くみて長期間放っておくと、治療を受けてもなかなか効果が出なかったり、将来不妊症や骨粗しょう症になるリスクを高めることにもなります。ホルモン療法や漢方療法を行って、月経周期が順調になるようしていく必要がありますから、月経が起こらなくなったら、最低でも3カ月以内に受診して治療を受けましょう。

ストレスで月経不順が起こるのはなぜ?

月経周期をコントロールしている脳の視床下部や下垂体は、ストレスにかかわる自律神経の中枢(ちゅうすう)のすぐ近くに位置しているため、ストレスの影響を大きく受けます。そのため、ストレスの多い生活や無理なダイエットなどによってホルモンバランスが乱れ、ホルモン分泌が規則的に行われなくなって、次第に排卵できなくなります。

原因となる病気がなく、ストレスやダイエットからくる月経不順の場合、日ごろからストレスをためないこと、不規則な生活や睡眠不足を改め、禁煙し、食生活のバランスに気をつけることが大切です。

※この記事は2007年3月に配信された記事です

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